2023年11月19日(日)に、大阪・梅田のヨドバシカメラで「Razer x ヨドバシ梅田 FENNELファンミーティング」が開催された。
国内人気プロチームのFENNELと、今年8月にFENNELとスポンサー契約を締結したばかりのRazerがタッグを組み開催されたこのイベントには、VALORANT部門に所属するCLZ(くるず)選手とGON(ごん)選手が出演。
今回は実際に会場に足を運んだ様子を余すところなくレポートしよう。
開店前から長蛇の列!
会場はヨドバシカメラマルチメディア梅田、JR大阪駅を飛び出すとすぐ目の前に見える大きなビルだ。この建物の地下2階、電動自転車などの売り場を抜けた先にあるイベントスペース、その名も「ヨドバシホール」でイベントが行われた。

イベント開始時刻である14時が迫るにつれて、ファンが少しずつ会場内にやってくる。そこそこ広いイベント用のホールで行われたのだが、人の流れは絶えない。どんどんと会場内に人が押し寄せ、会場の遥か後方までぎっしりと人で埋め尽くされた。

先着順で配布されている無料の座席チケットを手にすると、前方の座席で観覧することができる。イベント当日には既に配布が終了していたため、事前に一度訪れないとここには座れない。応援ボードも前列は特に多く、気合の入ったファンばかりの印象だ。


高速入力が可能になるラピッドトリガーが体感できる!
会場後方にはRazer製品の展示コーナーが。実際に賞品をさわって体験することができるほか、イベント限定特価でさまざまなRazer製品をお得に購入することができる。レジが横に併設されているので、気になったらその場で購入できる。ヨドバシカメラのレジなので、ゴールドポイントが貯まるのもアツい。


はじめに司会のyue(ゆえ)が登壇。「GONさんなら面白い登場をしてくれるんだろうな~」という非常に雑なフリを行い、いろんな意味で観客たちは期待する。

続いて登場するのは、本イベントのメインゲストであるCLZ & GONだ。GONは「最後尾」の札を持って登壇し、無事に会場は笑いに包まれた。


最初は観客も参加できるクイズ大会だ。クイズの内容はFENNEL、Razer、『VALORANT』の3テーマから。解答するのは観客側だが、CLZ、GONの両選手もフリップに解答を書く。

なおクイズに正解すると、選手のサイン付きのRazerグッズが手に入る。「FENNELの創設年は?」とか「クラシック(VALORANTの武器)の遠距離ヘッドショットのダメージ数は?」など、そこそこコアな問題だ。



正解数が少なかった選手には罰ゲーム。yueが罰ゲームボックスから引いた紙に書かれていたのは、「相手の好きなところを5つ挙げる」だった。結果は、6:5の僅差でCLZ選手が勝利。5つも考えなければならないというそれなりに難しい罰ゲームだと思ったのだが、GON選手は恥ずかしそうにしながらも、意外とスラスラと5つ答えていたのが印象的だった。


続いて行われた「ゲーム対決」のコーナーでは、3種類のゲームをプレイしてそのうまさを競った。1本目のエイム勝負では、エイム練習ゲーム『Aim Lab』を用いてスコアアタックが行われた。両選手とも馴染みのあるゲームだが、GON選手は特に自信があるようだった。


1分という制限時間の中で、次々と現れる的をひとつずつ射撃していくというルール。高いスコアを取るには、高い速度と精度の両方が問われる。7万点台でもかなり高い方だが、なんと、GON選手は96,828点というハイスコアを軽々と叩き出し勝利。
しかしそれでは面白くないということで、利き手ではない左手を使って対決するルールに変更。GON選手が言い出しっぺだったが、初めて左手で握るマウスに翻弄され、結果は2万点台止まり。一方のCLZ選手は落ち着いて高い精度を見せ、4万点台を獲得。エイム勝負は、CLZ選手の逆転勝利となった。


その後のキャラクターコントロール対決では通称『壺おじ』と呼ばれているアクションゲーム『Getting Over It』を、格闘ゲーム対決では一撃で勝負が決まる『Divekick』をプレイ。特に3本目の『Divekick』では、GON選手が完封。両ゲームともGON選手の勝利に終わり、2:1でGON選手が勝利した。




イベントの終了後には、ファン交流会が実施された。ここに参加できるのは、イベント限定購入者特典の専用チケットを手にした人だけだ。こちらのチケットもイベント開催前には既に配布終了しており、入手にはイベントよりも前の日に一度ヨドバシを訪れないといけない。


サインに写真撮影、そして結構長い間会話もできる。中には、選手へ直接プレゼントを手渡すファンも。約2時間にも渡る交流会だったが、最初から最後までしっかりと対応していたのが印象的だ。
交流会を終えた観客にインタビューを敢行、その様子もお届けしよう。

