『Apex Legends』の国際大会「Apex Legends Global Series(ALGS) Year 5 Championship」が、2026年1月15日(木)〜18日(日)にかけて、北海道札幌市「大和ハウス プレミストドーム(札幌ドーム)」にて開催された。

世界の強豪40チームが4日間にわたって戦い、北米の「Oblivion」が優勝。日本チームも9位に「FNATIC」、10位に「UNLIMIT」と健闘をみせた。本稿では決勝戦の模様とあわせて、会場に設けられた豪華なファンゾーン、昨年からより進化した“ALGS札幌”の様子をお届けする。


昨年に引き続き、戦いの舞台は大和ハウス プレミストドームだ。最寄りの札幌市営地下鉄「福住(ふくずみ)」駅には、券売機など駅構内にALGSの装飾がなされ、「大和ハウス プレミストドームをeスポーツの聖地に」という言葉が踊っている。もっとも既にALGSファンにとって大和ハウス プレミストドームは印象深い地になっているだろうし、既に決定している2027年のChampionshipをもって、その地位は確固たるものになるだろう。



会場は大和ハウス プレミストドームを分割し、半分をアリーナ、半分をスポンサーブースやチームブースなどが楽しめるファンゾーンとして配置された。
決勝のチケットは完売しており、スタンド上部と左右まで観客がびっしり。多くの観客が座席に着席するまで、オープニングパフォーマンスの開始を15分遅らせるほどだった。そのオープニングパフォーマンスではラッパーのOZworldが公式アンセム「STIM UP」を披露したほか、サプライズとして初音ミクが登場。北海道で生まれたという縁もあり、トロフィーリベールに起用された。


ずらっと20チームが並ぶ『Apex Legends』の大会は何度見ても壮観だが、大きな会場なだけあって選手たちのプレーを見るモニターも豪勢だ。
メインに置かれた五枚には、オブザーバーの視点(メインとなるプレー画面)だけでなく、全体マップでチームがどのような配置で戦っているのかがよく分かる。さらに決勝ではマッチポイント形式(一定のポイントを獲得したチームにマッチポイントが点灯し、それより後の試合でマッチポイントチームがチャンピオンを獲ると優勝)におけるポイント状況がリアルタイムで映し出された。
そしてなにより最高なのは観客だ。タイトル獲得にはなかなか至らないが、日本チームが世界に通用する様を期待するファンの熱量はすさまじく、FNATICを筆頭に日本チームの選手入場では会場が揺れるほどの歓声が沸き立った。

試合中も手に汗握る最終局面では会場の緊張感が高まり、マッチ7ではTeam Falconsの優勝をギリギリで止めたFNATICのチャンピオンに、今大会一番の悲鳴すら混じる歓声があがった。特にこのシーンは今大会における最も盛り上がった瞬間のひとつであり、それほど日本チームにかける期待が高いことを感じさせる。
また、会場では現地ウォッチパーティも実施され、ゆきおさん、あっしーさんなど、著名な国内外のストリーマーが現地からその熱を届けた。


「半日遊べる」規模へ進化
昨年より1.5倍ほど広くなったファンゾーンは、広さだけでなくコンテンツの規模も拡大され、ここだけで半日くらい楽しめるほど充実していた。







特に拡大したと感じたのは、チームブースだ。昨年は数チームだけでやや寂しい印象だったが、今年はFNATIC、RIDDLE、Crazy Thievesなど日本チームだけでなく、AllianceやVirtus.proも物販を実施。なかなか日本からは入手しにくいアイテムを手に取ってゲットできる貴重な機会を提供していた。



また、札幌市のブースもあり、北海道のお土産を販売していたほか、札幌市の観光案内、札幌で行われているゲーム開発の取り組みを紹介していた。北海道民にはお馴染みだという「ほくでん(北海道電力)」も水素自動車で発電した電気を使って『Apex Legends』を実演プレーしたり、エネルギーアモ縛りで2,000ダメージ以上をとるとオリジナルグッズがもらえるなどユニークな出展をしていた。



スポンサーブースのなかでは、INZONEブースが豪華だ。昨年に続き人気のワイヤレスイヤホン「INZONE Buds」がもらえる企画や、著名インフルエンサーやプレーヤーが登壇するステージ、実際に限定価格で販売するなど、存在感を放っていた。
なおINZONEは公式ギアとして採用され、ハイエンドモニター「INZONE M10S」やヘッドセット「INZONE H9 II」は競技でも活躍。特にINZONE H9 IIのノイズキャンセリング性能は、選手たちのボイスチャットが聞ける「FACEIT」でも確かめることができる。
参考:
https://www.faceit.com/ja/watch/matches/695bfe5d43ae2ce034795acf/ALGS-2026-Championship-Match?map=1


さて、ここからは優勝した「Oblivion」Blinkzr(ぶりんくつぁー)選手、Monsoon(もんすーん)選手、FunFPS(ふぁんえふぴーえす)選手、RubyKaster(るびーかすたー)コーチへの記者会見を抜粋してお届け。優勝の決め手や日本や観客への感謝が語られた。

——Monsoon選手はTwitterで…Xで……。
Monsoon:僕のなかでは今でも「Twitter」だよ(笑)
——(笑)Xで日本を満喫している投稿を拝見しました。そんな日本(北海道)で優勝することをどう思いますか?
Monsoon:ゲームより食べ物が好きかもしれません(笑)。
実は若い頃はレストランで働いていて、最初に働いたレストランは寿司屋だったんです。世界のいろんな食べ物を食べるのが好きですが、北海道はそのなかでもトップにあります。こういった機会でファンのためにプレーするだけでなく、自身も美味しい思いができてうれしいです。
——初めて世界一になった場所が北海道であることをどう感じますか?
Blinkzr:『Apex Legends』プレーヤーとしてこれ以上の勝利はありません。それを札幌で成し遂げたことは特別です。今回は信じられない体験でした。
Monsoon:日本のファンはとても我々をとても愛してくれていることを感じました。僕らプレーヤーと同じくらいの情熱を注いでくれています。『Apex Legends』を体現したような空間は最高だったね。
——来年も札幌で行われます。
FunFPS:会場も街も、天気も含めすべてを気に入っているよ。また戻ってきたいね。
Monsoon:僕らはそもそも競技が好きだから、少し休んだらまた頑張るよ!

