『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)のアジア太平洋大会「LCP」。日本からはFukuoka SoftBank HAWKS gaming(SHG)とDetonatioN FocusMe(DFM)が年間を通して参加している、『LoL』の世界5大リーグのうちのひとつです。
1月〜2月にかけて開催された「LCP Kickoff Season」は無観客でしたが、2シーズン目となる「LCP Mid Season」からは常設のeスポーツ施設である「LCP Arena」でリーグが開催されるようになりました。発売とほぼ同時に週末の観戦チケットは完売するほど、現地での注目度も高いようです。
その開幕戦にあたる4月19日(土)〜20日(日)の2日間、取材も兼ねて現地会場に足を運びました。久々に「オフラインでの『LoL』観戦ってこんなに楽しかったっけ?」と思い出させてくれる、とてもいい大会でした。
今回は、日本の『LoL』ファンの皆さんにも現地観戦を強くおすすめしたい! というコンセプトで、アクセスやチケット情報、会場の写真とともに、台北でのオフライン観戦事情をお伝えしたいと思います。

会場となる「LCP Arena」は、台北市大同区に位置し、交通のアクセスも非常にいい場所にあります。台湾桃園国際空港から地下鉄「台北MRT」で約50分、民権西路駅と大橋頭駅のちょうど真ん中くらいの場所で、どちらからでも徒歩5分以内です。
私は会場から徒歩20分くらいのホテルに宿泊したので、2日間路線バスで行き来していました。中国語ができれば、バスも非常に便利です。
ホテルはピンキリで、ただ寝るだけのドミトリーであれば1泊2000円台の安いところもありますし、1泊5万円を超えるような高級ホテルももちろんあります。私は1泊6000円のところに泊まりましたが、予約にはよくTrip.comとagodaを使っています。どちらも日本語で予約可能です。
チケットは「KKTIX」のウェブサイトから購入できます。簡単に説明すると、チケットの価格は1枚400台湾ドル=日本円で約1700円と格安! マッチごとの入れ替えなどはなく、その日のすべての試合が観戦できます。
発売日は毎週水曜日の日本時間13:00から、翌週分が購入可能になります。つまり、試合の約10日前にチケット入手の可否が分かるということ。チケットが買えたらすぐ航空券を購入できるように、ある程度旅行の準備をしておくのがオススメです。
KKTIXのサイトは日本語ボタンもありますが、自動翻訳のため、うまく翻訳されないときはGoogle翻訳を使いましょう。


入口の右側の受付にチケットを提出すると、日本のイベントでもよくある紙のリストバンドがもらえます。これをつけていれば再入場が可能です。
受付の人は基本中国語ですが、「日本から来た」と言ったら片言の日本語を話してくれた方がいました。運が良ければ日本語ができる人に当たるかも? ただ、英語や日本語が比較的通じやすい地域なので、あまり心配はないと思います。
簡単な手荷物検査とボディチェックを済ませたら、さっそく入場。この受付で手渡されたビンゴが、なかなか面白い趣向でした。
その日の試合でピックされたチャンピオンをチェックしていき、ビンゴに成功するとちょっとしたプレゼントがもらえるというもの。その日のピック限定ではありますが、1日に最低でも4試合(40体)、最大6試合(60体)はピックされるので、可能性はまあまあ高めです。
いざバンピックが始まると、自分のビンゴにあるチャンピオンがピックされないかとソワソワしっぱなし。前の試合のチャンピオンが使えなくなる「フィアレスドラフト」と相性抜群の企画に、思わず感心してしまいました。

