2月17日(土)~25日(日)に、『VALORANT』の公式大会VCT Pacific Kickoff Finalsが開催されました。VCT Pacific Kickoffは勝ち抜いた上位2チームが世界大会であるMasters Madridへの出場権が与えられる大会です。
なおVCT Pacificは昨年から開催された地域リーグで、日本からZETA DIVIDION(ZETA)とDetonatioN FocusMe(DFM)の2チームが参加しています。

VCT Pacific Kickoffは韓国での開催となりますが、日本でも池袋駅ビル内にあるeスポーツCafé&Bar RAGE STにて、大会のパブリックビューイングが行われており、ファンが集って観戦する環境ができています。今回のパブリックビューイングの特徴はなんといっても公開生放送です。キャスター陣がCafé&Bar RAGE STに設置された配信スペースで実況解説を行います。
我々取材陣は2月24日(土)の準決勝の開催日に会場にお邪魔しました。残念ながらZETAとDFMはこの時点で敗退しており、パブリックビューイングでは応援することができませんでした。
会場となったCafé&Bar RAGE STは1月28日(日)にグランドオープンしたばかりの新施設。オープニングセレモニーの取材には参加していましたが、実際にオープンしてから訪れるのは今回が初となります。


Café&Bar RAGE STは1階がCafé&Barエリア、2階がPC Playエリアとなっており、パブリックビューイングは1階のCafé&Barエリアで行われました。今回のパブリックビューイングは直前の募集だったにも関わらず、抽選となるほどの人気となり、会場は満席です。ちなみにPC Playエリアは貸し切りにはなっておらず、当選の有無にかかわらず利用することができました。
さて、これまでに何回かパブリックビューイングやファンミーティング、チアパーティーに参加してきましたが、今回は公式のパブリックビューイングということで、『VALORANT』自体のファンも多く駆けつけていたようです。前日までZETAが勝ち残っていたので、ZETAのファンも少なくはない様子でしたが、オフライン会場的に普通に好プレーに沸き立つ感じの観戦となっていました。
一番近い状態としては、PUBで行われたパブリックビューイングでしょうか。その中でも『VALORANT』好きのガチ勢もおり、つい最近まで韓国で観戦していたファンも見受けられました。


フードドリンクが充実
パブリックビューイング会場としてのCafé&Bar RAGE STは、かなりいい感じでした。いわゆるスポーツバー的にeスポーツを観戦することができ、フードやドリンクも充実しています。
eスポーツ施設としてではなく、Café&Barとしても十分なポテンシャルとクオリティがあるので、さまざまなパブリックビューイング会場と比べても満足度は高いといえます。
今回はハンバーガーを頼んでみましたが、独立系のハンバーガショップのようなクオリティーとボリューム感があり、ポテトとドリンクのセットで1,300円前後なのは、かなりコスパがいいと感じました。今回一緒に行った編集者は酒豪でおなじみ。仕事ということで飲むのを我慢していましたが、おそらくプライベートで来たときは存分にアルコールを楽しめるのではないかと思います。


モニターは店内の至る所にあり、ボックスシートからカウンターまで用意されているので、グループでの参加もおひとり様でも無理なく楽しめるのもいい感じです。
今回は公式イベントとして貸し切り営業となっており、キャスターの岸大河さんと解説のyukishiroさんが生実況を行っていました。オフライン会場ではキャスター席が近づきにくい場所にあったり、どこでやっているかわからなかったり、実況の様子を見ることができないことが多いですが、今回は目の前で実況をしてくれるので、それだけでも贅沢な空間となっていました。

「今までの中で一番難易度が高かった現場」
岸大河さんとyukishiroさんにイベント開始前に話を聞く機会をもらうことができました。イベントやVCT Pacificについてうかがってきました。

