7月7日(金)に開幕した『ストリートファイター6』の国内プロリーグ「ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2023」。今シーズンは出場チームが9チームになったり、2ステージ制になったり、タイトルが『ストリートファイター6』になったりと、いろいろ様変わりしています。
そんな中、今シーズンの要となりそうなのが、パブリックビューイングです。配信プラットフォームのZAIKOにてパブリックビューイング用のチケットを購入すれば、飲食店や商業施設などで簡単にSFLのパブリックビューイングを行うことができるようなりました。
開幕戦となる7月7日(金)には、Good 8 Squad(G8S)、広島 TEAM iXA、CYCLOPS athlete Gaming、忍ism Gamingの4チームがパブリックビューイングを行っています。
昨年まではコロナ禍により観客を入れての試合をほとんどできませんでしたが、今シーズンはパブリックビューイングという形で各チームとそのファンが交流しながら応援できる場を提供しています。
今回は、G8Sのパブリックビューイングにお邪魔してきました。G8Sが会場に選んだのは、新宿にあるNEUU。NEUUは、VRやARを使った映像視聴体験の提供やイベントの開催を行っている、小田急電鉄が運営するXR特化型複合施設です。
G8Sのパブリックビューイングは、1,100円(税込)のチケット制でしたが、現場での実況予定だったなない氏が不在となることで、急遽無料での観戦となりました。本来であれば、試合開始前になない氏とG8Sのオーナーによるトークショウなども予定されていましたが、それも中止となり、試合の観戦、応援、それにグッズ販売での展開です。

そういった事情もあり、パブリックビューイングの開始時間となっても、来場した客は2~3人程度で、パブリックビューイングの開催が危ぶまれるのでは?と思いましたが、試合開始直前となると一気に来場者が増え、最終的には40名ものファンが駆けつけました。

G8Sは3試合目の登場となり、1、2試合目はおとなしめの展開。もちろん『スト6』が好きな人たちが集まっているので、いいプレイが出たら沸くものの、『スト6』のファンは静かだなという印象です。
しかし、G8Sの出番となり、ガチくん選手や立川選手、ぷげら選手のスーパープレイが飛び出したり、ラウンドを取得したりすると打って変わって、大きな声が飛び交い、拍手喝采となります。やはりパブリックビューイングの会場にわざわざ来てまで応援するファンが大人しい訳がありません。推しのチームが登場するまでエネルギーを溜め込んでいたわけです。
試合が終わり、公式配信が終了したあとで、G8Sのメンバー全員がオンラインを通じて、パブリックビューイング会場と繋がり、大会の感想や対戦秘話などを話してくれました。これも現場ならではの良さだと言えます。


今回は残念ながら、なない氏とオーナーによる対談が実現しませんでしたが、代わりにオーナーとNEUUの担当者に話を聞く機会を得たので、今回のパブリックビューイングの成果と今後の活動について聞いてきました。
——今回、パブリックビューイングを開催するきっかけはなんだったんでしょうか。
G8Sオーナー:最初はカプコンさんからパブリックビューイングを開催して欲しいとのオファーがありました。昨年のSFLでキャラバンを行いましたが、それ以前よりチームとしてはファンミーティングはやりたかったんですよね。
G8Sのファンは熱量が高いと思っていたので、絶対にファンと選手が会える機会は必要だろうと。競技タイトルが『スト6』になり、カプコンさんからのオファーもあったので、絶好の機会だと思いました。コロナ禍前では多くのファンはプレイヤーでもありましたけど、今はプレイしていない人のファンも増えてきている印象です。
その人たちには余計にファンミが必要だと考えています。1st STAGEの突破が確定したら選手とファンを集めたファンミをやりたいと思っています。

——パブリックビューイングを開催するにあたり、どんなことをやろうと考えていましたか。
G8Sオーナー:先ほども話しましたが、選手とのふれあいはしていきたいですね。現場でしか味わえないことはしていきたい。ゲームをプレイしない人が増えてきているとは言いましたが、それでもプレイヤーが多いのも事実です。対戦会の規模とまではいきませんが、今回は2台の対戦台を用意し、ファン同士が交流できるようにしています。
あとは、グッズの先行販売もしています。グッズコーナーには昨年のユニフォームも展示しているんですよね。これは売り物ではないですが、実際に選手が着たユニフォームを観られるのもオフラインならではだと思います。


——SFLが始まりましたが、今年の手応えはいかがでしょうか。
G8Sオーナー:昨年のチャンピオンチームであり、いろいろプレッシャーなども感じていると思います。今年のユニフォームはG8Sのロゴに密かにチャンピオンを示す王冠が描かれているんです。今シーズンは競技タイトルが『スト6』に変わったので昨年までと状況は大きく変わっています。チームの選手は比較的スロースターターの選手が多く、これまで以上にキツい年になるのではないかと感じている。ただ、選手やスタッフ全員の意識は高く保てています。
——G8Sはコーチや監督の存在がほかのチームとの違いでもありますよね。
G8Sオーナー:先週、ちょっとした合宿をしてみたんです。いろいろ試せていい機会となったんですけど、やはりコーチの存在は大きいですね。技術的な話より、コーチが不在だと、チームのことは選手だけで話合わないとならない。コーチが間に入ることで、選手同士の意見の交換がスムーズに行くようになります。
——『スト6』になって、これまで以上に盛り上がりを見せ、さまざまなチームが『スト6』部門を建てていますが、そこはいかがでしょうか。
G8Sオーナー:REJECTさんやCrazy RaccoonさんはSFLに参加しているeスポーツチームと比べても大手のチームといえます。特にCrazy Raccoonさんはファンの数だと国内TOPともいえるぐらいのチームで、そして数あるeスポーツチームの中でも特に箱推しのファンが多い印象です。ほかだとZETA DIVISIONさんでしょうか。

