昨今、FPSの盛り上がりが凄まじい。『VALORANT』は2023年6月に国際大会「VCT Masters Tokyo」が日本で初開催された。残念ながら日本のチームが出場できなかったにもかかわらず多くのファンが連日足を運び、諸外国のチームへ声援を送る姿は、何度も繰り返されるeスポーツ元年のひとつであることを感じさせた。

 

するとやはり、実際に自分でプレイしてみたいという方も多いはず。数年「今は時期が悪い」と言われ続けてきたGPUやメモリなどのPCパーツも、値段が徐々に落ち着きを見せ、今最もPCゲームに手を出しやすい時期に差し掛かっていると言えるだろう。

 

PCを購入してFPSを遊ぶぞ!という際に導入したいのは、やはりゲーミングモニターだ。本稿で紹介するMSIのゲーミングモニター「G2422」は、想定価格24800円前後と安価でありながら、しっかりとゲーミングモニターに求められる性能を有している。やや自由度のなさは気になるが、その解決方法も含めてお伝えしたい。

 

FPSに欲しい要素がてんこ盛り

まず、FPSをプレイするうえでゲーミングモニターに求められる最大の要素はリフレッシュレートである。これはざっくり説明すると、1秒間に書き換わる画像の枚数を示しており、数値が高ければ高いほど画面が“ヌルヌル”動く(1秒間にたくさん書き換わる)というわけだ。

 

 

一般的なビジネス用モニターやテレビは60Hzであることが多いが、G2422は170Hz(DisplayPort接続でオーバークロック時)とかなり高い値である。また、ゲーミングモニターは一般的に144Hzであることが多く、144Hzのモニターを利用しているユーザーの一歩先を行くことができる。

 

具体的には、敵の動きを表現する回数が増えるということだ。それはつまり、敵の動きをより視認しやすくなることを意味する。一瞬の駆け引きが求められるFPSでは特にこのリフレッシュレートは重視される。

 

よりハイエンドなモデルになると240Hz、360Hzといったものも存在するが、筆者個人としては60Hzから上へのジャンプアップが最も変化を感じることができると考えている。今60Hzでプレイしているユーザーにはぜひおすすめしたい。

 

また、23.8インチというサイズ感にも注目だ。一般的なFPSの大会では、24インチクラスのモニターが採用されていることが多い。FPSに最適なサイズについては議論の余地はあるが、世界大会でプロが使っている環境により近いものを、手軽に自分の環境に取り入れることができる……というのは、アドバンテージと言えるかもしれない。

 

G2422の解像度は1,920×1,080の、いわゆるフルHDだ。現行の家庭用ゲーム機がより高い解像度出力に対応している昨今、これはやや物足りなく感じるかもしれないが、FPSプレイヤーにとってはそこまで悪い話ではない。

 

というのも、より高いfpsを求めてFPSのゲーム内設定を落とす場合が多いからだ。その分GPUの負荷が減って高いfpsを期待できる(そもそも競技シーンでのFPSは、極端に美麗なグラフィックがあまり求められないというのもある)。つまり、結局高解像度モニターを使っていてもFPSはフルHDに設定して遊んでいるというプレイヤーも少なくない。また、フルHDを超える解像度のモニターにおいて、フルHDから別の解像度に切り替わる際に画面の乱れがどうしても発生する。最初からフルHDだとそのような不便も発生しない。

 

また、応答速度1ms(MPRT)と普通にプレイしている分にはまず遅延は感じないほか、アンチモーションブラー・アンチフリッカーにも対応している。どちらもFPSをプレイするうえで必須な機能だ。長時間ゲームしがちなゲーマーにも嬉しいブルーライトカット機能や、暗い場所の視認性をあげるナイトビジョンも搭載されているのも、良いポイントであろう。

 

これらの機能や、入力先の切り替えなどの操作はモニター右下背面のジョイスティックで操作する。こちらのレスポンスも非常に良好でサクサク動くのも嬉しい。画面の設定も豊富なプリセットが用意され、多くのシチュエーションに合わせてカスタムできるので、自分にあったものを模索できる。

 

 

家庭用ゲーム機などもしっかり楽しめるが弱点もある

FPSにぴったりな理由を述べてきたが、G2422はIPSパネル搭載で高画質な映像を楽しむこともできる。映像を主体としたゲームだけでなく、映画やドラマ、アニメを見るにも良い。視野角による色変化も少なく、FPSのように同じ体制で画面に向き合う以外のシーンにもピッタリだ。

 

▲HDMI1.4bポート×2を備えているので、家庭用ゲーム機などもしっかり楽しむことが可能だ

 

 

ただし、高コスパを重視したモデルということもあってか、スタンド機能はチルト(上下方向)の-5度~20度にのみ対応する。高さ調節などがないことがやや不便だが、VESAマウントに対応することで問題を解決している。

 

▲手回し式のスペーサーが付属する

 

VESA規格とは、モニターのスタンドやアームなどのネジ穴間隔に定められた国際標準規格であり、多くのモニターアームがこの規格に則っている。モニターに付属したスペーサーネジを使うことでモニターアームに取り付けられ、自分にあった位置でゲームをすることができる。がっつりFPSを遊びたいなら、是非導入して欲しい。

 

G2422製品ページ:https://jp.msi.com/Monitor/G2422

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