【大会レポート】「Apex Legends Global Series」北アジア太平洋大会開幕!レギュラーシーズンに続き2022年最初の王者に輝き10万ドルを獲得したのは韓国のRiddle Order
提供元: eSports World
<以下、ニュースリリースより>
「Split 2」は2月下旬にスタート
株式会社CyberZ、エイベックス・エンタテインメント株式会社、株式会社テレビ朝日が運営する国内最大級のeスポーツエンターテインメント「RAGE」は、エレクトロニック・アーツが主催するバトルロイヤルシューティングゲーム「Apex Legends」の世界大会「Apex Legends Global Series」の北アジア太平洋大会となる「Apex Legends Global Series:Pro League Split 1 Playoffs - APAC North」を2022年1月23日(日)に開催しました。
実況の平岩康佑さん、解説のすでたきさん(ZETA DIVISION)が見守る中、優勝したのは韓国のRiddle Order。彼らはレギュラーシーズンで1位でしたが、それでも優勝までの道のりは平坦ではなく実力伯仲の展開が続いて決着は第10試合までもつれ込みました。
そして7時間近い戦いを経て優勝した彼らには優勝賞金の10万ドル、また個人キル数最多プレイヤーに贈られるApex Predatorの称号を手にしたobly選手には賞金1500ドルが贈られました。
「Apex Legends Global Series」は、3人1組のチームバトル形式バトルロイヤルシューティングゲーム「Apex Legends」の世界最高峰を決めるeスポーツ大会で、賞金総額は史上最高額となる500万ドル(約5.5億円)。この日の大会には2021年10月17日から行われたレギュラーシーズンを勝ち上がった日韓20チームが参加しました。このプレイオフではマッチポイント制ルールを導入。レギュラーシーズン上位10チームに与えられたシードポイント、各試合での順位ポイントやキルポイントの合計が50ポイントを超えたチームはマッチポイントとなり、マッチポイント到達以降の試合でチャンピオンになったチームが優勝というルールです。なお今大会の模様はYouTubeやTwitchで視聴可能。「Apex Legends Global Series:Pro League Split 2 - APAC North」は2月下旬に開催される予定です。
■「Apex Legends Global Series: Pro League Split 1 Playoffs - APAC North」配信URL
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=_QPWez0RCAY
Twitch:https://www.twitch.tv/esports_rage
優勝チームインタビュー
優勝したRiddle Orderの3選手は試合後のインタビューに応じました。KaronPe選手は「とてもうれしい。準備段階でいろんなことがあって少し心配もあったけど、こうして1位を取れたので喜んでいます」と素直に喜びを語ります。
準備段階で病におかされ12kgも体重が落ちたものの、この日通算25キルを果たしてApex Predatorとなったobly選手は「体調が悪かったので普段より頑張ったというところもあります。こんなに素晴らしいアジアのチームの中で1位を取れたのはうれしい。隣でサポートしてくれたコーチ、チームメイトのおかげだと思っている」と感謝しました。
また、そんなobly選手のことも踏まえてParkhaは「obly選手の体調不良もあって大変だったけど、その分頑張ったのが優勝という結果につながったのでうれしい。日本のファンのみなさんは、これからもサポートや応援をしてくださればありがたいです」とコメントを送りました。
最終結果


各試合の様子
【第1試合】チャンピオン:Flora
第1試合でチャンピオンになったのは、レギュラーシーズンでは4位だった。ポジション取りのよさが光った彼らは最後まで残ったFC Destroyをくだし開幕戦を制します。ただしFC Destroyも14キルとキルポイントを稼いでおり、この日本の2チームが総合ポイントで1位、2位に踊り出ました。
【第2試合】チャンピオン:Flora
第1試合で大暴れしたFC Destroyや昨年の年間王者のREJECTが早々に全滅し、参加チームのレベルの高さを感じさせる展開となった第2試合。その終盤でCTGいぶし銀、Lag Gaming、Team UNITEとの混戦を勝ち残ったFloraが2連続でチャンピオンに。彼らは15キル稼いで総合ポイントを46まで伸ばし、早くもマッチポイント間近となりました。
【第3試合】チャンピオン:V3 VEGA