——マッチ4であと1ポイントのところまで届きましたが、マッチ5ではポイントを獲得できませんでした。なにがあったのでしょう。
Blinkzr:実は僕のせいなんだ(笑)。
どうなるかと思ったけど「まだ終わってない、次にいこう」と声をかけてくれました。仲間には助けられました。
Monsoon:そう、このク○野郎がマッチ5で死にやがったから負けたんだ(笑)。でもそのあとでしっかりチャンスをつかめるように頑張ったよ。
——最終マッチで優勝できた決め手はなんだったと思いますか?
Monsoon:我々はかなり有利なエリアを取れました。かなりのプレッシャーを与えられる位置をとることができたことが大きかったですね。
RubyKasterコーチ:Blinkzrがパフォーマンスを巻き返してきたことも大きかったです。3人全員が高い勢いを持ち、互いを信頼していたからこそ、結果につながったと思います。
——LCQ(敗者復活戦)から今大会に出場しました。当時はこの結末を予想していましたか?
Blinkzr:Finalsに出場できたとき「これはイケる」と思いました。どういう流れになるかは想像しやすいし、我々がやるべきことをやり、自信を持って戦うことがこの勝利に繋がると確信していました。
——今のメタにおいてチームが秀でている点はどこだと感じますか?
Blinkzr:「ゆっくりプレーする」ことです。多くのプレーヤーは早く展開をつなぎたいと思っているように見えますが、攻撃的に来るのに対し、我々はゆっくりとエリアを守り「クリーンなApex Legends」をしてるんです(笑)。
——今大会でルーティンなどはありましたか?
Blinkzr:「リラックスしていつも通りプレーする」こと。
Monsoon:ビタミングミを食べてたよ。
FunFPS:4日連続で同じラーメンを食べる。醤油ラーメン。
——チーム買収の話もあると思いますが、どう考えていますか?
Monsoon:まずは勝利を噛みしめてるよ。これまでアホみたいに低いオファーもあったからね(笑)。今後どうなるか分からないないけど楽しみだよ。

総括として「世界レベルのeスポーツ」を感じた。これに尽きる。アリーナの盛り上がりとファンゾーンの豪華さ、周辺地域を巻き込んだ施策は、あまりにも世界レベルだ。そして、これまでいくつかのeスポーツ国際大会を取材してきたが、FNATICがTeam Falconsの優勝を止めた時の地響きのような歓声は、日本でもこの熱狂が生まれるんだと感動すら覚えた。

付け加えると、優勝には至らなかったものの、3つの日本チームが決勝に残ったことも誇りに思う。ALGSも5年目を終え、黎明期から活躍していたプレーヤーが引退することも増えてきた。そんななかで新たな日本プレーヤーがベテランのもとで台頭し、爪痕を残すことができたことは、シーンにとって喜ばしいことだろう。
大和ハウス プレミストドームというeスポーツの聖地で再びALGSで開催されるのが待ちきれない。今回は決勝のチケットが完売したが、前述の通り、競技アリーナは実質大和ハウス プレミストドームの収容人数の半分ほどしか実力を発揮していない。ステージセットなどの工夫次第では、より多くのファンを迎えることもできるだろう。より高いレベルでエンタテインメントとして、競技として進化していってほしいと願う。
■関連リンク
ALGS Year 5:
https://algs.ea.com/ja
ALGS APAC NORTH - JP:
https://x.com/ALGS_JP
撮影:岡野朔太郎
編集:いのかわゆう

世界の強豪40チームが4日間にわたって戦い、北米の「Oblivion」が優勝。日本チームも9位に「FNATIC」、10位に「UNLIMIT」と健闘をみせた。本稿では決勝戦の模様とあわせて、会場に設けられた豪華なファンゾーン、昨年からより進化した“ALGS札幌”の様子をお届けする。

▲日本・韓国を含むAPAC-N勢は、ENTER FORCE.36が3位、FNATICが9位、UNLIMITが10位、SBI e-Sportsが17位と健闘をみせた

▲会期中は吹雪くことはなかったが、積もった雪に囲まれた会場
昨年に引き続き、戦いの舞台は大和ハウス プレミストドームだ。最寄りの札幌市営地下鉄「福住(ふくずみ)」駅には、券売機など駅構内にALGSの装飾がなされ、「大和ハウス プレミストドームをeスポーツの聖地に」という言葉が踊っている。もっとも既にALGSファンにとって大和ハウス プレミストドームは印象深い地になっているだろうし、既に決定している2027年のChampionshipをもって、その地位は確固たるものになるだろう。

