2022年10月15日(土)〜17日(月)の3日間、岡山県でとあるイベントが開催された。その名も「クロスライン—ボクらは違いと旅をする—」。
障害者のeスポーツユニットを運営する株式会社ePARAが、トヨタ・モビリティ基金の「Make a Move PROJECT」での採択を受けて実施する実証実験だ。大きな目的は主に下記のふたつ。
かいつまんで言えば「イベントを通じて、障害のある当事者はもちろん、さまざまな立場の人々の気づきを共有し、皆が笑って暮らせる世を創っていきましょう」というコンセプトだ。そんなイベントにメディア担当として筆者も参加したので、イベントのレポートを紹介していこう。
1日目は「ボクらのeスーパー耐久レース」を開催。レーシングシミュレーター『iRacing』内で、岡山国際サーキットを完走する。参加者の障害もさまざまで、視覚障害や聴覚障害、脳性麻痺など多種多様。
眼が見えなくてもレースができるのか——手足が不自由でもレースが楽しめるのか——といった率直な疑問が頭をよぎる人も多いかも知れないが、彼らは3カ月前から本イベントに備えて、それぞれのカリキュラムで練習をしていたのだ。

ハンドル操作を夕立P選手が、アクセルの操作をなおや選手が担当。車のエンジン音に着目したふたりは、エンジン音を音階に置き換えて情報を共有し、なおや選手がその情報を頼りにアクセルを調整していくといった作戦で挑んだ。

走行よりもパフォーマンスで会場を沸かせた彼は、自前の筋肉スーツでマッチョな体をお披露目。持ち前の明るさで観客へのサービスも旺盛だ。
また、車椅子ユーザーの中には足でハンドルとアクセルを操作する猛者も!

各々が練習してきた走り方で完走できたことで、eスポーツならば障害の有無にかかわらずレースを楽しむことができたのはうれしい気づきだった。なにより走者全員が笑顔だったことがイベントの成功を物語っていた。
2日目は「ボクらのスーパー耐久レース生観戦」と題して、国際サーキットで実際の耐久レースを生観戦するというイベントが行われた。1日目に『iRacing』で走ったコースをリアルで体験できる面白い企画で、まさにeスポーツとリアルスポーツの垣根を越えた内容だ。


やはり気になるところは、全盲でもレースを楽しめるのかといったところ。車椅子ユーザーの場合、移動さえクリアできれば後は問題なく観戦を楽しめるのに対し、レース会場特有の爆音が響く中、視覚情報のない状態でパニックにならないかという不安もあった。

「前日の『iRacing』とは違って、音の迫力が全然違いましたね。私はパン、パンって鳴る破裂音がとても好きで楽しかったです」と実里さん。風を感じたり、エンジン音の変化をより感じられることで、視覚情報がなくても観戦が楽しめたようだ。

「コースに背を向けて観戦してるの僕らくらいじゃない?(笑)」ってユーモアを交えて違いを教えてくれたなおやさん。たまたまド派手なデザインの車が、ド派手なエンジン音をしていたこともあり、晴眼者の筆者は見た目で、全盲のなおやさんはエンジン音で、その車が近づいてきたことを認識して、お互いが「あっ、さっきの車来たね!」って情報共有しながら観戦できたのも楽しいポイントだった。
また、一部の車椅子ユーザーは一風変わった入力デバイスを体験。手足が不自由でもレースが楽しめる工夫を体験することができた。
一方で、聴覚障害の当事者からの感想も興味深かった。音が聞こえづらいとはいえ、サーキット場でのエンジン音はお腹に響くとのこと。こういった迫力はなかなかゲーム上では体感しづらい部分なのではないだろうか。
3日目は「ボクらのmobility for ALL」と題して、2日間のイベントを振り返り。また、さまざまな障害当事者視点からの体験を共有するグループワークが開催された。

これが本当に面白い企画で、参加者を3つのグループに分けて、それぞれでディスカッショをしていく。例えば「岡山に行く前の準備期間こんなことがあって、こんなことが大変だった」とか、「1日目のイベントでは緊張したけど楽しかった」とか、本当に些細なことをとにかくみんながディスカッションしていく。