第3試合の終盤は、獲得ポイント次第ではマッチポイントを狙えるRiddle OrderとTeam UNITEの2チームにベテランぞろいのV3 VEGAという三者の争いとなりました。この争いは他チームの動向を冷静に見極めたV3 VEGAが制してチャンピオンとなります。なおFloraはこの試合では4ポイント止まりだったものの、全チームで最初にマッチポイントに到達しました。
【第4試合】チャンピオン:V3 VEGA
第4試合ではマッチポイント到達チームのFloraが試合中盤に敗退した一方、上位のRiddle Orderはキルポイントでマッチポイント到達を確定させてもさらに奮戦を続けます。そのRiddle OrderとSengoku Gamingとの戦いに勝利し、チャンピオンとなったのは第3試合に続いてまたもやV3 VEGA。その裏でRiddle OrderとTeam UNITEがマッチポイントに到達します。
【第5試合】チャンピオン:V3 VEGA
Flora、Riddle Order、Team UNITEの3チームに優勝の可能性がある状態で始まった第5試合でしたが、終盤まで残ったのはTeam UNITEのみ。しかしそのTeam UNITEもGameWithらが残っていた終盤戦で敗れ、チャンピオンになったのは三度V3 VEGA。この試合の結果、驚異の3連続チャンピオンとなったV3 VEGAが4チーム目のマッチポイント到達チームとなりました。
【第6試合】チャンピオン:Quintette Fortissimo
第6試合は、勢いに乗っていたV3 VEGAが最初に全滅するという波乱の展開で幕を開けました。その傾向はしばらく続き、Riddle OrderとTeam UNITEも次々に全滅していき、優勝可能性のあるチームの中でFloraだけが終盤まで残ります。彼らも奮闘し、最後まで残ったQuintette Fortissimoをあとひとりまで追い詰めましたが、反撃を受けて優勝を逃してしまいます。
【第7試合】チャンピオン:456
第6試合に続いて4チームに優勝の可能性があった第7試合は、マッチポイント到達間近のチームが増えたためか多くのチームが早めに全滅しないよう慎重な立ち上がりを見せました。この試合では前試合で早期敗退していたV3 VEGAが終盤まで生き残りましたが、それを倒した456がチャンピオンに。またこの試合でQuintette Fortissimoがマッチポイントに到達しました。
【第8試合】チャンピオン:REJECT
第5試合までと打って変わって、さまざまなチームがチャンピオンとなっていく後半戦。第8試合では優勝可能性のあるFloraとRiddle Orderが最後の4チームまで残り、いよいよ優勝が決まるかと思われましたが、それを阻んだのがREJECTとLag Gaming。そしてREJECTが昨年の年間王者の意地を見せてLag Gamingを殲滅し、チャンピオンとなると同時にマッチポイントに到達しました。
【第9試合】チャンピオン:FC Destroy
マッチポイント到達チームが増えるものの、それ以外のチームが粘り強く優勝を阻む展開が続きます。第9試合ではQuintette FortissimoとTeam UNITEが終盤まで残ってFC DestroyやFENNELと競いましたが、チャンピオンとなったのはFC Destroy。そしてこの試合の結果、FC Destroyに加えてFENNEL、RIG、GTSがマッチポイントを獲得しました。
【第10試合】チャンピオン:Riddle Order
参加20チーム中10チームが優勝争いに絡むという拮抗した戦いは、第10試合でついに決着がつくことに。第4試合と早々にマッチポイントに到達しながら、ここまでチャンピオンにはなっていなかったRiddle Order。彼らはここでFAV_gamingとTeam UNITEとの三つ巴を制して今大会初のチャンピオンとなり、総合ポイント1位での優勝を決めました。
■「Apex Legends Global Series Pro League」概要
主催:エレクトロニック・アーツ
制作:RAGE(株式会社CyberZ、エイベックス・エンタテインメント株式会社、株式会社テレビ朝日)
ゲームタイトル:Apex Legends
■「Apex Legends Global Series: Pro League Split 1 Playoffs - APAC North」開催日程
開催日程:2022年1月23日(日)11時50分 配信
主催:エレクトロニック・アーツ
制作:RAGE(株式会社CyberZ、エイベックス・エンタテインメント株式会社、株式会社テレビ朝日)
ゲームタイトル:Apex Legends
■「Apex Legends Global Series: Pro League Split 1 Playoffs - APAC North」開催日程
開催日程:2022年1月23日(日)11時50分 配信