▲入り口では氷像がお出迎え、今年はネッシーとワットソン

▲福住駅構内はALGSの装飾が多く見られる

▲一般入場口付近ではサイネージも
超満員のスタンドで世界レベルの熱狂を
会場は大和ハウス プレミストドームを分割し、半分をアリーナ、半分をスポンサーブースやチームブースなどが楽しめるファンゾーンとして配置された。
決勝のチケットは完売しており、スタンド上部と左右まで観客がびっしり。多くの観客が座席に着席するまで、オープニングパフォーマンスの開始を15分遅らせるほどだった。そのオープニングパフォーマンスではラッパーのOZworldが公式アンセム「STIM UP」を披露したほか、サプライズとして初音ミクが登場。北海道で生まれたという縁もあり、トロフィーリベールに起用された。

▲決勝の会場は人で埋め尽くされ、移動も大変なレベルだった

▲モニターがめちゃくちゃある(写ってないが左右にももう1枚ずつある)ので、広い会場でもしっかり試合を見られる
ずらっと20チームが並ぶ『Apex Legends』の大会は何度見ても壮観だが、大きな会場なだけあって選手たちのプレーを見るモニターも豪勢だ。
メインに置かれた五枚には、オブザーバーの視点(メインとなるプレー画面)だけでなく、全体マップでチームがどのような配置で戦っているのかがよく分かる。さらに決勝ではマッチポイント形式(一定のポイントを獲得したチームにマッチポイントが点灯し、それより後の試合でマッチポイントチームがチャンピオンを獲ると優勝)におけるポイント状況がリアルタイムで映し出された。
そしてなにより最高なのは観客だ。タイトル獲得にはなかなか至らないが、日本チームが世界に通用する様を期待するファンの熱量はすさまじく、FNATICを筆頭に日本チームの選手入場では会場が揺れるほどの歓声が沸き立った。

▲FNATIC入場時、会場から一際大きな歓声があがった
試合中も手に汗握る最終局面では会場の緊張感が高まり、マッチ7ではTeam Falconsの優勝をギリギリで止めたFNATICのチャンピオンに、今大会一番の悲鳴すら混じる歓声があがった。特にこのシーンは今大会における最も盛り上がった瞬間のひとつであり、それほど日本チームにかける期待が高いことを感じさせる。
ヒーローは遅れてやって来る。
— FNATIC JAPAN (@FNATIC_JP) January 18, 2026
俺たちが、Championshipを救いに来た!#FNCWIN pic.twitter.com/OfK2jLJfcH
また、会場では現地ウォッチパーティも実施され、ゆきおさん、あっしーさんなど、著名な国内外のストリーマーが現地からその熱を届けた。

▲ステージだけでなく、キャスター席、ウォッチパーティ席がおさまっているアリーナ部分

▲目線をくれるゆきおさん
「半日遊べる」規模へ進化
地域とファンが繋がった豪華ファンゾーン
昨年より1.5倍ほど広くなったファンゾーンは、広さだけでなくコンテンツの規模も拡大され、ここだけで半日くらい楽しめるほど充実していた。

▲写真手前がファンゾーン、暗幕に区切られて反対側が競技アリーナ

▲ファンに応対するNiceWigg

▲ALGS神社では、絵馬を書いて飾ることができる

▲なかには著名なストリーマーが書いたものも。画像はぶいすぽっ!神成きゅぴさんのもの

▲LFTボード。プレデター、多くないか?

▲折り紙でネッシーを作るスタンプラリー企画も行われた

▲レジェンドたちの出身地やセリフなどにちなんだコラボフードも販売された
特に拡大したと感じたのは、チームブースだ。昨年は数チームだけでやや寂しい印象だったが、今年はFNATIC、RIDDLE、Crazy Thievesなど日本チームだけでなく、AllianceやVirtus.proも物販を実施。なかなか日本からは入手しにくいアイテムを手に取ってゲットできる貴重な機会を提供していた。

▲Crazy Thievesブース。おしゃれ

▲試合のない時間帯は常に人がごった返しているチームブース付近

▲海外チームのグッズを実際に手に取って購入できる機会は貴重
また、札幌市のブースもあり、北海道のお土産を販売していたほか、札幌市の観光案内、札幌で行われているゲーム開発の取り組みを紹介していた。北海道民にはお馴染みだという「ほくでん(北海道電力)」も水素自動車で発電した電気を使って『Apex Legends』を実演プレーしたり、エネルギーアモ縛りで2,000ダメージ以上をとるとオリジナルグッズがもらえるなどユニークな出展をしていた。

▲札幌でお馴染みのお菓子がズラリ。実際にこの場で購入できる

▲初音ミクを手がける「クリプトン・フューチャー・メディア」が自ら販売するクッキー。北海道でも買える場所が限られているとのこと

▲道外からの観客も多いなか、観光を楽しんでほしいという想いから、熱心に観光名所の案内がされていた
スポンサーブースのなかでは、INZONEブースが豪華だ。昨年に続き人気のワイヤレスイヤホン「INZONE Buds」がもらえる企画や、著名インフルエンサーやプレーヤーが登壇するステージ、実際に限定価格で販売するなど、存在感を放っていた。
なおINZONEは公式ギアとして採用され、ハイエンドモニター「INZONE M10S」やヘッドセット「INZONE H9 II」は競技でも活躍。特にINZONE H9 IIのノイズキャンセリング性能は、選手たちのボイスチャットが聞ける「FACEIT」でも確かめることができる。
参考:
https://www.faceit.com/ja/watch/matches/695bfe5d43ae2ce034795acf/ALGS-2026-Championship-Match?map=1

