突然だが、ゲーミングモニターを購入する多くのユーザーは、FPSなどのプロプレイヤーではないと思う。かくいう筆者も嗜む程度のプレイ時間で、これを読んでいる読者諸君も大多数がカジュアルにゲームを楽しむユーザーだろう。
そのうえで、どのようなゲーミングモニターを検討すれば良いのか迷ったことはないだろうか。
例えば、視野角が狭いTNパネルが採用されている代わりに、高リフレッシュレートへ対応している製品や、やたらゴテゴテなRGBLEDに装飾されている高価な製品は、言ってしまえば、「FPS、そこまでガチでやるわけではないし……」と辟易してしまう。
FPSへ極限まで特化した製品も良いが、ユーザーとしては日常使いも同じくらい大切なものだし、財布にも優しいとなお良い。ただ、もちろんFPSで有利になるような機能は備えていて欲しい。という欲張りな考えを持っているなら、本稿で紹介するゲーミングモニター「G244F」は選択肢に入れるべきだ。
FPSに必要な「リフレッシュレート」を備えている
まず、「G244F」がFPSなどのシュータージャンルに向いている理由は、170Hz(DP接続・オーバークロック時)というリフレッシュレートにある。リフレッシュレートとは、1秒間に映し出す画像の枚数を示している。
そもそも映像とは、画像をとてつもない早さで連続表示させることで成り立っているのであって、その画像枚数が増えれば増えるほど、なめらかになるというわけだ。
一般的なオフィスなどで使われるモニターは、たいていのものが60Hzであり、1秒間に60枚の画像が表示されている。一方で170Hzのディスプレイを搭載した「G244F」は、170枚もの画像が表示されることで、とてもなめらかな映像を楽しむことができる。
そしてこれは、動きの早い敵の動きを一刻も早く捉える必要のあるFPSなどのジャンルにおいて、とても重要なのだ。筆者自身も、しばらくこのモニターで『VALORANT』や『レインボーシックス シージ』などのFPSを170Hzで遊んでいたが、試しに60Hzで遊んでみたところ、カクカクしているように感じるほど、その違いは顕著に感じられる。
また、応答速度は1msと、遅延などを感じることは一切ないほか、一般的に高いリフレッシュレートで出力するには、DisplayPortケーブルが必要とされているが、「G244F」はHDMIケーブルでも最大165Hzに対応していることなども嬉しいポイントだ。
ゲームに適した23.8インチというサイズ感
高いリフレッシュレートに加えて、23.8インチというサイズ感も、FPSに適する要素のひとつだ。というのも、プレイヤーがモニターと向き合った際に、画面全体を視界に捉えることができるサイズは、24インチ前後とされているからだ。
FPSというジャンルは、いつどこから敵が現れるかわからないシーンが多い。そこで画面全体をしっかりと視界に捉え、突然フレームインしてくる敵に備えなければならない。また(これが目にどのような影響を及ぼすかは置いておくとして)、画面と目の距離をとても近づけることを好むプレイヤーもいる。
実際、海外にはモニターと目の距離が数センチしかないようなプロプレイヤーもみられる。
その理由は自身の操るキャラクターが撃つ場所にしっかりと集中したいからだ。敵が来る方向が限定されている場合や、自分が守るポジションをしっかりと注視する場合には、弾が飛ぶ場所(つまり銃の照準器)を長い時間、瞬きすらせずに見続ける。
24インチ前後というサイズ感は、そんなプレイヤーにも最適なのだ。
RAPID IPSパネルによる発色の良さ
FPSプレイヤーとて、四六時中FPSをやっているわけではない(やってるかもしれないが)。ときには、YouTubeでストリーマーの配信を楽しむことや、NetflixやAmazonプライム・ビデオなどを視聴することもあるだろう。
そんなとき、「G244F」であれば、発色の良いキレイな映像を楽しむことができる。
その理由は、RAPID IPSパネルを採用しているからだ。一般的に、応答速度やリフレッシュレートなどを競技向けにハイスペックなものにしようとすると、TNパネルやVAパネルといったディスプレイパネルが採用されることが多い。
しかし、これらのパネルには、視野や色域の狭さが弱点として挙げられる。これを解消したのが、「G244F」に採用されているRAPID IPSパネルなのである。
IPSの強みである178度という視野角の広さや、sRGBカバー率97.7%という色域の広さは、一般的なTNパネルやVAパネルに比べてより鮮やかで美麗な映像を、さまざまな角度から楽しむことができる。
これにより、テレビを見たり動画視聴したりと、映像を楽しむことや家庭用ゲーム機などで遊ぶことも、快適に行えると言える。また、PS5と接続してフルHD解像度・120Hzにも対応している。
ゲーマーを支えるさまざまな機能
ゲームに嬉しい機能も多く盛り込まれていて、「アンチフリッカー」による画面チラつきの抑制や「ブルーライトカット」などによる長時間の使用でも目が疲れにくいようになっているほか、黒いフレームを挿入し残像感を緩和する「アンチモーションブラー」や、暗い場所での視認性を上げる「ナイトビジョン」などが備わっている。
また、対応のグラフィックボードと接続すれば、低フレームレート補正やティアリングを軽減してくれる「FreeSync Premium」の恩恵を受けることも可能だ。
付属のスペーサーネジを装備することで、VESA100(100×100mm)にも対応する。フレームがとても薄くデザインされた筐体なので、マルチディスプレイ環境にも適しているだろう。
述べてきた通り、23.8インチという丁度よいサイズ感や、170Hzという高いリフレッシュレート、アンチモーションブラーといった機能が重なり、FPSをメインに遊ぶゲーマーにとってぴったりな一台であることは間違いない。
気づけばFPSを起動している筆者としてもお気に入りのモニターだ。そして、RAPID IPSパネルの採用によって、広い色域と視野角が確保され、動画視聴やオフラインゲームで遊ぶときにも、その真価を発揮する。
「G244F」は、FPSプレイヤーとしてしっかり機能を欲しいけど、さまざまな用途で使いたいというユーザーにとって、有力な選択肢のひとつとなるゲーミングモニターと言えるだろう。
G244F製品ページ
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