——このイベントに来られたきっかけはなんですか?
FENNELがTwitterでリツイートしていたのを見てから、(友人に)教えて一緒に行こうと思って来ました。
——今回来られたのは選手がお目当てですか?
はい、元々競技シーンを追っていたのもあって、FENNELに所属する前からおふたりのファンでした。素晴らしい選手だなと思っていたので、近くで開催されるということもあって来ました。
——ちなみに、今日は何時に来られましたか?
朝の8時です。
——まだ開店前ですよね?
お店の前に並んでいました。ただ僕たちより前に50人くらい並んでいたので、愛されているなあと思いました。
——Razer製品についてどう思いますか?
僕は元々Razerのキーボードを使っていたのですが、いいですね。僕はカチカチと音がなるクリッキーなキースイッチが好きなんですが、Razerのキーボードはいろんな軸(スイッチ)があって、クリッキーな中でもさまざまな種類が選べて、音の違いが楽しめるというところが好きですね。せっかくの機会なのでマウスもRazerのものを買ってみました。
——今回は楽しかったですか?
はい、めちゃくちゃ楽しませてもらいました。選手との距離がとても近く、二度とない体験だと思います。普段は画面を通しての関係なのが、こうやって実際に話せるのはとても貴重だと感じました。
Razerは、今年の8月1日にFENNELとスポンサー契約を締結したばかり。そんな中行われたこのファンミーティングの意図と、実際に開催してみた感触について、Razerのマーケティングマネージャーである北川裕太氏にお聞きした。
——CLZ選手、GON選手を起用した経緯を教えてください。
北川裕太氏(以下、北川):FENNELで長く活躍されているCLZさんを軸にして、新たに加入されたGONさんもお呼びした形です。チームによっては毎シーズンごとに選手がすべて入れ替わったりすることがありますが、FENNELさんはあまりメンバーの入れ替わりが激しくない、強い選手が中心に残ってチームを育てていくという印象があり、そんな中でもCLZさんは外せないとのことでお呼びさせていただきました。
——今回のイベントの手応えはいかがでしょうか。
北川:今回はやはりFENNELのファンの方が多かったので、普段我々が行うイベントとは違って、コアなRazerファンだけでなく幅広い層の方々にもリーチできたと思います。実際に製品を使った感想をご紹介いただいたのも、メーカーとしてはありがたいなと思います。
——観客の方々にお話を聞くと「せっかくだし買っていこう」という方も多くいらっしゃいましたね。
北川:短期的な売上もそうですが、FENNELさんを通してRazerを好きになってもらう、Razerに親しみを持ってもらうという形ができれば理想かと思います。Razer製品にまったく興味がなくても選手が使っているから買ってみる、という形になればいいなあと思っています。

——Razerさんの今回のイチオシ製品を教えてください。
北川:やはり「Huntsman V3 Pro」ですね。ラピッドトリガーが搭載されていて、アクチュエーションポイントを変更することができます。
——個人的には、日本語配列なのが素晴らしいと思いました。
北川:ありがとうございます。そうですね、さまざまなキー配列のキーボードを量産できるのは(コスト面から)大規模メーカーの強みですよね。それこそRazerは「ゲーマー向けの世界有数のライフスタイルブランド」というコンセプトがあり、幅広い方々に製品を使ってもらいたいと思っています。
先日「Cobra Pro」というマウスを発売したんですが、ゲーマー向けに機能を削ぎ落としたマウスとライトやボタンなどの機能を盛々にしたマウスは多くあるんですが、その中間の「小型」で「左右対称」で「ボタンがたくさん付いている」というものは少なかったんですね。
そんな中でこの製品を作ったのは、幅広い需要に応えて、お客様に喜んでいただきたいというのが起点となっています。
——Razerさんとしては、今後もFENNELとタッグを組むようなイベントは検討されていますか?
北川:FENNELさんとのイベントはまた定期的にできればと思っています。今回も想定以上のお客さんが来られたので、ありがたいと思うのと同時に、今後どういったやり方が最適か、ご相談しながら考えていきたいと思います。
——ありがとうございました。

イベントを終えた直後、CLZ選手とGON選手がインタビューに応じてくれた。4時間ぶっ通しでのイベント出演・ファン対応だったが、快く質問に答えてくださった。最後にそのインタビューの内容をご紹介しよう。
——今回のイベントの感想をお聞かせください。
GON:めちゃくちゃ楽しかったです。やっぱり配信とは違う良さがありますね、リアクションがあると本当に盛り上がれるというか。
CLZ:小さいイベントだと思っていたら、めっちゃ(観客が)多かったですね。今までは『VALORANT』だけのイベントが多かったですが、ほかのゲームをプレイしたりするなど別の要素が組み込まれていて、新鮮に感じました。
——今回のようなイベントと大会では、なにか違うところはありますか?
GON:今日は選手としてではなく、ゲストとして呼ばれているので、行くときのそもそものマインドセットが違いますね。「今日は絶対に楽しむぞ!」という気持ちで来ているので、プレッシャーがなくめちゃくちゃ楽しいです。
——ファンと交流することについていかがお考えでしょうか。
GON:素晴らしいことだと思います。自分のモチベーションにも繋がりますし、ファンの方もうれしいし、WIN-WINじゃないですか。
——配信なども含めてファンの方を大事にされているのでしょうか。
GON:いろんな人のファンだった時期もあるのでわかるんですが、名前を覚えてくれていたり、気軽に話せたりするほうがうれしいので、「あ、久しぶりじゃん」みたいな言葉は言うようにしてます。
——大阪、ひいてはヨドバシカメラという会場でイベントに出演して、なにか感じたことはありますか。
CLZ:特別大阪だからなにかあるというわけではないです。ただ僕は大阪が地元で、ここ(ヨドバシ梅田)にもよく来ていたので、そこでイベントに出演しているというのは不思議な気持ちです。

——やはりよく行かれていたんですか?
CLZ:めっちゃ行ってましたね。小学校の時は、よくこの辺りのゲーセンに通っていたので。
——Razer製品についてどうお考えですか?
GON:Razer製品はクオリティが高い。そして、みんな使っているから保証されている部分がありますね。マイナーなメーカーのマウスだと、オフライン会場でどうなっちゃうかわからないリスクがあるので、そういう面でも安心できますね。
——ちなみにおすすめは?
GON:Razer DeathAdder V3 Pro Faker Editionです。
——「Huntsman V3 Pro」についてはいかがでしょうか。
GON:めちゃくちゃいいキーボードだと思います。ぶっちゃけキーボードってどこも横並びで好みが分かれるという感じなんですけど、個人的には単純に打感がめっちゃ好きですね。