今後はそれらのチームに負けないくらいにチームのブランディングをしていき、チームのファンを増やしていかなければならない。それはチームそのもののことだけでなく、リーグ自体のファンの拡大にも繋がると思っています。そのひとつとして安易に強い選手を入れていくのではなく、G8Sとして認識されるような選手を育てて、チームの顔となってほしいですね。
——ありがとうございます。
次はNEUUの担当者である小田急電鉄 まちづくり事業本部新宿プロジェクト推進部課長代理 宮内悠太氏と、小田急電鉄 経営企画本部デジタル変革推進部DXグループ調査役 水落大樹氏に話を聞きました。

——まずはNEUUについて教えてください。
宮内悠太氏(以下、宮内):最新技術をハブに、人と人がコミュケーションをする場を目指しています。施設のうりは「VR映画」で、国際映画祭の受賞作など国内外の作品を常時4~5作品視聴できるようになっています。VRに興味があってもVR機器を持っていない人はまだまだ多い印象ですので、NEUUに来ればいつでも誰でも最新の機材やコンテンツを楽しめる、といった場にしていければと思っていますね。

——G8Sのパブリックビューイングを開催する経緯はなんでしょうか。
水落大樹氏(以下、水落):もともとG8Sの選手とは、私的に交流があったんです。そこからG8Sが、ゲームを通じた地域連携イベントなども考えていきたいという話をうかがっていまして——。それならば、鉄道会社として沿線地域にさまざまなアセットやコネクションを持っている我々と何かできないかと感じ、そこから仕事としての対話が始まりました。
そして、今回のSFLのパブリックビューイングの話が具体的に出てきたので、NEUUの運営を担当している宮内に相談をしました。NEUUとしても新たな試みでしたが、既存とは違う層のお客さまにご来場いただけることのメリットも大きいと考え、まずはやってみよう、ということになりました。
——NEUUとしては場所貸しだけでなく、何かパブリックビューイングのための施策とかあるのでしょうか。
宮内:施設の訴求ポイントがVRやARといった技術の部分だけだと、お客さまへの認知の広がりがどうしても限定的になってしまうという課題感を持っていました。eスポーツのパブリックビューイングの開催は今回が初めてですが、集客力もあるしすごい熱量を持ったイベントだとあらためて感じましたね。ゆくゆくはVR機材がそろっていることなどを生かして、たとえばNEUUを起点にリアル会場とVR会場を繋いだイベントができたら面白いなと思っています。
また、今回は初めてということで飲食に関してはソフトドリンクとビールのみの提供でしたが、お仕事終わりで夕食を食べていないお客さまも多いように見受けられましたので、今後はお食事の提供なども検討できればと思います。当社グループにはレストラン業態もありますので、連携できる可能性も十分にありそうですし。デリバリーとの提携でNEUUに来た方とVR会場で見ている方たちが同じものを食べられるようになったら面白いかもしれませんね。
——今後はSFL以外でもパブリックビューイングを開催する予定はあるのでしょうか。
水落:今のところ具体的な計画はありませんが、個人的にはFPSなど対戦格闘ゲーム以外のジャンルでもやってみたいですね。もちろんジャンルを拡げるだけでなく、格ゲー自体ももっと掘り下げて拡げていきたいと思っています。あとは小田急電鉄の沿線でもこのような取り組みを増やして、沿線地域の活性化とeスポーツシーンの盛り上がりに貢献できればうれしいですね。
eスポーツに関心を寄せている沿線地域も多いと聞いているので。もしかしたら、いずれは複数の沿線地域を結んでリアルとオンラインを融合して行うイベントや、ほかの鉄道会社との対抗戦が開催される未来がくるかもしれません。

——鉄道会社は結構eスポーツに関わっていますよね。JR東日本、東京メトロ、京浜急行など。それらとの対抗戦は面白そうですね。
宮内:鉄道会社としては、人々に移動するための目的を持ってもらうことが最も重要なミッションだと思っています。そのためには能動的に移動するための楽しみが必要です。eスポーツにはその要素が十分にあります。
ゆくゆくはNEUUが沿線地域とeスポーツを結びつける聖地のひとつとして認識されるようにやっていきたいです。当面の目標としては、eスポーツのパブリックビューイングの定期開催やファンミーティングなどの交流イベントの開催ですね。
——ありがとうございました。
———
FENNELのチアパーティーの時もそうでしたが、チームが主催するパブリックビューイングは、そのチームの応援に特化するため、一体感と盛り上がりはかなりのものです。
以前のSFLは対戦チームをスタジオに呼んで対戦していましたが、今は昨年のリモート対戦が引き続き行われ、選手は自宅から参加しています。
パブリックビューイングも開催されているのであれば、選手がパブリックビューイングの場で対戦をするサテライト会場的に行うのもいいのではないでしょうか。昨年のSaishunkan SOL 熊本も再春館の社内にて選手が集まり、社員の応援のもと試合に臨んでいました。奇しくも、その試合をきっかけにSaishunkan SOL 熊本は右肩上がりに調子を上げ、準優勝の結果を残しています。目の前で声援を聞きながらプレイするのは選手にとっても励みになることは間違いないので、どのチームも試してみてはいかがでしょうか。
撮影:志田彩香
そんな中、今シーズンの要となりそうなのが、パブリックビューイングです。配信プラットフォームのZAIKOにてパブリックビューイング用のチケットを購入すれば、飲食店や商業施設などで簡単にSFLのパブリックビューイングを行うことができるようなりました。
開幕戦となる7月7日(金)には、Good 8 Squad(G8S)、広島 TEAM iXA、CYCLOPS athlete Gaming、忍ism Gamingの4チームがパブリックビューイングを行っています。
昨年まではコロナ禍により観客を入れての試合をほとんどできませんでしたが、今シーズンはパブリックビューイングという形で各チームとそのファンが交流しながら応援できる場を提供しています。
ガチゲーマーから親子連れまでさまざまなファンが集まったNEUU(にゅー)の会場
今回は、G8Sのパブリックビューイングにお邪魔してきました。G8Sが会場に選んだのは、新宿にあるNEUU。NEUUは、VRやARを使った映像視聴体験の提供やイベントの開催を行っている、小田急電鉄が運営するXR特化型複合施設です。
G8Sのパブリックビューイングは、1,100円(税込)のチケット制でしたが、現場での実況予定だったなない氏が不在となることで、急遽無料での観戦となりました。本来であれば、試合開始前になない氏とG8Sのオーナーによるトークショウなども予定されていましたが、それも中止となり、試合の観戦、応援、それにグッズ販売での展開です。

