eスポーツタイトルを快適にプレイする上でゲーミングデバイスは欠かせない存在だ。中でもモニターは応答速度やリフレッシュレートなど、そのスペックによってはっきりと差が出るデバイスと言える。今回取り上げるゲーミングモニター「MSI MPG ARTYMIS 273CQRX-QD」は、没入感を高める湾曲パネルを搭載したeスポーツタイトルのプレイにぴったりのゲーミングモニターだ。

ここからは「ゲーミングモニターを利用するメリット」を踏まえつつ、実機画像やスクリーンショットを交えて製品特徴などを紹介していこう。

ゲーミング性能が高いレベルでまとまった27インチ湾曲モニター

まずはMPG ARTYMIS 273CQRX-QDの外観から見ていこう。2,560×1,440の解像度(WQHD)に対応しており、本体サイズは607.08mm(横)×260.88mm(奥)529.32mm(高)で、重量は約6.6kg。27インチの液晶パネル(VA/ノングレア)は人間の視野と同程度の湾曲率(1,000R)を誇り、外縁部が前方に向かって曲がっていることが分かる。一方モニター背面には各種設定を切り替えられる「NAVIキー」のほか、MSI製品を印象付けるドラゴンエンブレムが刻まれている。

 

▲MSI MPG ARTYMIS 273CQRX-QDの前面イメージ。比較対象は560mlのペットボトル

 

モニターを支えるスタンド部分はケーブルホールが空いているため、ケーブル類などをまとめて通しておけば、配線時に煩わしい手間をかけずに済む。別途でヘッドセットを使う場合はモニター側面のスイッチをカチッと押し込み、ワンタッチで収納可能なヘッドセットハンガーを使うと良いだろう。

 

そのほか、付属のマウスバンジーも嬉しい機能のひとつ。モニター下部の左右どちらにも取り付けることができるので、有線接続のゲーミングマウスを使っているユーザーは利用するのがオススメだ。

 

▲MSI MPG ARTYMIS 273CQRX-QDの背面イメージ。ドラゴンエンブレムは上部右側へ刻印済み

 

▲ヘッドセットハンガーがあればデバイスの置き場所に困らない(ヘッドセットは筆者の私物)

 

▲有線マウスのコードを固定できるマウスバンジー(付属)。モニター下部の左右に取り付け可能

 

続いてはユーティリティ面に注目したい。パネル部分のポジションはユーザー側で調節でき、それぞれ「上下角度/チルト」(-5°〜20°)、「高さ調節」(0~100mm)、「左右角度調整/スイベル」(-30°~30°)の範囲内で位置を変えられる。ただし湾曲パネルを採用している以上、ポジション変更は視野角や視認性を考える必要がある。ゆえにPCデスクへ設置する際、やはり正面に向けた状態で置くのが無難な選択と言えるだろう。

 

▲MSI MPG ARTYMIS 273CQRX-QDを上から見た様子。モニターが前方へ湾曲しているのが分かる

 

また、本体付属のスペーサーネジを使えば、別途でモニターアームを装着することもできる(VESA100規格)。PCデスク上をよりスッキリとまとめたい、他のゲーミングデバイスの置き場所を確保したいという場合は、スタンドを取り外してモニターアームを取り付けるのもおすすめだ。

 

▲MSI MPG ARTYMIS 273CQRX-QDのポート部分。HDMI端子やDisplayPortが並んでいる

 

▲MSI MPG ARTYMIS 273CQRX-QD付属のスペーサーネジ。モニター背面に取り付けて使用する

高リフレッシュレート&優れた応答速度がユーザーに勝利をもたらす

MPG ARTYMIS 273CQRX-QDは「量子ドット技術」を採用済み。従来のモニターよりも赤・緑・青といった光の三原色の再現性に優れるため、広色域を実現。色純度の高い発色を得意としている。このような量子ドットを搭載することにより、後述のゲーミング性能と高画質を両立させている。

 