——今回のイベントとは少し離れてしまいますが、学生向けの『VALORANT』のeスポーツ大会「Red Bull Campus Clutch」がもう間もなく開幕します。日本代表の「GYUDON EATING」へなにかメッセージをお願いします。
GON:勝つ勝たないよりも、これがいい経験になると思うので、プレッシャーに押し負けずに、自分は今いい経験をしているんだと自覚しながらがんばってほしい!
——最後に、ファンの方へのメッセージをお願いします。
GON:こうやってオフラインのイベントに来ていただける方には直接力をもらっています。イベントには来られないけど、普段配信でコメントをしてくれる人とか、コメントはしないけど見守ってくれる人がいるということも自覚して、これからも頑張っていこうと思います。
CLZ:いつも応援してくださってありがとうございます。こういうイベントに来てくださったり、オンライン上でも応援してくださったりするのが、すごく励みになっています。これからもがんばりますので、応援よろしくお願いします。
GON:俺もそんな感じが良かったな……。
——いえいえ、大丈夫ですよ(笑)。
———
関係者の方にお聞きしたところ、当日はなんと700人以上の観客が来られていたそう。実際それなりに広い会場の端っこまでびっしりと人が詰まっており、選手含め関係者の皆さんはそろって「想定外」と言っていたのが印象的だ。
筆者も体験したことがあるが、両選手ともファンサービスがとても厚い。実際イベント後の交流会では、気さくだが丁寧にファンたちと交流しており、その人気の高さもうなずけるものだった。
FENNELとRazerが初めてタッグを組んだこのイベント、FENNEL側としてもRazer側としても非常に得るものは大きかったのではないだろうか。想像以上の反響があったこのイベントを足がかりに、今後はどのような相乗効果を見せてくれるのだろうか。もしあるならば、次のイベントにも注目だ。
撮影:まいる
編集:いのかわゆう
国内人気プロチームのFENNELと、今年8月にFENNELとスポンサー契約を締結したばかりのRazerがタッグを組み開催されたこのイベントには、VALORANT部門に所属するCLZ(くるず)選手とGON(ごん)選手が出演。
今回は実際に会場に足を運んだ様子を余すところなくレポートしよう。
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— ヨドバシカメラ 梅田店 (@yodobashi_umed) November 19, 2023
本日❗️ #FENNEL ファンミーティング開催📣
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大好評につき「イベント限定購入者特典」は終了致しました‼️
誠にありがとうございます🙇
FENNELファンミーティングは14時より開催です✨ pic.twitter.com/6MD3uRzYI6
開店前から長蛇の列!
ヨドバシ梅田にFENNELファンが集結!
会場はヨドバシカメラマルチメディア梅田、JR大阪駅を飛び出すとすぐ目の前に見える大きなビルだ。この建物の地下2階、電動自転車などの売り場を抜けた先にあるイベントスペース、その名も「ヨドバシホール」でイベントが行われた。

▲会場の「ヨドバシカメラマルチメディア梅田」。開店前から既に100名以上のファンが並んでいたそう
イベント開始時刻である14時が迫るにつれて、ファンが少しずつ会場内にやってくる。そこそこ広いイベント用のホールで行われたのだが、人の流れは絶えない。どんどんと会場内に人が押し寄せ、会場の遥か後方までぎっしりと人で埋め尽くされた。

▲会場の遥か後方まで人で埋め尽くされ、このイベントの注目度の高さがうかがえる
先着順で配布されている無料の座席チケットを手にすると、前方の座席で観覧することができる。イベント当日には既に配布が終了していたため、事前に一度訪れないとここには座れない。応援ボードも前列は特に多く、気合の入ったファンばかりの印象だ。

▲オリジナルの応援ボードで推しにアピール!

▲プレゼントボックスも完備。イベント終了時には溢れんばかりの手紙や差し入れが入っていた
高速入力が可能になるラピッドトリガーが体感できる!
Razer販売×体験コーナー
会場後方にはRazer製品の展示コーナーが。実際に賞品をさわって体験することができるほか、イベント限定特価でさまざまなRazer製品をお得に購入することができる。レジが横に併設されているので、気になったらその場で購入できる。ヨドバシカメラのレジなので、ゴールドポイントが貯まるのもアツい。

▲今回のイチオシ製品「Huntsman V3 Pro」。超高速連打を可能にするラピッドトリガーは、もはやVALORANTユーザーには必須の機能だ。キー入力のオン/オフを通常よりも高速で行うことで、キャラクターの制御が容易になる。ストッピング(静止して射撃すること)が重要なこのゲームにおいて、キーの入力速度は射撃精度に直結する

▲3,000円購入するごとに1回のガチャが回せ、ランダムでRazerグッズが手に入る
イベント開始でファンのボルテージは最高潮に!
はじめに司会のyue(ゆえ)が登壇。「GONさんなら面白い登場をしてくれるんだろうな~」という非常に雑なフリを行い、いろんな意味で観客たちは期待する。

▲司会のyue氏。VALORANTの競技シーンではキャスターを務めている
続いて登場するのは、本イベントのメインゲストであるCLZ & GONだ。GONは「最後尾」の札を持って登壇し、無事に会場は笑いに包まれた。

▲左からCLZ選手とGON選手

▲会場内は撮影のみOK!(録画はNG)。トークを聞きつつ“推し”をカメラに収めることができるのだ
正解すればサイン付きグッズがもらえる「クイズ大会」
最初は観客も参加できるクイズ大会だ。クイズの内容はFENNEL、Razer、『VALORANT』の3テーマから。解答するのは観客側だが、CLZ、GONの両選手もフリップに解答を書く。

▲選手自らに当ててもらえるため、多くのファンが挙手する。なお、不正解だとGONに「舐めんな!」と煽られる(笑)
なおクイズに正解すると、選手のサイン付きのRazerグッズが手に入る。「FENNELの創設年は?」とか「クラシック(VALORANTの武器)の遠距離ヘッドショットのダメージ数は?」など、そこそこコアな問題だ。

▲「FENNELの部門数は?」というクイズに、はなから諦めるGON(まだFENNELに加入して数カ月のため)

▲同じチームのメンバーであるDerialy(でりありー)選手に因んだ問題。Derialyクイズは2度出題されたが、両選手ともすべて正解!

