今回紹介するゲーミングノートPCのBravo-15-C7VE-3403JPは、ビジネスや学習といった普段使いや、昨今盛り上がりを見せるPCゲームなど、さまざまな用途に幅広く対応している。また、『VALORANT』や『League of Legends』など、手に汗握るeスポーツタイトルだけでなく、多くの個性を持ったインディーゲームなど、多くのゲームタイトルを網羅できるようなスペックだ。
15.6インチ・フルHDという標準的なスペックは、取り回しも良好で、自宅の限られたスペースや、出張先など、デスクトップ型ゲーミングPCを導入することにためらっているユーザーにはピッタリだ。
基本スペックは以下の通り。
■Bravo-15-C7VE-3403JP 基本スペック
OS:Windows 11 Home
ディスプレイ:15.6インチ、フルHD(1,920×1,080)、ノングレア、144Hz
CPU:AMD Ryzen 7 7735HS / 8コア16スレッド
グラフィックス:NVIDIA GeForce RTX 4050 Laptop GPU
メモリ:16GB(8GB ×2)DDR5
メモリ空きスロット:なし(2スロット合計最大64GB)
SSD:1TB(M.2 NVMe)
SSD専用空きスロット:M.2 NVMe(PCI-e Gen4) 専用空きスロット ×1(MSI公認サポート店でのみ増設可能)
有線LAN:1Gbps
無線LAN:Wi-Fi 6E(11ax)、Bluetooth 5.2
キーボード:シングルカラーバックライト内蔵日本語キーボード
スピーカー:ステレオ2スピーカー
映像出力端子:USB3.2 Gen1 Type-C(映像出力対応)×1、HDMI ×1
Webカメラ:92万画素(マイク内蔵)
I/Oポート:USB3.2 Gen1 Type-C(映像出力対応)×1、USB3.2 Gen1 Type-A ×2、USB2.0 Type-A ×1、HDMI ×1、オーディオコンボジャック ×1
バッテリー:リチウムイオン、53.5Whr、3セル
バッテリー駆動時間:最大7時間(JEITA 2.0)
ACアダプタ:200W
本体サイズ(WxDxH/mm):359×259×24.9mm
本体質量:2.25kg
ゲーマー心をくすぐるデザイン
まずは外観を見ていこう。全体的にブラックで統一されたデザインであり、天板のロゴのさりげない輝きと機械らしいラインは、良い意味でゲーミング感を引き立てている。背面と底面には大きな排吸気口が備わっている。
天板を開くと、奥行きはあるものの、左右のベゼルは細く、シュッとした印象だ。
また、天板はほぼ180度まで開くため、膝のうえで作業する際や、他の人と画面を共有するときなどに便利なつくりだ。
重量は2.25kgと、このサイズを考慮するとやや取り回ししやすいと言える。すると特にさまざまな場所で使用するケースが考えられる。実際に筆者もいくつかのゲームや仕事用のツールをインストールして使うなかで、電車の中や自宅でちょっとした作業をしたいとき、膝のうえで開くことが多かった。そんなときに180度まで大きく開くため画面をしっかりと視認することができるため重宝した。
そして、特徴的なのがキーボードだ。ゲームの移動で多用するWASDなどの一部のキーが、スケルトン仕様になっている。昔は(ゲームボーイカラーの時代まで遡るが)スケルトンの製品が多く見られたが、最近はあまりない。筆者個人としては内部の機構がチラっと見えることにオタク心がくすぐられるので、もっと流行ってほしい。
Bravo-15-C7VE-3403JPはLEDバックライトを搭載しているため、自由に光らせ方をカスタムすることも可能。キー配列もテンキー付きで数字入力にも優しい。ノートPCにありがちな十字キーが小さくなっているなんてこともないので、使い勝手の良いキーボードと言える。
▲WASDの部分はスケルトンになっているだけでなく、「W」部分に突起が付いているため、視覚だけでなく触覚でもキーの位置を把握しやすい
▲左側面にはUSB2.0 Type-A ×1・USB3.2 Gen1 Type-Aが搭載されている
▲右側面にはUSB3.2 Gen1 Type-C(映像出力対応)×1・USB3.2 Gen1 Type-A ×1・HDMI ×1・オーディオコンボジャック ×1、そして有線LANポートが搭載されている
カジュアルゲームもサクサク遊べる安定した性能
肝心なのは性能だ。CPUにRyzen 7 7735HS、GPUにRTX 4050 Laptopを採用した本モデルは、グレードでいえばエントリーに値する。といっても、RTX 40シリーズにはDLSS 3や第三世代レイトレーシングに対応するなど、前世代のモデルと比較するとその性能は飛躍的に向上している。