▲観戦のほかにオーナーによるトークショーや、じゃんけん大会なども行われ大いに盛り上がりました
そういった事情もあり、パブリックビューイングの開始時間となっても、来場した客は2~3人程度で、パブリックビューイングの開催が危ぶまれるのでは?と思いましたが、試合開始直前となると一気に来場者が増え、最終的には40名ものファンが駆けつけました。

▲来場者の中には親子連れも。お父さんがG8Sのカワノ選手のファン。お子さんはその影響でSFLを観るようになったようですが、ウメハラ選手のファンだとか
G8Sは3試合目の登場となり、1、2試合目はおとなしめの展開。もちろん『スト6』が好きな人たちが集まっているので、いいプレイが出たら沸くものの、『スト6』のファンは静かだなという印象です。
しかし、G8Sの出番となり、ガチくん選手や立川選手、ぷげら選手のスーパープレイが飛び出したり、ラウンドを取得したりすると打って変わって、大きな声が飛び交い、拍手喝采となります。やはりパブリックビューイングの会場にわざわざ来てまで応援するファンが大人しい訳がありません。推しのチームが登場するまでエネルギーを溜め込んでいたわけです。
試合が終わり、公式配信が終了したあとで、G8Sのメンバー全員がオンラインを通じて、パブリックビューイング会場と繋がり、大会の感想や対戦秘話などを話してくれました。これも現場ならではの良さだと言えます。

▲G8Sの選手が勝利すると拍手喝采の大盛り上がりとなりました

▲試合後は現地のファンのみが楽しめるメンバーとのオンライン通話が実現。オーナーがひとりひとりに今回の感想などを聞いていました
今回は残念ながら、なない氏とオーナーによる対談が実現しませんでしたが、代わりにオーナーとNEUUの担当者に話を聞く機会を得たので、今回のパブリックビューイングの成果と今後の活動について聞いてきました。
FPS主体のチームに負けないくらいのファンを増やしていきたい——Good 8 Squadオーナーの思い
——今回、パブリックビューイングを開催するきっかけはなんだったんでしょうか。
G8Sオーナー:最初はカプコンさんからパブリックビューイングを開催して欲しいとのオファーがありました。昨年のSFLでキャラバンを行いましたが、それ以前よりチームとしてはファンミーティングはやりたかったんですよね。
G8Sのファンは熱量が高いと思っていたので、絶対にファンと選手が会える機会は必要だろうと。競技タイトルが『スト6』になり、カプコンさんからのオファーもあったので、絶好の機会だと思いました。コロナ禍前では多くのファンはプレイヤーでもありましたけど、今はプレイしていない人のファンも増えてきている印象です。
その人たちには余計にファンミが必要だと考えています。1st STAGEの突破が確定したら選手とファンを集めたファンミをやりたいと思っています。

——パブリックビューイングを開催するにあたり、どんなことをやろうと考えていましたか。
G8Sオーナー:先ほども話しましたが、選手とのふれあいはしていきたいですね。現場でしか味わえないことはしていきたい。ゲームをプレイしない人が増えてきているとは言いましたが、それでもプレイヤーが多いのも事実です。対戦会の規模とまではいきませんが、今回は2台の対戦台を用意し、ファン同士が交流できるようにしています。
あとは、グッズの先行販売もしています。グッズコーナーには昨年のユニフォームも展示しているんですよね。これは売り物ではないですが、実際に選手が着たユニフォームを観られるのもオフラインならではだと思います。

▲ここでしか見られないグッズが展示されるなど、会場特典も充実

▲会場には自由に対戦が楽しめるブースも設置されていました。来場者の中には自前のアケコンを持参している方も。eスポーツのパブリックビューイングならではの光景です
——SFLが始まりましたが、今年の手応えはいかがでしょうか。
G8Sオーナー:昨年のチャンピオンチームであり、いろいろプレッシャーなども感じていると思います。今年のユニフォームはG8Sのロゴに密かにチャンピオンを示す王冠が描かれているんです。今シーズンは競技タイトルが『スト6』に変わったので昨年までと状況は大きく変わっています。チームの選手は比較的スロースターターの選手が多く、これまで以上にキツい年になるのではないかと感じている。ただ、選手やスタッフ全員の意識は高く保てています。
——G8Sはコーチや監督の存在がほかのチームとの違いでもありますよね。
G8Sオーナー:先週、ちょっとした合宿をしてみたんです。いろいろ試せていい機会となったんですけど、やはりコーチの存在は大きいですね。技術的な話より、コーチが不在だと、チームのことは選手だけで話合わないとならない。コーチが間に入ることで、選手同士の意見の交換がスムーズに行くようになります。
——『スト6』になって、これまで以上に盛り上がりを見せ、さまざまなチームが『スト6』部門を建てていますが、そこはいかがでしょうか。
G8Sオーナー:REJECTさんやCrazy RaccoonさんはSFLに参加しているeスポーツチームと比べても大手のチームといえます。特にCrazy Raccoonさんはファンの数だと国内TOPともいえるぐらいのチームで、そして数あるeスポーツチームの中でも特に箱推しのファンが多い印象です。ほかだとZETA DIVISIONさんでしょうか。

