
eスポーツタイトルを快適にプレイする上でゲーミングデバイスは欠かせない存在だ。中でもモニターは応答速度やリフレッシュレートなど、そのスペックによってはっきりと差が出るデバイスと言える。今回取り上げるゲーミングモニター「MSI MPG ARTYMIS 273CQRX-QD」は、没入感を高める湾曲パネルを搭載したeスポーツタイトルのプレイにぴったりのゲーミングモニターだ。
ここからは「ゲーミングモニターを利用するメリット」を踏まえつつ、実機画像やスクリーンショットを交えて製品特徴などを紹介していこう。
ゲーミング性能が高いレベルでまとまった27インチ湾曲モニター
まずはMPG ARTYMIS 273CQRX-QDの外観から見ていこう。2,560×1,440の解像度(WQHD)に対応しており、本体サイズは607.08mm(横)×260.88mm(奥)529.32mm(高)で、重量は約6.6kg。27インチの液晶パネル(VA/ノングレア)は人間の視野と同程度の湾曲率(1,000R)を誇り、外縁部が前方に向かって曲がっていることが分かる。一方モニター背面には各種設定を切り替えられる「NAVIキー」のほか、MSI製品を印象付けるドラゴンエンブレムが刻まれている。

▲MSI MPG ARTYMIS 273CQRX-QDの前面イメージ。比較対象は560mlのペットボトル
モニターを支えるスタンド部分はケーブルホールが空いているため、ケーブル類などをまとめて通しておけば、配線時に煩わしい手間をかけずに済む。別途でヘッドセットを使う場合はモニター側面のスイッチをカチッと押し込み、ワンタッチで収納可能なヘッドセットハンガーを使うと良いだろう。
そのほか、付属のマウスバンジーも嬉しい機能のひとつ。モニター下部の左右どちらにも取り付けることができるので、有線接続のゲーミングマウスを使っているユーザーは利用するのがオススメだ。

▲MSI MPG ARTYMIS 273CQRX-QDの背面イメージ。ドラゴンエンブレムは上部右側へ刻印済み

▲ヘッドセットハンガーがあればデバイスの置き場所に困らない(ヘッドセットは筆者の私物)

▲有線マウスのコードを固定できるマウスバンジー(付属)。モニター下部の左右に取り付け可能
続いてはユーティリティ面に注目したい。パネル部分のポジションはユーザー側で調節でき、それぞれ「上下角度/チルト」(-5°〜20°)、「高さ調節」(0~100mm)、「左右角度調整/スイベル」(-30°~30°)の範囲内で位置を変えられる。ただし湾曲パネルを採用している以上、ポジション変更は視野角や視認性を考える必要がある。ゆえにPCデスクへ設置する際、やはり正面に向けた状態で置くのが無難な選択と言えるだろう。

▲MSI MPG ARTYMIS 273CQRX-QDを上から見た様子。モニターが前方へ湾曲しているのが分かる
また、本体付属のスペーサーネジを使えば、別途でモニターアームを装着することもできる(VESA100規格)。PCデスク上をよりスッキリとまとめたい、他のゲーミングデバイスの置き場所を確保したいという場合は、スタンドを取り外してモニターアームを取り付けるのもおすすめだ。

▲MSI MPG ARTYMIS 273CQRX-QDのポート部分。HDMI端子やDisplayPortが並んでいる

▲MSI MPG ARTYMIS 273CQRX-QD付属のスペーサーネジ。モニター背面に取り付けて使用する
高リフレッシュレート&優れた応答速度がユーザーに勝利をもたらす
MPG ARTYMIS 273CQRX-QDは「量子ドット技術」を採用済み。従来のモニターよりも赤・緑・青といった光の三原色の再現性に優れるため、広色域を実現。色純度の高い発色を得意としている。このような量子ドットを搭載することにより、後述のゲーミング性能と高画質を両立させている。
そして、ゲーミングモニターを利用する最大のメリットは「滑らかなゲームプレイを保証する」という点にある。と言うのも、FPSや対戦格闘ゲームに代表されるeスポーツタイトルはゲームスピードが目まぐるしく、一般のPCモニターだと、プレイヤーの操作入力に対して表示遅延がどうしても生じてしまう。

▲MSI MPG ARTYMIS 273CQRX-QDの製品スペック一例(引用:https://jp.msi.com/Monitor/MPG-ARTYMIS-273CQRX-QD/Specification)