▲推しと話せた上に、正解すればサイン付きのグッズが貰えるという最高な企画
正解数が少なかった選手には罰ゲーム。yueが罰ゲームボックスから引いた紙に書かれていたのは、「相手の好きなところを5つ挙げる」だった。結果は、6:5の僅差でCLZ選手が勝利。5つも考えなければならないというそれなりに難しい罰ゲームだと思ったのだが、GON選手は恥ずかしそうにしながらも、意外とスラスラと5つ答えていたのが印象的だった。

▲なお正解数の数字はなんと手書き。細すぎて見えないとイジられることも

▲「漢らしく、人情深い」「ファンをすごく大事にする」などCLZ選手を褒めちぎるGON選手。褒められる側のCLZ選手も満更ではない様子だった
プロのテクニックが間近で見られる「ゲーム対決」
続いて行われた「ゲーム対決」のコーナーでは、3種類のゲームをプレイしてそのうまさを競った。1本目のエイム勝負では、エイム練習ゲーム『Aim Lab』を用いてスコアアタックが行われた。両選手とも馴染みのあるゲームだが、GON選手は特に自信があるようだった。

▲普段プレイしている環境と異なるのにも関わらず、精密すぎるエイムに驚きの声が上がった

▲自信がないと言いながらも、CLZ選手は7万点台を軽々と獲得。さすがプロ
1分という制限時間の中で、次々と現れる的をひとつずつ射撃していくというルール。高いスコアを取るには、高い速度と精度の両方が問われる。7万点台でもかなり高い方だが、なんと、GON選手は96,828点というハイスコアを軽々と叩き出し勝利。
しかしそれでは面白くないということで、利き手ではない左手を使って対決するルールに変更。GON選手が言い出しっぺだったが、初めて左手で握るマウスに翻弄され、結果は2万点台止まり。一方のCLZ選手は落ち着いて高い精度を見せ、4万点台を獲得。エイム勝負は、CLZ選手の逆転勝利となった。

▲左手でマウスを持つ貴重なシーン。ぎこちない視点に会場からは笑いが起こる

▲利き手でもそこそこの高得点である4万点台を叩き出し、CLZ選手が逆転勝利
その後のキャラクターコントロール対決では通称『壺おじ』と呼ばれているアクションゲーム『Getting Over It』を、格闘ゲーム対決では一撃で勝負が決まる『Divekick』をプレイ。特に3本目の『Divekick』では、GON選手が完封。両ゲームともGON選手の勝利に終わり、2:1でGON選手が勝利した。

▲下半身が壺に入った男がハンマーひとつで山を登るという『壺おじ』で、操作性が劣悪なバカゲーだ。「RTAを見たことがある」と語るGON選手は、はじめてのプレイながら細かいテクニックを活用し、CLZ選手よりも先の地点まで到達

▲2ボタンで操作できることが特徴の2D格闘ゲーム。キック一撃で相手を倒せ、5本先取した方が勝利。GON選手は一瞬でCLZ選手を完封、あっという間に勝負がついた

▲どちらが勝つか勝利予想を的中させた人のうち、じゃんけんで勝利した人に景品が与えられた

▲最後はファン同士の直接対決。4連続の“あいこ”という白熱した勝負に会場が湧き上がる
FENNELのファンサはいつでも最高!「ファン交流会」
イベントの終了後には、ファン交流会が実施された。ここに参加できるのは、イベント限定購入者特典の専用チケットを手にした人だけだ。こちらのチケットもイベント開催前には既に配布終了しており、入手にはイベントよりも前の日に一度ヨドバシを訪れないといけない。

▲ファン対応が非常に手厚く、ファンはみんな大喜びだ。ひとりひとり丁寧に行うので、全然列が捌けない

▲サインに記念撮影、ファンにはたまらないひと時だろう
サインに写真撮影、そして結構長い間会話もできる。中には、選手へ直接プレゼントを手渡すファンも。約2時間にも渡る交流会だったが、最初から最後までしっかりと対応していたのが印象的だ。
交流会を終えた観客にインタビューを敢行、その様子もお届けしよう。

——このイベントに来られたきっかけはなんですか?
FENNELがTwitterでリツイートしていたのを見てから、(友人に)教えて一緒に行こうと思って来ました。
——今回来られたのは選手がお目当てですか?
はい、元々競技シーンを追っていたのもあって、FENNELに所属する前からおふたりのファンでした。素晴らしい選手だなと思っていたので、近くで開催されるということもあって来ました。
——ちなみに、今日は何時に来られましたか?
朝の8時です。
——まだ開店前ですよね?
お店の前に並んでいました。ただ僕たちより前に50人くらい並んでいたので、愛されているなあと思いました。
——Razer製品についてどう思いますか?
僕は元々Razerのキーボードを使っていたのですが、いいですね。僕はカチカチと音がなるクリッキーなキースイッチが好きなんですが、Razerのキーボードはいろんな軸(スイッチ)があって、クリッキーな中でもさまざまな種類が選べて、音の違いが楽しめるというところが好きですね。せっかくの機会なのでマウスもRazerのものを買ってみました。
——今回は楽しかったですか?
はい、めちゃくちゃ楽しませてもらいました。選手との距離がとても近く、二度とない体験だと思います。普段は画面を通しての関係なのが、こうやって実際に話せるのはとても貴重だと感じました。
Razerが見据えるFENNELとの将来
Razerは、今年の8月1日にFENNELとスポンサー契約を締結したばかり。そんな中行われたこのファンミーティングの意図と、実際に開催してみた感触について、Razerのマーケティングマネージャーである北川裕太氏にお聞きした。
——CLZ選手、GON選手を起用した経緯を教えてください。
北川裕太氏(以下、北川):FENNELで長く活躍されているCLZさんを軸にして、新たに加入されたGONさんもお呼びした形です。チームによっては毎シーズンごとに選手がすべて入れ替わったりすることがありますが、FENNELさんはあまりメンバーの入れ替わりが激しくない、強い選手が中心に残ってチームを育てていくという印象があり、そんな中でもCLZさんは外せないとのことでお呼びさせていただきました。
——今回のイベントの手応えはいかがでしょうか。
北川:今回はやはりFENNELのファンの方が多かったので、普段我々が行うイベントとは違って、コアなRazerファンだけでなく幅広い層の方々にもリーチできたと思います。実際に製品を使った感想をご紹介いただいたのも、メーカーとしてはありがたいなと思います。
——観客の方々にお話を聞くと「せっかくだし買っていこう」という方も多くいらっしゃいましたね。
北川:短期的な売上もそうですが、FENNELさんを通してRazerを好きになってもらう、Razerに親しみを持ってもらうという形ができれば理想かと思います。Razer製品にまったく興味がなくても選手が使っているから買ってみる、という形になればいいなあと思っています。