今後はそれらのチームに負けないくらいにチームのブランディングをしていき、チームのファンを増やしていかなければならない。それはチームそのもののことだけでなく、リーグ自体のファンの拡大にも繋がると思っています。そのひとつとして安易に強い選手を入れていくのではなく、G8Sとして認識されるような選手を育てて、チームの顔となってほしいですね。
——ありがとうございます。
小田急沿線地域の活性化とeスポーツシーンの盛り上がりに貢献したい——NEUU担当者インタビュー
次はNEUUの担当者である小田急電鉄 まちづくり事業本部新宿プロジェクト推進部課長代理 宮内悠太氏と、小田急電鉄 経営企画本部デジタル変革推進部DXグループ調査役 水落大樹氏に話を聞きました。

▲写真左から宮内悠太氏、水落大樹氏
——まずはNEUUについて教えてください。
宮内悠太氏(以下、宮内):最新技術をハブに、人と人がコミュケーションをする場を目指しています。施設のうりは「VR映画」で、国際映画祭の受賞作など国内外の作品を常時4~5作品視聴できるようになっています。VRに興味があってもVR機器を持っていない人はまだまだ多い印象ですので、NEUUに来ればいつでも誰でも最新の機材やコンテンツを楽しめる、といった場にしていければと思っていますね。

▲小田急ハルクの裏通りにあるNEUU。普段はVRの体験やイベント開催などで使われています
——G8Sのパブリックビューイングを開催する経緯はなんでしょうか。
水落大樹氏(以下、水落):もともとG8Sの選手とは、私的に交流があったんです。そこからG8Sが、ゲームを通じた地域連携イベントなども考えていきたいという話をうかがっていまして——。それならば、鉄道会社として沿線地域にさまざまなアセットやコネクションを持っている我々と何かできないかと感じ、そこから仕事としての対話が始まりました。
そして、今回のSFLのパブリックビューイングの話が具体的に出てきたので、NEUUの運営を担当している宮内に相談をしました。NEUUとしても新たな試みでしたが、既存とは違う層のお客さまにご来場いただけることのメリットも大きいと考え、まずはやってみよう、ということになりました。
——NEUUとしては場所貸しだけでなく、何かパブリックビューイングのための施策とかあるのでしょうか。
宮内:施設の訴求ポイントがVRやARといった技術の部分だけだと、お客さまへの認知の広がりがどうしても限定的になってしまうという課題感を持っていました。eスポーツのパブリックビューイングの開催は今回が初めてですが、集客力もあるしすごい熱量を持ったイベントだとあらためて感じましたね。ゆくゆくはVR機材がそろっていることなどを生かして、たとえばNEUUを起点にリアル会場とVR会場を繋いだイベントができたら面白いなと思っています。
また、今回は初めてということで飲食に関してはソフトドリンクとビールのみの提供でしたが、お仕事終わりで夕食を食べていないお客さまも多いように見受けられましたので、今後はお食事の提供なども検討できればと思います。当社グループにはレストラン業態もありますので、連携できる可能性も十分にありそうですし。デリバリーとの提携でNEUUに来た方とVR会場で見ている方たちが同じものを食べられるようになったら面白いかもしれませんね。
——今後はSFL以外でもパブリックビューイングを開催する予定はあるのでしょうか。
水落:今のところ具体的な計画はありませんが、個人的にはFPSなど対戦格闘ゲーム以外のジャンルでもやってみたいですね。もちろんジャンルを拡げるだけでなく、格ゲー自体ももっと掘り下げて拡げていきたいと思っています。あとは小田急電鉄の沿線でもこのような取り組みを増やして、沿線地域の活性化とeスポーツシーンの盛り上がりに貢献できればうれしいですね。
eスポーツに関心を寄せている沿線地域も多いと聞いているので。もしかしたら、いずれは複数の沿線地域を結んでリアルとオンラインを融合して行うイベントや、ほかの鉄道会社との対抗戦が開催される未来がくるかもしれません。