——今回の公開生放送について率直な感想をお聞かせください。
yukishiro:これまでやってきた中で一番といえるくらいの難易度の高さがありますね。天井が低めで圧迫感があったり、デスクが小さく資料が置きにくかったりなど今までとは違う環境に苦戦しました。
今までもスタジオではない場所で実況をすることや、配信の場所を作るということはこれまでも経験してきていますが、カフェをベースにしている場所は今回がはじめてです。
あとは、会場内ではパブリックビューイングが同時に進行されているので、マイクが現場の音声を拾いすぎないようノイズキャンセルが強めに入っています。なので、いつもどおりの声量では配信に声が乗らず、いつも以上の声量が必要になるんです。
岸大河:例えば「ああ、なるほど」って感じでしゃべると「ああ」の部分が消えてしまうんですよ。
——なるほど。
yukishiro:一方でお客さんの声が臨場感あって、僕はそれが好きですね。いいプレーが出た時は会場が「おおおっ!」て歓声が上がっていくのは楽しいですよ。
こういったパブリックビューイングがこれから増えていくとうれしいです。昨年も何度かパブリックビューイングに行きましたが、現場に仲間がいるという感覚は結構大きいと感じました。
岸大河:やはりお客さんの顔が見えるので、実況解説をしながら楽しめる雰囲気はあります。
試合が終わったあとにお客さんが拍手を求めてくれたり手を振ってくれたりとかはうれしかったですね。ご飯を食べながら画面を食い入るように見ている姿とか、新たな視聴の姿があって、それもなんかうれしかったですね。
あとはわざわざ来てくれる——一緒に見に来てくれるというだけで、国内にはたくさんのファンがいるんだなっているのを改めて感じました。
ただ簡易的な控室しかないので、休みたいときに休めないというのもありました。1週間やってみてそういったところは感じたかな。まあ、いい経験にはなりました。
yukishiro:日本戦以外の試合も楽しんで見に来てくれるというのは、数年やってきてよかったなと思っています。
——海外の選手をパブリックビューイングで応援するのは、なかなかほかのジャンルでもないですもんね。
岸大河:あとはひとりで見に来ている方はもちろん、グループで見に来られる方もいらっしゃいます。ゲーム内のフレンドであったり、実際のリアルのお友だちであったり、ゲーム内外でコミュニケーションを取ってこういう場所に来てくれるというのは、今までの雰囲気とはまたちょっと違って新鮮でした。
日本選手が強い、日本チームが強いっていうのも大事ですが「世界はもっと広いんだよ」と伝えたいんです。やっぱり世界最高峰の戦いが『VALORANT』の魅力なんだよという、上澄みの部分を言葉で伝えるのが僕らの役目ですしね。
僕らとしては、あまりローカルだからとかグローバルだからといったことは意識していません。多分、その結果が今回の場でたくさんの方たちが観に来てくれていることに繋がっていると思います。その先にあるのが、昨年のMastersTokyoになるんだと思います。日本チームが出ていないけど世界最高峰のプレーを観たいという気持ちで来ているわけで。
——一方でeスポーツに限らず、フィジカルスポーツもローカルが確立していないと、人気も保てず、世界でも活躍はできにくいと思いますが。
岸大河:僕自身が今、Challengers Japan(国内リーグ)から離れてしまっているので、その辺は意識していないというのが一番ですね。キャスターとしての立場でいえば、本当にVCT Pacific(国際リーグ)しか頭にないです。
yukishiro:そもそもオンラインゲームってインターネットで観る文化なんで、フィジカルスポーツとは大きく入口が異なります。
VCT PacificとChallengers Japanは分化されていて、日程がかぶらないように設定されています。なので、VCT Pacificしか観ないって人はそんなにいないんじゃないかなと思います。
——VCT Pacificをはじめとする『VALORANT』競技シーンについて、今年の注目ポイントなどがあればお聞かせください。
岸大河:Tier2から上がってきた選手がいたり、新たなリージョンとして中国が入ってきたりと、全世界で新しい選手が続々出てきています。国際大会のMasters Madridがすごく楽しみです。現状での最強はどのチームなのかという指標ができるのがMasters Madridだと思っているので、ぜひ注目してください。
yukishiro:僕も岸さんと同じでMasters Madridが楽しみですね。
かつては国内大会で優勝することが条件だったり、今ではVCT Pacificのような地域リーグで上位勝ち抜けが条件だったりと、一定の条件を満たさないとMastersには出場できないわけです。まずこれをクリアしないとMastersのチャンピオンにはなれないわけですし、現状どのような試合が展開されるのかを注目してもらいたいかな。
——競技シーンのレベル感はどのように変化してきていますか?
yukishiro:インターナショナルリーグが2年目に入ってきて、いろいろなチームがメンバーを変えて試行錯誤しても順位に大きな変動がないのが現状です。
そうなってくると今年は勝負の年になるんじゃないかと思っていて、昨年も順位が振るわず、今年もあまり変化がないのであれば、チームとしての運営力が問われてくるのかと。インターナショナルリーグに選出されているのにも関わらず順位が振るわなければ、ファンもつかないし、興業化も見通せない。そこは躍起になって修正していく点で、個人的にはそこを見ていきたいと思っています。
岸大河:確かにほかの地域でもそうですね。VCT EMEAもプレーオフ進出チームが昨年のトップ3、GIANTXこそ進出を逃してしまいましたが、去年の圧倒的なトップ2が生き残っています。
VCT AMERICASもトップ2、トップ3は同じ顔ぶれ。そこにLeviathanが入るかどうか。大体予想が当たるくらいに上位が固まっているっていう感じなんです。
——ここは忖度なく聞きたいのですが、現状のZETAをどのように見ていますか? 負けるにしても少ないラウンドしか獲得できなかったり、あまりにも速い展開で負けてしまったり、何か大きなものが足りないように感じました。
岸大河:大差で負けてしまったことは試合の流れというのもあるので、一概にはいえませんが、実力の差というよりは、ひとつひとつの流れをつかみきれない部分がたくさんあったのかなと思いました。もちろん(相手チームの)駆け引きがうまかったというのもあると思いますが……。
あと、Dep選手のインタビューで答えていた「Global Esportsにしか勝っていない」という懸念はものすごく納得していて、ZETAにとってみれば勝って当たり前だと思っていたでしょう。
問題はDRXとT1。それにGen.GとTeam Secret。その上にPaper Rexがいる。そのあたりにどうやって勝っていくのかが問題だったところ、結局勝てなかったという悔しさもあのインタビューでうかがえました。
チームを作り直して、Carlaoコーチも入って、ちょっとブラジリアンなスタイルも始めたZETAとしては及第点まではいかなかったですね。納得感のある負け方ができない中、唯一T1戦は多少納得感のある負け方ができた感じですね。あとはTeam Secret、Gen.G戦は彼らとしてはあまり納得していないのではないでしょうか。
——やりたいことができない感じはありましたか?
yukishiro:試合の中で、流れをつかみ返そうとあまりしていなかったというか、あくまでも自分たちがやりたいことをやろうとしてうまくいかず、ずっと引きずってしまったのかもしれませんね。波に飲まれやすいですよね。
岸大河:もっとはっきりミスと成功が見えたラウンドがあったらいいなと思っています。
新コーチのCarlaoコーチに既存のJUNiORコーチ。選手から上がったcrowコーチやアナリストがいて、今はCarlaoコーチの考えを一度浸透させようみたいなフェーズだと客観的にはみえるんです。
ブラジルのFURIAで鍛えたものや考えをCarlaoコーチが選手に共有しているけど、おそらく選手らはそういった武器となるスキームの使い方がまだ慣れていないわけです。
ここでCarlaoコーチの武器を使った方がいいのか、前のZETAの武器を使った方がいいのか——。ラウンドによってさまざまですし、その使い分けができていない。これからそういった武器の使い分けができるようになってくると、もっと戦術の幅も戦い方の幅も広がっていくんじゃないかと思っています。
yukishiro:僕の目から見ると、ZETAの強みがわからないんですよね。以前、それこそ世界3位となった時は、ピンポイントでの対策をうまく通したり、丁寧にコントロールしていった動きが相手に刺さっていたりとZETAの強みがありました。
今も丁寧ではありますが、相手の戦術が刺さっている時、ZETAは動きを変えなかっていなかった。Global Esports戦でもそうだったんですけど、バインドで相手がAサイクル進行するぞっていって設置まで持っていかれても勝負するのはDep選手のみ。それ以外の選手は足並みがそろうまでリテイクに行くのは待つという感じで——。
丁寧さは増しているんですけど、それが強みにできているかというと、何のアクションも起こせずに待っちゃうように見えてしまったんですね。あくまでも自分たちのルールを守りすぎているように見受けられます。
世界的に見ても、それで勝っている例はほとんどないので、結局ZETAの強みはどこなんだろうと感じてしまうわけです。
個人的にはDFMの方が強みがわかりやすかったですね。もちろん、DFMはまだ勝利をあげていないので、反省点はたくさんあるんでしょうけど、DFMの方がチャレンジできたのかと見えました。
『VALORANT』はセーフティな動きがとても強いですが、元々セーフティだったDRXが今形を変えてきて、セーフティじゃ勝てないという時代に突入しています。リスクを冒してどんどん相手にプレッシャーをかけていくようなスタイルになっており、シーンが変わってきていると感じます。
もちろん、リスクを冒して外しまくってしまうと大差で負けてしまう場合もあるわけで、何が正解というのはないのですが、やはりZETAらしい個性を確立できれば、もっといい形になるとは思います。
——ありがとうございました!
———
今回のパブリックビューイングはVCT Pacificのファンも大勢駆け寄り、VCT Pacificの認知度もあがってきたと感じました。参加者も抽選になるほどの数が応募しており、順風満帆のようにも見えます。
ただZETAがまだ勝ち残っている可能性がある時点での事前応募だったという側面もあります。昨年のMastersTokyoも出場チームが確定する前にチケットが販売開始していました。ZETA見たさで来た人がいなかったとはいい切れない状況です。これからリーグ戦が開始したときに、韓国での来場者や日本での動画配信の視聴者数がどれだけ伸びていくのかに期待を込めつつ静観しておきたいところです。
撮影:いのかわゆう/岡安学
編集:いのかわゆう
なおVCT Pacificは昨年から開催された地域リーグで、日本からZETA DIVIDION(ZETA)とDetonatioN FocusMe(DFM)の2チームが参加しています。