例えば視覚障害当事者の多いグループAでは、「実際に岡山国際サーキットに行くまでは、本当に楽しめるのか不安だったけど、そんな不安を忘れるくらい楽しかった」という感想があったのに対し、車椅子ユーザーの多い、グループBでは「岡山国際サーキットまでの移動中、みんなとバスに乗りたかったけど、車椅子ユーザーは介護用の車で別行動だったのがさびしかった。車椅子から降りてバスに乗りたかった」といった別視点での感想を聞くことができた。
そういった各グループの情報を共有するため、グループ内の2名が別グループで話を聞くシャッフルタイムがあり、別の視点の意見を共有。さらに2度目のシャッフルタイムでは別のグループの情報を、また別のグループに説明するといった流れに。
例えばAグループの人がBグループの情報を聞く。次はCグループからBグループにやってきた人に、Bグループの情報を聞いたAグループの人が説明するといった流れだ。
人から人へ、情報を伝達することでより深みのある内容へと変わっていく。最終的にはもといたグループに戻り、「あっちのグループではこんな話をしていたよ」と、残っていた仲間と情報を共有するのだ。こういった情報を集め、分析することでカスタマー・ジャーニー・マップが完成し、よりよい環境作りへと貢献できるという仕組みは、参加者も楽しみながら本音が聞けるといった素晴らしい企画なのではないだろうか。
現地に行くことができなかったメンバーは、オンライン生ライブで参加。岡山国際サーキットで開催された「スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook」の放送にリアルタイムで字幕を作成するといった試みにもチャレンジ。現地にいなくても、音が聞こえなくてもレースや実況を楽しめる環境も構築されていた。
ひとえに障害といってもさまざまな種類があり、もちろん生き方もさまざま。そんな多種多様のユーザーが一丸となってeスポーツを体験、さらにはリアルレース観戦を楽しむ姿は、eスポーツやモータースポーツの可能性を感じる。
eスポーツ×障害者×モータースポーツという3つの軸で動き出した「クロスライン—ボクらは違いと旅をする—」プロジェクトもこれで閉幕。障害者にとって何ができて何ができないのかというのを肌で感じることができたのはとてもいい経験になった。
障害者というと「何をやるにも難しいのでは?」という問題がつきまとうが、それはもう昔の話。今は科学も進歩し、さらには当事者自身の努力も相まって、場合によっては健常者以上に活躍できる場がある。
「障害もひとつの個性だから」
まだまだ現代のインフラでは障害が壁になることは多い中、そんな無責任な言葉を言うつもりはない。しかし、移りゆく時代の中で、いつか胸を張ってそう言える日が近づいてくるのではないかと今回のプロジェクトに参加して感じた。
メディアとして参加しながらも、多く人と出会い、仲間となり、協力し合ってひとつのプロジェクトに参加できたことをうれしく思うと同時に、「第2回はどういった切り口になるのかなあ」とワクワクが止まらない。
ePARA 公式:
https://epara.jp/
ePARA Twitter:
https://twitter.com/ePARA_official
障害者のeスポーツユニットを運営する株式会社ePARAが、トヨタ・モビリティ基金の「Make a Move PROJECT」での採択を受けて実施する実証実験だ。大きな目的は主に下記のふたつ。
- さまざまな障害を持つ当事者を通じて移動の可能性を探る
- eスポーツを通じてモータースポーツの世界を学ぶ。そして楽しむ
かいつまんで言えば「イベントを通じて、障害のある当事者はもちろん、さまざまな立場の人々の気づきを共有し、皆が笑って暮らせる世を創っていきましょう」というコンセプトだ。そんなイベントにメディア担当として筆者も参加したので、イベントのレポートを紹介していこう。
障害者によるeスポーツタイトルの実演
1日目は「ボクらのeスーパー耐久レース」を開催。レーシングシミュレーター『iRacing』内で、岡山国際サーキットを完走する。参加者の障害もさまざまで、視覚障害や聴覚障害、脳性麻痺など多種多様。
眼が見えなくてもレースができるのか——手足が不自由でもレースが楽しめるのか——といった率直な疑問が頭をよぎる人も多いかも知れないが、彼らは3カ月前から本イベントに備えて、それぞれのカリキュラムで練習をしていたのだ。

▲全盲のeスポーツ選手としてもおなじみの、なおや選手。今回は統合失調症を患う晴眼者、夕立P選手とコンビを組み完走を目指す
ハンドル操作を夕立P選手が、アクセルの操作をなおや選手が担当。車のエンジン音に着目したふたりは、エンジン音を音階に置き換えて情報を共有し、なおや選手がその情報を頼りにアクセルを調整していくといった作戦で挑んだ。

▲筋ジス活動家としてYouTubeで配信もしているとりちゃん選手。車椅子に乗りながらもハンドルやフットペダルを操作して挑戦
走行よりもパフォーマンスで会場を沸かせた彼は、自前の筋肉スーツでマッチョな体をお披露目。持ち前の明るさで観客へのサービスも旺盛だ。
記念にっ❤️🔥
— 岡山のわだまりちゃん🍑 (@wadamarichan) October 15, 2022
うれしいなーっ📸
今日はおつかれさまでした!!🥰
ROBE JAPONICAの浴衣めちゃくちゃ可愛すぎる!そしてみんな似合ってる🥰筋肉も、、、w pic.twitter.com/ClmSvgKypz
また、車椅子ユーザーの中には足でハンドルとアクセルを操作する猛者も!
eスポーツのゲームで、
— 石井健瑠(takeru・たけちゃん) (@1413takeru) October 17, 2022
足でハンドル運転しました!#クロスライン #ePARA pic.twitter.com/oFGn5Ls2Gp
▲脳性麻痺のたけちゃん選手。両足を器用に使って完走する姿は必見!