——鉄道会社は結構eスポーツに関わっていますよね。JR東日本、東京メトロ、京浜急行など。それらとの対抗戦は面白そうですね。
宮内:鉄道会社としては、人々に移動するための目的を持ってもらうことが最も重要なミッションだと思っています。そのためには能動的に移動するための楽しみが必要です。eスポーツにはその要素が十分にあります。
ゆくゆくはNEUUが沿線地域とeスポーツを結びつける聖地のひとつとして認識されるようにやっていきたいです。当面の目標としては、eスポーツのパブリックビューイングの定期開催やファンミーティングなどの交流イベントの開催ですね。
——ありがとうございました。
———
FENNELのチアパーティーの時もそうでしたが、チームが主催するパブリックビューイングは、そのチームの応援に特化するため、一体感と盛り上がりはかなりのものです。
以前のSFLは対戦チームをスタジオに呼んで対戦していましたが、今は昨年のリモート対戦が引き続き行われ、選手は自宅から参加しています。
パブリックビューイングも開催されているのであれば、選手がパブリックビューイングの場で対戦をするサテライト会場的に行うのもいいのではないでしょうか。昨年のSaishunkan SOL 熊本も再春館の社内にて選手が集まり、社員の応援のもと試合に臨んでいました。奇しくも、その試合をきっかけにSaishunkan SOL 熊本は右肩上がりに調子を上げ、準優勝の結果を残しています。目の前で声援を聞きながらプレイするのは選手にとっても励みになることは間違いないので、どのチームも試してみてはいかがでしょうか。
撮影:志田彩香
【岡安学 プロフィール】
eスポーツを精力的に取材するフリーライター。ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。さまざまなゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆も行い、関わった書籍数は50冊以上。現在は、Webや雑誌、Mookなどで活動中。近著に『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム刊)、『INGRESSを一生遊ぶ!』(宝島社刊)
Twitter:@digiyas
eスポーツを精力的に取材するフリーライター。ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。さまざまなゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆も行い、関わった書籍数は50冊以上。現在は、Webや雑誌、Mookなどで活動中。近著に『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム刊)、『INGRESSを一生遊ぶ!』(宝島社刊)Twitter:@digiyas
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- 【大会レポート】 『エーペックスレジェンズ』高校日本一はeスポーツ高等学院 ヨコハマ校! ──第3回 NASEF JAPAN全日本高校eスポーツ選手権
- 高校生のためのeスポーツ選手権大会「第3回 NASEF JAPAN全日本高校eスポーツ選手権」『エーペックスレジェンズ』部門の決勝が2025年12月7日(日)にオンラインで開催され、東日本通信制ブロックから勝ち上がったeスポーツ高等学院 ヨコハマeスタジアム「英雄おさかなver2」が初優勝となった。『エーペックスレジェンズ』部門は、東日本/西日本、全日制ブロック/通信制ブロックからそれぞれ5チームずつ、合計20チームが5ゲームを戦い、高校日本一を決定する。チーム編成はトリオ(3人)で、生存ポイント(チャンピオン獲得で10ポイント、以下順位に応じたポイント)と撃破ポイント(1撃破=1ポイント)による合計ポイントで争われた。NASEF JAPAN全日本高校eスポーツ選手権 とはeスポーツを通じて仲間と共に成長することを目的とした、高校生のためのeスポーツ選手権大会。仲間とともに日頃の練習の成果を発揮し優勝を目指す、高校生活の輝かしい1ページとなる大会と銘打っている。『エーペックスレジェンズ』部門は今年で2回目。国を4ブロック(東日本・西日本の全日制高校/通信制高校)に分け、10月11日(土)~12日(日)のオンライン予選を経て、12月7日(日)に決勝大会(オンライン)が行われた。 ゲーム1〜3: 今大会は、「E地区」「ワールズエッジ」「ストームポイント」を戦い、再び「E地区」「ワールズエッジ」を繰り返すという3つのマップで5試合で争われた。ゲーム1は仙台育英学園高等学校「獄炎終焉ストロガノフ」がチャンピオンを獲得し20ポイントを獲得したが、S高等学校「トロールやめてね2」が撃破数で上回り、総合首位に立つ。※2位の学校名は表記間違いで「仙台育英学園高等学校」 ゲーム2は、中央高等学院 渋谷原宿校「大和魂Ver.3.0」がチャンピオンを獲得。ゲーム1で首位に立ったS高は早々に全滅してしまったが、仙台育英高は2位を獲得し、総合首位に浮上した。※2位の学校名は表記間違いで「仙台育英学園高等学校」 ゲーム3ではeスポーツ高等学院 ヨコハマ校が、初チャンピオン+撃破ポイントで1位を獲得。ゲーム1で1位だったS高は2連続入賞を逃し3位に下がった。ゲーム4では、バンタンゲームアカデミー高等部 大阪校「3ando baggus」がチャンピオンを獲得したものの、eスポーツ高等学院 ヨコハマ校が2度目の首位に。再びeスポーツ学院 ヨコハマ校が1ポイント差でマップを制し、総合順位でも首位に浮上。1位と2位の間は15ポイント離れているが、上位チームは安定的な試合運びで常に上位にいるため、逆転するには30ポイント近く必要となっていた。迎えた最終のゲーム5は、チャンピオン獲得だけでなく撃破ポイントが必要なため、可能性の残るチームは積極的に動き、結果としてスキも見せやすくなりライバルを有利にしてしまうというジレンマがある。そんな中で、N高等学校「アバタケカブラ」が最後は1v3の地の利を生かして、この日初のチャンピオンを獲得した。最終結果:攻守のバランスに優れたチームが好成績に 5ゲームを終え、3位はS高等学校「トロールやめてね2」。ゲーム1で大量得点を獲得したものの、その後はやや苦しい展開となったが、「スクリムでは死なないように帰すという練習をしていて、最初の試合でそれが発揮できました」と練習の成果を発揮できたと振り返った。2位はゲーム2でチャンピオンを獲得し、後半で一気に浮上した中央高等学院 渋谷原宿校「大和魂Ver.3.0」。XXI_silvia選手は「私自身高校3年生で受験生なので、『エーペックス』にあまり力を入れられなかったんですが、その状況で2位を取れたので満足です。