▲Café&Bar RAGE STはVCT Pacific Kickoff Finalsの期間中、1階のカフェスペースは貸し切りです。サイネージもVCT Pacificバージョンとなっていました
VCT Pacific Kickoffは韓国での開催となりますが、日本でも池袋駅ビル内にあるeスポーツCafé&Bar RAGE STにて、大会のパブリックビューイングが行われており、ファンが集って観戦する環境ができています。今回のパブリックビューイングの特徴はなんといっても公開生放送です。キャスター陣がCafé&Bar RAGE STに設置された配信スペースで実況解説を行います。
我々取材陣は2月24日(土)の準決勝の開催日に会場にお邪魔しました。残念ながらZETAとDFMはこの時点で敗退しており、パブリックビューイングでは応援することができませんでした。
会場となったCafé&Bar RAGE STは1月28日(日)にグランドオープンしたばかりの新施設。オープニングセレモニーの取材には参加していましたが、実際にオープンしてから訪れるのは今回が初となります。

▲試合開始前から続々と観戦者が来店し、すでに飲食を始めていました

▲店内には至る所に大型モニターが設置しており、どの席からでも試合の観戦ができました
公開生放送は連日満席の大にぎわい
Café&Bar RAGE STは1階がCafé&Barエリア、2階がPC Playエリアとなっており、パブリックビューイングは1階のCafé&Barエリアで行われました。今回のパブリックビューイングは直前の募集だったにも関わらず、抽選となるほどの人気となり、会場は満席です。ちなみにPC Playエリアは貸し切りにはなっておらず、当選の有無にかかわらず利用することができました。
さて、これまでに何回かパブリックビューイングやファンミーティング、チアパーティーに参加してきましたが、今回は公式のパブリックビューイングということで、『VALORANT』自体のファンも多く駆けつけていたようです。前日までZETAが勝ち残っていたので、ZETAのファンも少なくはない様子でしたが、オフライン会場的に普通に好プレーに沸き立つ感じの観戦となっていました。
一番近い状態としては、PUBで行われたパブリックビューイングでしょうか。その中でも『VALORANT』好きのガチ勢もおり、つい最近まで韓国で観戦していたファンも見受けられました。

▲つい先日まで韓国でVCT Pacificを観戦していた女の子ふたり組。ぬいぐるみやバッグなど、日本未発売のものを持参していました

▲こちらは男子4人組。Paper Rexのファンで、応援に熱が入っていました。タブレットを持っている男子はmindfreak(まいんどふりーく)選手の熱狂的なファンだとか
フードドリンクが充実
お酒も楽しめるeスポーツ観戦スタイル!
パブリックビューイング会場としてのCafé&Bar RAGE STは、かなりいい感じでした。いわゆるスポーツバー的にeスポーツを観戦することができ、フードやドリンクも充実しています。
eスポーツ施設としてではなく、Café&Barとしても十分なポテンシャルとクオリティがあるので、さまざまなパブリックビューイング会場と比べても満足度は高いといえます。
今回はハンバーガーを頼んでみましたが、独立系のハンバーガショップのようなクオリティーとボリューム感があり、ポテトとドリンクのセットで1,300円前後なのは、かなりコスパがいいと感じました。今回一緒に行った編集者は酒豪でおなじみ。仕事ということで飲むのを我慢していましたが、おそらくプライベートで来たときは存分にアルコールを楽しめるのではないかと思います。

▲ハンバーガーのセットを購入。入口のタッチパネルで決済し、厨房前のカウンターで受け渡しです

▲一緒に取材した編集の井ノ川さんが頼んだメニュー。驚くことにドリンクがソフトドリンクです
モニターは店内の至る所にあり、ボックスシートからカウンターまで用意されているので、グループでの参加もおひとり様でも無理なく楽しめるのもいい感じです。
今回は公式イベントとして貸し切り営業となっており、キャスターの岸大河さんと解説のyukishiroさんが生実況を行っていました。オフライン会場ではキャスター席が近づきにくい場所にあったり、どこでやっているかわからなかったり、実況の様子を見ることができないことが多いですが、今回は目の前で実況をしてくれるので、それだけでも贅沢な空間となっていました。

▲ボックステーブルとフェンス越しにすぐの場所で岸大河さんとyukishiroさんが実況をしていました
「今までの中で一番難易度が高かった現場」
岸大河氏、yukishiro氏インタビュー
岸大河さんとyukishiroさんにイベント開始前に話を聞く機会をもらうことができました。イベントやVCT Pacificについてうかがってきました。