ちなみに、「連桶BINGO」という名前の由来はガングプランクの樽(Eの火薬樽)だと、現地の人に教えてもらいました。どうりで中国語勉強中の私が「連桶」の意味をいくら調べても出てこないわけです。おそらく「二連樽、三連樽させるみたいに当ててね」ということなのでしょうね。
SNSキャンペーンも実施されており、FacebookまたはInstagramにハッシュタグをつけて投稿すると、後日抽選で賞品がもらえるというもの(Xは現地であまり使われていないこともあって対象外でした)。
当選発表がかなり先なので、短期滞在者にはあまり縁がない催しですが、長期滞在したり、何度か訪台するという人ならチャレンジしてみてもいいかもしれません。


ここからは、ロビー内の施設をご紹介していきます。
まずはフードとドリンクの売店。会場内は飲食が可能となっており、インターバル中に結構な行列になっているのを何度か見かけました。きちんとした食事をしたければ、会場の外に出れば徒歩圏内に夜市が3つほどあります。

あまり広くはないものの、ライアット公式グッズのストアもありました。『LoL』グッズのほか、一部のチームのユニフォームも販売されていました。将来的には「LCP」限定グッズも販売される予定とのこと。ちなみに、飲食とグッズの売店は、チケットがなくても利用できるというのもいいですね。

その隣には応援ボードエリアがあり、テーブルにはカラフルなペンと専用の応援ボードが準備されていました。韓国でよく見るものと同じですね。
ここでたまたま日本チームの応援ボードを書いている地元の人に遭遇したので、記念に載せておきます。アウェイな雰囲気で同志に会えるのってうれしいですよね。


他にも、「ご自由にお持ちください」的な文言が書かれて応援グッズが並べられているスペースもありました。地元のチームはもちろん、ベトナムのチームの応援グッズもあったようです。残念ながら日本チームのものは見当たりませんでしたが、今後日本から観戦に行く人が増えれば準備してもらえるかもしれませんね。


試合会場は前方に選手席があり、上部に大きなスクリーンがかけられています。選手席の下にも画面があり、パンビック時にはチャンピオンが、ゲーム中は選手の顔がそれぞれ映し出されていました。
イケメン選手の眼福を求めるもよし、口の動きを見てコール内容を想像するもよし。配信では映し切れない選手たちの姿が見られるのはオフライン会場ならではですね。
「LCP Arena」は特に、選手席との距離が非常に近いのもうれしいポイントです。どれくらい近いかと言うと、試合中に選手たちの生声のコールが聞こえてくるほど。
逆に観客席からの声も届きやすく、インターバルから戻ってきてヘッドセットをつける前のわずかなタイミングで「ファイティン!」と叫んだところ、選手たちが反応してくれました。ファンサが受けられると俄然テンションが上がりますよね。

実況席は観客席の後方にあり、放送時の勝利インタビューもここで行われていました。観客席からだと後ろ姿しか見えないため、前方のモニターに映し出された配信の画面を見るかたちになります。
会場内は写真撮影OKなので、ステージでインタビューできるようになったらいいなとは思いましたが、キャスター陣が直接インタビューする関係上、移動は難しいのかもしれません。

公式発表によると、「LCP Arena」の収容人数は136席。客層はパッと見の印象では男女比6:4くらいと、女性が若干多めに感じました。自作の応援ボードなどもちらほら目に入り、観客たちの熱量も感じられました。
特に男性陣は声出しがすごくて、試合開始前の掛け声や、ファインプレーが出たときのコールを自主的にやっている熱心なファンの姿も。最初こそノリが理解できませんでしたが、試合が進むうちに分かるようになってきて、一緒に楽しく声出しもできました。