▲イベント終了後には多くの観客がRazerブースに立ち並び、実際に購入する方も多く見られた
——Razerさんの今回のイチオシ製品を教えてください。
北川:やはり「Huntsman V3 Pro」ですね。ラピッドトリガーが搭載されていて、アクチュエーションポイントを変更することができます。
——個人的には、日本語配列なのが素晴らしいと思いました。
北川:ありがとうございます。そうですね、さまざまなキー配列のキーボードを量産できるのは(コスト面から)大規模メーカーの強みですよね。それこそRazerは「ゲーマー向けの世界有数のライフスタイルブランド」というコンセプトがあり、幅広い方々に製品を使ってもらいたいと思っています。
先日「Cobra Pro」というマウスを発売したんですが、ゲーマー向けに機能を削ぎ落としたマウスとライトやボタンなどの機能を盛々にしたマウスは多くあるんですが、その中間の「小型」で「左右対称」で「ボタンがたくさん付いている」というものは少なかったんですね。
そんな中でこの製品を作ったのは、幅広い需要に応えて、お客様に喜んでいただきたいというのが起点となっています。
——Razerさんとしては、今後もFENNELとタッグを組むようなイベントは検討されていますか?
北川:FENNELさんとのイベントはまた定期的にできればと思っています。今回も想定以上のお客さんが来られたので、ありがたいと思うのと同時に、今後どういったやり方が最適か、ご相談しながら考えていきたいと思います。
——ありがとうございました。
CLZ×GONインタビュー

イベントを終えた直後、CLZ選手とGON選手がインタビューに応じてくれた。4時間ぶっ通しでのイベント出演・ファン対応だったが、快く質問に答えてくださった。最後にそのインタビューの内容をご紹介しよう。
——今回のイベントの感想をお聞かせください。
GON:めちゃくちゃ楽しかったです。やっぱり配信とは違う良さがありますね、リアクションがあると本当に盛り上がれるというか。
CLZ:小さいイベントだと思っていたら、めっちゃ(観客が)多かったですね。今までは『VALORANT』だけのイベントが多かったですが、ほかのゲームをプレイしたりするなど別の要素が組み込まれていて、新鮮に感じました。
——今回のようなイベントと大会では、なにか違うところはありますか?
GON:今日は選手としてではなく、ゲストとして呼ばれているので、行くときのそもそものマインドセットが違いますね。「今日は絶対に楽しむぞ!」という気持ちで来ているので、プレッシャーがなくめちゃくちゃ楽しいです。
——ファンと交流することについていかがお考えでしょうか。
GON:素晴らしいことだと思います。自分のモチベーションにも繋がりますし、ファンの方もうれしいし、WIN-WINじゃないですか。
——配信なども含めてファンの方を大事にされているのでしょうか。
GON:いろんな人のファンだった時期もあるのでわかるんですが、名前を覚えてくれていたり、気軽に話せたりするほうがうれしいので、「あ、久しぶりじゃん」みたいな言葉は言うようにしてます。
——大阪、ひいてはヨドバシカメラという会場でイベントに出演して、なにか感じたことはありますか。
CLZ:特別大阪だからなにかあるというわけではないです。ただ僕は大阪が地元で、ここ(ヨドバシ梅田)にもよく来ていたので、そこでイベントに出演しているというのは不思議な気持ちです。

——やはりよく行かれていたんですか?
CLZ:めっちゃ行ってましたね。小学校の時は、よくこの辺りのゲーセンに通っていたので。
——Razer製品についてどうお考えですか?
GON:Razer製品はクオリティが高い。そして、みんな使っているから保証されている部分がありますね。マイナーなメーカーのマウスだと、オフライン会場でどうなっちゃうかわからないリスクがあるので、そういう面でも安心できますね。
——ちなみにおすすめは?
GON:Razer DeathAdder V3 Pro Faker Editionです。
——「Huntsman V3 Pro」についてはいかがでしょうか。
GON:めちゃくちゃいいキーボードだと思います。ぶっちゃけキーボードってどこも横並びで好みが分かれるという感じなんですけど、個人的には単純に打感がめっちゃ好きですね。

——今回のイベントとは少し離れてしまいますが、学生向けの『VALORANT』のeスポーツ大会「Red Bull Campus Clutch」がもう間もなく開幕します。日本代表の「GYUDON EATING」へなにかメッセージをお願いします。
GON:勝つ勝たないよりも、これがいい経験になると思うので、プレッシャーに押し負けずに、自分は今いい経験をしているんだと自覚しながらがんばってほしい!
——最後に、ファンの方へのメッセージをお願いします。
GON:こうやってオフラインのイベントに来ていただける方には直接力をもらっています。イベントには来られないけど、普段配信でコメントをしてくれる人とか、コメントはしないけど見守ってくれる人がいるということも自覚して、これからも頑張っていこうと思います。
CLZ:いつも応援してくださってありがとうございます。こういうイベントに来てくださったり、オンライン上でも応援してくださったりするのが、すごく励みになっています。これからもがんばりますので、応援よろしくお願いします。
GON:俺もそんな感じが良かったな……。
——いえいえ、大丈夫ですよ(笑)。
———
関係者の方にお聞きしたところ、当日はなんと700人以上の観客が来られていたそう。実際それなりに広い会場の端っこまでびっしりと人が詰まっており、選手含め関係者の皆さんはそろって「想定外」と言っていたのが印象的だ。
筆者も体験したことがあるが、両選手ともファンサービスがとても厚い。実際イベント後の交流会では、気さくだが丁寧にファンたちと交流しており、その人気の高さもうなずけるものだった。
FENNELとRazerが初めてタッグを組んだこのイベント、FENNEL側としてもRazer側としても非常に得るものは大きかったのではないだろうか。想像以上の反響があったこのイベントを足がかりに、今後はどのような相乗効果を見せてくれるのだろうか。もしあるならば、次のイベントにも注目だ。
撮影:まいる
編集:いのかわゆう
【まいるプロフィール】
関西を拠点にする男性コスプレイヤー。イベントや大会によくコスプレ姿で出没する。2021年頃から『VALORANT』にハマり、競技シーンを追い続ける。現在の推しチームは「CREST GAMING」。Twitter:@mlunias(Photo by Subaru.F.)