こうした悩みを解消するのが、1秒間における画面の書き換え回数(リフレッシュレート/Hz)と応答速度に優れたゲーミングモニター製品だ。冒頭で述べた通り、MPG ARTYMIS 273CQRX-QDはしっかりとeスポーツタイトルに対応済み。リフレッシュレート240Hz、応答速度1ms(MPRT)と両数値とも申し分なく、遅延を抑えながら映像を表示してくれる。
加えて、モニターが湾曲していることで画面端の情報が視界に収まりやすく、没入感を高める上で一役買っている……というわけだ。もちろん映像の表現力も申し分なく、VESA DisplayHDR 400の規格を満たした液晶パネルにより、コントラスト表現に長けた力強い映像を楽しむことができる。

▲タクティカルシューター『VALORANT』プレイ画像。突発的な銃撃戦も戦いやすくなった
今回はライアットゲームズが手掛けるタクティカルシューター『VALORANT』でレビュープレイを試みたが、FPSにありがちな「自分が先に相手を見つけたのに撃ち負けた」という状況に苦しめられることなく、試合を通して快適に遊ぶことができた。やはりリフレッシュレートの高さ&応答速度の素早さが非常に重要。
ゆえに、ゲーミングモニターを使用する際は、ただケーブル類を接続して電源をつけるだけでなく、リフレッシュレートを正しく設定できているかという点を必ず見直すこと。なぜなら、「240Hzまで出るのに、設定していないから60Hzしか出ていない!」……なんて事態に陥るともったいないからだ。

▲PIP/PBP機能の利用イメージ。ノートPCの画面をMPG ARTYMIS 273CQRX-QDの画面内へ簡単に表示できる
便利な機能としては、ノートPC等の入力ソースから映像を取り込んで同画面に映し出すPIP/PBP機能も見逃せない。ユーザーの用途に応じ、使い方次第でゲームプレイからビジネスシーンまで真価を発揮できるのもMSI MPG ARTYMIS 273CQRX-QDの大切な魅力。さらにKVMスイッチ機能を使えば、同機に接続済みのデバイス類を2台のPC間で手軽に共有でき、必要ならばUSBメモリー等でそのままデータ転送も可能だ。
無論、映像表現に合わせた各種アシスト機能も搭載済み。代表的なもので言えば、チラつきを軽減する「アンチフリッカー」。黒フレームを挿入して映像ブレを抑える「アンチモーションブラー」。ユーザーの眼を保護する「ブルーライトカット」などなど、じっくりとPCゲームをやり込みたいユーザーを支えるべく、MSI MPG ARTYMIS 273CQRX-QDはサポート機能も充実。
設定時もモニター背面のNAVIキーから容易に行えるほか、専用アプリケーションのGaming Intelligenceをインストールしておけば、PCとUSB接続することによってキーボード・マウスでも設定が可能になる(アンチリッカーのみ設定不要)。
ゲーミングモニター入門の1台にもおすすめ
今回ご紹介したのは、WQHD対応モニター「MSI MPG ARTYMIS 273CQRX-QD」。ゲームプレイに必要なスペックはおおむね満たしており、「キレイにまとまったゲーミングモニター」というのが全体の印象。液晶パネルのサイズも27インチで丁度良く、湾曲モニターの特性も相まって高い没入感が得られること間違いなしの一品だ。
eスポーツタイトル用にゲーミングモニターを使ってみたい方を含め、興味のあるかたはぜひMPG ARTYMIS 273CQRX-QDをチェックしてみよう。
■MPG ARTYMIS 273CQRX-QDスペック表

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Broadcast」が利用できる点は見逃せない。これはAIの力を使って、マイクやカメラの品質を向上させるツールだ。キーボードの打鍵音やPCのファンの音、家族の生活音などを強力にカッするノイズ除去、グリーンバックなしで、背景をぼかしたり、別の画像に差し替えたりできるバーチャル背景、Webカメラが自分の顔を追従するように自動でズーム・トリミングを行うオートフレーミングなど、多くの機能を持つ。 このPC1台あれば、今すぐ高いクオリティで配信を始めることができる。これからストリーマーやVTuberとして活動したいと考えている人にとっても、フェイストラッキングの精度向上や背景透過の負荷軽減など、恩恵があるだろう。 また、MSI独自のソフトウェア「MSI Center」に含まれる機能「MSI AI ENGINE」は、ユーザーが今PCで何をしているかをリアルタイムで検知する。