このゲーミングノートPCのスペックを見ただけで浮かぶ二文字がある。それは「最強」だ。
本稿で紹介する「Stealth GS77 12U」に搭載されているのは、最新CPU・GPU、WQHD・240Hzのモニター、登場して間もないDDR5メモリ、SteelSeriesのRGBキーボードなどなど、「ぼくがかんがえた最強のゲーミングノートPC」と言わんばかりの最強パーツが、これでもかと採用されている。
本稿では、そのひとつひとつの魅力を紐解いていき、ゲームメディアライターとして実際に業務で使用してみたインプレッションをお伝えしたい。
まったく持って不満を感じない性能
本モデルには、最新の12世代CPU、インテル Core i9-12900H(14コア(6P+8E)20スレッド)と、GPUには、NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti Laptop(8GB GDDR6)が採用されている。
前者のCPUは、最新のノートPC向けCPUのハイエンドモデルであり、現状のノートPCに搭載できる最強のCPUと言えばわかりやすい。GPUは2022年1月に発表されたばかりのもの。前世代の GeForce RTX 2070 SUPER よりも最大 70% 高速だ。
筆者は実際に本モデルを用い、ZOOMでのインタビューを敢行、その模様をOBS Studioで録画し、Adobe premiereで編集しエンコードする業務を行ってみたが、カクつきや処理の遅さを一切感じることはなかった。重たい表計算ソフトや動画編集ソフトを使用しつつの会議など、マルチタスクも軽々とこなしてしまう性能は、たいていのビジネスユースで重宝する基礎的な部分だ。このようなヘヴィな業務を屋外で行えることはとても助かる。
ゲーミングPCというわけで、ゲーム用途として購入するユーザーも多いだろう。GPUはどうだろうか、これは実際に数値で見ていこう。まずはお馴染み『ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ』ベンチマークだ。
WQHD解像度(2560×1440)フルスクリーンモード、グラフィック設定「高品質(ノートPC)」で計測した結果は「非常に快適」。持ち運びの良さを生かして、クラフティングやギャザリングなど、細々した作業をこなすのも良い。
また、重めのゲームの代表格『バトルフィールド 2042』も見ていきたい。
こちらは設定「高」でレイトレーシングをON、DLSSを「ウルトラパフォーマンス」設定したところ、安定感を持ってプレイすることができた。やはりDLSSの恩恵は大きい。『バトルフィールド 2042』は推奨スペックが高いことでも知られており、設定によって環境表現が大きく異なる。高設定以上であれば、草木のリアリティや雨粒などの環境表現を余すことなく楽しめるだろう。
重めのゲームを中心に試したが、ファンは相応に回り始めるものの無理なく楽しむことができた。HD解像度へ落とすほか、ゲーム内の設定を調節することでより負荷を感じずに遊ぶこともできる。場所やシーン、ゲームに合わせて上手に付き合うことが大切だ。
有利に撃ち合える高リフレッシュレート
次にモニターを見ていきたい。本モデルでは、WQHD解像度(2560×1440)&240Hzの17.3インチノングレアパネルを採用している。これは簡単に言うと、高精細で高密度な描画を楽しめるというわけだ。
WQHDであれば、画面に表示できる情報量も多く、17.3インチという大画面も相まって、高性能CPUを存分に活用したマルチタスクで役に立ってくれる。筆者は画面を分割して、別々のウィンドウを見ながらの執筆活動などで重宝した。また、会議時も画面の半分を資料などに充てることができるのも嬉しい。
そして、240Hzという、驚異的なリフレッシュレートも必見だ。リフレッシュレートは1秒間に描写される絵を数値として表しているもので、一般的な60Hzモニターは、1秒間に60枚の絵を連続描写している一方、本モデルは1秒間に240枚の絵を連続描写することで、なめらかな画面が実現している。
これが何の役に立つのかというと、やはりゲームだ。筆者は競技性の高い『レインボーシックス シージ』や『VALORANT』などを好んでプレイしているが、フレームレートの高さは、確かに勝敗にわかりやすく直結してくる。動く敵や物陰から勢いよく飛び出す敵に対して瞬時に対応できる点で、フレームレートが高いほど撃ち合いは有利だ。
これでもかと詰め込まれた機能たち
この他にも、ゲームで重要なキーボードには「SteelSeries Per-Key RGB 日本語キーボード」が採用されている。やはり外付けとくらべてしまうと押し心地に物足りなさを感じることは否めないが、Thunderbolt 4端子など、3つの映像出力ポートを搭載することで、外部モニターで腰を据えて使うこともできる。自宅などではデスクトップPCのように使い、お気に入りのキーボードと組み合わせても良いだろう。
また、サウンドにはデンマークのハイエンドスピーカーメーカー「DYNAUDIO」とコラボレーションした、2スピーカー+4ウーファーが搭載され、立体的で迫力のあるサウンドが楽しめる。この他にも、顔認証を兼ねたWebカメラ(207万画素)や、指紋認証リーダー、SDXC対応のSDカードリーダーまで備えている。ノートPCに欲しい機能は一通り載っていると考えて良い。
コンパクトで無駄のないデザイン
本モデルは、MSIが送り出してきた従来の薄型シリーズである「GSシリーズ」のDNAを受け継ぎつつ、フラグシップな性能を融合させた「薄型フラグシップデザイン」の完全新作筐体だ。
高級感のあるボディは、所持欲を満たしてくれるだけでなく、20.8mmという薄さを誇る。17.3インチという大画面ながら、細いベゼルによって極限までコンパクトに詰め込まれた無駄のないデザインは、どこか洗練された印象を受ける。シックな刻印で静かに主張するMSIのロゴやサラサラとした手触りのアルミ削り出しボディは、ゲーミングと名の付くものにありがちなゴテゴテとした派手さを感じさせず、大人の装いだ。
ここまで述べてきた高性能なたくさんのパーツが、これほどの小さい筐体に収まっていることがにわかに信じがたいが、唯一の欠点を述べると、それはファンの音だ。底面に配置されたファンが負荷に応じて排熱するために、そこそこ大きな音が聞こえてくる。もちろん、アイドル時や軽い作業時はほぼ気にならないレベルではある。
満足できる「良いモノ」
試用した2週間強のあいだ、性能の良さと画面の大きさに魅了されたことは言うまでもないが、やはりその薄さは強調したい。筆者が普段使っているA4サイズ対応ビジネスバッグにも仕舞えるほどのコンパクトさで、持ち運びもラクラクだ。WQHDの17.3インチという大画面を楽に持ち運べるという点で、大きなアドバンテージがあるように感じた。
本モデルは、「とにかく一番良いモノが欲しい」というハイエンド志向のユーザーや、外でも快適に仕事・ゲームをしたいユーザーにオススメだ。ここまでハイエンドモデルとなると、どのユーザーもターゲットになり得る。仕事からゲームまで、シンプルで高級感のある筐体でスマートにサポートしてくれること間違いない。
■本レビュー機「GS77-12UGS-077JP」スペック
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