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- 【結果速報 8月17日】「EWC 2025」鉄拳8部門はUlsan選手が大会初の2連覇達成!
- 2025年8月13日(水)〜16日(土)にサウジアラビア・リヤドで開催された「Esports World Cup 2025」(EWC 2025)『鉄拳8』部門が開催され、Ulsan選手が2024年に続き「EWC」2連覇を達成した。Esports World Cup 2025とはサウジアラビア・リヤドで開催される、世界最大のeスポーツイベント。24タイトル、25トーナメントが行われ、賞金総額はeスポーツ史上最高の7000万ドル超(約100憶円)。個人表彰だけでなく、チーム対抗戦として「Club Points」で競い合う要素もある。 Esports World Cup 2025 鉄拳8部門 結果発表 本戦は32人からスタート。ファーストフェーズは4人ずつ8グループに分かれて上位2名が、セカンドフェーズは4人ずつ4グループに分かれて上位2名が、ダブルエリミネーションで勝ち上がっていく。そして、トップ8の決勝トーナメントとなるサードフェーズは、シングルエリミネーションの一発勝負で頂点を目指す。トップ8は、日本のピンヤ、チクリンが勝ち上がっているが、強豪国として有名なパキスタン勢がセカンドフェーズで軒並み脱落。一発勝負のトーナメントはすべて先に5セット取った方が勝利となる過酷な勝負は、ピンヤ、CBMを下したULSANと、チクリン、JeonDDingを下したLowHighの同郷対決に。互いに手の内を知り尽くした5先という長丁場の対決は、まさに一進一退の攻防。ULSANが2ゲームを取るとLowHighも2ゲームを取り返しイーブンに持ち込む。セットカウントも2-2と一歩も譲らない中で、一撃差のタイムアップでULSANが3-2に持ち込むと一気に勢いを増し、そのまま3ゲーム連取の5-2でULSANが勝利した。これでULSANは、「EWC」史上初の2連覇を達成。賞金25万ドルを獲得した。なお、3位決定戦はCBMとJeonDDingの対決。CBMが仁でJeonDDingのエディを3-0で封じ込めると、JeonDDingはアンナで2本取り返す。しかしうまく対応したCBMがさらに2本を奪い、5-2で3位を獲得した。順位所属チーム|選手名1 Freecs / ULSAN 2 DRX|LowHigh 3 Freecs|CBM 4 Team VitalityTeam Vitality 5 DRX|Mulgold = VARREL|ピンヤ = Zero Tenacity|qudans = THY esports|チクリン 配信URL 【配信】DAY4(日本語配信) ■関連リンクstart.gg:https://www.start.gg/tournament/evo-2025/event/tekken-8EVO公式X:https://x.com/EvoEVO公式サイト:https://www.evo.gg
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- 【現地レポート】高校生eスポーツ日本一を決める祭典が「大阪・関西万博」で開催! プロ顔負けの熱い試合に会場は大盛況——「STAGE:0 eSPORTS High-School Championship 2025」
- 全国の高校生によるeスポーツ日本一を決める祭典「STAGE:0 eSPORTS High-School Championship 2025」が、8月15日(金)~17日(日)にて開催された。特に1番目の競技タイトルは『VALORANT』、全国ベスト4のチームが一堂に会し、熱いバトルを繰り広げる。▲3日間にわたり、計7種目の競技が実施される。15日(Day1)は、ライアットゲームズの『VALORANT』と『リーグ・オブ・レジェンド』の2タイトル そして本イベントが開催されたのは、なんと「大阪・関西万博2025」の会場内。夢洲駅を抜け、会場内に入ると、出迎えるのは超巨大な大屋根リング。そしてイベントが行われるのは、大屋根リングの外周を少しまわった先にあるホールだ。現地の来場者は自由に会場へ入ることができ、観客席には飛び入り参加の方も非常に多かった。▲大屋根リングは生で見ると圧巻の大きさ! この暑い日差しの中、休憩スペースとしても大活躍だ ▲限定デザインのタオルが先着で無料配布。汗を拭いつつ、応援もできるという一石二鳥のグッズ ▲コカ・コーラのテイスティングも実施。キンキンに冷えたコーラは、火照った体を冷ますのに最適だ ▲大会アンバサダーのアンガールズ・田中卓志(左)。スペシャルサポーターのアルコ&ピース・平子祐希と酒井健太(中・右)が登場。芸人がいることでトークもいっそうと盛り上がる ▲観客の多くは、たまたまこの日万博に来ていた来場者がほとんど。ゲームの詳しいルールまでは知らなくとも、場を盛り上げる実況解説と、高校生たちのが見せる熱い試合展開に、会場からは非常に温かい歓声が上がっていた ▲フィストバンプ(グータッチ)を交わし、自身の席へと向かう選手たち。お互いの健闘を称え合う、いわば試合前の挨拶だ 若さが光るアグレッシブな試合展開 昼過ぎから行われた決勝戦では、ルネサンス「Across」 vs ルネサンス豊田「大阪に行くために」の、日本一を決める最後の戦いとなった。▲「大阪に行くために」(画面右)は、驚きの3センチネル構成だ。サッカーに例えるとフォワードがいない状態だという 「Across」が選択したマップはロータス。古代遺跡をモチーフにした、3つのサイトを持つ比較的広めのマップだ。そんな中で、「大阪に行くために」は近年稀に見る3センチネル構成を選択した。▲守備を得意とするキャラクターばかりで、本来ならば攻撃側は苦手なはずだが、攻撃側スタートの「大阪に行くために」は最序盤からラウンドを連取 4点差をつけられた「Across」だったが、特に攻守が交代すると徐々に反転攻勢をかけはじめる。▲試合中盤、8-8という同点の展開にまで持ち込んだ「Across」 だがここで「大阪に行くために」が先に9:12でマッチポイントを決める。13点を獲得すれば勝利のところ、このままあと1点を取りきれば勝利だ。