今回は取材としての観戦でしたが、観客席後方にメディア用の席が用意されていて、そこで観戦する形式でした。
私は韓国で取材を行うことが多く、会場とは別に用意されたプレスルームでの取材形式に慣れているので、最初は内心「観客席だと仕事がやりづらいかも……」と思っていました。ですが、いざ試合が始まってみるとファンと一緒の目線からの観戦が楽しすぎて、編集部には申し訳ありませんが、もはや仕事どころじゃありませんでした(笑)。
日本や現地のライター仲間たちと横並びで座り、応援ボードも書いて「ファイティン!」と叫んだりと、周りにリアクションのいい地元ファンがたくさんいたおかげもあってか、試合への没入感が半端なく、心から楽しめました。
今回の現地観戦はもちろんお仕事ではありましたが、なんだか最近eスポーツ観戦を「仕事」と割り切りすぎていたのかもしれない……と、「LCP Arena」の会場で取材しながら思いました。
本来、eスポーツ観戦は楽しいものであり、それが好きでライターにまでなったはず。原点回帰とでも言うべきか、おかげさまで本当に楽しい観戦体験をさせていただきました。

日本における『LoL』のオフライン観戦の機会がまったくなくなってしまった今、『LoL』のプロシーンが好きな方にとって、航空券もLCCなら往復で4万円以下(2025年4月時点)、渡航時間も東京―台北間が3時間半程度と行きやすい「LCP」は、初めての海外観戦もしやすい環境だと思います。
「LCP Mid Season」は、レギュラーシーズンが5月25日まで、プレーオフが6月8日まで開催中です。ぜひ日本の『LoL』ファンの皆さんも、異国の地で戦う日本チームを応援しに、現地まで足を運んでみてください。
LoL Esports:https://lolesports.com/ja-JP/
KKTIX LCPチケット一覧(日本語):https://kktix.com/events?utf8=%E2%9C%93&search=LCP&start_at=2025%2F04%2F25
1月〜2月にかけて開催された「LCP Kickoff Season」は無観客でしたが、2シーズン目となる「LCP Mid Season」からは常設のeスポーツ施設である「LCP Arena」でリーグが開催されるようになりました。発売とほぼ同時に週末の観戦チケットは完売するほど、現地での注目度も高いようです。
その開幕戦にあたる4月19日(土)〜20日(日)の2日間、取材も兼ねて現地会場に足を運びました。久々に「オフラインでの『LoL』観戦ってこんなに楽しかったっけ?」と思い出させてくれる、とてもいい大会でした。
今回は、日本の『LoL』ファンの皆さんにも現地観戦を強くおすすめしたい! というコンセプトで、アクセスやチケット情報、会場の写真とともに、台北でのオフライン観戦事情をお伝えしたいと思います。
アクセス抜群! 「LCP Arena」への行き方&ホテル事情

大橋頭駅側から見た外観。「LCP」の大きな看板はありませんが、入口に立て看板があるので迷うことはなさそう
会場となる「LCP Arena」は、台北市大同区に位置し、交通のアクセスも非常にいい場所にあります。台湾桃園国際空港から地下鉄「台北MRT」で約50分、民権西路駅と大橋頭駅のちょうど真ん中くらいの場所で、どちらからでも徒歩5分以内です。
私は会場から徒歩20分くらいのホテルに宿泊したので、2日間路線バスで行き来していました。中国語ができれば、バスも非常に便利です。
ホテルはピンキリで、ただ寝るだけのドミトリーであれば1泊2000円台の安いところもありますし、1泊5万円を超えるような高級ホテルももちろんあります。私は1泊6000円のところに泊まりましたが、予約にはよくTrip.comとagodaを使っています。どちらも日本語で予約可能です。
チケットは「KKTIX」のウェブサイトから購入できます。簡単に説明すると、チケットの価格は1枚400台湾ドル=日本円で約1700円と格安! マッチごとの入れ替えなどはなく、その日のすべての試合が観戦できます。
発売日は毎週水曜日の日本時間13:00から、翌週分が購入可能になります。つまり、試合の約10日前にチケット入手の可否が分かるということ。チケットが買えたらすぐ航空券を購入できるように、ある程度旅行の準備をしておくのがオススメです。
KKTIXのサイトは日本語ボタンもありますが、自動翻訳のため、うまく翻訳されないときはGoogle翻訳を使いましょう。