▲昨年に続きINZONEブースでは多くのステージイベントが行われた

▲『Apex Legends』のプレーエリアも設けられた。遊べるのはもちろんだが、INZONEの最新デバイスを試す機会にもなる
「これ以上の勝利はない」王者Oblivionが語る、札幌での激闘と日本への感謝
さて、ここからは優勝した「Oblivion」Blinkzr(ぶりんくつぁー)選手、Monsoon(もんすーん)選手、FunFPS(ふぁんえふぴーえす)選手、RubyKaster(るびーかすたー)コーチへの記者会見を抜粋してお届け。優勝の決め手や日本や観客への感謝が語られた。

▲写真左からRubyKasterコーチ、Blinkzr選手、FunFPS選手、Monsoon選手
——Monsoon選手はTwitterで…Xで……。
Monsoon:僕のなかでは今でも「Twitter」だよ(笑)
——(笑)Xで日本を満喫している投稿を拝見しました。そんな日本(北海道)で優勝することをどう思いますか?
Monsoon:ゲームより食べ物が好きかもしれません(笑)。
実は若い頃はレストランで働いていて、最初に働いたレストランは寿司屋だったんです。世界のいろんな食べ物を食べるのが好きですが、北海道はそのなかでもトップにあります。こういった機会でファンのためにプレーするだけでなく、自身も美味しい思いができてうれしいです。
Ngl twin this shit is comp on god(bazooka granny mode) pic.twitter.com/im3EhAz1SM
— Monsoon (@MonsoonGG) January 13, 2026
——初めて世界一になった場所が北海道であることをどう感じますか?
Blinkzr:『Apex Legends』プレーヤーとしてこれ以上の勝利はありません。それを札幌で成し遂げたことは特別です。今回は信じられない体験でした。
Monsoon:日本のファンはとても我々をとても愛してくれていることを感じました。僕らプレーヤーと同じくらいの情熱を注いでくれています。『Apex Legends』を体現したような空間は最高だったね。
——来年も札幌で行われます。
FunFPS:会場も街も、天気も含めすべてを気に入っているよ。また戻ってきたいね。
Monsoon:僕らはそもそも競技が好きだから、少し休んだらまた頑張るよ!

「このク○野郎がマッチ5で死にやがった(笑)」
——マッチ4であと1ポイントのところまで届きましたが、マッチ5ではポイントを獲得できませんでした。なにがあったのでしょう。
Blinkzr:実は僕のせいなんだ(笑)。
どうなるかと思ったけど「まだ終わってない、次にいこう」と声をかけてくれました。仲間には助けられました。
Monsoon:そう、このク○野郎がマッチ5で死にやがったから負けたんだ(笑)。でもそのあとでしっかりチャンスをつかめるように頑張ったよ。
——最終マッチで優勝できた決め手はなんだったと思いますか?
Monsoon:我々はかなり有利なエリアを取れました。かなりのプレッシャーを与えられる位置をとることができたことが大きかったですね。
RubyKasterコーチ:Blinkzrがパフォーマンスを巻き返してきたことも大きかったです。3人全員が高い勢いを持ち、互いを信頼していたからこそ、結果につながったと思います。
——LCQ(敗者復活戦)から今大会に出場しました。当時はこの結末を予想していましたか?
Blinkzr:Finalsに出場できたとき「これはイケる」と思いました。どういう流れになるかは想像しやすいし、我々がやるべきことをやり、自信を持って戦うことがこの勝利に繋がると確信していました。
——今のメタにおいてチームが秀でている点はどこだと感じますか?
Blinkzr:「ゆっくりプレーする」ことです。多くのプレーヤーは早く展開をつなぎたいと思っているように見えますが、攻撃的に来るのに対し、我々はゆっくりとエリアを守り「クリーンなApex Legends」をしてるんです(笑)。
——今大会でルーティンなどはありましたか?
Blinkzr:「リラックスしていつも通りプレーする」こと。
Monsoon:ビタミングミを食べてたよ。
FunFPS:4日連続で同じラーメンを食べる。醤油ラーメン。
——チーム買収の話もあると思いますが、どう考えていますか?
Monsoon:まずは勝利を噛みしめてるよ。これまでアホみたいに低いオファーもあったからね(笑)。今後どうなるか分からないないけど楽しみだよ。

まとめ
総括として「世界レベルのeスポーツ」を感じた。これに尽きる。アリーナの盛り上がりとファンゾーンの豪華さ、周辺地域を巻き込んだ施策は、あまりにも世界レベルだ。そして、これまでいくつかのeスポーツ国際大会を取材してきたが、FNATICがTeam Falconsの優勝を止めた時の地響きのような歓声は、日本でもこの熱狂が生まれるんだと感動すら覚えた。