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優勝の感想をお聞かせください。Spring選手:長かった。『モンストスタジアム』をやっていて、つらい時期もあって、辞めようかとも思いました。最後の最後で優勝できて、本当によかった。HHP選手:毎大会、決勝大会まで行けて、優勝まで行けるポテンシャルは持っていたと思うんですけど、いつも行けなかった。ようやくたどり着けました。らせつ選手:(ここに来るまでに)何度も辞めようと思いました。でも、最後までやり続けて本当によかった。他のメンバーにも感謝しきれないくらいにサポートしてもらえて、ここまで来られました。あと、最後にミラノ風カルボナーラと戦えたのはうれしかったです。エルニーTOSSY選手:うれしいという気持ちと安心できているのと両方ですね。チームメイトの3人は本当に実力がある選手です。このメンバーに自分が加わることでどうなるか心配していましたが、メンバーは信頼してくれて、難しいショットの担当にしてくれました。期待に応えて難しいショットを決められたのは本当に良かった。——きまぐれクリティカルはずっと地方予選を突破し、決勝大会まで進出していました。ある意味、最も安定したチームと言えますが、それでも勝ち切れずに優勝を逃していましたが、今大会はどんな手応えだったのでしょうか。Spring選手:チームに流れが来ていたのは感じました。準決勝のはなまるブラザーズも決勝のミラノ風カルボナーラも強敵だったので、最後は気持ちで戦いに行きました。それがいい状態だったのかもしれません。らせつ選手:流れはありましたね。我々の負けパターンって、ミスしてリカバリーできずにそのまま負けることが多いんです。今大会は、何度かミスをやらかしていたんですけど、それでも勝ちきることができたので、運もあったと思います。実力とは違う部分で追い風があった気がします。——ミラノ風カルボナーラは「タイムアタックRound」が6位と絶えずピック選択権がなく、きまぐれクリティカルは「タイムアタックRound」が2位でずっとピック選択権を持っていました。これは有利に働きましたか。HHP選手:これまでグランプリのタイムアタックで3位以下になったことがないんですよ。なので、ピック選択権を得られることが多く、今回が特に有利とかはなかったですね。Spring選手:そうですね、あまり順位は気にしていませんでした。それよりも相手のやりたいことを考えて、それに対応できるピックをしようと考えていました。——決勝戦の2試合目では大きく離された状態から大逆転で勝ちましたが、あれは最初から織り込み済みだったのでしょうか。Spring選手:あれは序盤に思いっきりミスしました(笑)。あそこで一撃で終わらせられるかどうかは、できなくもないけど確率は低かったので、とりあえずやるだけやって、ダメだったら3試合目に備えようって考えていました。そこは運が良かったですね。エルニーTOSSY選手:自分たちもまさか倒せるとは思っておらず、勝ってもすぐに実感できず、ちょっと間が空いてしまいました。まさかの決着に優勝した瞬間、何が起こったかわからない状態のきまぐれクリティカル ——今回で「モンストグランプリ」が終了してしまいますが、最後の大会で名を残せたことについてはいかがですか。Spring選手:我々が最強なので(笑)。HHP選手:このゲームって昔に比べるとどんどんレベルが上がっていって、その最終環境の中で自分たちが一番強いことを見せられたのは本当にうれしいです。らせつ選手:来年があればシード権を獲得できたんですけど、そうかぁ、来年ないからシードもないのかぁ。まあ、いろいろ残念なところもありますし、悲しいですけど、何事も終わりはあるので。——グランプリが終了するだけでなく、『モンストスタジアム』も今年でサービス終了してしまうので、しばらくは競技シーンがなさそうですね。まあ、アプリごと復活するってことはゼロではないと思いますが。エルニーTOSSY選手:そうですね、グランプリに代わる競技ができればいいですね。——「モンストグランプリ」について、最後に気持ちをぶつけてください。HHP選手:大人になっても情熱をかけて打ち込めたものがあったのは本当に幸せでした。最後にいい形で終われたのは良かったです。Spring選手:2019年に開催された高校生向けの大会である「ジュニアグランプリ」から出場していました。(HHP選手とらせつ選手は)高校生の頃から一緒にやってきて、大人になってまで一緒にやれたのは本当に感慨深いです。そのうえで優勝できたのは本当にうれしいです。今回もこんなに大きな会場で対戦できて、去年よりも大きな声援を感じました。ファンと一体となって盛り上がれたので、ここで終わってしまうのはもったいない気がします。何かあればいいんですけど。HHP選手:終わってしまうことは悲しいですけど、我々にとっては競技シーンが続いてその渦中に居られたのは本当にラッキーでした。たまたま好きになったゲームが競技になって、たまたまそのゲームが得意で、本当にラッキーでした。『モンスト』自体の人気がなければ大会も開かれていませんでしたし、自分の得意なものを多くの人に披露できる機会もあったのは良かった。