また、ディスプレイはフルHD解像度なため、このスペックでも十分なフレームレートや高速動作が可能だ。実際にベンチマークで見ていこう。
CPUの性能を測るCinebench R23では上記のような結果となった。ブラウジングや簡単なクリップ編集などの作業ではかくつきなどもなく、ブラウザのタブを常に開いてももたつくことはなかった。重たい動画編集ソフトの起動にやや時間がかかるものの、一度起動すれば(扱う素材にもよるが)動作は良好であった。表計算ソフトや文書作成ソフトなどでは快適なので、やはり普段使いに適したスペックであると言えるだろう。
GPU性能を計る『FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク』では以下のような結果だ。フルHDという条件ではあるが、高品質でも「快適」である。
『FF15』はかなり重ための3Dゲームであることから、手軽に遊びたいゲームでは十分に動作すると言える。複数のインディーゲームや3Dゲームを実際に遊んでみても、不足なく快適に遊ぶことができた。
また、eスポーツタイトルにおいては十分すぎる性能を持っている。『VALORANT』や『レインボーシックス シージ』など、eスポーツタイトルはそもそも要求スペックが低かったり意図的に設定を落としたりと、敷居が低めに設定されているのだ。
『Apex Legends』を起動してみると、ドロップシップからの降下時にはかなり重くなるものの、降下したあとは高設定でも60fps前後でプレイすることができた。さらに設定を低くしていくことで、フレームレートを上げることも可能である。
また、『レインボーシックス シージ』や『VALORANT』、『オーバーウォッチ 2』などでは設定を落とさずとも144fpsを安定して出すことができる。
ここまで述べてきた通り、Bravo-15-C7VE-3403JPはゲーマーの心をくすぐるデザインと、普段使いとゲームを両立できる地に足の付いたスペックが魅力の一台と言える。
筆者は約2週間、普段の仕事やゲーム、出張先などで使ってみたが、コンパクトで取り回しの良い点は、やはりゲーミングノートPCならではの利点である。本モデルは、重たいゲームをガツガツ遊ぶ!というよりはカジュアルなゲームを少し遊ぶほか、ゲームもできて仕事もできるノートPCが欲しい……というニーズに応えてくれる一台であるように感じた。
Bravo-15-C7VE-3403JP製品ページ
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- PS5やSwitchと合わせて使いたい! 美しい映像を没入感たっぷりで楽しめる31.5インチ湾曲ゲーミングモニター「G323CV」レビュー
- ようやくこのときがやってきた! 次世代と呼ぶことも憚られるほど発売から月日が経った次世代ハードの PlayStation 5 や Xbox Series X|S が、店頭を中心にネットショップでも購入できるようになってきた。 もちろん、Nintendo Switch も『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』などの注目タイトルが目白押しだ。2022年末から2023年夏ごろまでは、家庭用ゲーム機の存在感が特に強いように感じる。 そこで今回ご紹介するのが、MSIのゲーミングモニター「G323CV」だ。引き締まった黒色が得意なVAパネルを採用した本モデルは、31.5インチというやや大きめなサイズ感と、湾曲率1,500Rのゆるやかな没入感が特徴的な、コストパフォーマンスに優れたモデルである(想定価格は26,200円)。 まずはその外観をチェック! G323CVはコストパフォーマンスに優れたエントリーグレードであるものの、外観はかなりレベルが高いように感じる。というのも、ディスプレイの中心から縁に向かうにつれて薄くなっていくようなデザインであり、ベゼル(モニターの縁)も細い。台座となる足回りもスマートで、デスクに置いても邪魔にならない。設置した際の印象はスタイリッシュに尽きる。 そのうえ、チルト(上下の方向調節)とスイベル(横方向への調節)に対応している点はポイントが高い。特に、スイベルに対応することで、足の位置をそのままにモニターの左右の角度を調節できるため、置く場所が狭いユーザーでも安心だ。 FPSプレイヤーはモニターの足とマウスやキーボードなどのデバイスが干渉することを避けるため、わざとズラした置き方をすることも多く、そういったユーザーにも嬉しい仕様だ。 