KKTIXのLCPページをGoogleで翻訳。ほとんど意味は通じます(https://carry-international.kktix.cc/events/59f7051f)
「フィアレスドラフト」を生かしたビンゴで大盛り上がり! 現地イベントにも注目

入口からロビーを見渡したところ。右に受付、正面に飲食の売店、左にライアットストアと応援ボードエリアがあります
入口の右側の受付にチケットを提出すると、日本のイベントでもよくある紙のリストバンドがもらえます。これをつけていれば再入場が可能です。
受付の人は基本中国語ですが、「日本から来た」と言ったら片言の日本語を話してくれた方がいました。運が良ければ日本語ができる人に当たるかも? ただ、英語や日本語が比較的通じやすい地域なので、あまり心配はないと思います。
簡単な手荷物検査とボディチェックを済ませたら、さっそく入場。この受付で手渡されたビンゴが、なかなか面白い趣向でした。
その日の試合でピックされたチャンピオンをチェックしていき、ビンゴに成功するとちょっとしたプレゼントがもらえるというもの。その日のピック限定ではありますが、1日に最低でも4試合(40体)、最大6試合(60体)はピックされるので、可能性はまあまあ高めです。
いざバンピックが始まると、自分のビンゴにあるチャンピオンがピックされないかとソワソワしっぱなし。前の試合のチャンピオンが使えなくなる「フィアレスドラフト」と相性抜群の企画に、思わず感心してしまいました。

真ん中がニダリーなんて正直終わってる……と思いましたが、翌日にはトップでピックされていました。本当によくできてます
ちなみに、「連桶BINGO」という名前の由来はガングプランクの樽(Eの火薬樽)だと、現地の人に教えてもらいました。どうりで中国語勉強中の私が「連桶」の意味をいくら調べても出てこないわけです。おそらく「二連樽、三連樽させるみたいに当ててね」ということなのでしょうね。
SNSキャンペーンも実施されており、FacebookまたはInstagramにハッシュタグをつけて投稿すると、後日抽選で賞品がもらえるというもの(Xは現地であまり使われていないこともあって対象外でした)。
当選発表がかなり先なので、短期滞在者にはあまり縁がない催しですが、長期滞在したり、何度か訪台するという人ならチャレンジしてみてもいいかもしれません。

キャンペーンの投稿内容は、「精霊の花祭り」パネルの前で写真を撮る、または「コスプレーヤーさんと写真を撮る」というもの。普段はコスプレーヤーさんに話しかけるのは緊張してしまう人でも、こういうキャンペーンがあると声がかけやすくなりますね
飲食やグッズ売店などのロビー施設はチケットなしでも利用可能

メニューは中国語と英語の併記。韓国メニューがちらほらあるのはeスポーツならでは?
ここからは、ロビー内の施設をご紹介していきます。
まずはフードとドリンクの売店。会場内は飲食が可能となっており、インターバル中に結構な行列になっているのを何度か見かけました。きちんとした食事をしたければ、会場の外に出れば徒歩圏内に夜市が3つほどあります。

私が選んだのはハムチーズトースト。海外らしいクセみたいなものがなく、日本で食べるものと変わらずに食べやすかったです
あまり広くはないものの、ライアット公式グッズのストアもありました。『LoL』グッズのほか、一部のチームのユニフォームも販売されていました。将来的には「LCP」限定グッズも販売される予定とのこと。ちなみに、飲食とグッズの売店は、チケットがなくても利用できるというのもいいですね。

手前がチームユニフォーム、奥が『LoL』グッズ。残念ながら日本チームのユニフォームはまだ取り扱いがありませんでした
その隣には応援ボードエリアがあり、テーブルにはカラフルなペンと専用の応援ボードが準備されていました。韓国でよく見るものと同じですね。
ここでたまたま日本チームの応援ボードを書いている地元の人に遭遇したので、記念に載せておきます。アウェイな雰囲気で同志に会えるのってうれしいですよね。