らせつ選手:2021年からずっと応援してくれたファンには本当に感謝です。グランプリが好きな人にも感謝です。終わるって話を聞いた時、なんで終わるんだろうと思ったけど、最後の大会だからこういった演出にしてくれたと思えるところもあって、心にくるものがありました。運営にも感謝。みんなには感謝しかありません。エルニーTOSSY選手:運営はもちろん、競技シーンを盛り上げてくれた仲間、ライバルが泣いているところをみて、背負ってやってきたんだなと実感しました。本当に関わった人すべてに感謝です。——ありがとうございました。優勝盾を掲げるきまぐれクリティカル 柴田将平アナインタビュー:「『モンストグランプリ』は私のゲーム実況の原点」 フリーアナウンサーとして独立して以降、「モンストグランプリ」に携わってきた柴田アナウンサーにも、最後の「モンストグランプリ」を終えた感想をうかがいました。——「モンストグランプリ」の実況を長年勤め、携わってきましたが、振り返ってみて、モンストグランプリについての感想をお聞かせください。柴田アナ:すごくいい大会でしたね。「モンストグランプリ」では、いつも以上に点での実況にならないように気をつけていました。点での実況になると試合試合のうまいプレーだけをピックアップすることになり、見たまんまで実況がいらなくなるとまで思っています。今大会も最高位がベスト4で優勝しきれない無冠の帝王のきまぐれクリティカルと、グランプリで2回の優勝を経験したのは4人だけの中、その功績に挑むミラノ風カルボナーラという、それぞれのチームの背景を紡いでいきたかった。「モンストグランプリ」は他のタイトルと比べても選手の熱さや思いが強いタイトルです。その熱さをしっかりと伝えられたことは良かったと思います。終わってしまうのは残念ですが、長いゲーム大会の歴史において、いい締めくくりであったとは思います。——柴田さんはテレビ局を辞めてフリーのeスポーツ実況に転身すると同時に、「モンストグランプリ」の実況を担当していました。いわば、柴田さんのeスポーツ実況の歴史と「モンストグランプリ」はリンクしていると思いますが、そのあたりはいかがですか。柴田アナ:2018年にフリーアナウンサーになってから現在まで、ずっと携わらせていただいている3タイトルがあります。『モンスト』『コンパス』『ポケモンカード』ですね。その3つはeスポーツ実況の軸になっていると思います。どのタイトルもそれぞれに熱い思いがあるんですが、参加する人たちの大会に対する思いは(モンストグランプリが)一番強く感じていました。それだけにその思いを伝えるために、最も実況する前の取材をしたタイトルでもありますね。私が担当してからの7年間をみても、いろんなことがありました。チームの解散があったり、メンバーの脱退があったり、ずっと届かなかったグランプリの優勝にようやくたどり着いたりと、それぞれのチームにドラマがありました。そこをしっかり取材させてもらったタイトルですね。——すべての試合、大会に思い入れがあると思いますが、それでも一番印象に残っている大会、試合はありますか。柴田アナ:あえて言うのであれば、2023年のグランプリですかね。それまでの競技シーンを支えていた今池壁ドンズαやGVなどの代表選手がチームを離れ、新たなチームとして参戦していました。そこに2019年のジュニアグランプリから登場した新星たちが挑んで来ました。ミラノ風カルボナーラときまぐれクリティカルはどちらも決勝大会に進出するも対戦する前に敗退。そして、決勝戦は先ほど言ったベテラン選手が新たに率いたMTTとクルセイダーズの対決となり、クルセイダーズが優勝しました。まさに新旧入り交じった集大成のような大会でしたね。ミラノ風カルボナーラのリーダーのleft選手は、2016年の今池壁ドンズの優勝をみてグランプリを目指すようになり、そこも繋がっていたんですよね。実況で思い出されるのは、2019年のグランプリですね。2018年に(JeSUの)プロライセンス制度が始まってプロ化の波が押し寄せてきた翌年、地方予選でプロチームが軒並み敗退し、決勝大会に進出できたのはアラブルズのみ。唯一残ったアラブルズの、プロとしての責任と意地が相まった熱い思いを伝えられたことが思い出されます。——大会自体も「XFLAG PARK」や「DREAMDAZE」ではなく、『モンスト』10周年を記念する「MONSTER STRIKE 10th Anniversary Party」の中で行われ、いつも以上に特別な大会でもありました。柴田アナ:その大会を受けて、今回の大会ではミラノ風カルボナーラときまぐれクリティカルの新たな力が決勝でぶつかったのは本当に運命的でしたね。今池壁ドンズαとGVがグランプリの中期を支えた代表的なチームだとすると、ミラノ風カルボナーラときまぐれクリティカルは間違いなく後期を支えたチームでした。この新旧のチームの活躍の前には、ミラノ風カルボナーラやきまぐれクリティカルよりも一歩早く、グランプリの最若手として登場したCatsの存在がありました。