例えば、ゲームを起動すれば自動的にパフォーマンスを最大化「Extreme Performance」モードへ移行し、ライティングを盛り上げる設定に切り替わる。逆に、Wordでレポートを書いたりWeb会議を始めたりすると、ファン回転数を落とした「Silent Mode」へとシームレスに移行する。ユーザーはいちいち設定画面を開く必要がない。「ただ使うだけ」で、PCが勝手に最適な環境を提供してくれるのだ。 そのほか、メモリには、最新規格のDDR5を32GB(16GB×2)標準搭載。一昔前までは16GBあれば十分と言われていたが、最新ゲームの要求スペック上昇や、配信ソフトの同時起動、そしてブラウザで大量のタブを開く現代の利用スタイルを考えると、32GBはもはや「必須」のラインだ。動画編集においても、メモリ容量はプレビューの快適さや書き出し速度に直結するため、最初から32GB搭載されている点は、現在はAI需要によりメモリが大幅に高騰していることを鑑みても、非常にコストパフォーマンスが高い。 ◆長く使うための「優しさ」 スペック表の数値には表れない、毎日の使い勝手に関わる部分もしっかりと作り込まれている。 日本の住宅事情において、自室までLANケーブルを引くのが難しいケースは多い。しかし、本機は最新の「Wi-Fi 6E」に対応している。これは従来の2.4GHz帯や5GHz帯に加え、新しく開放された「6GHz帯」を利用できる規格だ。6GHz帯は干渉を受けにくいため、有線LANに迫る安定した高速通信が可能になる。LAN配線から解き放たれ、部屋のレイアウトを自由に決められるのは大きなメリット。 また、フロントパネル上部には、アクセスしやすい位置にUSB Type-Cポートを配置。スマートフォンとのデータ転送や、外付けSSDへの動画データのバックアップなどがスムーズに行える。ケース内部は、CPU、GPU、電源ユニットそれぞれの熱源を独立した区画で冷却する設計になっており、長時間のゲームプレイでも熱による性能低下(サーマルスロットリング)を防ぐ。 また、MSIのライティング機能「Mystic Light」に対応しており、ケース前面のLEDカラーや発光パターンを自分好みにカスタマイズ可能。ゲーミング部屋の雰囲気に合わせて色を変える楽しみもある。 そのほか、本製品は「国内2年間保証」が標準で付帯する。一般的なPCの保証期間は1年であることが多いため、2倍の期間保証されるのは製品への自信の表れであり、初心者にとっては大きな安心材料となるはずだ。 ◆迷ったらこれを選べば間違いない「万能マシン」 「MSI MAG Infinite E1 14NVL5-244JP」を総評すると、現時点におけるミドルレンジゲーミングPCの「最適解」と言って差し支えない。 ・Core i5-14400F × RTX 5060:最新ゲームもeスポーツも快適に動く確かな基本性能。 ・DLSS 4 & AI機能:次世代技術により、スペック以上の体験と快適性を提供。 ・配信・クリエイティブ対応:32GBメモリとNVIDIA Broadcastで、活動の幅が広がる。 2年保証とWi-Fi 6E:導入のハードルを下げ、長く安心して使える配慮。 「初めてのゲーミングPCで絶対に失敗したくない」「3〜4年前のPCから買い替えて、最新ゲームを最高の設定で遊びたい」「ゲームだけでなく、配信や動画制作にもチャレンジしてみたい」 これら全てのニーズに対し、高いレベルでしっかり応えてくれるのが本機だ。PC選びという迷宮に迷い込んでいるなら、この「MSI MAG Infinite E1 14NVL5-244JP」を選んでおけば間違いない。あなたのゲームライフ、そしてクリエイティブライフを次のステージへと引き上げる、最高の相棒になってくれるはず。 ◆プレゼントキャンペーン実施中 本稿で紹介した「MSI MAG Infinite E1 14NVL5-244JP」の発売を記念し、MSI JAPANの公式Xでは本機がゲットできるキャンペーンを実施中。アカウントをフォローのうえで当該ポストをリポストし、「#MSIゲーミングPCで快適デビュー」をつけリプライすることで参加できる。締め切りは2025年11月30日(日)いっぱいだ。忘れずに参加しよう。 https://x.com/MSI_JP/status/1986086110125052002?s=20 「MSI MAG Infinite E1 14NVL5-244JP」公式サイト: https://jp.msi.com/Desktop/MAG-Infinite-E1-14NVL5-244JP 「MAG 255F E20」公式サイト: https://jp.msi.com/Monitor/MAG-255F-E20