▲ブラインドeレーサーとして数々の大会出場実績を持つ、いちほまれ選手。弱視とは思えない華麗な走りで会場を沸かせた
各々が練習してきた走り方で完走できたことで、eスポーツならば障害の有無にかかわらずレースを楽しむことができたのはうれしい気づきだった。なにより走者全員が笑顔だったことがイベントの成功を物語っていた。
障害者による移動の実証実験!岡山国際サーキットでリアルレースを体験!
2日目は「ボクらのスーパー耐久レース生観戦」と題して、国際サーキットで実際の耐久レースを生観戦するというイベントが行われた。1日目に『iRacing』で走ったコースをリアルで体験できる面白い企画で、まさにeスポーツとリアルスポーツの垣根を越えた内容だ。

▲事前に共有されたサーキット場マップ。車椅子ユーザーや全盲ユーザーにも配慮した注釈があった

▲昨日画面越しに見たコースが目の前に!迫力のあるエンジン音でテンションもマックス!
やはり気になるところは、全盲でもレースを楽しめるのかといったところ。車椅子ユーザーの場合、移動さえクリアできれば後は問題なく観戦を楽しめるのに対し、レース会場特有の爆音が響く中、視覚情報のない状態でパニックにならないかという不安もあった。

▲今回ePARAのイベントには初参戦となった全盲の実里さん。福井からたったひとりで岡山まで来たとのこと
「前日の『iRacing』とは違って、音の迫力が全然違いましたね。私はパン、パンって鳴る破裂音がとても好きで楽しかったです」と実里さん。風を感じたり、エンジン音の変化をより感じられることで、視覚情報がなくても観戦が楽しめたようだ。

▲前日は選手として参戦したなおやさん。観戦ポイントが直線のコースの前だったり、コーナーの前だったりで、音の聞こえ方が異なるのが楽しいですねーと、全盲ならではの気づきを教えてくれた
「コースに背を向けて観戦してるの僕らくらいじゃない?(笑)」ってユーモアを交えて違いを教えてくれたなおやさん。たまたまド派手なデザインの車が、ド派手なエンジン音をしていたこともあり、晴眼者の筆者は見た目で、全盲のなおやさんはエンジン音で、その車が近づいてきたことを認識して、お互いが「あっ、さっきの車来たね!」って情報共有しながら観戦できたのも楽しいポイントだった。
また、一部の車椅子ユーザーは一風変わった入力デバイスを体験。手足が不自由でもレースが楽しめる工夫を体験することができた。
一方で、聴覚障害の当事者からの感想も興味深かった。音が聞こえづらいとはいえ、サーキット場でのエンジン音はお腹に響くとのこと。こういった迫力はなかなかゲーム上では体感しづらい部分なのではないだろうか。
グループワークで2日間のイベント振り返り
3日目は「ボクらのmobility for ALL」と題して、2日間のイベントを振り返り。また、さまざまな障害当事者視点からの体験を共有するグループワークが開催された。

▲大阪国際大学 准教授の早川公氏がモデレーターを担当。グループワークの肝になるカスタマー・ジャーニー・マップについて説明いただいた
カスタマー・ジャーニー・マップとは
自社の製品・サービスに、人々がどのように出会い、興味を持ち、購入や利用に至るのかを「顧客の旅」に例えた言葉。そういった意見を時系列で可視化することによって、顧客の視点での体験について仮説を立てて、改善することを助けてくれるツールとなる。
自社の製品・サービスに、人々がどのように出会い、興味を持ち、購入や利用に至るのかを「顧客の旅」に例えた言葉。そういった意見を時系列で可視化することによって、顧客の視点での体験について仮説を立てて、改善することを助けてくれるツールとなる。
これが本当に面白い企画で、参加者を3つのグループに分けて、それぞれでディスカッショをしていく。例えば「岡山に行く前の準備期間こんなことがあって、こんなことが大変だった」とか、「1日目のイベントでは緊張したけど楽しかった」とか、本当に些細なことをとにかくみんながディスカッションしていく。