——今回の公開生放送について率直な感想をお聞かせください。
yukishiro:これまでやってきた中で一番といえるくらいの難易度の高さがありますね。天井が低めで圧迫感があったり、デスクが小さく資料が置きにくかったりなど今までとは違う環境に苦戦しました。
今までもスタジオではない場所で実況をすることや、配信の場所を作るということはこれまでも経験してきていますが、カフェをベースにしている場所は今回がはじめてです。
あとは、会場内ではパブリックビューイングが同時に進行されているので、マイクが現場の音声を拾いすぎないようノイズキャンセルが強めに入っています。なので、いつもどおりの声量では配信に声が乗らず、いつも以上の声量が必要になるんです。
岸大河:例えば「ああ、なるほど」って感じでしゃべると「ああ」の部分が消えてしまうんですよ。
——なるほど。
yukishiro:一方でお客さんの声が臨場感あって、僕はそれが好きですね。いいプレーが出た時は会場が「おおおっ!」て歓声が上がっていくのは楽しいですよ。
こういったパブリックビューイングがこれから増えていくとうれしいです。昨年も何度かパブリックビューイングに行きましたが、現場に仲間がいるという感覚は結構大きいと感じました。
岸大河:やはりお客さんの顔が見えるので、実況解説をしながら楽しめる雰囲気はあります。
試合が終わったあとにお客さんが拍手を求めてくれたり手を振ってくれたりとかはうれしかったですね。ご飯を食べながら画面を食い入るように見ている姿とか、新たな視聴の姿があって、それもなんかうれしかったですね。
あとはわざわざ来てくれる——一緒に見に来てくれるというだけで、国内にはたくさんのファンがいるんだなっているのを改めて感じました。
ただ簡易的な控室しかないので、休みたいときに休めないというのもありました。1週間やってみてそういったところは感じたかな。まあ、いい経験にはなりました。
yukishiro:日本戦以外の試合も楽しんで見に来てくれるというのは、数年やってきてよかったなと思っています。
——海外の選手をパブリックビューイングで応援するのは、なかなかほかのジャンルでもないですもんね。
岸大河:あとはひとりで見に来ている方はもちろん、グループで見に来られる方もいらっしゃいます。ゲーム内のフレンドであったり、実際のリアルのお友だちであったり、ゲーム内外でコミュニケーションを取ってこういう場所に来てくれるというのは、今までの雰囲気とはまたちょっと違って新鮮でした。
日本選手が強い、日本チームが強いっていうのも大事ですが「世界はもっと広いんだよ」と伝えたいんです。やっぱり世界最高峰の戦いが『VALORANT』の魅力なんだよという、上澄みの部分を言葉で伝えるのが僕らの役目ですしね。
僕らとしては、あまりローカルだからとかグローバルだからといったことは意識していません。多分、その結果が今回の場でたくさんの方たちが観に来てくれていることに繋がっていると思います。その先にあるのが、昨年のMastersTokyoになるんだと思います。日本チームが出ていないけど世界最高峰のプレーを観たいという気持ちで来ているわけで。
——一方でeスポーツに限らず、フィジカルスポーツもローカルが確立していないと、人気も保てず、世界でも活躍はできにくいと思いますが。
岸大河:僕自身が今、Challengers Japan(国内リーグ)から離れてしまっているので、その辺は意識していないというのが一番ですね。キャスターとしての立場でいえば、本当にVCT Pacific(国際リーグ)しか頭にないです。
yukishiro:そもそもオンラインゲームってインターネットで観る文化なんで、フィジカルスポーツとは大きく入口が異なります。
VCT PacificとChallengers Japanは分化されていて、日程がかぶらないように設定されています。なので、VCT Pacificしか観ないって人はそんなにいないんじゃないかなと思います。
——VCT Pacificをはじめとする『VALORANT』競技シーンについて、今年の注目ポイントなどがあればお聞かせください。
岸大河:Tier2から上がってきた選手がいたり、新たなリージョンとして中国が入ってきたりと、全世界で新しい選手が続々出てきています。国際大会のMasters Madridがすごく楽しみです。現状での最強はどのチームなのかという指標ができるのがMasters Madridだと思っているので、ぜひ注目してください。
yukishiro:僕も岸さんと同じでMasters Madridが楽しみですね。
かつては国内大会で優勝することが条件だったり、今ではVCT Pacificのような地域リーグで上位勝ち抜けが条件だったりと、一定の条件を満たさないとMastersには出場できないわけです。まずこれをクリアしないとMastersのチャンピオンにはなれないわけですし、現状どのような試合が展開されるのかを注目してもらいたいかな。
——競技シーンのレベル感はどのように変化してきていますか?
yukishiro:インターナショナルリーグが2年目に入ってきて、いろいろなチームがメンバーを変えて試行錯誤しても順位に大きな変動がないのが現状です。
そうなってくると今年は勝負の年になるんじゃないかと思っていて、昨年も順位が振るわず、今年もあまり変化がないのであれば、チームとしての運営力が問われてくるのかと。インターナショナルリーグに選出されているのにも関わらず順位が振るわなければ、ファンもつかないし、興業化も見通せない。そこは躍起になって修正していく点で、個人的にはそこを見ていきたいと思っています。
岸大河:確かにほかの地域でもそうですね。VCT EMEAもプレーオフ進出チームが昨年のトップ3、GIANTXこそ進出を逃してしまいましたが、去年の圧倒的なトップ2が生き残っています。
VCT AMERICASもトップ2、トップ3は同じ顔ぶれ。そこにLeviathanが入るかどうか。大体予想が当たるくらいに上位が固まっているっていう感じなんです。
——ここは忖度なく聞きたいのですが、現状のZETAをどのように見ていますか? 負けるにしても少ないラウンドしか獲得できなかったり、あまりにも速い展開で負けてしまったり、何か大きなものが足りないように感じました。
岸大河:大差で負けてしまったことは試合の流れというのもあるので、一概にはいえませんが、実力の差というよりは、ひとつひとつの流れをつかみきれない部分がたくさんあったのかなと思いました。もちろん(相手チームの)駆け引きがうまかったというのもあると思いますが……。
あと、Dep選手のインタビューで答えていた「Global Esportsにしか勝っていない」という懸念はものすごく納得していて、ZETAにとってみれば勝って当たり前だと思っていたでしょう。
問題はDRXとT1。それにGen.GとTeam Secret。その上にPaper Rexがいる。そのあたりにどうやって勝っていくのかが問題だったところ、結局勝てなかったという悔しさもあのインタビューでうかがえました。
チームを作り直して、Carlaoコーチも入って、ちょっとブラジリアンなスタイルも始めたZETAとしては及第点まではいかなかったですね。納得感のある負け方ができない中、唯一T1戦は多少納得感のある負け方ができた感じですね。あとはTeam Secret、Gen.G戦は彼らとしてはあまり納得していないのではないでしょうか。