SHG FATE選手のファン。現地のファンですが、韓国留学経験者とのことで、韓国語が堪能でした

こちらはDFM Guwon選手のファン。Guwon選手に取材した際に、「このボードを見たよ」と言っていました
他にも、「ご自由にお持ちください」的な文言が書かれて応援グッズが並べられているスペースもありました。地元のチームはもちろん、ベトナムのチームの応援グッズもあったようです。残念ながら日本チームのものは見当たりませんでしたが、今後日本から観戦に行く人が増えれば準備してもらえるかもしれませんね。

CFOとTLNの応援グッズ。主催者が用意したものだけでなく、個人ファンクラブが製作したものも置かれていました
選手に声が届く! 観客と選手の距離が“ゼロ”な会場設計

観客席のイスは映画館のようなクッションでできているので座り心地は良好。ひじ掛けやドリンクホルダーもついていました
試合会場は前方に選手席があり、上部に大きなスクリーンがかけられています。選手席の下にも画面があり、パンビック時にはチャンピオンが、ゲーム中は選手の顔がそれぞれ映し出されていました。
イケメン選手の眼福を求めるもよし、口の動きを見てコール内容を想像するもよし。配信では映し切れない選手たちの姿が見られるのはオフライン会場ならではですね。
「LCP Arena」は特に、選手席との距離が非常に近いのもうれしいポイントです。どれくらい近いかと言うと、試合中に選手たちの生声のコールが聞こえてくるほど。
逆に観客席からの声も届きやすく、インターバルから戻ってきてヘッドセットをつける前のわずかなタイミングで「ファイティン!」と叫んだところ、選手たちが反応してくれました。ファンサが受けられると俄然テンションが上がりますよね。

開幕戦でのSHGの選手たちの様子。半円形になっているので、選手の表情なども結構見えます
実況席は観客席の後方にあり、放送時の勝利インタビューもここで行われていました。観客席からだと後ろ姿しか見えないため、前方のモニターに映し出された配信の画面を見るかたちになります。
会場内は写真撮影OKなので、ステージでインタビューできるようになったらいいなとは思いましたが、キャスター陣が直接インタビューする関係上、移動は難しいのかもしれません。

プレス席から見た勝利インタビューを受けるCFOのRest選手の後ろ姿
公式発表によると、「LCP Arena」の収容人数は136席。客層はパッと見の印象では男女比6:4くらいと、女性が若干多めに感じました。自作の応援ボードなどもちらほら目に入り、観客たちの熱量も感じられました。
特に男性陣は声出しがすごくて、試合開始前の掛け声や、ファインプレーが出たときのコールを自主的にやっている熱心なファンの姿も。最初こそノリが理解できませんでしたが、試合が進むうちに分かるようになってきて、一緒に楽しく声出しもできました。

試合の合間に撮影させてくれたファン。スマホや自作ボードなど、日本と同じかそれ以上に目立ちます

応援ボードを掲げていたTLNファン。カップルで来ている人たちもちらほら見かけました
日本にないオフライン観戦の楽しさが、「LCP」に詰まってた!

初戦を勝利で飾り、挨拶するDFMの選手たちにも、地元ファンから拍手
今回は取材としての観戦でしたが、観客席後方にメディア用の席が用意されていて、そこで観戦する形式でした。
私は韓国で取材を行うことが多く、会場とは別に用意されたプレスルームでの取材形式に慣れているので、最初は内心「観客席だと仕事がやりづらいかも……」と思っていました。ですが、いざ試合が始まってみるとファンと一緒の目線からの観戦が楽しすぎて、編集部には申し訳ありませんが、もはや仕事どころじゃありませんでした(笑)。
日本や現地のライター仲間たちと横並びで座り、応援ボードも書いて「ファイティン!」と叫んだりと、周りにリアクションのいい地元ファンがたくさんいたおかげもあってか、試合への没入感が半端なく、心から楽しめました。
今回の現地観戦はもちろんお仕事ではありましたが、なんだか最近eスポーツ観戦を「仕事」と割り切りすぎていたのかもしれない……と、「LCP Arena」の会場で取材しながら思いました。
本来、eスポーツ観戦は楽しいものであり、それが好きでライターにまでなったはず。原点回帰とでも言うべきか、おかげさまで本当に楽しい観戦体験をさせていただきました。