1〜2試合目は順位ポイントを意識していたんですが、3試合目以降は撃破ポイントを狙ってアグレッシブに動いたのがうまくいきました」とコメントした。そして優勝は、eスポーツ高等学院 ヨコハマeスタジアム校「英雄おさかなver2」。リーダーの英雄希望EX選手は、「スクリムなどに出てたくさん練習して、ダメなところを改善していけたのがよかった」と勝因を語り、「ランクマッチだと動きを考えなくても勝てるんですが、大会となると人数の残り方も変わってくるので、立ち回りを意識しました」と大会ならではの戦い方を考慮していたことも明かした。なお、ベストプレーヤー賞はS高のAsunaSkyWaler選手が獲得している。第3回 NASEF JAPAN全日本高校eスポーツ選手権 『エーペックスレジェンズ』部門 最終結果順位所属チーム|選手名順位撃破合計1 eスポーツ高等学院 ヨコハマeスタジアム「英雄おさかなver2」 27 50 77 2 中央高等学院 渋谷原宿校「大和魂Ver.3.0」 32 26 58 3 S高等学校「トロールやめてね2」 17 39 56 4 仙台育英学園高等学校「獄炎終焉ストロガノフ」 27 22 49 5 N高等学校 福岡薬院キャンパス「Forget Me Not」 29 15 44 6 eスポーツ高等学院 シブヤeスタジアム「漆黒ノ断罪者」 26 16 42 7 eスポーツ高等学院 クマモトeスタジアム「BIG×サイダーッ」 29 12 41 8 N高等学校「アバタケタブラ」 21 19 40 9 バンタンゲームアカデミー高等部 大阪校「3ando baggus」 27 12 39 10 N高等学校 ところざわサクラタウンキャンパス「Re:でぇーようかいバナバナ」 18 15 33 11 奈良県立二階堂高等学校「NextKnckDoor」 18 13 31 12 愛知県立犬山総合高等学校「unlimited」 17 11 28 13 阿南工業高等専門学校「覚醒・ウォーターサーバー 13 10 23 14 バンタンゲームアカデミー高等部 東京校「EliteSpark」 12 11 23 15 東日本国際大学附属昌平高等学校「山田太郎」 11 12 23 16 大阪eゲームズ高等学院「OEGHS_Glänz 18 4 22 17 科学技術学園高等学校「それゆけ脳筋隊」 18 2 20 18 岡山県共生高等学校「純正三兄弟 9 11 20 19 大橋学園高等学校「nooblegends」 13 2 15 20 兵庫県立尼崎工業高校 「マグロ丼」 8 3 11 配信URL NASEF JAPAN 全日本高校eスポーツ選手権:https://www.nasef-nhec.jp/エーペックスレジェンズ/© 2025 Electronic Arts Inc.
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- 【大会レポート】2,000機のドローンを使った世界最大サイズ空中テトリス大会「Red Bull Tetris® World Final」が開催!
- 「テトリス」の新グローバルトーナメント「Red Bull Tetris®」の決勝戦が、12⽉11⽇(⽊)〜13⽇(⼟)にドバイにて開催。トルコのフェフミ・アタラー選手が優勝した。「Red Bull Tetris®」は2,000機以上のドローンを使ったライブプレーにより実施され、高得点のプレーヤーが勝利するといった大会形式となっている。<以下、ニュースリリースより>ドバイ・フレームが巨大なゲーム画面に!eスポーツがスクリーン外に飛び出し、没入型空間が夜空に登場 レッドブルは、世界で5億2千万本以上販売し、40 年以上にわたって世界中で愛されているパズルゲーム「テトリス」の新グローバルトーナメント「Red Bull Tetris®」を開催しました。12月11日(木)~13日(土)にドバイ(U.A.E.)で開催した Red Bull Tetris® World Final には、日本を含む60カ国以上の代表が出場。現地時間の13日(土)の夜に実施したトーナメントの決勝では、2,000機以上のドローンを使用して世界初の空中にてリアルタイムでプレーするテトリス公式戦を世界最大サイズで行い、フェフミ・アタラー(トルコ)が優勝しました。世界最大&世界初のスクリーンでRed Bull Tetris®をプレーするフェフミ・アタラー|Dean Treml / Red Bull Content Pool 日本代表のAK(19歳、埼玉県、学生)は予選をTop3通過しましたが、現地時間12日(金)に行われたトーナメントは残念ながらベスト16で敗退しました。大会を終えてAKは「初の海外だったので緊張しました。初日のパーティで少し緊張が解け、翌日の予選は会場が砂漠の中で、砂漠に感動しました。またバギー搭乗やプールなどを楽しみながら試合に臨み、いい結果を残すことができました。決勝トーナメントは勝ちを意識しすぎたことで焦りが出てしまい、緊張しすぎて思うようなプレーができず、悔しい結果で終わりました。楽しみにしていたドローンを使ったテトリスに加えて、花火やオーケストラなどの演出がとても豪華で、あの舞台に立ちたかったです。レッドブル・テトリスはワールドファイナルがドバイで開催されたことに限らず、日本の決勝が東京ゲームショウの会場内で行われたり、あめみやたいようさんがゲストだったりと、とにかく規模が大きいイベントだと思いました。ぜひ次回も開催してほしいですし、次回こそは絶対に優勝したいです」とコメントしました。決勝トーナメント、ベスト32戦のAK(手前)|Dean Treml / Red Bull Tetris コメントするAK|Leo Rosas / Red Bull Tetris 決勝トーナメントの対戦表は下記よりご覧いただけます。https://www.redbull.com/int-en/events/red-bull-tetris-world-final/red-bull-tetris-world-final-brackets ドバイの観光名所「ドバイフレーム(高さ150m × 幅93m)」をその名の通り枠に見立てた、世界最大で世界初となるライブでプレーが可能な空中でのテトリス公式戦により、eスポーツはスクリーン外へと飛び出し、没入型オープンエア空間となりました。テトリスを従来のスクリーン上の体験から“空”へ引き上げたこの決勝に勝ち進んだのはペルー代表のレオ・ソロザノ(Leo Solorzano)とトルコ代表のフェフミ・アタラー(Fehmi Atalar)でした。ドバイフレームが世界最大&世界初の空中でプレー可能なテトリス公式戦のゲーム画面に Red Bull Content Pool Marc Schwarz / Red Bull Content Pool ドローンや花火などの演出で大会を盛り上げ Philip Platzer / Red Bull Content Pool Philip Platzer / Red Bull Content Pool 適応力、即時の判断、精密な操作が試される“世界で最も万能なテトリスプレーヤー”を決める戦いは観客を最後まで釘付けにする熱戦が繰り広げられました。