ようやくこのときがやってきた! 次世代と呼ぶことも憚られるほど発売から月日が経った次世代ハードの PlayStation 5 や Xbox Series X|S が、店頭を中心にネットショップでも購入できるようになってきた。
もちろん、Nintendo Switch も『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』などの注目タイトルが目白押しだ。2022年末から2023年夏ごろまでは、家庭用ゲーム機の存在感が特に強いように感じる。
そこで今回ご紹介するのが、MSIのゲーミングモニター「G323CV」だ。引き締まった黒色が得意なVAパネルを採用した本モデルは、31.5インチというやや大きめなサイズ感と、湾曲率1,500Rのゆるやかな没入感が特徴的な、コストパフォーマンスに優れたモデルである(想定価格は26,200円)。
まずはその外観をチェック!
G323CVはコストパフォーマンスに優れたエントリーグレードであるものの、外観はかなりレベルが高いように感じる。というのも、ディスプレイの中心から縁に向かうにつれて薄くなっていくようなデザインであり、ベゼル(モニターの縁)も細い。台座となる足回りもスマートで、デスクに置いても邪魔にならない。設置した際の印象はスタイリッシュに尽きる。
そのうえ、チルト(上下の方向調節)とスイベル(横方向への調節)に対応している点はポイントが高い。特に、スイベルに対応することで、足の位置をそのままにモニターの左右の角度を調節できるため、置く場所が狭いユーザーでも安心だ。
FPSプレイヤーはモニターの足とマウスやキーボードなどのデバイスが干渉することを避けるため、わざとズラした置き方をすることも多く、そういったユーザーにも嬉しい仕様だ。
縦方向の高さ調節やピボット(モニターの回転)には対応していないものの、付属のスペーサーネジを取り付けることでVESA(100)規格のモニターアームに対応しているので、必要に応じて導入することも可能である。
なお、組み立ても簡単だ。足と柱を手回しネジで組み合わせ、ディスプレイへはめ込むだけとなっている。
美しいVAパネルと、様々な用途で発揮される没入感
ゲーミングモニターの多くは、シューター向けに最適な24インチ前後のモデルと、40インチ前後のハイエンドモニター(テレビ)の両極端になっている印象があるが、このモデルはその中間を突いてくれている。
実際にディスプレイを見ていくと、31.5インチというサイズ感は、小さすぎず大きすぎないため、デスクに置くにもちょうど良い。また、黒色の発色に強いVAパネルを搭載することで、特にグラフィックが美しいゲームを遊ぶ際にその真価を発揮してくれる。
引き締まった黒色は、ゲームの世界にあるものをしっかり表現してくれるので、ジメジメとした雰囲気の『DARK SOULS』シリーズなど、暗い場所の多いゲームにもピッタリだ。また、暗所の視認性を上げるナイトビジョンにも対応している。
また、映画やドラマなどの鑑賞にも向いている。というのもG323CVは湾曲率1,500Rのパネルを採用しており、31.5インチではゆるやかな没入感を得ることができる。
湾曲がキツいと没入感は増すものの、どうしても違和感が出てしまうため、モニターから少し離れてゲームをしたり動画鑑賞をしたりするぶんには、このゆるさが心地よい。
筆者は試用期間中にPS5でワーナーゲームの『ホグワーツ・レガシー』をプレイしてみたが、大画面でホグワーツ城の上空を箒で飛び回るのは極上の体験であった。そのほかにも、特にレースゲームやフライトシミュレーションといった、スピードを感じるゲームにおいて、その没入感はひとしおだ。
映画館のスクリーンのような湾曲具合は自然とモニターと向き合う姿勢を作ってくれるので、映画・ドラマなどの鑑賞にはもってこいである。また、ゲーム実況やeスポーツの観戦で、ゲームを「観る」という文化も根付いてきたが、意外なことにFPSタイトルでのeスポーツ観戦時は、湾曲の恩恵を受けやすい。
プレイヤーの歩いているときのスピード感が増幅されるような感覚があり、没入感と相まって今までにない印象を受けた。「湾曲ゲーミングモニターによるeスポーツ鑑賞」を体験してみて欲しい。
▲Six Invitational 2023より
ゲーマーをサポートする機能も充実
なお、G323CVはリフレッシュレート75Hzのパネルを採用している。PCなどに接続すれば、標準的なモニターよりも少し高いフレームレートで遊ぶことができるというわけだ。応答速度も1msと、動きの速いシューティングタイトルなどを遊んでも、実用上で遅延を感じることは全くなかった。
また、同期機能として対応するグラフィックボードと組み合わせることで「AMD FreeSync」も利用でき、カクつきを軽減してくれる。
そのほか、チラつきを抑制するアンチフリッカーと、ブルーライトカット機能も搭載しているので、長時間ゲームしがちなユーザーにもピッタリだ。
やっぱり手軽な家庭用ゲーム機
近年、PCゲーム市場が凄まじい盛り上がりを見せてはいるものの、ゲーミングPCは安価なものでも10万円を超え、おおよそ20万円前後のモデルが台頭している。一方の家庭用ゲーム機は、約6万円(Xbox Series Sは4万円弱)でハイエンドなAAAタイトルを遊ぶことができるとあって、その価格差は言うまでもない。
冒頭でも述べたとおり、2022年の年末~2023年の年始頃から次世代ハードの入手性が高まってきた。もちろん、Nintendo Switch や PS4、Xbox One といった既存のゲームハードで遊んでいるプレイヤーも含め、G323CVであれば大きな画面と美しいグラフィックを楽しむことができる恩恵は十分に受けることができる。
「ハリー・ポッター」のホグワーツ城を中心としたオープンワールドRPG『ホグワーツ・レガシー』もそうだが、狩りゲーとして人気を博しているエレクトロニック・アーツ(開発はコーエーテクモゲームズ)の『WILD HEARTS』など、ここ数ヶ月は家庭用ゲーム機でも遊べるタイトルが豊作である。
年内にはスクウェア・エニックスから待望の『FINAL FANTASY XVI』や、任天堂からはシリーズ最新作『ピクミン4』といった大作も発売が予定されている今、快適な環境で家庭用ゲーム機を遊び倒したいユーザーにおすすめしたいゲーミングモニターだ。
■G323CV製品ページ
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