——やりたいことができない感じはありましたか?
yukishiro:試合の中で、流れをつかみ返そうとあまりしていなかったというか、あくまでも自分たちがやりたいことをやろうとしてうまくいかず、ずっと引きずってしまったのかもしれませんね。波に飲まれやすいですよね。
岸大河:もっとはっきりミスと成功が見えたラウンドがあったらいいなと思っています。
新コーチのCarlaoコーチに既存のJUNiORコーチ。選手から上がったcrowコーチやアナリストがいて、今はCarlaoコーチの考えを一度浸透させようみたいなフェーズだと客観的にはみえるんです。
ブラジルのFURIAで鍛えたものや考えをCarlaoコーチが選手に共有しているけど、おそらく選手らはそういった武器となるスキームの使い方がまだ慣れていないわけです。
ここでCarlaoコーチの武器を使った方がいいのか、前のZETAの武器を使った方がいいのか——。ラウンドによってさまざまですし、その使い分けができていない。これからそういった武器の使い分けができるようになってくると、もっと戦術の幅も戦い方の幅も広がっていくんじゃないかと思っています。
yukishiro:僕の目から見ると、ZETAの強みがわからないんですよね。以前、それこそ世界3位となった時は、ピンポイントでの対策をうまく通したり、丁寧にコントロールしていった動きが相手に刺さっていたりとZETAの強みがありました。
今も丁寧ではありますが、相手の戦術が刺さっている時、ZETAは動きを変えなかっていなかった。Global Esports戦でもそうだったんですけど、バインドで相手がAサイクル進行するぞっていって設置まで持っていかれても勝負するのはDep選手のみ。それ以外の選手は足並みがそろうまでリテイクに行くのは待つという感じで——。
丁寧さは増しているんですけど、それが強みにできているかというと、何のアクションも起こせずに待っちゃうように見えてしまったんですね。あくまでも自分たちのルールを守りすぎているように見受けられます。
世界的に見ても、それで勝っている例はほとんどないので、結局ZETAの強みはどこなんだろうと感じてしまうわけです。
個人的にはDFMの方が強みがわかりやすかったですね。もちろん、DFMはまだ勝利をあげていないので、反省点はたくさんあるんでしょうけど、DFMの方がチャレンジできたのかと見えました。
『VALORANT』はセーフティな動きがとても強いですが、元々セーフティだったDRXが今形を変えてきて、セーフティじゃ勝てないという時代に突入しています。リスクを冒してどんどん相手にプレッシャーをかけていくようなスタイルになっており、シーンが変わってきていると感じます。
もちろん、リスクを冒して外しまくってしまうと大差で負けてしまう場合もあるわけで、何が正解というのはないのですが、やはりZETAらしい個性を確立できれば、もっといい形になるとは思います。
——ありがとうございました!
———
今回のパブリックビューイングはVCT Pacificのファンも大勢駆け寄り、VCT Pacificの認知度もあがってきたと感じました。参加者も抽選になるほどの数が応募しており、順風満帆のようにも見えます。
ただZETAがまだ勝ち残っている可能性がある時点での事前応募だったという側面もあります。昨年のMastersTokyoも出場チームが確定する前にチケットが販売開始していました。ZETA見たさで来た人がいなかったとはいい切れない状況です。これからリーグ戦が開始したときに、韓国での来場者や日本での動画配信の視聴者数がどれだけ伸びていくのかに期待を込めつつ静観しておきたいところです。
撮影:いのかわゆう/岡安学
編集:いのかわゆう
【岡安学 プロフィール】
eスポーツを精力的に取材するフリーライター。ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。さまざまなゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆も行い、関わった書籍数は50冊以上。現在は、Webや雑誌、Mookなどで活動中。近著に『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム刊)、『INGRESSを一生遊ぶ!』(宝島社刊)
X:@digiyas
eスポーツを精力的に取材するフリーライター。ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。さまざまなゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆も行い、関わった書籍数は50冊以上。現在は、Webや雑誌、Mookなどで活動中。近著に『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム刊)、『INGRESSを一生遊ぶ!』(宝島社刊)X:@digiyas
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- 【大会レポート】 『エーペックスレジェンズ』高校日本一はeスポーツ高等学院 ヨコハマ校! ──第3回 NASEF JAPAN全日本高校eスポーツ選手権
- 高校生のためのeスポーツ選手権大会「第3回 NASEF JAPAN全日本高校eスポーツ選手権」『エーペックスレジェンズ』部門の決勝が2025年12月7日(日)にオンラインで開催され、東日本通信制ブロックから勝ち上がったeスポーツ高等学院 ヨコハマeスタジアム「英雄おさかなver2」が初優勝となった。『エーペックスレジェンズ』部門は、東日本/西日本、全日制ブロック/通信制ブロックからそれぞれ5チームずつ、合計20チームが5ゲームを戦い、高校日本一を決定する。チーム編成はトリオ(3人)で、生存ポイント(チャンピオン獲得で10ポイント、以下順位に応じたポイント)と撃破ポイント(1撃破=1ポイント)による合計ポイントで争われた。NASEF JAPAN全日本高校eスポーツ選手権 とはeスポーツを通じて仲間と共に成長することを目的とした、高校生のためのeスポーツ選手権大会。仲間とともに日頃の練習の成果を発揮し優勝を目指す、高校生活の輝かしい1ページとなる大会と銘打っている。『エーペックスレジェンズ』部門は今年で2回目。国を4ブロック(東日本・西日本の全日制高校/通信制高校)に分け、10月11日(土)~12日(日)のオンライン予選を経て、12月7日(日)に決勝大会(オンライン)が行われた。 ゲーム1〜3: 今大会は、「E地区」「ワールズエッジ」「ストームポイント」を戦い、再び「E地区」「ワールズエッジ」を繰り返すという3つのマップで5試合で争われた。ゲーム1は仙台育英学園高等学校「獄炎終焉ストロガノフ」がチャンピオンを獲得し20ポイントを獲得したが、S高等学校「トロールやめてね2」が撃破数で上回り、総合首位に立つ。※2位の学校名は表記間違いで「仙台育英学園高等学校」 ゲーム2は、中央高等学院 渋谷原宿校「大和魂Ver.3.0」がチャンピオンを獲得。ゲーム1で首位に立ったS高は早々に全滅してしまったが、仙台育英高は2位を獲得し、総合首位に浮上した。※2位の学校名は表記間違いで「仙台育英学園高等学校」 ゲーム3ではeスポーツ高等学院 ヨコハマ校が、初チャンピオン+撃破ポイントで1位を獲得。ゲーム1で1位だったS高は2連続入賞を逃し3位に下がった。