ゲーミングPC欲しいけど、拡張なんかしないし、場所もそんなに取りたくないなあ。と思っている人は多いと思う。
ゲーミングPCの利点としてよく挙げられるのはその拡張性であるが、拡張するユーザーはどれほどいるだろうか。わざわざケースを開けて、よくわからないパーツを買って付けてみようと思うだろうか。
ややネガティブな導入で恐縮だが、ゲーミングPC導入のメリットが、逆に導入の障壁になっている面はあると思う。
そんなユーザーにおすすめしたいのが、このTrident 3 13TC-064JPだ。拡張性をやや下げる代わりにコンパクトでわかりやすいゲーミングPCとなっている。具体的には、フルHDでいろんなゲームを遊びたいユーザーや、FPSやMOBAなどのeスポーツタイトルを初めてみたいユーザーにピッタリだ。
基本スペックは以下の通り。
■Trident 3(13TC-064JP)基本スペック
OS:Windows 11 Home
CPU:インテル® Core™ i7-13700F 16コア(8P+8E)24スレッド
GPU:NVIDIA® GeForce RTX™ 3060 8GB
チップセット:インテル® H610
メモリ:DDR4 16GB (8GB ×2) SO-DIMM
メモリ空きスロット:空きスロットなし(2スロット最大64GB)
SSD:1TB(M.2 NVMe)
有線LAN:インテル® イーサネット・コネクション Intel I225-V(10 / 100 / 1000Mbps / 2.5Gbps)
無線LAN:IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax
Bluetooth:Bluetooth 5.3
映像出力:DisplayPort 1.4a ×3
(7,680 × 4,320 / 60Hz)
HDMI 2.1 ×1
(7,680 × 4,320 / 60Hz)
インターフェース(前面):USB 3.2 Gen2 Type-C ×1 ※1
USB 3.2 Gen1 Type-A ×2
マイク入力 ×1
ヘッドホン出力 ×1
インターフェース(背面):USB 3.2 Gen2 Type-A ×1
USB 2.0 Type-A ×2
有線LANポート ×1
ライン出力 ×1
ライン入力 ×1
マイク入力 ×1
電源:330W ACアダプタ
本体サイズ:108.9 × 251.56 × 353.76(mm)
重量:約3.5kg
PCとは思えないコンパクトさ
まず外観を見ていこう。本体サイズは108.9 × 251.56 × 353.76(mm)。感覚としてはBDレコーダーやPS4(Slim)に近く、かなりコンパクトだ。PS5やフルサイズのタワーPCと比較するとかなり小さく、PCを導入したときにありがちな「思ったより大きかった」ということはないだろう。
デスクに置いても存在感はそこまでない。モニターの背面などに隠してしまうのも良いかもしれない。
縦置きと横置きの両方に対応している点も、家庭用ゲームのような印象を加速させる。側面が斜めなのでそのままでは自立しないが、専用のスタンドが付属しているので安心だ。
外観はスタイリッシュで、角のLEDも適度なゲーミング感を醸し出してくれている。
専用設計のケースであるため、コンパクトながらもインターフェースは豊富だ。前面にはUSB 3.2 Gen2 Type-C ×1(Thunderbolt 4、USB PD、Alt Mode非対応には非対応)、USB 3.2 Gen1 Type-A ×2、マイク入力、ヘッドホン出力が搭載されている。
背面側はマザーボードUSB 3.2 Gen2 Type-A ×1、USB 2.0 Type-A ×2、有線LANポート ×1、ライン出力、ライン入力、マイク入力がある。
Type-Cも含めると合計で6つのUSBポートがあるのはかなりうれしい。マウスキーボード、ヘッドセット、マイクを繋げてもまだ余裕がある。余談だが、Intel CPUのシールが背面にあるのも珍しい。また、コンパクトではあるがBluetoothとWi-Fiに対応している。無線接続も可能だ。
映像出力:DisplayPort 1.4a ×3(7,680 × 4,320 / 60Hz)、HDMI 2.1 ×1(7,680 × 4,320 / 60Hz)の最大4枚に対応しているが、GPUのスペックを考慮すると2枚程度にしておくのが懸命かもしれない。
興味がわいたので、許可を得てケースを開いてみた。ツメで固定されている底面を外し、2つのねじを外すとMSIマークのある面が横にスライドするので、ケースを開けることは比較的簡単だ(ツメが固い場合があるので、プラスチックの板などがあると良い)。
パネルを外すことでメモリへ簡単にアクセスできるので、増設は容易だ(自己責任にはなるので注意してほしい)。
マザーボードとGPUの2つがメインの区画になっている。もっとギチギチなものかと思いきや、案外ゆとりがあるので、廃熱もゆとりがありそうだ。
これは、主な熱源となるCPU、グラフィックスカードを独立した区画に配置することで、互いの熱が干渉しないMSI独自のSilent Storm Cooling 2システムを採用しているとのこと。
フルHDにちょうど良いスペック
実際に性能を見ていこう。本モデルはインテル® Core™ i7-13700FとNVIDIA® GeForce RTX™ 3060 8GBを搭載している。いわゆるエントリー〜ミドルスペックに値するが、フルHDで遊ぶなら性能は申し分ない。
CPU性能を計測するCinebench R23の結果は以下の通りだ。インテル® Core™ i7-13700Fは必要十分という印象であり、よほど極端な使い方をしない限り、性能不足に陥ることはないだろう。
『FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITIONベンチマーク』では以下のような結果になった。『FF15』はかなり重い3Dゲームだが、それでも快適に遊べてしまう。現状発売されているゲームのほとんどは、並みのグラフィック設定で遊べるはずだ。
また、NVIDIA® GeForce RTX™ 3060(8GB)では、光や反射などをリアルに描写するレイトレーシングにも対応しており、対応タイトルでは美しいグラフィックで楽しむことができる。フレームレートを自動で生成する技術「DLSS」では負荷を押さえながら高いフレームレートを出すことが可能だ。
また、『レインボーシックス シージ』の最高設定でのベンチマークは以下の通りだ。最低フレームレートですら240fpsを超えているので、『VALORANT』や『リーグ・オブ・レジェンド』といった競技制の高いゲームにおいては、余裕でその基準をクリアしてくれる。
近年はFPSをPCで遊びたい需要も多いが、「とりあえずFPSを遊べるPC」ならこの程度のスペックがちょうどよい。
筆者は実際に仕事用途として使ってみたが、OBSで録画をしつつのインタビューや、クリップを編集しながらゲームをするといった、日常的な使い方なら不満を感じることはなかった。4Kなどヘヴィな動画編集やゲームでは厳しいが、そこまでを求めないなら問題はない。
ここまで述べてきた通り、Trident 3 13TC-064JPはコンパクトでスタイリッシュな装いで、家庭用ゲーム機のような感覚で導入することができる。また、MSIのゲーム支援ソフトGame Stadiumもプリインストールされている。これはインストールしたゲームプラットフォームにアクセスできるほか、コントローラでカーソル操作などをできるようにカスタムするソフトであり、家庭用ゲーム機のような感覚で遊んでほしいという意図が垣間見える。
肝心なスペックも、フルHDで遊ぶなら必要十分であり、レイトレーシングやDLSSにも対応している点はポイントが高い。とりわけ、FPSを中心に遊びたいユーザーにとっては十分すぎるほどのスペックがあるのでおすすめだ。ゲームを遊ぶために特化したPCといえるだろう。
Trident 3 13TC-064JP製品ページ