このチームが特異点となり、世代を紡ぎ始めていったと思います。——最後に、柴田さんがチームの人に良く聞いていたセリフだと思いますが、柴田さんにとって「モンストグランプリ」はどんな存在でしたか?柴田アナ:いつも聞いている立場ですが、自分がいざ聞かれると少し困りますね。そうですね、ゲーム大会の実況を教えてくれた原点かな。ゲームで一番大事なのは、人と人を繋げることだと思っています。それを教えてくれたのは「モンストグランプリ」です。ゲームをプレーする人の多くは、ひとりで遊ぶ。そこから人と繋がっていき、現在があります。同じチームとして練習し、ライバルと切磋琢磨し、お互いを認め合う。ゲームにとって一番大事なものがあった大会だった。今思うと、アナウンサーとして、大会の熱量に呼応するだけの表現力は足りていなかったかもしれません。おそらく実況している内容以上に、シーンごとに思い入れはありました。ストライクショットを決める柴田将平アナウンサー 国産タイトルとしてeスポーツ黎明期を牽引した「モンストグランプリ」の功績 実は筆者がモンストグランプリを取材しはじめたのも、2018年からです。当時はまだeスポーツという言葉も定着していませんでしたが、多くの観客を集めていたのには驚きを隠せませんでした。日本でもこのクラスの大会が開催できることをみて、eスポーツが観戦するエンターテインメントとして確立していくことを確信しました。プロライセンス制度の導入からプロツアーの開催と順風満帆と思えた『モンスト』の競技シーンでしたが、コロナ禍によって大きく後退せざるを得なくなりました。eスポーツはエンタメの中では、コロナ禍の影響を受けなかった部類にカウントされますが、それでも個々で見てみると大打撃を喰らったタイトルはいくつもあります。『モンスト』はそのひとつでしょう。eスポーツは海外発祥で、海外で発展してきたものを輸入してきた感があります。なので、eスポーツの中心はMOBAであり、シューティングでした。そこに『モンスト』が国産タイトルとして、日本のeスポーツを牽引できたことは大きな意味がありました。ジャンルを問わず競技シーンが作れること。日本有数のプレーヤー人口を誇る『モンスト』だからこそ日本でのeスポーツの知名度と理解を高めるのに役立ったこと。このふたつは、日本のeスポーツの発展に大きく寄与したのではないでしょうか。「モンストグランプリ」はこれで終了しますが、これで二度と大会が行われなくなるということではないと思います。環境や状勢が変わり、競技シーンを望む声が高くなれば、復活する可能性は十分にあると思います。これだけ熱量とポテンシャルのある大会は数多くありません。きっと一度休んで見直したあと、よりパワーアップした形で復活してくれると信じています。今は長年、多くの人を楽しませてくれた「モンストグランプリ」に感謝しかありません。写真で振り返る「モンストグランプリ」 最後に、2018年からのモンストグランプリの名シーンを振り返ります。2018年 「モンストグランプリ2018」では優勝の副賞としてカローラスポーツが提供されていました 優勝した今池壁ドンズα。この年からプロライセンス制度が始まります モンストプロツアーもこの年から始まりました。12月には秋葉原UDXでファイナルが行われ、多くの来場者を集めました ファン対応をする今池壁ドンズα 2019年 プロチームが1チームしか決勝大会に進めなかったという波乱が起きた「モンストグランプリ2019」。決勝戦ではどんどんススムンガの“伝説のこゆき”が炸裂しました 2年目となった「モンストプロツアー」は名古屋最終戦まで有観客で行われていました ファイナルでコロナ禍に突入し、急遽無観客での開催に。優勝したのはアラブルズ 2020年 2020年はコロナ禍が始まり、「XFLAG PARK」がオフライン無観客で行われました。「モンストグランプリ」は予選大会の開催もままならず、今大会では開催を見送っています 2021年 「モンストグランプリ2021」はなんとか開催できましたが、スタジオ撮りの無観客大会でした 「モンストグランプリ2021」から優勝トロフィーがティファニー社製に プロツアーはプロリーグと名を変え、復活。ファイナルはなんと12月31日の大晦日に開催し、年が明けて2年越しで開催されました。また、少ないながらも有観客での開催も解禁しています 「モンストプロリーグ2021」で優勝したのはCats 2022年 「モンストグランプリ2022」は、新世代代表といえるミラノ風カルボナーラが優勝しました 2023年 「モンストグランプリ2023」は、モンスト10周年アニバーサリーパーティにて行われました。『モンスト』を初期から支えた有名ストリーマー、YouTuberが出演。会場は音楽祭などが開催されえるホテルの大ホールで行われ、ゲームイベントとしては類を見ない豪華さでした 「モンストグランプリ2023」を制したのは、クルセイダーズ 2024年 舞台がDREAMDAZEに変わった「モンストグランプリ2024」はAMiiiiDA。プロツアーから参加しながら、プロライセンスに届かなかったななか選手がようやくプロライセンスを取得しました モンストグランプリ2025:https://event-info.monster-strike.com/grandprix/2025/モンスターストライク(モンスト)公式サイト:https://www.monster-strike.com/モンスターストライク スタジアム:https://www.stadium.monster-strike.com/