そして、ゲーミングモニターを利用する最大のメリットは「滑らかなゲームプレイを保証する」という点にある。と言うのも、FPSや対戦格闘ゲームに代表されるeスポーツタイトルはゲームスピードが目まぐるしく、一般のPCモニターだと、プレイヤーの操作入力に対して表示遅延がどうしても生じてしまう。

 

▲MSI MPG ARTYMIS 273CQRX-QDの製品スペック一例(引用:https://jp.msi.com/Monitor/MPG-ARTYMIS-273CQRX-QD/Specification

 

こうした悩みを解消するのが、1秒間における画面の書き換え回数(リフレッシュレート/Hz)と応答速度に優れたゲーミングモニター製品だ。冒頭で述べた通り、MPG ARTYMIS 273CQRX-QDはしっかりとeスポーツタイトルに対応済み。リフレッシュレート240Hz、応答速度1ms(MPRT)と両数値とも申し分なく、遅延を抑えながら映像を表示してくれる。

 

加えて、モニターが湾曲していることで画面端の情報が視界に収まりやすく、没入感を高める上で一役買っている……というわけだ。もちろん映像の表現力も申し分なく、VESA DisplayHDR 400の規格を満たした液晶パネルにより、コントラスト表現に長けた力強い映像を楽しむことができる。

 

▲タクティカルシューター『VALORANT』プレイ画像。突発的な銃撃戦も戦いやすくなった

 

今回はライアットゲームズが手掛けるタクティカルシューター『VALORANT』でレビュープレイを試みたが、FPSにありがちな「自分が先に相手を見つけたのに撃ち負けた」という状況に苦しめられることなく、試合を通して快適に遊ぶことができた。やはりリフレッシュレートの高さ&応答速度の素早さが非常に重要。

 

ゆえに、ゲーミングモニターを使用する際は、ただケーブル類を接続して電源をつけるだけでなく、リフレッシュレートを正しく設定できているかという点を必ず見直すこと。なぜなら、「240Hzまで出るのに、設定していないから60Hzしか出ていない!」……なんて事態に陥るともったいないからだ。

 

▲PIP/PBP機能の利用イメージ。ノートPCの画面をMPG ARTYMIS 273CQRX-QDの画面内へ簡単に表示できる

 

便利な機能としては、ノートPC等の入力ソースから映像を取り込んで同画面に映し出すPIP/PBP機能も見逃せない。ユーザーの用途に応じ、使い方次第でゲームプレイからビジネスシーンまで真価を発揮できるのもMSI MPG ARTYMIS 273CQRX-QDの大切な魅力。さらにKVMスイッチ機能を使えば、同機に接続済みのデバイス類を2台のPC間で手軽に共有でき、必要ならばUSBメモリー等でそのままデータ転送も可能だ。

 

無論、映像表現に合わせた各種アシスト機能も搭載済み。代表的なもので言えば、チラつきを軽減する「アンチフリッカー」。黒フレームを挿入して映像ブレを抑える「アンチモーションブラー」。ユーザーの眼を保護する「ブルーライトカット」などなど、じっくりとPCゲームをやり込みたいユーザーを支えるべく、MSI MPG ARTYMIS 273CQRX-QDはサポート機能も充実。

設定時もモニター背面のNAVIキーから容易に行えるほか、専用アプリケーションのGaming Intelligenceをインストールしておけば、PCとUSB接続することによってキーボード・マウスでも設定が可能になる(アンチリッカーのみ設定不要)。

ゲーミングモニター入門の1台にもおすすめ

今回ご紹介したのは、WQHD対応モニター「MSI MPG ARTYMIS 273CQRX-QD」。ゲームプレイに必要なスペックはおおむね満たしており、「キレイにまとまったゲーミングモニター」というのが全体の印象。液晶パネルのサイズも27インチで丁度良く、湾曲モニターの特性も相まって高い没入感が得られること間違いなしの一品だ。

 

eスポーツタイトル用にゲーミングモニターを使ってみたい方を含め、興味のあるかたはぜひMPG ARTYMIS 273CQRX-QDをチェックしてみよう。

■MPG ARTYMIS 273CQRX-QDスペック表

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