付け加えると、優勝には至らなかったものの、3つの日本チームが決勝に残ったことも誇りに思う。ALGSも5年目を終え、黎明期から活躍していたプレーヤーが引退することも増えてきた。そんななかで新たな日本プレーヤーがベテランのもとで台頭し、爪痕を残すことができたことは、シーンにとって喜ばしいことだろう。
大和ハウス プレミストドームというeスポーツの聖地で再びALGSで開催されるのが待ちきれない。今回は決勝のチケットが完売したが、前述の通り、競技アリーナは実質大和ハウス プレミストドームの収容人数の半分ほどしか実力を発揮していない。ステージセットなどの工夫次第では、より多くのファンを迎えることもできるだろう。より高いレベルでエンタテインメントとして、競技として進化していってほしいと願う。
■関連リンク
ALGS Year 5:
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ALGS APAC NORTH - JP:
https://x.com/ALGS_JP
撮影:岡野朔太郎
編集:いのかわゆう
【岡野朔太郎プロフィール】
「AUTOMATON」や「Game*Spark」に寄稿するフリーライター。「狭く深く深淵へ」をモットーにシューティングやアクションゲームを貪り食って生きている。オフラインイベントが大好きで、幼少期からゲームイベントに通っているが、いまだに武蔵野線と京葉線は間違える。
X:@sakunationninth
「AUTOMATON」や「Game*Spark」に寄稿するフリーライター。「狭く深く深淵へ」をモットーにシューティングやアクションゲームを貪り食って生きている。オフラインイベントが大好きで、幼少期からゲームイベントに通っているが、いまだに武蔵野線と京葉線は間違える。X:@sakunationninth
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- 【大会レポート+インタビュー】 小学3年生vsプロによる頂上決戦で、大ベテランのSAKI選手が初戴冠! ——東京eスポーツフェスタ2026 ぷよぷよeスポーツ部門
- 「東京eスポーツフェスタ 2026」が1月9日(金)〜11日(日)に、東京ビッグサイトにて開催された。パブリックDayとなる11日(日)には、『ぷよぷよeスポーツ』によるeスポーツ大会が開催された。「ぷよぷよeスポーツ」部門は小学生以上なら誰でも参加できるオープン大会。ぷよぷよランキング対象大会として実施され、会場予選から決勝まで当日行われた。優勝したのは、JESUのプロライセンスを所有し、TEQWINGに所属するSAKI選手。東京eスポーツフェスタとは東京都や関連団体で構成される実行委員会が主催する「東京eスポーツフェスタ」は、eスポーツの普及と関連産業の振興を目的に開催されているeスポーツイベントだ。2020年から開催されていて、今年開催される「東京eスポーツフェスタ2026」は7回目となる。 5勝先取という短期戦ならではのぷよバトル ぷよぷよeスポーツ部門は、予選はブロックごとに総当たり戦を行い、上位の選手が次の予選に進出するというかたちで、上位4位までが選出された。当初は予選は2回とアナウンスされていたが、当日は3回(1回戦で18名、2回戦で12名、3回戦で4名)まで絞られ、決勝大会はシングルエリミネーション。準決勝は5勝先取(Bo9)を1セット、決勝は5勝先取(Bo9)を2セット先取と、一般的な大会と比較すると短期決戦という点で、普段の大会とは異なる戦い方も要求された。【主な大会レギュレーション】参加資格:2025年4月2日時点で小学生以上のプレーヤー予選:ブロックごとに総当たり戦を行い、上位選手が次の予選に勝ち上がる。3回の予選で上位4名まで選出する決勝:上位4名でシングルエリミネーショントーナメントを実施。使用端末:主催者が用意したPS4のコントローラーを使用優勝賞品:「東京都知事杯」「Amazonギフトカード 15,000円分」 決勝に勝ち上がった4名は、いずれもさまざまな大会で活躍する名のある選手ばかり。プロのSAKI選手から、小学生ながら数々の大会で入賞してきたおうすけ選手まで、さまざまな選手が勝ち上がってきた。▲ステージ右からSAKI選手、syakegohan選手、るた選手、おうすけ選手 ▲決勝大会のトーナメント。 準決勝第1試合は、ベテランのSAKI選手と若き実力派のsyakegohan選手。互いに大連鎖を狙いつつ、syakegohan選手が中盤での小さな連鎖を効果的に使っていくが、その数を上回る連鎖でうまく反撃したSAKI選手が5-3で勝利する。準決勝第2試合は、るた選手と全国都道府県対応eスポーツ選手権では小学生の部で準優勝も飾っているおうすけ選手の対決。相手のぷよをしっかり見て対応するおうすけ選手が3本を連取するが、るた選手も本線の連鎖を重ねてきっちり反撃し、4-4のイーブンに。最終ラウンドは互いに本線を詰みながら、ダブルにダブルで応戦するやり取りの連続に。もつれた中でダメ押しの5連鎖をお見舞いしたおうすけ選手が、5-4で勝利した。決勝戦は、SAKI選手とおうすけ選手による5本先取×2回の勝負。どちらも相手のぷよを見ながら小連鎖と本線の連鎖のタイミングをうかがっていくが、試合巧者のSAKI選手が5-2でまずは1セットを奪う。しかしここからおうすけ選手が粘り強さを発揮し一気に4-0とリード。SAKI選手も取り返していくが、全消しに成功したおうすけ選手が5-4で1セットを取り返す。迎えた最終セット、本線の大連鎖をお互いに狙いつつ、小さな連鎖で邪魔し合うが、常にひとつ多い連鎖でカウターしていったSAKI選手が4-1で王手をかける。ここでおうすけ選手は「全消し」に成功し2本奪い返すが、反撃もここまで。2連鎖ダブルなどで揺さぶりをかけたSAKI選手が5-2で優勝を果たした。