どちらが先に挑むかを決めるオフステージの試合を行いフェフミ・アタラーが勝利して「後攻」を選択。先攻のレオ・ソロザノがTスピンを活用して5分間のゲームを57,164点で終えると、超えるべきスコアが明確なフェフミ・アタラーは際立ったパフォーマンスを披露。制限時間の 3分の2 を通過時点でレオ・ソロザノのスコアを超え、決定的なテトリミノをはめるなどしてスコアは 168,566点を達成し、本大会の初代世界王者としてテトリス史に名を刻みました。 大会を制したフェフミ・アタラーは大会後「本当に信じられない、夢の様だ。イベントは唯一無二で自分のテトリス経験の中で最高の瞬間だ。マシンみたいに完璧なプレーができて、どの試合でも1点も取りこぼさなかった。とてもうれしい」とコメントしています。フェフミ・アタラーはコンピュータ工学の学生(19歳)| Dean Treml / Red Bull Content Pool 世界王者に向けた戦いはトーナメント用のゲーム「Red Bull Tetris®」を使用して行いました。本大会は18 歳以上であれば誰でも参加可能な世界最大級のグローバルゲーム大会で、スマートフォンのブラウザ上で行われた予選は全世界で700万回以上ゲームが遊ばれました。日本では予選の上位4名が9月28日(日)に東京ゲームショウの会場内で開催したJapan Final(PC版Red Bull Tetris®を使用)で戦い、AKが日本代表の座を獲得しました。■Red Bull Tetris® World Final 概要大会名:Red Bull Tetris® World Final優勝:フェフミ・アタラー(Fehmi Atalar)/トルコ決勝戦試合形式:ドバイ・フレーム内で2,000機以上のドローンを用いたライブプレー。 同時対戦では無く、それぞれが1ゲームして高得点者が勝利(BO1形式)優勝スコア:168,566点開催日:12月11日(木)~13日(土)会場:ドバイ・フレーム(ドバイ(U.A.E.))出場者:60名(60カ国のチャンピオン)備考:各国予選に向け、世界中のスマホでRed Bull Tetris®は700万回以上プレーされた
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- 【結果速報 12月14日「SFL 2025 Pro-JP プレーオフ DAY2」】 「先鋒・中堅連敗からの大将LeSharの勝利が分岐点だった」 RC、ZETAを下したiXAに大差で勝利!
- 『ストリートファイター6』(スト6)の国内プロリーグ「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2025」(SFリーグ 2025)が8月29日(金)より開催中。本リーグは、出場する12チームがDivision S、Division FといったふたつのDivisionに分かれリーグ戦を行うeスポーツ大会。12月14日(日)は、Division Fの全10節を戦い抜いた6チーム中上位3チームによるプレーオフを開催。3位と2位によるマッチ1と、1位と準決勝の勝者によるマッチ2の2試合が行われた。プレーオフの見どころ:ZETAヤマグチが事実上の初参戦 プレーオフはレギュラーシーズンよりも1試合が長くなり、先に70ポイントを先取したチームが勝利となる。1巡目で取れる最大ポイントは40ポイントのため、早ければ2巡目までで勝負がつく計算だ。ホーム/アウェーの選択は、本節の順位が上のチームがホームからスタートし、先鋒・中堅・大将の3試合を1巡として入れ替わる。また、プレーオフでは延長戦はなく、2巡目までに必ず各チームの4人全員の参加が必須に。これにより、必ず1巡目にない組み合わせの試合が盛り込まれ、対戦組み合わせの戦略も複雑になると同時に、観る側にとっては新鮮な試合を楽しめるルールとなっている。なお、翔のシーズン途中での欠場により、本節途中で追加登録されたヤマグチは延長戦のみの出場に限定されていたが(本節では結果的に延長戦がなく不出場)、このプレーオフから本格的にZETAのメンバーとして参戦。舞を使うという情報は知られていたが、iXAにとってもRCにとっても未知数の存在がどう影響するかも注目ポイントだった。チームマッチ1:ZETA DIVISION Geekly vs 広島 Team iXA マッチ1は2位のiXAがホーム、3位のZETAがアウェーでスタート。1巡目はZETAのオーダーに対して有利な選手・キャラを当てられるiXAが条件的に有利だ。1巡目 先鋒戦はひぐち(ガイル)が「いつもの調子が出ていない」というあきら(キャミィ)に勝利。中堅戦では今季初参戦となったヤマグチ(舞)が登場したが、ひびき(リリー)の舞対策が奏功し初勝利はお預け。互いに10ポイントずつを取り合う。勝った方が20ポイント獲得と大きくリードできる大将戦は、ももち(エド)とあでりい(エド)のミラーマッチに。意外にも本節では第10節大将戦の一度しか戦っておらず、その際はあでりいが勝利していたが、今回は3-2のフルカウントの末にももちがリベンジ。まずはアウェーのZETAが20ポイントをリードした。対戦カードZETA(アウェー)iXA(ホーム)先鋒(2-0) ✅ひぐち(ガイル:C) あきら(キャミィ:C) 中堅(1-2) ヤマグチ(舞:C) ✅ひびき(リリー:C) 大将(3-2) ✅ももち(エド:C) あでりい(エド:C) 合計 30pt 10pt 2巡目 2巡目でアウェーに回ったiXAは、先鋒戦にACQUA(ブランカ)、中堅戦にあきら(キャミィ)、大将戦にあでりい(エド)というオーダー。先鋒戦でひぐちが「ジャストパリィ」を決めてACQUAを制し、ヤマグチがあきらの大胆な攻めをしっかり差し替えし、ZETAが連勝する。この時点で50ポイントを獲得したZETAは、続く大将戦で勝利すれば勝利が確定する。そんな場面でZETAは、第5節であでりい(エド)に勝利しているひかる(A.K.I)を投入。毒と遠距離攻撃でひかるがあでりいを翻弄する展開となったが、体力が少ない状況からの大逆転の連続であでりいが勝利し、チームの危機を救った。対戦カードZETA(ホーム)iXA(アウェー)先鋒(2-0) ✅ひぐち(ガイル:C) ACQUA(ブランカ:C) 中堅(2-1) ✅ヤマグチ(舞:C) あきら(キャミィ:C) 大将(2-3) ひかる(A.K.I.:C) ✅あでりい(エド:C) 合計 50pt 30pt 3巡目 3巡目にもつれ込み、ZETAが再びアウェー側になったが、依然として先鋒・中堅を勝つか、大将が勝てば勝利するZETAが圧倒的に有利な状況だ。先鋒戦のひぐちには、この日3人目の相手となるひびき(リリー)が、ソニックブームをかいくぐって接戦に勝利。