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- 【結果速報 7月21日】Blink Respawn 2025 スト6部門優勝はふ~どが逆転優勝!——ももちが「EWC」出場権を獲得
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- 【結果速報 7月13日】 7先×6試合のオフライン長期戦を制したのは、ベテラン・ふ〜ど! 「TOPANGA CHAMPIONSHIP 6(トパチャン6)」オフライン決勝
- 株式会社CELLORBが運営する『ストリートファイター6』のリーグ大会「TOPANGA CHAMPIONSHIP 6(トパチャン6)」のオフライン決勝が、7月11日(金)〜13日(日)にかけてラフォーレミュージアム原宿で開催され、総当たり戦の結果、ふ〜ど選手が優勝を果たした。TOPANGA CHAMPIONSHIPとは人気格闘ゲーム「ストリートファイター」シリーズを主軸に2011年から続く日本を代表するeスポーツ大会。長期リーグ形式でトップ選手が競い、オンライン予選とオフライン決勝を組み合わせたハイレベルな戦いが魅力だ。2025年の第6回は5月~7月開催、賞金総額300万円以上で、株式会社CELLORBが運営している。https://topanga.co.jp/topanga_championship6/ 「トパチャン」として初のオフライン決勝となった今大会は、勝ち上がった7名の選手による7本先取/BO13 (デュースあり・最大10本先取/BO19)の総当たり戦という、『スト6』の大会の中でも長丁場な大会だ。「CAPCOM Pro Tour」や「CAPCOM CUP」といったトーナメント方式の公式大会よりも、ひとりの選手との対戦が長くなるため、キャラ対策以上に試合の中で“人読み”の力や、相手の癖を見抜いて嫌がる行動を押し付けるなど、長期戦ならではの戦い方も求められる。しかもトーナメントと異なり、勝敗が決まる順番は①勝利数、②直接対決での勝敗、③得失点差と、1対1での純粋な勝利の価値が重要なルール。運要素が限りなく少なく、純粋な強さが求められる過酷な大会とも言える。そんなファイナルステージは全員が他の6人と総当たり戦。最大試合数である10-9、実に19ラウンドもの死闘を繰り広げる試合もある中で、5勝1敗という好戦績を収めたふ〜ど選手が優勝。優勝インタビューでは「アップデートによりエドが厳しくなった中で、ディージェイとダルシムを練習したことがけがの巧妙になった」と振り返り、「世界戦も勝ちに行くので応援お願いします」と早くも次の大会に向けて意欲を見せた。2位は4勝2敗で8ポイントの鶏めし選手。「去年のSFLでは活躍できなかったけれど、個人的に大満足な2位という結果は、対策を手伝ってくれた選手の皆さま、ファンの皆様のおかげ」と喜びをかみしめた。そして、3位にはエクストララウンドを勝ち抜き、オンライン・オフライン予選で唯一ふ〜ど選手に勝利したひびき選手が4勝2敗の6ポイントで入賞。「中学生から見ていた大会で、今回初めて7先の舞台に立って、成長につながる大会でした」と振り返った。成績表 FINAL STAGE順位選手名WINLOSEPOINT1 REJECT|ふ〜ど 5 1 19 2 IBUSHIGIN|鶏めし 4 2 8 3 SBI e-Sports|ひびき 4 2 6 4 ZETA DIVISION|ヤマグチ 3 3 -6 5 ZETA DIVISION|翔 3 3 2 6 FAV gaming|もけ 1 5 -15 7 Red Bull / CR|ボンちゃん 1 5 -14 配信アーカイブ FINAL STAGE|DAY1 FINAL STAGE|DAY2 FINAL STAGE|DAY3 ■関連リンクTOPANGA CHAMPIONSHIP 6 公式サイト:https://topanga.co.jp/topanga_championship6/TOPANGA 公式X:https://x.com/topangajapan©CELLORB ©CAPCOM
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- 【現地レポート】主人公は一般プレーヤー!——1,000人以上が参加したストリーマーSHAKA主催「LEGENDUS 頂」から見る新しいeスポーツの形