SAKI選手インタビュー 優勝したSAKIがインタビューに応じてくれたので、その様子をお届けしよう。 ▲優勝したSAKI ▲優勝したTEQWING e-sports所属のSAKI選手 ──優勝おめでとうございます。今の気持ちを教えてください。SAKI選手:いや、ほんとに非常に嬉しいです。1日戦ってきてずっと勝ち続けられて、いい日だったなと思います。──今大会の勝因はなんでしょうか?SAKI選手:自分を信じて、自分なりのプレーを発揮することができたところなんじゃないかなと思っています。──今大会は1日で予選から決勝まで勝ち抜いてきました。どんな1日でしたか?SAKI選手:自分のコンディションはかなり良かったんじゃないかと思っていて、相手の動き方に合わせて自分の動き方を選択し続けなきゃいけないゲームなんですけど、それがちょうど噛み合うように動けたなと、振り返って思います。──決勝戦はSAKI選手が1セット獲得してから、おうすけ選手が1セット取り返して追いつかれてからの勝利でした。どんな心境でしたか?SAKI選手:5本先取というのは『ぷよぷよ』の試合としてはそんなに多くない本数ではあるので、どっちが勝ってもおかしくない、くらいの気持ちで、気楽にプレイすることを心がけていました。その方が普段通りの自分のプレーが出せると信じているんです。気負ったり空回ったりすることも経験してきたので、そういうことはなるべくしないようにと。そのために、“リクライニング”もやっていたりします。▲リラックスと集中力を高めるために行っているという試合前のリクライニング ──あれはかなりご自身の中でも重要な行動なんですか?SAKI選手:そうですね、ルーティーンのひとつになっています。──『ぷよぷよeスポーツ』の競技シーンを振り返ると、2025年は全国都道府県対抗eスポーツ選手権で小学生の部、一般の部の両方で小学生が大人に交じって優勝するなど、若いプレーヤーの活躍が多く見られた年でした。今回も小学3年性のおうすけ選手が決勝まで勝ち上がってきましたが、若い子たちの活躍についてどう感じていますか?SAKI選手:私たち大人が1年間くらいかけて習得することを、小学生の子たちは1カ月以内にポンポン習得しちゃうんですよ。だから、ほんとに1、2年くらいでプロと戦える子たちがいま特に多くなってきていて、インターネットの教材とかもたくさんあるので、それを見て自分でぽんぽん吸収して学んできているんじゃないかなとは思っています。──ただ、そんな勢いがあるおうすけ選手を破り、結果的にはSAKI選手が優勝を勝ち取りました。勝てる理由はどんなところにあるのでしょうか?SAKI選手:こういう動き方はされたことがないだろう、というような動き方が、小学生たちには実はあるんです。基本的な王道の勝ち方とはちょっと外れて、どっちが有利なのか不利なのかが分かりづらいような動き方とか、中途半端な動き方があったりして。若い子たちはまだ経験していないし、身につけていないそういった行動で、相手を困惑させることができるんです。特に今日の決勝戦のおうすけ選手との試合では、そういう部分が多かったんじゃないかなとは思ってます。仕掛ける順番やタイミングによって、1秒遅れるだけで勝率が30%から60%に上がったり、その逆もあったりします。──そういった数値やデータで理解するというところは、もしかしたらまだ小学生の子たちには分からないかもしれませんね。SAKI選手:そうですね、多分感覚的には勝率とかもわかっていると思うんですけど、そこまでは気にしていないと思います。それも、こちらから見ると勝率60パーセントだけど、あちらから見ても勝率60パーセントだと思わせられるような動き方があったりして。そこがやっぱり経験の差だと思うんですよね。──では、そういうテクニックも彼らが身につけてきたら、SAKI選手:もう大変ですね、1カ月で見つけちゃうかもしれません。いつ化けてもおかしくない、あるいはもう化けているような選手もすでにいます。──ちなみに、おうすけ選手が決勝まで上がってきた時には、勝てる自信はありましたか?SAKI選手:自分のプレーができたら大体勝てるだろう、自分次第だとは思ってはいました。おおすけ選手は勢いがあるプレーヤーなので、そこに飲まれないように気を付けました。多分2セット目で0-4で負けていた場面とか、4本連取されたところは、流れを一気にもぎ取られたなと思いました。でもそれも、対戦前に一応ありうる展開だと予想はしていたので焦りとかはなく、冷静に立ち回れたかなと思います。──今後の目標は?SAKI選手:2月にセガの公式大会がありますので、そちらでも自分のプレーを出し切って優勝できたらうれしいです。──最後に、応援してくれた方々へのメッセージをお願いします。SAKI選手:いつも私のことを応援してくださってる皆さんには、本当に支えられているなと実感しています。これからもいい「ぷよぷよ」を見せ続けますので、よろしくお願いします。まとめ 今大会は「ぷよぷよランキング対象大会」として公式大会のひとつにもなっており、多くのぷよぷよファンやプロも集結していた。SAKI選手も優勝コメントで語っていたとおり、プロであっても予選で敗退してしまうほど、実力のあるプレーヤーが増えており、そこにさらに運の要素も加わり、単に実力だけでは勝てない競技になっている。全国都道府県対抗eスポーツ選手権でのよし選手(小学生の部)、ゆうき選手(オープン参加の部)という小学生のダブル優勝も記憶に新しい『ぷよぷよeスポーツ』の競技シーンは、急速に若手選手の活躍が目立つようになってきた。とはいえ、東京eスポーツフェスタの『ぷよぷよeスポーツ』部門は、ともくん選手の2連覇、今回のSAKI選手の優勝と、プロがしっかり優勝を勝ち取っており、いわば選手層がさらに厚くなってきているととらえるべきだろう。誰でもすぐにルールが理解できるにもかかわらず、極めようとすると何百、何千時間プレーしても勝てるかどうかわからないという、誰にでも可能性がある点が『ぷよぷよeスポーツ』というタイトルの面白さであり魅力でもある。全国のショッピングモールでの大会や、高齢者などを対象とした体験会、大会なども行われており、その裾野もどんどん広がりつつある。今回は敗れてしまった若手プレーヤーたちが、老獪なベテラン勢をどのようにねじ伏せていくのか。そしてベテラン勢はこれからどのように戦っていくのか。今後の東京eスポーツフェスタ ぷよぷよeスポーツ部門の大会の見どころのひとつとして、今後も注目していきたい。■東京eスポーツフェスタ 2026 『ぷよぷよeスポーツ』競技大会 アーカイブ ■関連リンク東京eスポーツフェスタ公式:https://tokyoesportsfesta.jpⓒ SEGA