▲各自気づいたことをまとめて付箋でどんどん貼り付けていく。ここで、さまざまな気づきに出会うことになる
例えば視覚障害当事者の多いグループAでは、「実際に岡山国際サーキットに行くまでは、本当に楽しめるのか不安だったけど、そんな不安を忘れるくらい楽しかった」という感想があったのに対し、車椅子ユーザーの多い、グループBでは「岡山国際サーキットまでの移動中、みんなとバスに乗りたかったけど、車椅子ユーザーは介護用の車で別行動だったのがさびしかった。車椅子から降りてバスに乗りたかった」といった別視点での感想を聞くことができた。
そういった各グループの情報を共有するため、グループ内の2名が別グループで話を聞くシャッフルタイムがあり、別の視点の意見を共有。さらに2度目のシャッフルタイムでは別のグループの情報を、また別のグループに説明するといった流れに。
例えばAグループの人がBグループの情報を聞く。次はCグループからBグループにやってきた人に、Bグループの情報を聞いたAグループの人が説明するといった流れだ。
人から人へ、情報を伝達することでより深みのある内容へと変わっていく。最終的にはもといたグループに戻り、「あっちのグループではこんな話をしていたよ」と、残っていた仲間と情報を共有するのだ。こういった情報を集め、分析することでカスタマー・ジャーニー・マップが完成し、よりよい環境作りへと貢献できるという仕組みは、参加者も楽しみながら本音が聞けるといった素晴らしい企画なのではないだろうか。
まとめ
現地に行くことができなかったメンバーは、オンライン生ライブで参加。岡山国際サーキットで開催された「スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook」の放送にリアルタイムで字幕を作成するといった試みにもチャレンジ。現地にいなくても、音が聞こえなくてもレースや実況を楽しめる環境も構築されていた。
ひとえに障害といってもさまざまな種類があり、もちろん生き方もさまざま。そんな多種多様のユーザーが一丸となってeスポーツを体験、さらにはリアルレース観戦を楽しむ姿は、eスポーツやモータースポーツの可能性を感じる。
eスポーツ×障害者×モータースポーツという3つの軸で動き出した「クロスライン—ボクらは違いと旅をする—」プロジェクトもこれで閉幕。障害者にとって何ができて何ができないのかというのを肌で感じることができたのはとてもいい経験になった。
障害者というと「何をやるにも難しいのでは?」という問題がつきまとうが、それはもう昔の話。今は科学も進歩し、さらには当事者自身の努力も相まって、場合によっては健常者以上に活躍できる場がある。
「障害もひとつの個性だから」
まだまだ現代のインフラでは障害が壁になることは多い中、そんな無責任な言葉を言うつもりはない。しかし、移りゆく時代の中で、いつか胸を張ってそう言える日が近づいてくるのではないかと今回のプロジェクトに参加して感じた。
メディアとして参加しながらも、多く人と出会い、仲間となり、協力し合ってひとつのプロジェクトに参加できたことをうれしく思うと同時に、「第2回はどういった切り口になるのかなあ」とワクワクが止まらない。
ePARA 公式:
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ePARA Twitter:
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- 【現地レポート+インタビュー】東京で2回目のVCTが開催! 日本チーム不在でもスーパープレー連発で大熱狂——VCT Pacific Stage 2 Finals Tokyo
- 『VALORANT』の国際リーグである「VCT Pacific Stage 2」の準決勝・決勝戦が、8月30日(土)~31日(日)にアリーナ東京ベイにて開催された。プレーオフで勝ち進んだ上位3チームが、この日本に集結し、トップレベルの白熱した戦いを繰り広げた。▲試合会場は千葉県船橋市の「LaLa arena TOKYO-BAY」。最高気温は37℃の猛暑日の中、たくさんのVALORANTファンが押し寄せた Day 1に行われた準決勝(Lower Final)では、🇭🇰TALON(🇭🇰TLN)対🇮🇩Rex Regum Qeon(🇮🇩RRQ)が対決。Day 2の決勝戦(Gran Final)では、準決勝戦の勝者を🇸🇬Paper Rex(🇸🇬PRX)が待ち構える。▲Day 1にはプロ・ストリーマー混合チームのショーマッチ、Day 2にはラッパー・千葉雄喜によるライブパフォーマンスが実施 今大会の準優勝以上の結果を収めたチームは、9月~10月にかけてフランス・パリで開催される世界大会「VALORANT Champions 2025」への出場権を獲得することができる。Pacific全体では4枠あるうち、2枠が決定する重要な試合である。