さらに、2順目と同じカードとなった中堅戦では、あきらがやまぐちにリベンジを果たす。iXAが50-50まで追いつき、勝利するのは大将戦を制したチーム。ここで再びももちvsあでりいの大将戦が繰り広げられた。1巡目で勝利しているももちは、距離を詰めて相手の裏側に回る「サイコナックル」を効果的に使い、早々にリーチをかける。しかし、あでりいも体力不利から無敵技の「ODサイコアッパー」や「ドライブインパクト」などで追いすがる。フルセットの末、最後はラッシュ止めから的確なSAまでのコンボをきっちり叩き込んだあでりいがZETAに引導を渡した。これで、iXAは70-50でZETAに勝利。マッチ2で待つREJECTへの挑戦権を獲得した。2024年は3位に終わったiXAにとって、グランドファイナル出場は初となる。対戦カードZETA(アウェー)iXA(ホーム)先鋒(1-2) ひぐち(ガイル:C) ✅ひびき(リリー:C) 中堅(1-2) ヤマグチ(舞:C) ✅あきら(キャミィ:C) 大将(2-3) ももち(エド:C) ✅あでりい(エド:C) 合計 50pt 70pt 最後の大将戦で敗れたZETAのももちは「4人ともすごく頑張っていたので悔しい。もうちょっとこの4人で(グランドファイナルも)戦いたかった……」と言葉を詰まらせつつ、「4人とも若いのでまだ先がある。次も頑張りたい」と語り、ファンやスタッフに向けて1年間の応援への感謝を口にした。勝利したiXAのACQUAはRC戦に向けて、「疲労もあると思うけど、勢いにも乗っていると思うので、次も頑張りたい」と、連勝に向けて意気込みを語った。チームマッチ2:広島 Team iXA vs REJECT グランドファイナル進出がかかったマッチ2。本節での2度の対戦ではRCがiXAに勝利しており、iXAが勝利したのは、第2節での中堅あでりいの1試合のみ。また、RCのウメハラはiXA戦に一度も出場していないため、この試合で初めてのiXAとの対戦となる。あきらにとっては、本来の所属チームの仲間たちとのグランドファイナル出場をかけた試合となった。1巡目 RCがホームから始まった1巡目は、有利をうまく生かせずiXAが活躍。先鋒のあきら(キャミィ)がときど(ケン)を、中堅のひびき(リリー)がふ〜ど(エド)を見事に制す。40-0のかかった大将戦では、あでりい(エド)に対してLeSharが本節ではあまり使ってこなかったエドで挑む。互いに高い反応速度と差し返しの精度をぶつけ合う中、LeSharがフルセットであでりいに勝利し、20-20の同点とした。対戦カードiXA(アウェー)RC(ホーム)先鋒(2-1) ✅あきら(キャミィ:C) ときど(ケン:C) 中堅(2-0) ✅ひびき(リリー:C) ふ〜ど(エド:C) 大将(2-3) あでりい(エド:C) ✅LeShar(エド:C) 合計 20pt 20pt 2巡目 iXAがホームとなった2巡目、先鋒戦は近づきたいACQUAを近づかせないままふ〜どが勝利。中堅戦は通常技で固めるあきらに対し、「ドライブインパクト返し」や歩き瞬獄殺なども見せたウメハラが勝利し、RCが連勝する。そして大将戦は再びあでりい vs LeSharのオーダー。LeSharが早々にリーチをかけたものの、1巡目の教訓を生かしたあでりいが追いつく。しかし最後は差し返しとラッシュ止めがうまく刺さったLeSharが勝利した。対戦カードiXA(ホーム)RC(アウェー)先鋒(0-2) ACQUA(ブランカ:C) ✅ふ〜ど(エド:C) 中堅(1-2) あきら(キャミィ:C) ✅ウメハラ(豪鬼:C) 大将(2-3) あでりい(エド:C) ✅LeShar(エド:C) 合計 20pt 60pt 3巡目 前日と同様に、あと10ポイントで勝利するCRに対して、iXAは4試合連続で勝利する必要がある。そんな大事な3巡目のiXAは、1巡目と同じオーダーに。先鋒戦にはときどがリベンジを狙って登場。あきらは1試合目を勝利するが、ときどもあきらを画面端で追い詰め、両者マッチポイントで迎えた最終ラウンド。互いにSAが貯まった状態からときどのしゃがみ中K→「ドライブラッシュ」でSAを決め、リーダーのときどがチームの勝利を自らの手で決めた。対戦カードiXA(アウェー)RC(ホーム)先鋒(1-2) あきら(キャミィ:C) ✅ときど(ケン:C) 中堅(-) ひびき(リリー:C) ー 大将(-) あでりい(エド:C) ー 計 20pt 70pt 試合を終えたiXAのACQUAは、「毎節広島でパブリックビューイングをしていて、回を増すごとに応援の声も増えて、その甲斐もあってここまで来れた。去年は3位で今年は2位だったので、来年はグランドファイナルに行きたい」とファンに向けてあらためて感謝の言葉を述べた。そして、2024年に引き続き、グランドファイナル進出を決めたREJECTのときどは、「最初に僕が負けてしまったが、全員が点を取ることができたのが勝利につながった。CRは競技シーンにとっても大きな影響力を持つチームなので、こちらが挑ませてもらう気持ちで頑張りたい」と1月の試合に向けて抱負を語り、もはや恒例となったいつもの「チームREJECT!」コールでインタビューを締め括った。これでDivision Fの全試合が終了。REJECTが「プレーオフ グランドファイナル」進出を決めた。そして、2026年1月31日(土)にパシフィコ横浜で開催される「ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2025 グランドファイナル」では、Division SのCrazy Raccoonと、Division FのREJECTが、チーム日本一の座をかけた最終決戦に挑む。配信アーカイブ 12月14日(日)のDivision Fプレーオフのアーカイブは、有料配信サービス「SPWN」の有料チケットを所有していれば期間内は閲覧可能。なお、視聴期限終了後の2026年1月25日には、YouTubeにて無料でも配信される。【DAY2】 2025年1月25日(日) 15:00~ (予定)YouTube:https://www.youtube.com/@CapcomFightersJPTwitch:https://www.twitch.tv/capcomfighters_jp■関連リンクCAPCOM eSports公式YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@CapcomFightersJPCAPCOM eSports公式Twitchチャンネル:https://www.twitch.tv/capcomfighters_jpSFL 2025 出場チーム:https://sf.esports.capcom.com/sfl2025/team/SFL 2025 日程・試合結果:https://sf.esports.capcom.com/sfl2025/schedule/©CAPCOM