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- 【日本eスポーツアワード2025】 ゆうき、ひなお、ドラ右、mkmldyらニュージェネレーションが多数受賞——主役は次の世代へ
- 日本国内のeスポーツ界における功績を表彰する年に一度の祭典「日本eスポーツアワード2025」が、2026年1月12日(月・祝)にパシフィコ横浜 ノースにて開催された。今年で第3回となる「日本eスポーツアワード」は、昨年開催されたパシフィコ横浜 国立大ホールとは異なり、広い空間を生かした会場作りになっていた。昨年から導入されたレッドカーペットでの入場は今年も実施。受賞選手たちがどのような装いで、どんな表情を浮かべながらレッドカーペットに臨むのか——。そんな晴れの姿をひと目見ようと、ファンが押しかけていた。▲U18スポーツプレーヤー賞を受賞したドラ右選手。16歳と若手ながら「スマッシュブラザーズ」シリーズで数々の優勝経験を持つトッププレーヤー。そんなドラ右選手も、レッドカーペットは緊張したとコメント ▲「ぷよぷよ」界の天才プレーヤーゆうき選手。10歳という若さで数々の大会で優勝経験を持つ。レッドカーペットに登場すると「かわいい〜!」と黄色い声援が飛び交っていた ▲ひときわ大きな声援が上がったのは、『第五人格』で活躍するAlf(あるふ)選手、Kznk(かずねこ)選手の登場だ。人気アイドルさながらの歓声は、競技シーンを超えて支持を集める存在であることを強く印象づけた 今年も昨年に引き続き、ストリーマー賞やVTuber賞、日本eスポーツアワード 流行語大賞2025といった、競技シーンとは異なる立場からeスポーツを支えてきた存在にスポットが当てられた。しかし、今年の受賞者を象徴するのは、間違いなくニュージェネレーションだ。U18の選手に限らず、多くの若手選手が受賞を果たし、主役が次の世代へ移りつつあることを印象づけた。今回は、そうしたニュージェネレーションの中から、特に注目したい選手にフォーカスし、授賞式でのコメントを紹介していく。eスポーツの世代交代が形となったニュージェネレーション 今回注目したいのは、ゆうき選手、ひなお選手、ドラ右選手、mkmldy選手の4名だ。いずれも「U18スポーツプレーヤー賞」を受賞しているが、競技タイトルや活動領域は多岐にわたり、eスポーツシーンの重心が確実に広がっていることを感じさせる。▲ぷよぷよ界の天才プレーヤーゆうき選手。eスポーツ全国大会「全国都道府県対抗eスポーツ選手権」では、小学生の部で2連覇、オープン参加の部で初出場初優勝を飾るなど、数々の大会で優勝を果たしてきた。今回は「U18スポーツプレーヤー賞」に加え、「マインドゲームプレーヤー賞」をダブル受賞するという快挙を成し遂げた(出典:日本eスポーツアワード2025 ©︎JAPAN eSPORTS AWARDS) ▲『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』の最前線を走り続けるドラ右選手。2025年11月に開催された日本最大級のオフライン大会「篝火 #14」で優勝を果たし、名実ともに国内トッププレーヤーの座を確固たるものとした(出典:日本eスポーツアワード2025 ©︎JAPAN eSPORTS AWARDS) ▲『第五人格』界のスタープレーヤーとして絶大な人気を誇るmkmldy(みこめろでぃ)選手。初戦公式大会で優勝し、華々しいデビューを飾った実力者だ(出典:日本eスポーツアワード2025 ©︎JAPAN eSPORTS AWARDS) また、授賞式には体調不良で出席できなかった、ひなお選手にも注目したい。2025年10月31日(金)〜11月2日(日)に中国で開催された『ストリートファイター6』の公式大会「Kuaishou FightClub Championship VI・Chengdu」にて、海外大会デビュー戦で初の優勝を収めた。▲初出場初優勝でこのポーズがとれるのは、ひなお選手のメンタルの強さの象徴ともいえる。この大会の優勝で、彼への注目が一気に高まったのはいうまでもない(出典:REJECT公式X) そんな彼らの初々しくも、力のこもったコメントをお届けしよう。ドラ右:このゲームという——この大きい舞台に立てて本当に光栄です。ファンの方々が投票してくれたおかげで、こういう場に立てているので本当に感謝しています。今年もがんばっていくので、応援してくれるとうれしいです。ありがとうございました。 ひなお(メッセージにてコメント):「日本eスポーツアワード」に14歳で受賞することができて大変うれしいです。ありがとうございます。今回は体調不良で出席することができず、本当に申し訳ございません。すごく出たかったのでとても悔しいです。投票してくださったファンの皆さん、本当にありがとうございました。今回は「カプコンカップ」に向けて、今まで以上に一生懸命がんばりますので、応援よろしくお願いします。今日は、本当にありがとうございました。 ゆうき(U18スポーツプレーヤー賞を受賞して):このたびは、とてもうれしい賞をありがとうございます。めっちゃうれしいです!