ゲーム4では、バンタンゲームアカデミー高等部 大阪校「3ando baggus」がチャンピオンを獲得したものの、eスポーツ高等学院 ヨコハマ校が2度目の首位に。再びeスポーツ学院 ヨコハマ校が1ポイント差でマップを制し、総合順位でも首位に浮上。1位と2位の間は15ポイント離れているが、上位チームは安定的な試合運びで常に上位にいるため、逆転するには30ポイント近く必要となっていた。迎えた最終のゲーム5は、チャンピオン獲得だけでなく撃破ポイントが必要なため、可能性の残るチームは積極的に動き、結果としてスキも見せやすくなりライバルを有利にしてしまうというジレンマがある。そんな中で、N高等学校「アバタケカブラ」が最後は1v3の地の利を生かして、この日初のチャンピオンを獲得した。最終結果:攻守のバランスに優れたチームが好成績に 5ゲームを終え、3位はS高等学校「トロールやめてね2」。ゲーム1で大量得点を獲得したものの、その後はやや苦しい展開となったが、「スクリムでは死なないように帰すという練習をしていて、最初の試合でそれが発揮できました」と練習の成果を発揮できたと振り返った。2位はゲーム2でチャンピオンを獲得し、後半で一気に浮上した中央高等学院 渋谷原宿校「大和魂Ver.3.0」。XXI_silvia選手は「私自身高校3年生で受験生なので、『エーペックス』にあまり力を入れられなかったんですが、その状況で2位を取れたので満足です。1〜2試合目は順位ポイントを意識していたんですが、3試合目以降は撃破ポイントを狙ってアグレッシブに動いたのがうまくいきました」とコメントした。そして優勝は、eスポーツ高等学院 ヨコハマeスタジアム校「英雄おさかなver2」。リーダーの英雄希望EX選手は、「スクリムなどに出てたくさん練習して、ダメなところを改善していけたのがよかった」と勝因を語り、「ランクマッチだと動きを考えなくても勝てるんですが、大会となると人数の残り方も変わってくるので、立ち回りを意識しました」と大会ならではの戦い方を考慮していたことも明かした。なお、ベストプレーヤー賞はS高のAsunaSkyWaler選手が獲得している。第3回 NASEF JAPAN全日本高校eスポーツ選手権 『エーペックスレジェンズ』部門 最終結果順位所属チーム|選手名順位撃破合計1 eスポーツ高等学院 ヨコハマeスタジアム「英雄おさかなver2」 27 50 77 2 中央高等学院 渋谷原宿校「大和魂Ver.3.0」 32 26 58 3 S高等学校「トロールやめてね2」 17 39 56 4 仙台育英学園高等学校「獄炎終焉ストロガノフ」 27 22 49 5 N高等学校 福岡薬院キャンパス「Forget Me Not」 29 15 44 6 eスポーツ高等学院 シブヤeスタジアム「漆黒ノ断罪者」 26 16 42 7 eスポーツ高等学院 クマモトeスタジアム「BIG×サイダーッ」 29 12 41 8 N高等学校「アバタケタブラ」 21 19 40 9 バンタンゲームアカデミー高等部 大阪校「3ando baggus」 27 12 39 10 N高等学校 ところざわサクラタウンキャンパス「Re:でぇーようかいバナバナ」 18 15 33 11 奈良県立二階堂高等学校「NextKnckDoor」 18 13 31 12 愛知県立犬山総合高等学校「unlimited」 17 11 28 13 阿南工業高等専門学校「覚醒・ウォーターサーバー 13 10 23 14 バンタンゲームアカデミー高等部 東京校「EliteSpark」 12 11 23 15 東日本国際大学附属昌平高等学校「山田太郎」 11 12 23 16 大阪eゲームズ高等学院「OEGHS_Glänz 18 4 22 17 科学技術学園高等学校「それゆけ脳筋隊」 18 2 20 18 岡山県共生高等学校「純正三兄弟 9 11 20 19 大橋学園高等学校「nooblegends」 13 2 15 20 兵庫県立尼崎工業高校 「マグロ丼」 8 3 11 配信URL NASEF JAPAN 全日本高校eスポーツ選手権:https://www.nasef-nhec.jp/エーペックスレジェンズ/© 2025 Electronic Arts Inc.
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- 【大会レポート】2,000機のドローンを使った世界最大サイズ空中テトリス大会「Red Bull Tetris® World Final」が開催!
- 「テトリス」の新グローバルトーナメント「Red Bull Tetris®」の決勝戦が、12⽉11⽇(⽊)〜13⽇(⼟)にドバイにて開催。トルコのフェフミ・アタラー選手が優勝した。「Red Bull Tetris®」は2,000機以上のドローンを使ったライブプレーにより実施され、高得点のプレーヤーが勝利するといった大会形式となっている。<以下、ニュースリリースより>ドバイ・フレームが巨大なゲーム画面に!eスポーツがスクリーン外に飛び出し、没入型空間が夜空に登場 レッドブルは、世界で5億2千万本以上販売し、40 年以上にわたって世界中で愛されているパズルゲーム「テトリス」の新グローバルトーナメント「Red Bull Tetris®」を開催しました。12月11日(木)~13日(土)にドバイ(U.A.E.)で開催した Red Bull Tetris® World Final には、日本を含む60カ国以上の代表が出場。現地時間の13日(土)の夜に実施したトーナメントの決勝では、2,000機以上のドローンを使用して世界初の空中にてリアルタイムでプレーするテトリス公式戦を世界最大サイズで行い、フェフミ・アタラー(トルコ)が優勝しました。世界最大&世界初のスクリーンでRed Bull Tetris®をプレーするフェフミ・アタラー|Dean Treml / Red Bull Content Pool 日本代表のAK(19歳、埼玉県、学生)は予選をTop3通過しましたが、現地時間12日(金)に行われたトーナメントは残念ながらベスト16で敗退しました。大会を終えてAKは「初の海外だったので緊張しました。初日のパーティで少し緊張が解け、翌日の予選は会場が砂漠の中で、砂漠に感動しました。またバギー搭乗やプールなどを楽しみながら試合に臨み、いい結果を残すことができました。決勝トーナメントは勝ちを意識しすぎたことで焦りが出てしまい、緊張しすぎて思うようなプレーができず、悔しい結果で終わりました。楽しみにしていたドローンを使ったテトリスに加えて、花火やオーケストラなどの演出がとても豪華で、あの舞台に立ちたかったです。レッドブル・テトリスはワールドファイナルがドバイで開催されたことに限らず、日本の決勝が東京ゲームショウの会場内で行われたり、あめみやたいようさんがゲストだったりと、とにかく規模が大きいイベントだと思いました。ぜひ次回も開催してほしいですし、次回こそは絶対に優勝したいです」とコメントしました。決勝トーナメント、ベスト32戦のAK(手前)|Dean Treml / Red Bull Tetris コメントするAK|Leo Rosas / Red Bull Tetris 決勝トーナメントの対戦表は下記よりご覧いただけます。