- 2025年6月28日(土)〜29日(日)に東京体育館にて、人気格闘ゲーム『ストリートファイター6』のeスポーツ大会「Red Bull LEGENDUS STREET FIGHTER 6 頂」が開催された。ストリーマーであるSHAKA主催の本大会は、「俺がやりたいことをすべてやる」をコンセプトに始動したイベントの一環で、1日目のオープントーナメントでは一般プレーヤー1,024名が会場に集結した。▲1日目のオープニングではSHAKA(写真中央)本人のあいさつからイベントがスタート。多くのファンがステージに釘付けだ 今回は、そんな「Red Bull LEGENDUS STREET FIGHTER 6 頂」の会場レポートをお届けしよう。キャラ愛に満ちた独自ルールがファンを魅了! 本大会の魅力は、なんといってもプロが参加できない大会であること。そして1日目の予選を勝ち抜いた選手は2日目にストリーマーとタッグを組んで優勝を目指すという点だ。つまり、予選では自分の実力がしっかりと試せる機会になっていて、2日目には憧れのストリーマーとチームを組んで戦えるというeスポーツ大会とストリーマーイベントが融合した画期的なシステムになっているのだ。また2日目の本戦に進むルールも独特で、本戦に進出できるのは『ストリートファイター6』の使用キャラクター24体のうちの16体のみ。各キャラクターを使用しているプレーヤーごとの1位が進出できるという仕組みだ。2日目の本戦では、そのキャラクターの代表となっているストリーマーとタッグを組むことになるため、使用キャラクターが同じプレーヤー同士で応援できる、いわばキャラ愛に満ちた観戦が楽しめるのも本イベントの魅力のひとつといえる。▲2階の観戦席は推しキャラ別自由席も。使用キャラが同じプレーヤー同士が集まることでより結束した応援が楽しめる マリーザの推しキャラ別自由席には、持参した横断幕を用意しているファンも。話を聞くと、「同じマリーザ使いの迷惑にならないよう、事前に横断幕を使っていいのかスタッフに確認した」とのこと。そして自分もプレーヤーではあるものの、より実力のあるマリーザ使いに参加してもらいたいということから今回は観戦者として参加したと語っていた。こういったところにもファン同士の結束が感じられる。▲赤いシルエットはマリーザの強力な必殺技「グラディウス」のシルエット。シンプルながらキャラ愛が込められいる横断幕だ プロ選手やインフルエンサーによる会場限定イベントも大盛況 大会とは別に会場を盛り上げていたのが、プロ選手やインフルエンサーによるイベントだ。各選手が登壇するコンテンツブースでは対戦会やトークショーなど、さまざまな催しが実施されていた。▲ZETA DIVISION所属のひぐち選手は、使用キャラであるガイルのコミュニティ「ガイル村」のコンテンツブースに出演。村長らしいトークショーを繰り広げていた ▲撮影会は長蛇の列。最終組の撮影を終えたひぐち選手と、ゲーム実況グループ「三人称」のドンピシャさんをパチリ またCrazy Raccoon所属 立川選手の「立川バレエ教室」は、コーチングをメインとしたコンテンツブース。立川選手ならではの座学が学べるということもあり、時折拍手や歓声が巻き起こっていた。▲ひとつひとつ丁寧に答えていく立川選手。まるで講習会のような人だかりで、時間がたつごとに人が増えていたのが印象的だ ユニークな魅力で注目を集めたのが、女性ゲーミングチームGS GAMING所属で、ふ〜ど選手の妻である倉持由香さんの似顔絵コーナー。訪れたファンの似顔絵を即興で仕上げていくコンテンツは、男性のみならず女性ファンからの人気も集め、イベントを盛り上げた。▲倉持さんはプロゲーマーのちょっと変わった日常を描く「格ゲーマー日常まんが」がSNSで話題に ▲優しいタッチのイラストで似顔絵を描いてもらえる貴重な機会が楽しめる メインコンテンツの大会だけでなく、ファンとして訪れた観戦者も楽しめるコンテンツが充実していたのも本イベントの魅力のひとつといえる。また、会場にはストリーマーをはじめとするインフルエンサーも多数来場。ふらっとその辺を歩いていたり、高台のブースでファンとの交流をしていたりと、eスポーツ大会とインフルエンサーイベントの融合が初日から楽しめるのもうれしいポイントだ。▲ストリーマーでありファッションモデルでもあるスタンミがレッドブルボーイに!? ▲『VALORANT』の元プロ選手でもあるLaz氏。格闘ゲームのイベントにもかかわらず、サインを求めるファンは後を引かない ▲REJECTを卒業し、個人勢ゲームストリーマー兼俳優として活動しているまざー3もファン対応に引っ張りだこ ▲ZETA DIVISION所属のファン太氏。ストリーマー黎明期からニコニコ生放送で声まね配信者として活動しているストリーマーだ。