2021年12月30日に行われた「獣道IV」の第1試合、『スーパーストリートファイターII X』のガイル使いのこたか商店。とベガ使いユウベガの対決は、ユウベガが勝利した。こたか商店。はこれで、「獣道」での全勝記録がストップした。

ガイルvsベガは、スキの少ない飛び道具と対空技で近づけさせないガイルに対して、飛び道具はないものの地上移動スピードの速さとヘッドプレスによる上空からの移動、そして一発の攻撃力の強さで攻め立てるベガのバトル。

1セット目は、対空性能の高いガイルに対して、ヘッドプレスやジャンプで果敢に攻めながら、立ち小Kからの投げの駆け引きや、ジャンプ攻撃をあえて食らって投げる「食らい投げ」を見せたユウベガが、3-3のフルセットから1セット目を制す。


2セット目もユウベガの攻めの姿勢は変わらない。見た目にはジャンプ攻撃がなかなか通らずユウベガ側が苦しい試合に見えるが、一発当たればbそのまま勝利できるだけのベガの火力に対して、こたか商店。側のプレッシャーは実は非常に大きい。このセットも3-3のフルセットまでもつれたが、こたか商店。がめくりからの5ヒットコンボでしっかり取っていく。


続く3セット目に入ると、こたか商店。がユウベガの動きを封殺。ベガ有利の移動投げなどもハマり、対空の精度もさらに高まって、無傷のストレート勝利で王手をかける。


このままの勢いで終わるかと思われた4セット目だったが、30年皆勤賞のユウベガは簡単には折れない。再三に渡って近づけさせないこたか商店。が3-3で1本先取し、あと1本で勝利という場面、削りのためのダブルサマーソルトキックがまさかの不発。ユウベガがコンボを叩き込んで2-2にもつれ込んだことで流れが変わった。


最終決戦となった5セット目、互いの手の内も知り尽くした上でなお、ユウベガの圧がこたか商店。を上回ったか、最後はユウベガのめくりからの5ヒットコンボで、実に38ラウンドに及ぶ戦いをユウベガが制した。


試合後のインタビューでこたか商店。は涙声で「悔しいじゃ済まされないですよね」と語った後、うまく聞き取れなかったが「ストIIの未来もあったし」という言葉を吐き出し、「獣道には感謝しています。今までありがとうございました」とコメント。一度も顔を上げることはなく、その表情はうかがい知れなかった。



勝利したユウベガ側も声をつまらせながらも、「余裕で勝てると思っていたところにこたか商店。がかなりの仕上がりだった」「途中で負けると思っていた」と吐露。自身の強気な発言によるプレッシャーもあったことや、兄ケン、イトー、クラハシとこたか商店。に敗れた仲間たちの名前を挙げ、「我々ストII第一世代がまだまだ最前線であることを証明した」と高らかに宣言。「死ぬまでストIIをやる。いつでも挑戦を受ける」とこたか商店。に告げた。


ウメハラは重々しい口調で、「まだまだ『ストII』というゲームは獣道をやるのにふさわしいタイトルだと思う」として、敗者は出られないとしている獣道だが、こたか商店。の参戦の可能性があることを暗に示した。それほどにどちらが勝ってもおかしくない、死力を尽くした戦いだった。

『スパIIX』は、対戦格闘ゲームというジャンルを築いた初代『ストリートファイターII』のシステムを少しずつ洗練させたひとつの完成形だが、現代の格闘ゲームからすればキャラバランスやシステムなどは、いびつなタイトルであることも事実。当時のゲームシーンを知らず『ストリートファイターV』やeスポーツ人気以降観戦しているファンからすれば、今回の試合は両者ともに凡ミスが多く、グダった試合に見えたかもしれない。

しかし、このゲームは完璧な試合運びでコンボを叩きこめば必ず勝てるようなスマートなゲームではない。殴る側も相応の傷を負うことを覚悟しなければ戦えないタイトルだ。その最前線で負けられない戦いを続けてきたこたか商店。の強さと、4回に及ぶ年に1回だけの試合で自分の価値が決まってしまう「獣道」の恐ろしさは、この敗北によってさらに多くの人に知られることになるだろう。

第1世代最強宣言は、いわばそれ以降のすべての世代を敵に回す発言でもある。次の「獣道」でも、熱い死闘が繰り広げられるのが楽しみだ。


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