https://www.redbull.com/int-en/events/red-bull-tetris-world-final/red-bull-tetris-world-final-brackets ドバイの観光名所「ドバイフレーム(高さ150m × 幅93m)」をその名の通り枠に見立てた、世界最大で世界初となるライブでプレーが可能な空中でのテトリス公式戦により、eスポーツはスクリーン外へと飛び出し、没入型オープンエア空間となりました。テトリスを従来のスクリーン上の体験から“空”へ引き上げたこの決勝に勝ち進んだのはペルー代表のレオ・ソロザノ(Leo Solorzano)とトルコ代表のフェフミ・アタラー(Fehmi Atalar)でした。ドバイフレームが世界最大&世界初の空中でプレー可能なテトリス公式戦のゲーム画面に Red Bull Content Pool Marc Schwarz / Red Bull Content Pool ドローンや花火などの演出で大会を盛り上げ Philip Platzer / Red Bull Content Pool Philip Platzer / Red Bull Content Pool 適応力、即時の判断、精密な操作が試される“世界で最も万能なテトリスプレーヤー”を決める戦いは観客を最後まで釘付けにする熱戦が繰り広げられました。どちらが先に挑むかを決めるオフステージの試合を行いフェフミ・アタラーが勝利して「後攻」を選択。先攻のレオ・ソロザノがTスピンを活用して5分間のゲームを57,164点で終えると、超えるべきスコアが明確なフェフミ・アタラーは際立ったパフォーマンスを披露。制限時間の 3分の2 を通過時点でレオ・ソロザノのスコアを超え、決定的なテトリミノをはめるなどしてスコアは 168,566点を達成し、本大会の初代世界王者としてテトリス史に名を刻みました。 大会を制したフェフミ・アタラーは大会後「本当に信じられない、夢の様だ。イベントは唯一無二で自分のテトリス経験の中で最高の瞬間だ。マシンみたいに完璧なプレーができて、どの試合でも1点も取りこぼさなかった。とてもうれしい」とコメントしています。フェフミ・アタラーはコンピュータ工学の学生(19歳)| Dean Treml / Red Bull Content Pool 世界王者に向けた戦いはトーナメント用のゲーム「Red Bull Tetris®」を使用して行いました。本大会は18 歳以上であれば誰でも参加可能な世界最大級のグローバルゲーム大会で、スマートフォンのブラウザ上で行われた予選は全世界で700万回以上ゲームが遊ばれました。日本では予選の上位4名が9月28日(日)に東京ゲームショウの会場内で開催したJapan Final(PC版Red Bull Tetris®を使用)で戦い、AKが日本代表の座を獲得しました。■Red Bull Tetris® World Final 概要大会名:Red Bull Tetris® World Final優勝:フェフミ・アタラー(Fehmi Atalar)/トルコ決勝戦試合形式:ドバイ・フレーム内で2,000機以上のドローンを用いたライブプレー。 同時対戦では無く、それぞれが1ゲームして高得点者が勝利(BO1形式)優勝スコア:168,566点開催日:12月11日(木)~13日(土)会場:ドバイ・フレーム(ドバイ(U.A.E.))出場者:60名(60カ国のチャンピオン)備考:各国予選に向け、世界中のスマホでRed Bull Tetris®は700万回以上プレーされた
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- 【結果速報 12月14日「SFL 2025 Pro-JP プレーオフ DAY2」】 「先鋒・中堅連敗からの大将LeSharの勝利が分岐点だった」 RC、ZETAを下したiXAに大差で勝利!
- 『ストリートファイター6』(スト6)の国内プロリーグ「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2025」(SFリーグ 2025)が8月29日(金)より開催中。本リーグは、出場する12チームがDivision S、Division FといったふたつのDivisionに分かれリーグ戦を行うeスポーツ大会。12月14日(日)は、Division Fの全10節を戦い抜いた6チーム中上位3チームによるプレーオフを開催。3位と2位によるマッチ1と、1位と準決勝の勝者によるマッチ2の2試合が行われた。プレーオフの見どころ:ZETAヤマグチが事実上の初参戦 プレーオフはレギュラーシーズンよりも1試合が長くなり、先に70ポイントを先取したチームが勝利となる。1巡目で取れる最大ポイントは40ポイントのため、早ければ2巡目までで勝負がつく計算だ。ホーム/アウェーの選択は、本節の順位が上のチームがホームからスタートし、先鋒・中堅・大将の3試合を1巡として入れ替わる。また、プレーオフでは延長戦はなく、2巡目までに必ず各チームの4人全員の参加が必須に。これにより、必ず1巡目にない組み合わせの試合が盛り込まれ、対戦組み合わせの戦略も複雑になると同時に、観る側にとっては新鮮な試合を楽しめるルールとなっている。なお、翔のシーズン途中での欠場により、本節途中で追加登録されたヤマグチは延長戦のみの出場に限定されていたが(本節では結果的に延長戦がなく不出場)、このプレーオフから本格的にZETAのメンバーとして参戦。舞を使うという情報は知られていたが、iXAにとってもRCにとっても未知数の存在がどう影響するかも注目ポイントだった。チームマッチ1:ZETA DIVISION Geekly vs 広島 Team iXA マッチ1は2位のiXAがホーム、3位のZETAがアウェーでスタート。1巡目はZETAのオーダーに対して有利な選手・キャラを当てられるiXAが条件的に有利だ。1巡目 先鋒戦はひぐち(ガイル)が「いつもの調子が出ていない」というあきら(キャミィ)に勝利。中堅戦では今季初参戦となったヤマグチ(舞)が登場したが、ひびき(リリー)の舞対策が奏功し初勝利はお預け。互いに10ポイントずつを取り合う。勝った方が20ポイント獲得と大きくリードできる大将戦は、ももち(エド)とあでりい(エド)のミラーマッチに。意外にも本節では第10節大将戦の一度しか戦っておらず、その際はあでりいが勝利していたが、今回は3-2のフルカウントの末にももちがリベンジ。まずはアウェーのZETAが20ポイントをリードした。対戦カードZETA(アウェー)iXA(ホーム)先鋒(2-0) ✅ひぐち(ガイル:C) あきら(キャミィ:C) 中堅(1-2) ヤマグチ(舞:C) ✅ひびき(リリー:C) 大将(3-2) ✅ももち(エド:C) あでりい(エド:C) 合計 30pt 10pt 2巡目 2巡目でアウェーに回ったiXAは、先鋒戦にACQUA(ブランカ)、中堅戦にあきら(キャミィ)、大将戦にあでりい(エド)というオーダー。先鋒戦でひぐちが「ジャストパリィ」を決めてACQUAを制し、ヤマグチがあきらの大胆な攻めをしっかり差し替えし、ZETAが連勝する。この時点で50ポイントを獲得したZETAは、続く大将戦で勝利すれば勝利が確定する。そんな場面でZETAは、第5節であでりい(エド)に勝利しているひかる(A.K.I)を投入。毒と遠距離攻撃でひかるがあでりいを翻弄する展開となったが、体力が少ない状況からの大逆転の連続であでりいが勝利し、チームの危機を救った。