普段は覆面をしているので素顔が見られるのはレア!? ▲強豪プレーヤーがひしめくなか、デュシェンヌ型筋ジストロフィーという難病で、顎で操作するコントローラー通称「チンコン」で『スト6』をプレーするJeniさんの姿も ▲マノンのコスプレをしているのは、の平日はOLのコスプレーヤーのVEGAさん。神々しさすら感じるクオリティーは圧巻だ レバーはもはや絶滅危惧種!?気になる参加者に突撃取材 元ゲーマーである筆者にとって一般参加者のデバイスも気になるところ。特に「格ゲーはレバーアケコンが至高!」といった時代を歩んできたいにしえのゲーマーにとって、令和のゲーマーはどんなデバイスで参加しているのかは非常に興味深かった。しっかりと調査をしているわけではないので正確な数値ではないのだが、レバーを使用しているプレーヤーは非常に少なかった。現在『ストリートファイター6』において主流となっているのはレバーレスコントローラーとゲームパッド。特に多くのプロ選手が使用しているレバーレスコントローラーは一般プレーヤーにも浸透していた。ボタン配列にルールはない! 独自配列が光るレバーレスユーザー なにやら独特な配置をしているレバーレスを持っている彼。ボタン配列もさることながらキー配列もなかなかの独特。一般的に攻撃ボタンは左から順に弱、中、強と配列されているのだが、彼はその配列がバラバラ。例えば小キックはボタンの右端側に配列するなど、自分が入力しやすいボタン配列にカスタマイズしているのだとか。▲独自の回答を導き出したボタン配列。初見では脳がバグりそうな個性あふれるレバーレスだ レバーボールが空洞? 超軽量のアケコンユーザー 一般的なアケコンユーザーも一定数参加していたが、なかでも個性的なアケコンを持っていたプレーヤーに話を聞いてみた。ボタンは素早い入力に特化したプロ選手も愛用しているPUNK WORKSHOP製で、レバーボールは中空構造の軽量レバートップを採用。このレバーボールはイタリアを拠点とするアーケードコントローラーメーカーENTH Creationsが販売しているもので、国内でも一部のサイトでしか購入できないレアもの。軽量化されていることで素早い入力が可能になっている。▲形状も一般的な球体ではないのだが、これは球体のモデルが人気で売り切れていたため、代わりにこのバレットタイプを購入したのこと 絶滅危惧種になりつつあるレバーユーザーにも新たな選択肢があるのはうれしいポイントだ筐体は100円!? 持ち運びに特化した最軽量キーボード 最後に話をうかがったのはなんとも奇妙な形のキーボードプレーヤーだ。100均のプラケースが筐体という手作り感満載だがケースを開けると、一部のキーだけが配列されたオリジナルのキーボードがお目見え。とにかく持ち運びを重視したというこのキーボードは、フタをすればちょっとした防水になるし、ケーブルも収納できるというすぐれもの。▲キーを制御しているのはワンボードマイコンの「Raspberry Pi」。まさに職人ともいえるキーボードだ オフライン大会はこういった普段見ることができないプレーヤーのデバイスに出会えるのも醍醐味のひとつ。会場には野良試合ができるブースもあり、参加者だけでなく観戦者も気軽にコミュニケーションが取れる環境になっていた。▲対戦を楽しんでいる女子ふたり。話を聞くと大会には参加していないけど野良試合のブースにやってきたのだとか まとめ eスポーツの大会といえば、プロ選手が輝く競技シーンが主流だったが、近年はストリーマー主催のイベントが注目を集めている。「LEGENDUS 頂」はその最たる例で、一般プレーヤーが主役の大会ながら、観戦ファンや推し活勢など多様な来場者が集い、独自の熱狂を生み出している。このイベントの成功は、ストリーマーの影響力とコミュニティの力が融合した、新たなeスポーツ文化の形を示したことにほかならない。今後もこのような集客力の高いストリーマーやインフルエンサーが主軸となるイベントが増えていくのではないだろうか。▲近くのプールで泳いできた帰りにこのイベントがあることを知り、当日券で入ってきたという親子。eスポーツのイベントがこういった形でふらりと立ち寄れるのも時代の変化を感じる そんな熱狂と興奮が渦巻く「LEGENDUS 頂」をはじめとする、ストリーマー主催のイベントに飛び込んでみてはいかがだろうか。プレーヤーとして、観客として、あるいは推しを応援する一員として、この盛り上がりを担うのは今しかない!Red Bull LEGENDUS STREET FIGHTER 6 頂 公式:https://www.redbull.com/jp-ja/events/legendus-street-fighter-6-itadakiLEGENDUS 公式X:https://x.com/legendus_shaka撮影:いのかわゆう編集:いのかわゆう【井ノ川結希(いのかわゆう)プロフィール】ゲーム好きが高じて19歳でゲーム系の出版社に就職。その後、フリーランスでライター、編集、ディレクターなど多岐にわたり活動している。最近はまっているゲームは『VALORANT』。X:@sdora_tweet