初日は全く映してもらえませんでしたが、2日目は配信にも何度も映りました。左が私で、右はライター仲間のハル飯田さん
日本における『LoL』のオフライン観戦の機会がまったくなくなってしまった今、『LoL』のプロシーンが好きな方にとって、航空券もLCCなら往復で4万円以下(2025年4月時点)、渡航時間も東京―台北間が3時間半程度と行きやすい「LCP」は、初めての海外観戦もしやすい環境だと思います。
「LCP Mid Season」は、レギュラーシーズンが5月25日まで、プレーオフが6月8日まで開催中です。ぜひ日本の『LoL』ファンの皆さんも、異国の地で戦う日本チームを応援しに、現地まで足を運んでみてください。
LoL Esports:https://lolesports.com/ja-JP/
KKTIX LCPチケット一覧(日本語):https://kktix.com/events?utf8=%E2%9C%93&search=LCP&start_at=2025%2F04%2F25
【スイニャン プロフィール】

韓国在住時にeスポーツと出会い、StarCraft: Brood Warプロゲーマーの追っかけとなる。帰国後、2009年ごろからさまざまなWEBメディアで取材・執筆活動を開始。また、語学力を生かして韓国人選手のインタビュー通訳や翻訳などの活動も行っている。自らはゲームをほとんどプレーせず、おもにプロゲーマーの試合を楽しむ観戦勢。 Twitter:@shuiniao