去年は万博での実況や「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 オープン参加の部」でも優勝できた自分の中でとても大きい1年でした。またこのようなうれしい賞がもらえるように、今年もぷよぷよ活動をがんばります。 mkmldy選手:いつも応援してくださっているファンの皆様のおかげで、今回はこのようなすてきな賞をいただくことができました。本当にありがとうございます。これからの活動の中で、皆様に少しでも恩返ししていくことができるよう、今後も努めてまいります。応援、引き続きよろしくお願いします。 ゆうき(マインドゲームプレーヤー賞を受賞して):ふたつの賞をもらえてうれしいです。投票してくださった皆様ありがとうございました。これからもいろいろな方に、ぷよぷよを知ってもらって、ぷよぷよ界隈を大きくする活動をがんばりたいです。本当にふたつの賞をいただきありがとうございました。 eスポーツの世代交代を象徴するような若手プレーヤーの受賞が印象的だった今年の授賞式。「年間最優秀eスポーツプレーヤー賞」を受賞したGO1選手は38歳と、依然としてベテラン勢が最前線で圧倒的な存在感を放っているが、それに対抗するように多くの若手が台頭し注目を集める現状は、eスポーツシーンの発展にとって非常に健全な姿であると感じた。▲筆者はプレゼンターとして登壇。以前よりその才能に注目し、推薦にも携わらせていただいたゆうき選手が、2冠という最高の結果で応えてくれた。自身の確信を実力で証明してくれた彼に、直接トロフィーを手渡せたことは何物にも代えがたい経験となった 選手との交流やスポンサーブースなど、今年のブースはやや控えめ 昨年に引き続き、会場にはいくつかのスポンサーブース、また選手とのミート&グリート(選手との交流)ブースが設置されていた。▲NUROブースでは、『ストリートファイター6』の対戦が楽しめるほか、サイン入りユニホームが展示されていた ▲ソニーのゲーミングギア「INZONE」のデバイスが展示されているスポットも ▲スズキのブースでは、カプコンの人気ゲーム『ストリートファイター6』とコラボレーションしたバイクを展示。バイクにまたがって撮影することもできた ▲式典を記念したオリジナルグッズの販売も行われていた これらのイベントは、どちらかというとレッドカーペットから式典までの空いた時間に立ち寄る意味合いで設置されていたのか、大きな盛り上がりがあったかというと難しいところだ。このようなブース紹介も、公式Xでの発信こそあったが、公式サイトにはまとめられていない。つまりSNSを使っているユーザー前提で告知がされていたことに疑問を感じた。SNSの仕様上、流れてしまったタイムラインから特定の情報を見つけるのは、ユーザーにとって手間だ。そういったことも考えるのであれば、公式サイトに出展されるブースの内容や詳細は記載してほしかった。また、運営の予想を大きく上回っていたであろうブースは、『第五人格』のプロ選手と会話が楽しめる「ミート&グリート」。▲会場のファンのほとんどがここに集まっているんじゃないかと思わせるほどの大盛況。順番待ちをしているファンは長蛇の列に 想定以上の来場者数となったためか、整理券は予定枚数に達し、早い段階で配布を終了していた。直前までブースの場所を探している来場者の姿も見られ、Xではアナウンスの不備を指摘する声も上がっていた。選手と直接交流できる数少ない機会であり、ミート&グリートを目的に来場したファンも少なくなかったと考えると、今回の配布終了は惜しまれる結果となった。世代交代の先に残る課題——スターの誕生 昨年の受賞者には、ウメハラ、ときど、Lazといった、eスポーツに詳しくない人でも「名前を聞いたことがある」と感じさせるレジェンドプレーヤーが名を連ねていた。競技シーンを越えて認知される存在がいたからこそ、アワード全体としての象徴性が担保されていたとも言えるだろう。しかし、世代交代の過程にある2026年は、そうしたレジェンドプレーヤーが表舞台に立たない年となった。競技シーンを見渡せば、実力・実績ともに申し分のないスーパープレーヤーは数多く存在する。それでもなお、「誰もが知っている存在」へと昇華する選手は限られているのが現状だ。競技で勝つこと、結果を残すことだけでは届かない領域がある。競技シーンの内側で評価される存在から、シーンの外側にまで名が届く“スター”へ——。その境界を越えるために、いま何が求められているのか。世代交代が進む今だからこそ、eスポーツ全体に突き付けられた問いと言えるだろう。さらに、「日本eスポーツアワード」そのものの立ち位置についても、考えさせられる結果となった。今回は、プロの競技シーンとは異なる文脈で活動するストリーマーやVTuberの受賞も目立ち、eスポーツが「競技」だけでなく「エンターテインメント」として広がっている現状が浮き彫りになった。その広がり自体は、決して否定されるものではない。一方で、本来は競技として評価されるべきeスポーツの価値が、エンタメ性に回収されすぎてしまう危うさも感じさせる。競技の強さや積み重ねが、どのように社会的な評価へと接続されていくのか——日本eスポーツアワードには、その橋渡し役としての役割が、これまで以上に問われているのかもしれない。日本eスポーツアワード2025 レッドカーペットアーカイブ 日本eスポーツアワード2025 アーカイブ 「日本eスポーツアワード2025」 開催概要主催:一般社団法人日本eスポーツ協会共催:横浜市運営:日本eスポーツアワード実行委員会実施会場:パシフィコ横浜 ノース開催日程:2026年1月12日(月・祝)特設サイト:https://esportsawards.jp/ 撮影:宮下英之/いのかわゆう編集:いのかわゆう【井ノ川結希(いのかわゆう)プロフィール】ゲーム好きが高じて19歳でゲーム系の出版社に就職。その後、フリーランスでライター、編集、ディレクターなど多岐にわたり活動している。最近はまっているゲームは『Bloodborne』。X:@sdora_tweet