対戦カードZETA(ホーム)iXA(アウェー)先鋒(2-0) ✅ひぐち(ガイル:C) ACQUA(ブランカ:C) 中堅(2-1) ✅ヤマグチ(舞:C) あきら(キャミィ:C) 大将(2-3) ひかる(A.K.I.:C) ✅あでりい(エド:C) 合計 50pt 30pt 3巡目 3巡目にもつれ込み、ZETAが再びアウェー側になったが、依然として先鋒・中堅を勝つか、大将が勝てば勝利するZETAが圧倒的に有利な状況だ。先鋒戦のひぐちには、この日3人目の相手となるひびき(リリー)が、ソニックブームをかいくぐって接戦に勝利。さらに、2順目と同じカードとなった中堅戦では、あきらがやまぐちにリベンジを果たす。iXAが50-50まで追いつき、勝利するのは大将戦を制したチーム。ここで再びももちvsあでりいの大将戦が繰り広げられた。1巡目で勝利しているももちは、距離を詰めて相手の裏側に回る「サイコナックル」を効果的に使い、早々にリーチをかける。しかし、あでりいも体力不利から無敵技の「ODサイコアッパー」や「ドライブインパクト」などで追いすがる。フルセットの末、最後はラッシュ止めから的確なSAまでのコンボをきっちり叩き込んだあでりいがZETAに引導を渡した。これで、iXAは70-50でZETAに勝利。マッチ2で待つREJECTへの挑戦権を獲得した。2024年は3位に終わったiXAにとって、グランドファイナル出場は初となる。対戦カードZETA(アウェー)iXA(ホーム)先鋒(1-2) ひぐち(ガイル:C) ✅ひびき(リリー:C) 中堅(1-2) ヤマグチ(舞:C) ✅あきら(キャミィ:C) 大将(2-3) ももち(エド:C) ✅あでりい(エド:C) 合計 50pt 70pt 最後の大将戦で敗れたZETAのももちは「4人ともすごく頑張っていたので悔しい。もうちょっとこの4人で(グランドファイナルも)戦いたかった……」と言葉を詰まらせつつ、「4人とも若いのでまだ先がある。次も頑張りたい」と語り、ファンやスタッフに向けて1年間の応援への感謝を口にした。勝利したiXAのACQUAはRC戦に向けて、「疲労もあると思うけど、勢いにも乗っていると思うので、次も頑張りたい」と、連勝に向けて意気込みを語った。チームマッチ2:広島 Team iXA vs REJECT グランドファイナル進出がかかったマッチ2。本節での2度の対戦ではRCがiXAに勝利しており、iXAが勝利したのは、第2節での中堅あでりいの1試合のみ。また、RCのウメハラはiXA戦に一度も出場していないため、この試合で初めてのiXAとの対戦となる。あきらにとっては、本来の所属チームの仲間たちとのグランドファイナル出場をかけた試合となった。1巡目 RCがホームから始まった1巡目は、有利をうまく生かせずiXAが活躍。先鋒のあきら(キャミィ)がときど(ケン)を、中堅のひびき(リリー)がふ〜ど(エド)を見事に制す。40-0のかかった大将戦では、あでりい(エド)に対してLeSharが本節ではあまり使ってこなかったエドで挑む。互いに高い反応速度と差し返しの精度をぶつけ合う中、LeSharがフルセットであでりいに勝利し、20-20の同点とした。対戦カードiXA(アウェー)RC(ホーム)先鋒(2-1) ✅あきら(キャミィ:C) ときど(ケン:C) 中堅(2-0) ✅ひびき(リリー:C) ふ〜ど(エド:C) 大将(2-3) あでりい(エド:C) ✅LeShar(エド:C) 合計 20pt 20pt 2巡目 iXAがホームとなった2巡目、先鋒戦は近づきたいACQUAを近づかせないままふ〜どが勝利。中堅戦は通常技で固めるあきらに対し、「ドライブインパクト返し」や歩き瞬獄殺なども見せたウメハラが勝利し、RCが連勝する。そして大将戦は再びあでりい vs LeSharのオーダー。LeSharが早々にリーチをかけたものの、1巡目の教訓を生かしたあでりいが追いつく。しかし最後は差し返しとラッシュ止めがうまく刺さったLeSharが勝利した。対戦カードiXA(ホーム)RC(アウェー)先鋒(0-2) ACQUA(ブランカ:C) ✅ふ〜ど(エド:C) 中堅(1-2) あきら(キャミィ:C) ✅ウメハラ(豪鬼:C) 大将(2-3) あでりい(エド:C) ✅LeShar(エド:C) 合計 20pt 60pt 3巡目 前日と同様に、あと10ポイントで勝利するCRに対して、iXAは4試合連続で勝利する必要がある。そんな大事な3巡目のiXAは、1巡目と同じオーダーに。先鋒戦にはときどがリベンジを狙って登場。あきらは1試合目を勝利するが、ときどもあきらを画面端で追い詰め、両者マッチポイントで迎えた最終ラウンド。互いにSAが貯まった状態からときどのしゃがみ中K→「ドライブラッシュ」でSAを決め、リーダーのときどがチームの勝利を自らの手で決めた。対戦カードiXA(アウェー)RC(ホーム)先鋒(1-2) あきら(キャミィ:C) ✅ときど(ケン:C) 中堅(-) ひびき(リリー:C) ー 大将(-) あでりい(エド:C) ー 計 20pt 70pt 試合を終えたiXAのACQUAは、「毎節広島でパブリックビューイングをしていて、回を増すごとに応援の声も増えて、その甲斐もあってここまで来れた。去年は3位で今年は2位だったので、来年はグランドファイナルに行きたい」とファンに向けてあらためて感謝の言葉を述べた。そして、2024年に引き続き、グランドファイナル進出を決めたREJECTのときどは、「最初に僕が負けてしまったが、全員が点を取ることができたのが勝利につながった。CRは競技シーンにとっても大きな影響力を持つチームなので、こちらが挑ませてもらう気持ちで頑張りたい」と1月の試合に向けて抱負を語り、もはや恒例となったいつもの「チームREJECT!」コールでインタビューを締め括った。これでDivision Fの全試合が終了。REJECTが「プレーオフ グランドファイナル」進出を決めた。そして、2026年1月31日(土)にパシフィコ横浜で開催される「ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2025 グランドファイナル」では、Division SのCrazy Raccoonと、Division FのREJECTが、チーム日本一の座をかけた最終決戦に挑む。配信アーカイブ 12月14日(日)のDivision Fプレーオフのアーカイブは、有料配信サービス「SPWN」の有料チケットを所有していれば期間内は閲覧可能。なお、視聴期限終了後の2026年1月25日には、YouTubeにて無料でも配信される。【DAY2】 2025年1月25日(日) 15:00~ (予定)YouTube:https://www.youtube.com/@CapcomFightersJPTwitch:https://www.twitch.tv/capcomfighters_jp■関連リンクCAPCOM eSports公式YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@CapcomFightersJPCAPCOM eSports公式Twitchチャンネル:https://www.twitch.tv/capcomfighters_jpSFL 2025 出場チーム:https://sf.esports.capcom.com/sfl2025/team/SFL 2025 日程・試合結果:https://sf.esports.capcom.com/sfl2025/schedule/©CAPCOM