日本チームは不在——だが海外チーム相手にも熱い声援 VCTが日本で開催されるのは、2023年のMasters Tokyo以来。残念ながら、日本代表のZETA DIVISIONはグループステージ敗退、DetonatioN FocusMeはプレーオフ初戦敗退という結果に終わっており、またもや日本チーム不在のまま開催されることとなった。▲中央にある円形のステージを、ぐるりと囲むように観客席が設けられている。縦に広がるような構造のおかげで、選手との距離はかなり近く感じた(叫び声が席からでも聞こえるほど) ▲さまざまなチームグッズを身にまとうファンの姿が多く見られた。このような国際大会は、海外チームを目にすることのできる貴重な機会だ とはいえ、会場の熱い声援は、日本チーム不在ということを感じさせないレベルであったことは間違いない。現場にいる海外メディアの記者も、自国のチームがいない中でもこれだけ盛り上がるということに驚いているようだった。▲おなじみの応援ボード。配信カメラで頻繁に映されるせいか、クスッと笑えるインパクト大なものも多かった ▲前列の一部席の観客は、花道に入って選手たちと生で交流することができる! ファンにはたまらない最高の瞬間だ Pacific王者を決める激戦 さて、決勝戦の様子もレポートしていこう。準決勝で勝利を決めたのは、🇮🇩RRQであった。🇭🇰TLNに先制2マップを取得されるも、その後は持ち直して2マップを逆に連取。5マップ目に突入したが、オーバータイムにまでもつれ込む激戦の末に、🇮🇩RRQが白星を獲得した。▲序盤は🇭🇰TLNにペースを持っていかれた🇮🇩RRQ。だが後半になるにつれ本調子を取り戻し、最終マップでは持ち前の粘り強さを見せ、見事に勝利を決めた(https://www.youtube.com/live/hKa_O9nb1QI?si=jcOZObDlW11KJUWy&t=25268) 翌日の決勝戦では、初代Pacificリーグの王者である🇸🇬PRXが立ち向かった。両チームともビザの問題により欠員が危ぶまれたものの、すべてのメンバーが無事に来日することができた。▲Masters Tokyoではビザの関係で出場できなかったsomething(スミス)選手が無事に到着 試合は終始🇸🇬PRXの独壇場であったといっても過言ではない。開幕から2マップを連取し、早々に王手をかける🇸🇬PRX。特に第2マップの「アセント」では、開幕から10ラウンドを練習し、早々に12-1でマッチポイントへ。🇮🇩RRQも攻守交代後に必死に抵抗するが、さすがに11ラウンド差からの勝利は絶望的であった。▲試合開始直後から魅せる、d4v4i選手の1on2クラッチ。勢いに乗っているはずの🇮🇩RRQに、真正面からフィジカルで叩きのめす(https://www.youtube.com/live/gj5aNowpeCA?si=gwEhehFNQj7U8pk6&t=7835) 🇮🇩RRQは第3マップをなんとか返すものの、その後の第4マップでも依然として🇸🇬PRX優位の状況が続いた。▲おなじみの大胆かつ攻撃的な動きで、ひとりずつ敵を殲滅。🇸🇬PRXはこのラウンドを獲得し、マッチポイントへ(https://www.youtube.com/live/gj5aNowpeCA?si=5g1o1jxN9ePp9pP4&t=15937) ▲12-7で迎える第20ラウンド、マッチポイントの🇸🇬PRXは勝ち切るためにタイムアウトを取得した ▲1on1にまで持ちこんだ🇮🇩RRQだったが、見事勝利したのは🇸🇬PRX。二度目となるPacific王者に輝いた(https://www.youtube.com/live/gj5aNowpeCA?si=NYEZZkP9KDZ6YnY1&t=16343) ▲トロフィーをかかげる選手たち。まさに王者にふさわしい、圧倒的な戦いであったことは間違いない! まるでライブ会場——進化した最新鋭の会場演出 やはり特筆すべきは、会場演出の迫力だ。写真だけでも「美しさ」が伝わってくると思うが、やはり照明や音楽も含めたさまざまな演出が絡み合い、試合をより興奮させるような工夫がされている。▲試合開始前には音楽が流れ、観客席からは手拍子が。まるでライブ会場のように、観客をさらに熱狂させる演出が随所に散りばめられていた ▲タイムアウト中やスーパープレーの後には、このような特殊な照明効果が現れる。特に上階から観ると、かなり幻想的な演出が体験できた さらに決勝戦では、全観客に対してリストバンド型ライトが配布され、会場の雰囲気をより賑やかなものにしていた。このデバイスはただ光るものではなく、試合の展開ごとに自動的に色が変わる。▲座席に貼られる形で用意されたライトは、試合後にそのまま持ち帰ることができる。試合中は自動的に点灯・消灯するが、家に持ち帰った後は普通に使用できるようになる(側面のボタンを押すとさまざまな色で点灯する) ▲🇸🇬PRXが優勝すると、リストバンドはチームカラーのピンク色に! ▲観客席に現れる「PRX」の文字。