しかし、対する「Across」もこの崖っぷちの状況の中で見事な逆転劇を見せる。22ラウンド目、23ラウンド目と「Across」はギリギリのところで持ちこたえ、じわじわと追いついていく。波乱の展開となり、会場内は声援が飛び交っている。▲早々にマッチポイントを決めた「大阪に行くために」だったが、それに必至に喰らいつく「Across」。1対4という人数不利をひっくり返す見事なクラッチで、会場を大いに沸かせた(https://www.youtube.com/live/q09sCT_Pf1M?si=eQ6QJoJULlHGC8b4&t=18227) ▲「大阪に行くために」のメンバーにとっては、非常に苦しい展開。背後から追いつかれ、プレーにも焦りが滲み出る しかし迎えた24ラウンド目、堅い守りで徐々に人数を削り、相手を翻弄する「大阪に行くために」。逃げるようにして遠くのサイトへ移動する「Across」だったが、最後は「大阪に行くために」へ軍配が上がった。▲Aサイト、Bサイトとことごとく止められ、消去法で選んだCサイトだったが、人数差にあらがうことはできなかった(https://www.youtube.com/live/q09sCT_Pf1M?si=rGi9RHP0rw25GtCF&t=18370) ▲優勝の瞬間、思わず抱き合う選手たち。会場からは温かい拍手が湧き上がった 優勝チーム囲みインタビュー ▲優勝チームのルネサンス豊田(大阪に行くために)のメンバー。左からイクラはいくら、reia7sh(れいあ)、JackReacher(じゃっくりーちゃー)、インスモークサンジ、sunday(さんでー)、ursus(あーさす) ——皆さん、ご優勝おめでとうございます。全員:ありがとうございます!——優勝して、率直な感想をお聞かせください。イクラはいくら:優勝できて、めちゃめちゃうれしいです! 緊張ですごくテンパったりしていたんですが、今回の大会で次に向けての課題を見つけられてよかったです。reia7sh:ちょっと危ないところもあったけど、後半になるにつれて、落ち着いていつも通りにプレーができ、優勝することができました。JackReacher:STAGE:0に懸ける思いは段違いだったので、すごく緊張しましたが、この大舞台で優勝できて良かったです。インスモークサンジ:優勝できてめちゃくちゃうれしいです。練習が報われました。sunday:今年はリザーバーとして試合に出場することはなかったんですが、みんなが2連覇を勝ち取ってくれてうれしいです。ursus:もう率直に、超うれしいです。——この万博内で実際にプレーしてみて、なにか感じたことはありますでしょうか?イクラはいくら:会場がすごくデカくて、より勝とうという思いがありました。JackReacher:この先、生きているうちにこの大阪という地で万博が開催されるかどうかは分からないので、そこに足を踏み入れることができてとてもうれしいです。——今大会では、大阪府からのeスポーツに対する支援があったかと思います。環境面など、この支援について感想をお聞かせください。イクラはいくら:当日の車での送迎だったり、できるだけ体力を使わないようにしてくださったので、体感でいつも通りのパフォーマンスが出せるようになったかなと思います。JackReacher:日本ではまだeスポーツが浸透しているとは言えない中で、大阪府がこのような支援をしてくれてとてもうれしかったです。インスモークサンジ:全体的な支援は物すごく厚かったので、選手目線ですごく助かりました。——このSTAGE:0という晴れ舞台、そして今回の勝利が、皆さんにとってどういったものだったか教えてください。reia7sh:STAGE:0は、同い年とか、自分と歳の近い人が出場できる数少ない大会だと思います。ここまでチームで勝てて良かったと思います。JackReacher:高校生活の中で3回しかなく、1年1年が貴重なので、やっぱり練習をすればするほどうまくなって勝つ確率も上がることが実感できました。sunday:このSTAGE:0は、高校生にとっても一種の青春でもあるし、新しい選手の芽を見つけることができる場所でもあるので、もっとこういった大きな舞台がたくさん開催されてほしいですね。勝利については——正直、1年生から3年生の間で3連覇したかったけど、今回は去年のメンバーとともに2連覇を達成することができてうれしいです。ursus:STAGE:0のために、このメンバーで集まって毎日練習してきて、めっちゃ頑張ってきたので、今日はちゃんと勝ちきれてすごくうれしいです。▲優勝トロフィーを掲げる「大阪に行くために」のメンバーたち ——普段の練習というのは、どういうことをされているのでしょうか?reia7sh:スクリム(練習試合)の相手を外部で募集できるサイトがあるんですけど、そこでよくプロチームなどとスクリムをしています。——決勝戦では3センチネルという尖った構成を使用していましたが、これはどういった意図だったのでしょうか?インスモークサンジ:ほとんどのチームがやらない構成なので対策されづらいし、その上セットアップも多くて刺さりやすいという感じだったので、強かったですね。——後半、少し相手に追いつかれる展開もありました。その中で最後勝ちきれた要因とは何でしょうか?ursus:タイムアウト中にコーチが「絶対勝てるよ」と声を掛けてくれて、だいぶ緊張がやわらぎました。▲焦る選手たちを落ち着けるかの如く、コーチによりタイムアウトが発動。選手たちは明確に、このタイムアウトが勝利の要因だと答えた ——チームメイトやコーチ、ご家族などに感謝を伝えたいと思う方がいれば、少し教えていただきたいと思います。JackReacher:お母さんに感謝したいと思います。お母さん……eスポーツは嫌いなんですけど(一同笑い)JackReacher:ゲームそのものが嫌いなんですけど、それでも自分がプロゲーマーになりたいと言うと、それを信じていろいろな支援をしてくれて、ここまで来れたということがすごくうれしいです。サプライズゲスト登場!ステージに現れたのは、まさかの吉村大阪府知事 この日の夕方、『League of Legends』部門の決勝戦が行われる直前のこと、突如としてステージに登壇したのは、この大阪・関西万博開催の立役者である吉村洋文大阪府知事であった。