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- 【レビュー】AIがゲーミング体験を革新! 省スペースの怪物「MPG Trident AS AI 2NVL5-024JP」
- 提供:エムエスアイコンピュータージャパン ゲーミングPCの世界は、単なる処理速度の競争から、AIと共に進化する新たなステージへと突入した。その最前線に立つ一台が、MSIから登場した「MPG Trident AS AI 2NVL5-024JP」だ。 最新世代のIntel Core Ultra 5 225FとNVIDIA GeForce RTX 5060がもたらす圧倒的なパワーを、ゲーム部屋やリビングにも自然に溶け込む、コンパクトで洗練された筐体に凝縮。パフォーマンスを追求するコアゲーマーから、デザインと省スペース性を重視するスマートなユーザーまで、幅広い層にとって魅力的な選択肢となり得る、次世代マシンの実力に迫る。 ◆新世代の心臓「AI Gaming PC」というコンセプト 「MPG Trident AS AI 2NVL5-024JP」が従来機と一線を画すのは、その心臓部が「AI Gaming PC」という新たなコンセプトに基づいて設計されている点にある。本機は、省電力なAI処理を得意とするNPU(Neural network Processing Unit)を内蔵したCPUと、AIパフォーマンスを叩き出すグラフィックスカードをインテリジェントに連携させる。これにより、OSレベルでの快適な動作から、ゲームプレイ、クリエイティブ作業に至るまで、あらゆるシーンでAIの恩恵を最大限に引き出すことが可能だ。 例えば、PCの状態をAIがリアルタイムで監視し、パフォーマンスと静音性を最適化する「MSI AI ENGINE」。あるいは、日々の作業を劇的に効率化するWindowsの「Copilot」。そして、NVIDIAのDLSSに代表される、AIを用いてフレームレートを飛躍的に向上させる描画技術。これら最先端の機能を余すことなく活用し、かつてないほどスマートでパワフルなPC体験を提供する――。これはもはや、PCは命令を待つだけの箱ではなく、ユーザーを理解し、先回りして助けてくれるパートナーへと進化を遂げたのだ。 ◆最新世代CPU/GPUがもたらす、息をのむほどのゲーミングパフォーマンス 本機のパフォーマンスの核となるのが、最新アーキテクチャを採用したNVIDIA GeForce RTX 5060だ。このGPUは、前世代のメインストリームを担ったGeForce RTX 3060と比較して、AI処理性能を大幅に強化。AIを活用した次世代の超解像技術やフレーム生成技術と組み合わせることで、特定の条件下では最大で約6.3倍もの劇的な性能向上を実現している。 この圧倒的なパワーは、特に多くのゲーマーが主戦場とするフルHD(1920×1080)解像度において、まさに無類の強さを発揮する。人気のFPSタイトルで高リフレッシュレートを維持するのはもちろんのこと、『モンスターハンターワイルズ』のような重量級のAAAタイトルにおいても、最高設定で滑らかな映像美を心ゆくまで堪能できる実力を秘めている。描画負荷の高いシーンでもフレームレートの落ち込みをAIが巧みに補完し、常に安定したプレイ環境を提供してくれるだろう。 また、前述の通りフルHD解像度のモニターとの相性も良い。MSIからは高リフレッシュレートモニターが多数リリースされている。例えば「MAG 255F E20」はフルHD/200Hz/0.5ms(GTG)という実力を持っているので、ゲーミングPCが持つ実力を遺憾なく発揮することができるはずだ。本機に最適なゲーミングモニターとなっているので、あわせて検討してほしい。 その卓越したゲーミング性能を支えるのが、CPUに採用されたIntel Core Ultra 5 プロセッサーだ。高性能なPコアを6基、高効率なEコアを4基搭載した合計10コアのハイブリッド構成により、ゲーム中の複雑な物理演算や膨大なデータ処理を軽々とこなしながら、バックグラウンドのタスクも効率的に処理する。特筆すべきは、その電力効率の高さだ。