座席単位で色をコントロールできる最新技術が使われている(https://www.youtube.com/live/gj5aNowpeCA?si=Sc3Nl3-0WDXHCHz3&t=16397) 会場の外でも楽しめる!オフライン大会ならではの催しも 試合会場の外には、さまざまなブースが用意されていた。試合以外にも、飽きさせないためのさまざまなコンテンツが目白押しだ。▲画面をタッチするとカウントダウンが始まり、パシャリと撮影。友達と一緒にイベントに来た思い出を残そう! ▲写真はその場で印刷されて、実際にもらうことができるぞ! ペンも用意されているので、プリクラのように落書きをするのもオススメ ▲VCT Pacific限定のグッズを求め、ブースには長蛇の列。人気の商品は、試合開幕前には既に売り切れになっていたほどだ ▲巨大ウィングマンをバックに、ちびウィングマンとツーショット ▲スパイクと箱で記念撮影。普通に解除してもよし、箱の後ろに隠れて解除するもよし ▲インテルブースでは「BOT撃ち」を行うことのできるコーナーが用意されていた。好成績を収めれば、先着順に限定グッズが手に入る。なかなか成功者が現れなかったものの、4回以上挑戦してクリアした猛者もいたのだとか ▲インテルのブースでは他にも、抽選会のようなものも実施されていた。なんらかの限定グッズが当たるらしい ▲TenZのサイン付きマウス(1等)を当てた豪運の持ち主! 個人的なイチオシは、やはりレッドブルブースの「チェキ」が撮影できるコーナー。イベントの思い出にと、形に残るものが手に入るのはうれしい。🇸🇬PRX優勝インタビュー 最後に、メディア合同で行われた🇸🇬PRXの優勝後インタビューの内容をお届けしよう。▲左からPatMen(ぱっとめん)、f0rsakeN(ふぉーせいくん)、something(すみす)、Jinggg(じん)、d4v4i(だばい)、alecks(あれっくす)コーチ ——まずは選手とコーチの皆様から、ひと言ずつメッセージをお願いします。PatMen:厳しい試合だったし、昨日と今日で2日連続で対戦している🇮🇩RRQの方が、いい流れだったかもしれません。しかし、自分たちがお互いを信頼し合い、止まることなく強い気持ちでプレーしたことが、勝つことのできた要因であると思います。f0rsakeN:最初の2マップまでは、自分たちのプレーがしっかりできたと思います。ただ第3マップからは、自分たちのミスもあり、相手に流れが移ってしまった印象がありました。その後の第4マップでは、自分たちの流れを取り戻すことができ、自分たちのプレーができたと思います。Jinggg:プレーについては同じ思いで、今日は勝てて本当にうれしいです。前回の🇮🇩RRQ戦では負けてしまったのですが、今回はリベンジを果たすことができました。d4v4i:チーム全員のプレーを誇りに思います。ひとりひとり素晴らしいパフォーマンスを出せて、プレースタイルだけでなくメンタル面においても自分たちの強さを発揮できたと思います。(🇮🇩RRQに)リベンジができてとてもうれしいです。今回は全員が日本に来られて良かったです。特にイリア(something選手の本名)にとってはかつてプレーしていた場所でもあるので、残りの時間で日本を楽しみたいと思います。something:今までを振り返って、何よりも重要だったのは「Esports World Cup」や「VCT Masters Toronto」などで大変なことがありながらも、その後の「VCT Pacific Stage 2」では力強くスタートを切れたことだと思います。🇮🇩RRQや🇰🇷Gen.Gのように、自分たちを研究して戦ってくるチームもあり、苦戦を強いられることも覚悟していました。それでもプレーオフ前に負けたのは🇯🇵ZETA戦だけで、ステージ全体を通して3マップしか落としておらず、今シーズン全体を見ればとてもいい結果だったと思います。そして、日本は僕にとっては第二のホームのような場所です。自分のキャリアが始まった地でもありますので、この日本に戻ってこれたということを大変うれしく思います。alecksコーチ:この「ボーイズ」たちを誇りに思います。長いシーズンでしたが、全員でここまで頑張ってきました。何よりもうれしいのは、日本でこれだけたくさんの人たちの前でプレーができたことです。声援を聞くのも最高で、みんなが集中して試合を見てくれていることがとてもうれしかったです。また、イリア(something選手)を連れて来ることができたのも良かったと思います。2023年の「Masters Tokyo」では、MVPに選ばれてもおかしくないパフォーマンスであったにも関わらず、日本に連れてくることができませんでした。なので、今回は全員がそろって日本に来られて良かったです。あとは……MVPの人にディナーをおごってもらいたいですね(笑)。▲MVPに選ばれたのはsomething選手。圧倒的なパフォーマンスを考えれば、納得せざるを得ないチョイスだ ——PatMen選手に質問です。