縦方向の高さ調節やピボット(モニターの回転)には対応していないものの、付属のスペーサーネジを取り付けることでVESA(100)規格のモニターアームに対応しているので、必要に応じて導入することも可能である。 なお、組み立ても簡単だ。足と柱を手回しネジで組み合わせ、ディスプレイへはめ込むだけとなっている。 美しいVAパネルと、様々な用途で発揮される没入感 ゲーミングモニターの多くは、シューター向けに最適な24インチ前後のモデルと、40インチ前後のハイエンドモニター(テレビ)の両極端になっている印象があるが、このモデルはその中間を突いてくれている。 実際にディスプレイを見ていくと、31.5インチというサイズ感は、小さすぎず大きすぎないため、デスクに置くにもちょうど良い。また、黒色の発色に強いVAパネルを搭載することで、特にグラフィックが美しいゲームを遊ぶ際にその真価を発揮してくれる。 引き締まった黒色は、ゲームの世界にあるものをしっかり表現してくれるので、ジメジメとした雰囲気の『DARK SOULS』シリーズなど、暗い場所の多いゲームにもピッタリだ。また、暗所の視認性を上げるナイトビジョンにも対応している。 また、映画やドラマなどの鑑賞にも向いている。というのもG323CVは湾曲率1,500Rのパネルを採用しており、31.5インチではゆるやかな没入感を得ることができる。 湾曲がキツいと没入感は増すものの、どうしても違和感が出てしまうため、モニターから少し離れてゲームをしたり動画鑑賞をしたりするぶんには、このゆるさが心地よい。 筆者は試用期間中にPS5でワーナーゲームの『ホグワーツ・レガシー』をプレイしてみたが、大画面でホグワーツ城の上空を箒で飛び回るのは極上の体験であった。そのほかにも、特にレースゲームやフライトシミュレーションといった、スピードを感じるゲームにおいて、その没入感はひとしおだ。 映画館のスクリーンのような湾曲具合は自然とモニターと向き合う姿勢を作ってくれるので、映画・ドラマなどの鑑賞にはもってこいである。また、ゲーム実況やeスポーツの観戦で、ゲームを「観る」という文化も根付いてきたが、意外なことにFPSタイトルでのeスポーツ観戦時は、湾曲の恩恵を受けやすい。 プレイヤーの歩いているときのスピード感が増幅されるような感覚があり、没入感と相まって今までにない印象を受けた。「湾曲ゲーミングモニターによるeスポーツ鑑賞」を体験してみて欲しい。 ▲Six Invitational 2023より ゲーマーをサポートする機能も充実 なお、G323CVはリフレッシュレート75Hzのパネルを採用している。PCなどに接続すれば、標準的なモニターよりも少し高いフレームレートで遊ぶことができるというわけだ。応答速度も1msと、動きの速いシューティングタイトルなどを遊んでも、実用上で遅延を感じることは全くなかった。 また、同期機能として対応するグラフィックボードと組み合わせることで「AMD FreeSync」も利用でき、カクつきを軽減してくれる。 そのほか、チラつきを抑制するアンチフリッカーと、ブルーライトカット機能も搭載しているので、長時間ゲームしがちなユーザーにもピッタリだ。 やっぱり手軽な家庭用ゲーム機 近年、PCゲーム市場が凄まじい盛り上がりを見せてはいるものの、ゲーミングPCは安価なものでも10万円を超え、おおよそ20万円前後のモデルが台頭している。一方の家庭用ゲーム機は、約6万円(Xbox Series Sは4万円弱)でハイエンドなAAAタイトルを遊ぶことができるとあって、その価格差は言うまでもない。 冒頭でも述べたとおり、2022年の年末~2023年の年始頃から次世代ハードの入手性が高まってきた。もちろん、Nintendo Switch や PS4、Xbox One といった既存のゲームハードで遊んでいるプレイヤーも含め、G323CVであれば大きな画面と美しいグラフィックを楽しむことができる恩恵は十分に受けることができる。 「ハリー・ポッター」のホグワーツ城を中心としたオープンワールドRPG『ホグワーツ・レガシー』もそうだが、狩りゲーとして人気を博しているエレクトロニック・アーツ(開発はコーエーテクモゲームズ)の『WILD HEARTS』など、ここ数ヶ月は家庭用ゲーム機でも遊べるタイトルが豊作である。 年内にはスクウェア・エニックスから待望の『FINAL FANTASY XVI』や、任天堂からはシリーズ最新作『ピクミン4』といった大作も発売が予定されている今、快適な環境で家庭用ゲーム機を遊び倒したいユーザーにおすすめしたいゲーミングモニターだ。 ■G323CV製品ページ https://jp.msi.com/Monitor/G323CV