高いゲーミング性能を維持しつつも消費電力を巧みに抑えることで、パフォーマンスとランニングコストのバランスを両立させた、コストパフォーマンスに極めて優れたCPUと言えるだろう。 ◆コンパクトの常識を覆す「冷却性能」と、所有欲を満たす「デザイン性」 これほどの高性能を、一般的なタワー型PCの約3分の1というコンパクトな筐体にどうやって収めたのか。冷却技術にはとても気を遣われている。熱源となるCPU、グラフィックスカード、そして電源ユニットをそれぞれ独立した区画(チャンバー)に配置する独創的な内部構造により、互いの熱が干渉することを防ぎ、効率的なエアフローを確立した。 さらに、この冷却システムをAIがインテリジェントに制御する。CPUとGPUの温度を常に監視し、負荷状況に応じてファンの回転数をミリ秒単位で最適化することで、高負荷時でも安定したパフォーマンスを維持しながら、驚異的な静音性を両立。オフィスワーク程度の作業であれば、よく耳を澄ませないと音が聞こえないほど静かだ。 その洗練された筐体デザインもまた、本機の大きな魅力だ。デスク上のスペースを圧迫しないスリムなフォルムは、あらゆる環境にスタイリッシュに調和する。さらに、付属の強化ガラス製サイドパネルに交換すれば、その表情は一変。内部で静かに、しかし力強く駆動するパーツや、色鮮やかなRGBライティングが姿を現し、メカニカルな美しさを湛えた高級感あふれる佇まいへと変貌を遂げる。ライティングはもちろん「Mystic Light」に対応しており、専用ソフトウェア「MSI Center」から気分やゲームに合わせて色やパターンを自由自在にカスタマイズ可能。自分だけのゲーミング空間を、光で演出することができる。 ◆ゲーミング体験を隅々まで高める多彩な機能 「MPG Trident AS AI 2NVL5-024JP」の魅力は、主要なスペックだけにとどまらない。最新の無線LAN規格であるWi-Fi 6Eに対応し、電波干渉の少ない6GHz帯を利用することで、有線LANの敷設が難しい部屋でも、まるで有線接続のような低遅延で安定したオンラインゲーミングを実現する。もちろん有線接続にも対応する。 サウンド面では、定評のある「Nahimic 3」オーディオテクノロジーが、手持ちのヘッドセットを臨場感あふれる7.1chバーチャルサラウンドシステムへと昇華させる。さらに、ゲーム内の微細な音の方向を画面上に視覚的に表示する「サウンドトラッカー」機能は、敵の足音や銃声が勝敗を分けるFPSにおいて、計り知れないアドバンテージとなるだろう。 加えて、プリインストールされた「Game Stadium」アプリを使えば、まるで家庭用ゲーム機のように、ゲームコントローラーだけでPCゲームの起動や設定が可能になる。PCの操作に不慣れなユーザーでも、すぐに快適なゲームプレイを始められる心憎い配慮だ。 まさに「MPG Trident AS AI 2NVL5-024JP」は、AI時代におけるゲーミングPCの有力な選択肢のひとつと言えるだろう。コンパクトなボディに秘められた圧倒的なパフォーマンスと、それを支えるインテリジェントな機能群。すべてのゲーマーに新しい次元の体験を約束する、コンパクトでパワフルな次世代の相棒をぜひ体験してみてほしい。 「MPG Trident AS AI 2NVL5-024JP」公式サイト: https://jp.msi.com/Desktop/MPG-Trident-AS-AI-2NVL5-024JP/Specification 「MAG 255F E20」公式サイト: https://jp.msi.com/Monitor/MAG-255F-E20
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- 【レビュー】妥協しない、QD-OLEDが実現する圧倒的画質とプロ級の応答速度、MSI「MAG 271QP QD-OLED X24」の実力