日本に来て楽しかった思い出や、美味しかった食べ物はありますか?PatMen:まず第一に、親切な人ばかりだと思いました。日本は満喫できているのですが、ただ今は試合続きで外に出られていません。さっきd4v4iが話をしていた「一蘭」に行ってみたいです(笑)——今日の🇮🇩RRQ戦に点数をつけるなら、何点くらいだと思いますか?alecksコーチ:ロータス(第3マップ)は2点、それ以外は9点をあげてもいいと思います。2点の理由は、自分たちが何もできなかったこと。そして、自分たちの作戦や連携も含めて、思うようにプレーができなかったためです。——トロフィーの上にいる「Bok」君は勝利にどのくらい貢献しましたか?alecksコーチ:ずっとコーチングブースにいたので、10%くらいですね(笑)▲トロフィーの上に鎮座するのは、🇸🇬PRXのマスコットキャラクターである「Bok」。チームの勝利にはあまり貢献できてはいないようだ ——今回の試合において、マッププールについての有利はありましたか?alecksコーチ:やはりマップアドバンテージは大きかったです。特に🇮🇩RRQの「アイスボックス」は世界でも有数の強さを誇りますが、今回マッププールから外れていたのは幸運でした。——something選手がMVPを取った理由はなんだと思いますか?alecksコーチ:「Masters Toronto」から戻ってきてからは、彼は生まれ変わったかのように強い選手になりました。恐れを知らず、キルを取りまくり、ヨル使いの中では右に出るものはいないと言っても過言ではありません。だからこそ、MVPに選ばれたのだと思います。——d4v4i選手とJinggg選手にお聞きします。2年前にも日本で戦った経験があると思いますが、当時と今回とでプレーの感覚の違いなどはありましたか?d4v4i:今のチームは、以前よりもお互いにより正直にいられるようになったと思っています。もちろん前から親しい仲ではあったのですが、今回のほうがよりオープンに接することができていると思います。特に今シーズンは、よりチームでの関係性を育むことができたので、パフォーマンスやメンタル面においてもいい効果をもたらしていると感じます。d4v4i:(Jinggg選手にマイクを向けながら)答える?Jinggg:いや大丈夫。d4v4i:残念(笑)。▲記者会見中にも、仲が良さそうに雑談するJingggとd4v4i ——今年パリで開催される「VALORANT Champions 2025」には、🇰🇷T1と🇰🇷DRXも出場します。この2チームについてはどう思いますか?alecksコーチ:今年は🇰🇷DRXと🇰🇷T1の両方に1回ずつ負けましたが、こちらも逆に1、2回……もしかすると3回ほど勝っています。どのチームも強い相手で、特に🇰🇷DRXはプレーオフの後に調整する時間もあるので、戦い方を変えてきて、新バージョンの🇰🇷DRXを見せてくるかもしれません。🇰🇷T1についても、ここは非常に用意周到なチームであり、次のビッグイベントに向けて着々と準備を進めていると思います。強敵であることには間違いないので、こちらも作戦をよく練って、かなり準備しなければいけません。自分たちが勝つとは思いますが、とても大変な道であるとは思います。まとめ 2年前の「Masters Tokyo」を思い出させるほど、爆発的な声援の熱量が印象的な大会であったことは間違いない。選手たちとの距離の近さに、すさまじいスーパープレーの連発。そして、それらをドラマティックに盛り上げる会場演出の美しさ。ぜひ現地で観戦した人は、この感動を胸に刻みつけていただきたいところだ。ただやはり一点。今大会でも日本チームが不在であったという点は、非常に残念でならない。とはいえ2年前の「Masters Tokyo」の頃とは比べ、日本チームのレベルは非常に上がっていることは間違いない。🇯🇵DetonatioN FocusMe(🇯🇵DFM)は、かつての連敗を忘れさせるかのような快進撃を見せ、プレーオフ進出という快挙を成し遂げた。🇯🇵ZETA DIVISIONもプレーオフ進出こそ逃したものの、グループステージでは🇸🇬PRX相手にストレート勝利を収めるなど、決して他チームと比べて劣っているわけではない。▲第2マップ開始前に登場した🇯🇵DFMの選手たち(当時)。悔しい思いは幾度となく味わっただろうが、この1年は決して悪いものではなかっただろう(https://www.youtube.com/live/gj5aNowpeCA?si=YnojHUuv0jDUBvBh&t=7698) ようやく「リーグ」というシステムにも慣れてきた中で、日本チームはどれだけ躍進できるのだろうか。日本チームも間違いなく進化しているが、それ以上に世界の壁は厚いことも事実だ。今後もし、3度目のVCT日本開催があり得るのならば、ぜひ日本チームの応援が現地でできることを願いたいばかりだ。撮影:まいる編集:いのかわゆう【まいるプロフィール】関西を拠点にする男性コスプレーヤー。イベントや大会によくコスプレ姿で出没する。2021年頃から『VALORANT』にハマり、競技シーンを追い続ける。現在の推しチームは「CREST GAMING」。X:@mlunias(Photo by Subaru.F.)