韓国在住時にeスポーツと出会い、StarCraft: Brood Warプロゲーマーの追っかけとなる。帰国後、2009年ごろからさまざまなWEBメディアで取材・執筆活動を開始。また、語学力を生かして韓国人選手のインタビュー通訳や翻訳などの活動も行っている。自らはゲームをほとんどプレーせず、おもにプロゲーマーの試合を楽しむ観戦勢。 Twitter:@shuiniao
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ブラジル・リオデジャネイロにてeスポーツ世界大会「BLAST Rainbow Six RE:L0:AD 2025」が開催されました。日本チームのCAG OSAKAが数々の強豪チームを制してグランドファイナルに進出、優勝を賭けてブラジルチームFURIAと対戦しました。今回はFURIAに勝利を譲ったものの、日本チームの国際大会ベスト2は『レインボーシックス シージ』競技シーンにおいて初の快挙で、APACチームとしても過去最高の成績を打ち立てました。今後開催が予定されている世界大会の詳細についても発表され、『レインボーシックス シージ エックス』としての新たな始まりを彩る大会となりました。RE:L0:AD 2025 グランドファイナル URL:https://www.youtube.com/live/EI7oJwM31so?si=8eFfFT3IgqQLzehd■BLAST R6 Major開催地:ミュンヘン日程:11月8日 – 16日有観客開催:11月14日 – 16日 (BMW Park Arena)■Six Invitational 2026開催地:パリ日程:2026年2月2日 – 15日有観客開催:2月13日 – 15日『レインボーシックス シージ エックス』 6月10日(※1)に『レインボーシックス シージ』の新たな時代が幕を開けます。『シージ エックス』の配信開始と共に、フリーアクセス、デュアルフロント(6対6の新モード)、刷新されたマップ、破壊可能オブジェクト、進化したラペリング、オーディオの刷新といった広範なアップグレード、改良、洗練が実施されます。『レインボーシックス シージ エックス』は『レインボーシックス シージ』をお持ちの方全員が無料アップグレードとしてお楽しみいただけます。また、無料アクセスが登場し、クイックプレー、アンランク、デュアルフロントが誰でも無料でプレーできるようになります。まずは6月10日には、ライティング、影や解像度が刷新された5つのマップが登場し、各シーズンで3つのマップが対象となる予定です。またオーディオも改良がくわえられ、周囲の情報収集に役立ちます。新たなコミュニケーションホイールで仲間との効果的な連携が可能になり、武器の確認機能でスタイリッシュさのアピールも行えるようになります。さらに、ゲーム内の「Eスポーツ」タブが追加されることが発表されました。このタブでは世界中の注目マッチを簡単に追いかけることができます。新登場のビギナーチャレンジとチュートリアルフローでは、熱心な初心者にゲーム内リワードが提供され、熟練プレーヤーは新たなXPカーブでクリアランスレベルを素早く上げることができます。新登場のキャリア統計データを確認すれば、プレーリストごとの戦績を追跡できます。これにはEスポーツファンの間でプロプレーの測定基準として有名なK.O.S.T.データも含まれます。新プレーリストの「エンリステッド」と「フィールドトレーニング」は新規プレーヤーと復帰プレーヤーそれぞれに向いています。カスタマイズ可能な練習用アリーナとして、本物のプレーヤーの行動を学習したAIボットを相手にフルマップで戦いましょう。ソロでトレーニングするにしても、他のプレーヤーと対戦するにしても、オペレーターの声が以前より頻繁に聞こえるはずです。新たに追加される雑談機能により、キャラクターの性格やキャラクターの関係性が浮かび上がる新規の台詞を聞くことができます。PCプレーヤーは、6月10日の配信に先駆けて実施されるテストサーバーセッションで『シージ エックス』をひと足早く体験できます。このセッションはPC版『レインボーシックス シージ』をお持ちの全プレーヤーが参加可能です。Ubisoft Connectのライブラリに自動的に表示される「テストサーバー」タイルよりご参加いただけます。Year 10シーズン2 「Operation Daybreak」『レインボーシックス シージ エックス』の配信と同時に、Year 10シーズン2「Operation Daybreak」も開幕します。今シーズンにはさまざまなオペレーターのバランス調整、電気ダメージと手足へのダメージに関する変更、CLASHのリマスターなどが登場します。「R6 Shieldguard」および迷惑行為対策今年導入された「R6 Shieldguard」はゲームのセキュリティおよびチート対策ツールが統合されたもので、すべてのプレーヤーが公平にゲームを楽しめるよう「レインボーシックス シージ」チームが開発したものです。シーズン1にて登場した新しいセキュリティハードニング技術により、チート使用者のBAN処分数が増加してチート行為の報告は減少傾向にあります。