▲報道陣も直前に知らされた知事の登壇。ステージから降りた後、このあと実施される『LoL』部門の決勝戦を観戦していた アンガールズ田中:大阪府は結構eスポーツにも力を入れていると聞いたんですけども。吉村知事:「eスポーツといえば、大阪」と……呼ばれてませんが! そうなれるくらい力を入れたいと思って、今進めています。アンガールズ田中:(STAGE:0は)ずっと東京で開催していたんですけども、万博でやるということで、こちらでやらせていただいて。凄い盛り上がってるんですよ、朝から。吉村知事:ほんまですか?アンガールズ田中:いやいやいや、めちゃめちゃ朝から何回も鳥肌が! 大阪で言うと「さぶいぼ出てもうて~」吉村知事:さぶいぼね(笑)▲「このSTAGE:0が、できればまた大阪でやってもらえたら……」と、知事自ら誘致活動。試合に出場する高校生たちにエールを送りつつ、大阪府全体でeスポーツを盛り上げていくことを宣言した(https://www.youtube.com/live/q09sCT_Pf1M?si=g56ISY_Wew0tIkCQ&t=31209) ——— 今回のイベントで興味深かったのは、明らかに観客層が通常のeスポーツイベントとは異なっていた点だ。もちろん観客の中には、ゲームのルールを理解している人も多少いたが、その他大勢はeスポーツの試合を見ることすら初めてだという人も多かった。老若男女、本当に幅広い人々が観戦をしていた。だからこそ、競技シーンならば当たり前の「どちらかのチームを応援する」という現象が、今回はあまりなかった。むしろ「どちらも頑張れ」という、温かい声援と拍手が印象的だった。一昔前の価値観からすると考えられないというか、先人たちの努力もあってここまで社会に受け入れられてきたのだと、特に肌で感じた大会であった。今後、日本の競技シーンやその芽となる学生たちにとって、よりいっそう活躍の舞台が広がっていくことを期待したいと思う。なお関西に住む筆者としては、多くのゲーム系イベントが東京で開催される中、このようなイベントを大阪で開催してくれるのは非常に喜ばしい。「eスポーツといえば大阪」と言われるようになるまで、ぜひこの万博をてこにして頑張っていただきたい。■関連リンクSTAGE:0(ステージゼロ)|全国高校対抗eスポーツ大会 公式サイト:https://stage0.jpSTAGE:0(ステージゼロ) 公式X:https://x.com/stage0_jp配信アーカイブ:https://www.youtube.com/live/q09sCT_Pf1M?si=T9SHUhK4YB-e8lHq撮影:まいる編集:いのかわゆう【まいるプロフィール】関西を拠点にする男性コスプレーヤー。イベントや大会によくコスプレ姿で出没する。2021年頃から『VALORANT』にハマり、競技シーンを追い続ける。現在の推しチームは「CREST GAMING」。X:@mlunias(Photo by Subaru.F.)
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- 【結果速報 8月10日】 「LCP 2025 Season Finals」 注目の日本チーム直接対決はSHGに軍配!
- 『リーグ・オブ・レジェンド』のアジア太平洋リーグ「LCP 2025 Season Finals」のグループステージ フェーズ1が8月10日(日)に行われ、日本のFukuoka SoftBank HAWKS gaming(SHG)とDetonatioN Focus Me(DFM)の直接対決で、SHGが2-1でDFMを下した。グループステージ フェーズ1は、「Mid Season」の順位に応じて4チームずつ2つのグループに分けられ、上位グループと下位グループの勝敗数によってフェーズ2での有利不利が決まる。SHGとDFMはともに1勝1敗での直接対決で、勝った方がフェーズ2に有利な位置で挑める。1vs1はEvi vs Aria ピック順を決めるための1vs1はSHGのEvi選手とDFMのAria選手の対決。Evi選手はヴァルスでAria選手のイレリアを遠距離から攻め立てるも、Aria選手の攻め+タワーダメージで1キルを獲得。アイテムで強化したAria選手はアルティメットからまとわりつき、見事に勝利した。互いに一歩も譲らない好ゲーム ゲーム1はDFMがブルーサイドを選択。タワーや視界の有利を広げてアタカンを狙うSHGは、近づいてくるDFMを待ち受けて迎撃。ここからゴールド差と視界をさらに広げたSHGがまずは勝利した。ゲーム2はSHGがレッドサイドを選択。DFMはボット・トップともに相打ち覚悟で序盤にキルを奪うと、そのゴールド有利をさらに伸ばして1勝を取り返す。Bo3最後のゲーム3もDFMはブルーサイドを選択。DFMが有利で試合を進め、タワー、ゴールドともにDFM有利で迎えたアタカンファイトで、人数有利を取られたSHGがDFMを追い返しアタカンもリセット。ドラゴンをめぐる集団戦ではEvi選手のエンゲージから勝ち切り、そのままドラゴン&バロンを獲得。育ったMarble選手のカイ=サ、FATE選手のサイラスが止まらず、ゴールド差も逆転すると、じっくりひとつずつタワーを破壊していったSHGが勝利した。LCP 2025 Season Finals グループステージ フェーズ1 SHG vs DFM リザルト ゲーム1 SHG勝利バン&ピック試合結果ゲーム2 DFM勝利バン&ピック試合結果ゲーム3 SHG勝利バン&ピック試合結果最終結果グループステージ フェーズ2は8月15日(金)より この結果を受けてグループステージはフェーズ2に移行。再びグループを組み替えて、プレーオフ進出6チームを目指す。なお、下位2チームは「LCP 2026」への参戦をかけた入れ替え戦を行う。グループステージ フェーズ2は8月15日よりスタートする。© 2025 Riot Games, Inc. Used With Permission■関連SNSLoLEsports:https://lolesports.com/ja-JP/■配信URLTwitch:https://www.twitch.tv/riotgamesjpYouTube:https://www.youtube.com/LoLeSportsJP