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- 【結果速報 9月7日】 「CAPCOM Pro Tour 2025 ワールドウォリアー」日本大会最初のウイナーはGO1!
- 『ストリートファイター6』の公式大会「CAPCOM Pro Tour 2025 ワールドウォリアー」日本大会 第1回が2025年9月7日(日)にオンラインにて実施され、GO1選手が今大会一度も敗れることなく、WWポイント50点を獲得した。本大会は『ストリートファイター6』の世界大会「CAPCOM CUP 12」の出場権を獲得するために各地域でオンライン開催される「ワールドウォリアー」のひとつ。オンライン大会だが、esports Style UENOにてパブリックビューイングも行われ、多くのファンが見守る中、過去最多となる2300人以上のエントリーで熾烈な戦いを繰り広げた。CAPCOM Pro Tour 2025 ワールドウォリアー 日本大会とは『ストリートファイター6』にて、世界中のプレーヤーが年間チャンピオンを目指し、各地域で激戦を繰り広げる大会「CAPCOM Pro Tour 2025」。その大会群のひとつつである「ワールドウォリアー」は、世界各地域のトーナメントオーガナイザーによって数カ月にわたり複数回開催される。「CAPCOM Pro Tour 2025 ワールドウォリアー 日本大会」は、順位に応じてポイントが獲得できる5回の通常大会と、ポイント順位上位選手8名による決勝大会の全6回で構成される。今年の日本大会は「スーパーリージョン」として位置付けられ、「CAPCOM CUP 12」の出場権を獲得できるのは2名。1名は5回の大会で最もポイントを獲得した選手。もう1名は、2〜8位までの選手の直接対決により決定する。なお、今回の「ワールドウォリアー」の成績優秀者の中から、2026年に愛知県で行われる「アジア競技大会」の日本代表選手の選考大会でもある。 ワールドウォリアー 日本大会 #1 試合結果 「ワールドウォリアー」日本大会 #1は、昨年の同大会と比べて倍以上となる2300人以上がエントリー。すべての試合はオンラインで、プールではダブルエリミネーションのBo3、トップ8以降はBo5で行われた。エントリーの中には「ストリートファイターリーグ」や世界の大会で上位に食い込むプロも多い中、チーム等に所属していないアマチュアの中からも上位に食い込む選手が多く見られた。そんな中で、トップ8のウイナーズ側には、GO1、立川、どぐら、ヤナイという「ストリートファイターリーグ」の選手やコーチとしてなどで活躍するプロたちが勝ち上がり、GO1が立川、ヤナイを下して全勝を保つ。ルーザーズ側では若手のサトルがハイタニに、海外にも積極的に挑戦しているkingvegaがリーガーのこばやんに勝利したものの、ウイナーズから降りてきたどぐらがグランドファイナルに勝ち進んだ。迎えたグランドファイナルは、この日初めての対戦カードにして、CAG OSAKA時代の元同僚という関係。GO1の春麗に対してどぐらはエレナで挑むも、思うようにタッチできずにストレートで2本を奪われたところでベガにスイッチ。昨今話題の「ドライブインパクト」を織り交ぜながらどぐらが1本取り返す。そして迎えた第4ゲーム、どぐらペースで試合が進むものの、1タッチからGO1がコンボを叩き込む意地と意地のぶつかり合い。互いに体力も時間もない中で、GO1の執拗な中段攻撃が最後にヒットし、そのままSAで勝利を決めた。最終ラウンド、GO1がどぐらをバーンアウトさせた直後に、ドライブラッシュからの中段がヒット。残り3秒からのSAで勝敗が決した(https://www.youtube.com/live/0vwXdrIONBM?si=-VKxbSh2wXaZlux6&t=17063) 優勝したGO1はWWポイントとして50ポイントを獲得。「CAPCOM CUP 12」出場に向けて大きく弾みをつけた。順位所属チーム|選手名pt1 DetonatioN FocusMe|GO1 50pt 2 Crazy Raccoon|どぐら 40pt 3 IBUSHIGIN|ヤナイ 35pt 4 kingsvega 30pt 5 NORTHEPTION|サトル 25pt = Crazy Raccoon|立川 25pt 7 REJECT|ハイタニ 20pt = Saishunkan Sol 熊本・A.M.G|こばやん 20pt 配信URL CAPCOM Pro Tour ワールドウォリアー:https://sf.esports.capcom.com/cpt/jp/ワールドウォリアー 日本大会 #1:https://www.start.gg/tournament/world-warrior-2025-japan-1/details