ゲーミングモニターを選ぶうえで重視することは、多々あると思う。とはいえ、ハイエンドなものを突き詰めることに否定的なユーザーもいるだろう。筆者は今でこそ高いリフレッシュレートのモニターを使っているが、初めてゲーミングモニターを購入したときは、最低限のスペックのものを使っていた。
本稿で紹介する「G2412V」は、ゲーミングモニターデビューするような「最初の一歩」を踏み出すステップとして、またはメインのハイエンドモニターの補助として使うサブモニターとしての運用にピッタリな一台だ。ゲーミングモニターとして必要なスペックを持ち合わせつつ、お値段は14,000円前後という低価格。コストパフォーマンスを求めるユーザーには、ぜひおすすめしたい。「そんなハイエンドじゃなくても良い」という方は検討の価値があるだろう。
■G2412V 基本スペック
実売価格:14,000円前後
サイズ:23.8インチ
アスペクト比:16:9
解像度:フルHD(1,920×1,080)
最大リフレッシュレート:100Hz
応答速度:1ms(MPRT)
パネル駆動方式:IPS
表面タイプ:ノングレア
色域:sRGBカバー率:97%・DCI-P3カバー率:85%
最大表示色:約1,670万色
視野角:178度(H)・178度(V)
最大輝度:300
コントラスト比:1,000:1
入力端子:HDMI 1.4b×1、DP 1.2a×1、ヘッドホン出力×1
まずは外見をチェックしていこう。G2412Vのディスプレイサイズは23.8インチと、ゲーミングモニターとしては標準からやや小さい部類に入る。それゆえにさまざまな環境で取り回しが良いのも、魅力のひとつだ。
見ての通りベゼル(モニターのフチの部分)はとても細いため、余計な場所を取らない。
背面はスタイリッシュな主張をしつつ、ヘアライン加工のようなデザインになっていて上品な印象だ。
なお、組み立てにはドライバーが必要となっている。首の部分とモニター本体の接続部を隠すカバーもついているため、見た目を気にするユーザーにも嬉しい。
スタンド部分が気になるユーザーや、サブモニターといて浮かせて使いたいユーザーは、VESAマウントに対応したモニターアームなどを取り付けることができる。ベゼルが細いため、よりスタイリッシュに使うことができるだろう。
入力端子はHDMI 1.4b×1、DP 1.2a×1、ヘッドホン出力×1と、必要十分。PCと家庭用ゲーム機をひとつずつ繋げれば良い、というユーザーにはちょうど良いのではないだろうか。
しっかりと“ゲーミング”仕様
肝心のディスプレイの見え方については、高画質・広視野角が特徴なIPSパネルなだけあって、十分綺麗な印象を受ける。もちろんMSIの他のハイエンドモニターと比べるとコントラスト比などで劣るのだが、sRGBカバー率97%と、本来の色味で動画視聴やゲームが楽しめるだけでなく、IPSパネルの「どの角度から見ても美しい」という特徴はしっかりとある。
また、リフレッシュレートは100Hzと、一般的なモニターの60Hzと比べて高い。リフレッシュレートとは1秒間に表示される画像の枚数を表したようなものであり、数値が高いほうがよりなめらかに見える。特にFPSなどの動きの速いゲームでは重視されるため、カジュアルにFPSを遊びたいユーザーにもおすすめできる。
さらに、暗いシーンの視認性を向上させるナイトビジョンや、黒色を“黒挿入”として知られるアンチモーションブラー、ティアリング(画面のズレ)などを抑制してくれるAMD Freesyncにも対応。ディスプレイのチラつきをなくすアンチフリッカーや、ブルーライトカット機能なども搭載され、長時間ゲームをしがちなゲーマーにとっても嬉しい。
前述の通り、G2412Vの想定価格は4,000円程である。同価格帯であれば、ビジネス向けいわゆる“普通”のモニターなども検討できるかもしれないが、やはりゲーミング向けのアンチモーションブラーやブルーライトカット機能といった、ゲーミング支援機能が搭載されていることは大きな魅力だ。G2412Vはゲーミング支援機能や100Hzなど、ゲーミングモニターとしての魅力をコスパ良く体験できるモニターと言えるだろう。ゲーミングモニター初心者の最初の一台にピッタリだ。
G2412Vはパソコン工房とパソコンショップ アークの専売で現在発売中。
G2412V:製品ページ
https://jp.msi.com/Monitor/G2412V
パソコン工房
https://www.pc-koubou.jp/products/detail.php?product_id=1000344
パソコンショップ アーク
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