- 提供:エムエスアイコンピュータージャパン 画質を追い求めれば応答速度が犠牲になり、ゲーミング性能を突き詰めれば色彩表現に妥協が生まれる。これまで、多くのゲーマーがこのジレンマの中でモニターを選んできた。しかし、もしその両方を、現時点で考えうる最高のレベルで両立できるとしたらどうだろうか。本稿で紹介する次世代のモニターは、そんな長年のジレンマに終止符を打つ可能性を秘めている。 今回レビューするのは、MSIのハイグレードモニター「MAG 271QP QD-OLED X24」(※Amazon専売モデル)だ。その心臓部には、次世代のパネル技術「QD-OLED」を採用し、「最高のゲーム体験」と「最高の映像体験」を1台で実現する。多様化するマルチメディア時代において、画質にもゲーミング性能にも一切の妥協をしたくない──。そんなこだわりを持つユーザーにこそ、自信を持っておすすめしたいモニターだ。 ◆製品概要と主な特長 まず、「MAG 271QP QD-OLED X24」がどのようなモンスターマシンなのか、その核心となるスペックを見ていこう。QD-OLEDがもたらす漆黒の闇と鮮烈な光、240Hzと0.03msが織りなす究極の滑らかさ、そしてOLED最大の懸念であった焼き付きを防ぐ先進の保護機能。まさに、死角のないスペックである。 ◆QD-OLEDが映し出す、息をのむ映像美 本機のレビューで何よりも先に語るべきは、QD-OLEDパネルがもたらす圧倒的な映像美だ。これは、従来の液晶モニター(IPS、VA、TN)とは根本的に構造が異なる、自発光技術によって実現されている。 液晶モニターがバックライトの光を制御して色を表現するのに対し、OLEDはピクセル自体が発光する。つまり、黒を表現する際には、そのピクセルを「完全にオフ」にできる。これが、コントラスト比無限大とも言われる「真の黒」なのだ。 この恩恵は、暗いシーンの多いゲームや映像コンテンツで絶大な効果を発揮する。『バイオハザード』シリーズのようなサバイバルホラーでは、懐中電灯の光が照らす先以外に広がる、底知れぬ闇の恐怖感をリアルに演出。『Starfield』のような宇宙を舞台にしたゲームでは、漆黒の宇宙に浮かぶ星々や艦船のディテールが、かつてないほど鮮明に映える。これらは、従来の液晶では黒浮きによって白っぽく見えていた情景だ。 「MAG 271QP QD-OLED X24」は、闇に潜む脅威や宇宙の広大さを、製作者の意図通りに、あるいはそれ以上に描き出す。映像鑑賞を「体験」に近づける存在だろう。 ◆量子ドットが織りなす、鮮やかで正確な色彩 本機に採用されている「QD-OLED」は、OLEDの青色光源と量子ドット(Quantum Dot)技術を組み合わせたものだ。これにより、極めて純度の高い三原色(RGB)を生み出し、圧倒的な色再現性を実現。DCI-P3 99%という広色域カバー率は、その能力を裏付ける数値である。 例えば、『サイバーパンク2077』のネオンきらめく夜の街並みは、毒々しいまでに鮮やかに、そして生々しく。『原神』の幻想的なフィールドは、キャラクターや風景の持つ本来の色彩が余すことなく表現され、世界への没入感を一層深める。この正確な色再現性はゲームに留まらず、写真の現像や動画編集といったクリエイティブワークにおいても、プロフェッショナルの要求に応える性能を兼ね備えている。 また、OLEDパネルに最適化されたHDR規格「DisplayHDR True Black 400」の認証を取得している。一般的な液晶モニターのHDR規格と異なり、これは黒の表現力に重点を置いた規格だ。ピクセル単位での完璧な輝度制御により、映像内の最も明るい部分と最も暗い部分の差を劇的に表現できる。 ゲーム中の爆発シーンにおける一瞬の閃光は、目に焼き付くほど眩しく、それでいて周囲の暗部のディテールは失われない。夜景のシーンでは、建物の窓から漏れる無数の光が、一つひとつ独立した点光源としてリアルにきらめく。これは、映像全体を大雑把に制御するローカルディミングとは次元の違う、まさにピクセル単位の芸術だ。HDR対応コンテンツをこのモニターで体験すれば、これまで見ていたものが何だったのかと思えるほどの衝撃を受けるに違いない。 ◆プロの要求に応える、超高速ゲーミング性能 どれほど映像が美しくとも、ゲーミングモニターである以上、速度性能に妥協は許されない。「MAG 271QP QD-OLED X24」は、その点においても現行最高峰のスペックを誇る。 240Hzのリフレッシュレート(1秒間に240回の画面更新)と、0.03ms (GTG)という驚異的な応答速度。この組み合わせがもたらすのは、究極の滑らかさと明瞭さだ。『Apex Legends』や『VALORANT』のような高速FPSにおいて、素早い視点移動(フリック)をしても敵の輪郭が一切ブレず、クリアに視認できる。入力遅延も極限まで排除されるため、格闘ゲームにおけるシビアなコンボ入力や、敵の攻撃に対する咄嗟のガードも、より直感的に行えるようになる。