ゲーミングモニターを選ぶうえで重視するポイントは人それぞれだろう。リフレッシュレートやパネルの種類、発色の良さや解像度、サイズ感、入力端子の数等々、モニターというデバイスはなかなかに奥深い。だが一方で、重視すべきポイントのひとつひとつに詳しくなるには、少々ハードルが高い。
そんなあなたにオススメしたいのが、MSIのゲーミングモニター「G2412」だ。リフレッシュレートは最大170Hz(オーバークロック時)で応答速度1msと、競技的なゲームタイトルに最適なだけでなく、フルHDのIPSパネルによる発色の良い映像を楽しむことができる。つまるところ、さまざまな用途にバランス良く当てはまるというわけだ。
実際に筆者が10日間ほどメインモニターとして「G2412」を使い込んだインプレッションをお伝えする。
高いリフレッシュレートでシューターを有利に
「G2412」には、昨今爆発的な盛り上がりを見せているシューティングゲームにおいて大切な要素をふんだんに盛り込んでいる。まずはディスプレイのリフレッシュレートだ。
1秒間にモニターが表示できる画像の枚数を示すリフレッシュレートは、その数値が高ければ高いほど映像が滑らかになり視認性が上がる。つまり、一般的なモニターの60Hzと、「G2412」の170Hzでは、数倍“ヌルヌル”と見えるというわけだ。
シューティングで敵のキャラクターが一瞬だけ身体を見せたとしよう。もしそれが1秒間だけ視認できたとして、60Hzのモニターでは60回の画像を使ってその敵キャラクターを表示するが、「G2412」では170回表示するというと、その違いの大きさがおわかりいただけると思う。純粋に敵の動きをより細かく表示することが可能なのだ。
ゲーミングモニターのリフレッシュレートは、一般的に60Hz・144Hz・165Hz・240Hzという区切りで市場に出回っている。同価格帯のゲーミングモニターのなかでも、わずかではあるが170Hzというアドバンテージがあるのも嬉しいポイントだ。
また、「G2412」のディスプレイサイズである23.8インチは、プロプレイヤーにも好まれるようなサイズ感であることも付け加えたい。モニターと向き合ったときに視界に画面全体を捉えることができるサイズとされているからだ。そのほか、応答速度も1msととても高速であり、遅延などを感じることはほぼないと言って良い。シューティングを真剣にプレイしようかと考えているユーザーにはピッタリだ。
なお、「G2412」は現在では生産を終了している「Optix G241」の後継モデルという位置づけだ。前モデルの144Hzから170Hzと大幅にパワーアップしているほか、最大表示色とDCI-P3のカバー率が少々落ちているものの、コントラスト比が上がることでメリハリのある映像を楽しむことができる。
コンソールハードで遊びたいユーザーにもピッタリ
述べたとおり、「G2412」PCのシューティングゲームに最適であるが、次世代コンソールハードと接続することでフルHD・120Hzの表示にも対応していることから、PCを持っていない、PCとコンソールを併用したいユーザーにもピッタリである。
“次世代”とは言いつつ、PlayStation 5もXbox Series X/Sも2020年11月の発売から2年以上が経過している。半導体不足等で入手しにくい状況が続いていたが、2023年に入ってからはチラホラ店頭でも見かけるようになってきていて、ネットショップでも再入荷から完売までの時間が長くなっているように感じる。
コストパフォーマンスという面でコンソールハードの優位性は圧倒的に高く、PC版では数十万クラスのスペックが必要なAAAタイトルも、6万円程度で快適に遊べるというのは魅力的であろう。
「G2412」はそんな次世代コンソールの最大リフレッシュレートである120Hzに対応しているため、シューティングゲームのプレイに最適。HDMI入力も2基搭載しているため、複数のハードを接続できるのもひとつポイントだ。
また、発色が良いIPSパネルを採用しているため、AAAタイトルなどの美麗なグラフィックを余すことなく楽しむことができるほか、視野角が178度ととても広いため、座った状態や寝転んだ状態などでも楽しむことができる。
ゲーマーをサポートする機能もしっかり満載
もちろん、ゲーミングモニターとしての機能もしっかりと備わっている。暗いシーンの視認性を上げる「ナイトビジョン」や、黒フレームを挿入することで残像感を抑制する「アンチモーションブラー」などを搭載している。対応のグラフィックボードと組み合わせるとティアリング(ゲーム画面の小さなズレ)やカクつきを抑える「FreeSync Premium」を利用することもできる。
また、目に優しい「ブルーライトカット」や、フリッカー(チラつき)を抑制する「アンチフリッカー」もサポートしている。
画面設定のプリセットとして、FPS・レーシング・RTS・RPGの4つも用意されているので、お好みに合わせて画面の雰囲気を変えることも可能だ。
お好みで27インチの大きなサイズも
「G2412」は23.8インチだが、同等のスペックを有した27インチのモデル「G2722」も存在する。こちらも視野角が広く発色の美しいフルHDのIPSパネルを採用し、最大リフレッシュレートが170Hz、アンチモーションブラーなどのサポート機能もしっかり備わっている。
▲左「G2412」(23.8インチ)・右「G2722」(27インチ)
なお、23.8インチと27インチは結構な差がある。23.8インチであれば、本稿でも述べたが、デスクに置いて向き合ったときに画面全体をしっかり把握することができる。一方の27インチではシンプルにサイズが大きいため、迫力のある映像を楽しむことができる。シューターでは画面端の情報が得にくくなるものの、遠くの敵などを視認しやすい。特に『Apex Legends』のようなバトロワでは、遠くにいる敵をしっかりと見ることができるように感じた。
▲部屋を暗くすると、IPSパネルの発色の良さが際立つ。左「G2412」(23.8インチ)・右「G2722」(27インチ)
プレイスタイルや、デスクの環境に合わせて自分にあったものを選んで欲しい。「G2722」は以前レビューしているので、重複する内容もあるが、合わせて確認して欲しい。
AAAタイトルからシューターまで、多くのユーザーにフィットするポテンシャルを秘めたゲーミングモニター「MSI G2722」レビュー
述べてきた通り「G2412」は、競技性の高いシューティングからソロで遊びたいAAAタイトルまで、多くの用途をカバーしてくれる。特にシューティングでは、高いリフレッシュレートと応答速度、ナイトビジョンなどのサポート機能が活躍し「ゲーミングモニター」としての優位性を感じることができるだろう。また、美麗なIPSパネルを搭載することで映像鑑賞や一人で遊べるAAAタイトルなどをしっかり楽しむこともできる。
eスポーツタイトルをがっつり遊びたいというユーザーを中心に、さまざまな用途をカバーしてくれる、ゲーマーにとって頼もしい相棒となってくれるだろう。
■MSI G2412 商品ページ
https://jp.msi.com/Monitor/G2412
■MSI G2722 商品ページ
https://jp.msi.com/Monitor/G2722
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