残像感が完全に排除されたクリアな視界は、競技レベルで戦うプレイヤーにとって、勝敗を分ける強力な武器となるだろう。 ◆WQHD解像度という「最適なバランス」 本機はWQHD (2560 x 1440)という、現在のゲーミング環境において「黄金バランス」と言える解像度を採用している。フルHD (1920 × 1080)よりも遥かに高精細で、ゲーム世界のディテールを美しく描き出す一方、4K (3840 × 2160)ほどグラフィックボードに極端な負荷をかけない。そのため、最新のハイエンドGPUであれば、多くのタイトルで240Hzという高フレームレートを維持することが現実的だ。 26.5インチという画面サイズもWQHD解像度と非常に相性が良く、適度な画素密度によって文字やアイコンはシャープに表示される。ゲームへの没入感と、競技シーンで求められる画面全体の把握しやすさ、そして日常使いを両立した組み合わせである。 ◆OLED最大の懸念を払拭する「OLED Care 2.0」 OLEDモニターの導入を検討するユーザーが最も懸念するのが「焼き付き」である。同じ映像を長時間表示することで、その部分の素子が劣化し跡が残る現象だが、MSIはこの問題に正面から向き合い、独自の包括的な保護機能「OLED Care 2.0」を開発した。 これは単一の機能ではない。ソフトウェア的には、画面全体をわずかに動かす「ピクセルシフト」や、ロゴやタスクバーといった静止要素を検出して輝度を自動調整する機能群を搭載。ユーザーが意識することなく、常に焼き付きリスクを低減する。 さらに、物理的なアプローチも万全だ。OLEDパネル背面に熱伝導率の高いグラフェンフィルムを配置し、カスタム設計のヒートシンクを組み合わせることで、パネルの熱を効率的に放出。OLED素子の劣化を促進する熱からパネルを守り、長寿命化に大きく貢献する。これら多層的な保護機能により、ユーザーは焼き付きの不安から解放され、心ゆくまで最高の映像体験に没頭できるのだ。 ◆日常を豊かにする、優れた利便性 本機は純粋なゲーミング性能だけでなく、日常的な使い勝手を向上させる機能も充実している。 スタンドは、高さ、チルト(上下の角度)、スイベル(左右の首振り)に対応。FPSゲーマーのシビアな要求にも応え、最適なポジションを容易に見つけられる。さらにはモニターを横向きから縦向きに90度回線させることも可能だ。 付属のスペーサーでVESAマウントにも対応するため、モニターアームの導入もスムーズ。多彩なゲーミング支援機能として、その他にも、ハードウェアレベルでのブルーライトカットや画面のチラつきを防ぐアンチフリッカー、暗いシーンの視認性を高めるナイトビジョンなど、プレイヤーを支援する機能が満載である。 ◆どんなユーザーにもピッタリな妥協なき一台 ここまで述べてきた通り、MSI「MAG 271QP QD-OLED X24」は、単なる「バランスの良い一台」という言葉では収まらない、新時代のゲーミングモニターだ。QD-OLEDがもたらす圧倒的な映像美と、240Hz/0.03msが生み出すプロレベルの速度性能。そして、OLED Care 2.0による長期使用への安心感。これまでトレードオフの関係にあった要素を、極めて高いレベルで両立させている。 画質・性能に一切妥協できないコアゲーマー、ゲームもクリエイティブワークも1台で最高環境を構築したい方、そして従来の液晶モニターから全く新しい映像体験へとステップアップしたい方へ。次世代の映像世界の扉を開きたいと願う、すべての人に推奨する。 なお、本機はAmazon専売モデルとして販売されている。価格は119,800円(税込)と決して安価ではないが、それが提供する体験は、投資した価値を遥かに超える満足感をもたらすだろう。あなたのデジタルライフを、より豊かで刺激的なものに変える選択肢として、ぜひ検討してほしい。 ◆レビューキャンペーン情報 現在MSIでは、本製品を含む対象モニターのレビューキャンペーンが実施中である(期間:2025年7月3日~2026年1月31日)。正規販売店で購入後、指定の手順でレビューを投稿すると、2,000円分の「えらべるPay® 」が進呈される。詳細は特設サイトを参照のこと。 レビューキャンペーン特設サイト: https://jp.msi.com/Promotion/JP_MNT_Review 「MAG 271QP QD-OLED X24」製品ページ: https://jp.msi.com/Monitor/MAG-271QP-QD-OLED-X24