シーズン2では大規模なセキュリティアップデートを実施予定です。正式稼働した評価システムでは、ネガティブな行動の減少が認められました。これには攻撃的な発言が含まれますが、ゲーム内でのポジティブな行動の増加報告と共に、テキストチャットの使用量は増加しています。シーズン3および4でもこれらの取り組みを継続し、ボイスチャットのモデレーション、評価システムの新アクション、プライバシー設定の改良、放棄ペナルティ、ゲーム内の報告機能などが登場予定です。シーズン3 & 4シーズン3では「ナイトヘイヴン」、「アジト」、「領事館」の3つのマップの刷新版が登場予定です。また、新オペレーターの物語と関連したデュアルフロントの任務変更も行われます。スイス出身のこの防衛オペレーターは、新たな武器を携えてゲームに加わります。シーズン4で『レインボーシックス シージ』は10周年を迎えるため、記念スペシャルイベントを開催予定です。このシーズンではさらに、攻撃オペレーター1名のリマスターと新たな武器が登場します。この武器はリリース時から複数のオペレーターが使用できる初めての武器となります。また、「テーマパーク」と「高層ビル」の刷新に加え、さらにもう1マップの全面見直しも予定されています。 シーズン3および4の詳細は、年内後半にお知らせ予定です。(※1)ヨーロッパ中央時間©2025 Ubisoft Entertainment. 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- 【大会レポート】最年少小学生選手と無冠の帝王が激突!——タイピング日本一を決めるeスポーツ大会「REALFORCE TYPING CHAMPIONSHIP 2025」
- 東プレ主催の国内最大規模の競技タイピング大会「REALFORCE TYPING CHAMPIONSHIP 2025(RTC 2025)」の決勝ステージが4月26日(土)に開催された。▲RTCは2017年から始まり、今年で第6回目の開催となる 総勢9,668名が参加した本大会。予選はウェブ上でタイピング練習が楽しめる「e-typing」を用いて計4回行われ、その中から成績上位者の8名が決勝ステージに選抜される形だ。▲「e-typing」は誰でもプレーできるタイピング練習ができるウェブサイト。期間内なら何度でも予選に挑戦できるというのもRTCならではのレギュレーションだ(https://www.e-typing.ne.jp) 決勝ステージは例年有観客オフライン開催となっているが、今年は競技選手がよりタイピングに集中しやすい環境ということで無観客開催となった。▲会場を盛り上げてくれたのは5名の出演者。左から順に実況解説の篠原光さん、隅野貴裕さん、ゲストの貴島明日香さん、シュウペイさん、寺太勇さん 基本的な競技ルールは下記の通り。特筆すべきはRTC独自ルールの「正確性」だろう。どちらかが正確性95%を下回るかどうかで、戦法も試合展開も全く違ったものになる。タイピングスピードだけでは勝てないのがRTCの妙なのだ。▲トーナメント形式はシングルエリミネーション。正確性によっては速く入力しても負けてしまうことがあるのがRTCの面白いところ。ただ速く入力できればいいという訳ではないのだ 最年少は小学校5年生!個性あふれる8人の選手たち 決勝に進出したのは下記の8名。ベテラン選手から本大会初出場となる期待の若手選手など、個性あふれる選手がそろった。▲決勝ステージのトーナメント表 ▲ゆたゆた選手:小学5年生でありながら優勝候補の一角。今回がRTC初出場だ ▲める選手:若手期待のかな入力戦士。こちらも初出場 ▲まるくん選手:こちらも若手プレーヤー。スピード勝負が得意。RTC初出場となる選手だ ▲Y-i選手:幼い時代から競技タイパーとして活躍したベテラン。3年連続の出場 ▲くわな選手:前回大会2位のベテランタイパー。今大会の優勝候補。『VALORANT』では上位ランク“イモータル2”の実力を持つマルチプレーヤー ▲mulelr選手:大会皆勤賞で上位常連のベテランかな入力使い。今大会の優勝候補 ▲goe選手:前回大会3位でタイピングソフト「寿司打」の3冠王プレーヤー ▲ゆーくん選手:初出場ながら、第2回予選1位に輝いた期待のルーキー そんな強豪ひしめくRTC 2025の大会レポートをお届けしよう。準々決勝:第1試合目から盛り上がりをみせる注目カード 準々決勝となる第1試合から目が離せない対戦カードとなったRTC 2025。特筆すべきは最年少となる小学五年生のゆたゆた選手 vs かな入力の使い手める選手。▲ゆたゆた選手は予選1位通過の優勝候補。対するめる選手は現役の学生でありながら、かな入力の使い手という稀有なプレーヤーである 試合内容は終始ゆたゆた選手が押す形となった。kpm換算(一分間に打ち込む文字数)で1400以上を叩きだす瞬間もあり、実況の篠原さんも思わず舌を巻くような勢いで駆け抜けていく。安定した高速タイピングによってストレート勝ちを決めたゆたゆた選手。今大会が初出場ではあるものの、優勝候補として盤石な雄姿を会場に見せつけた。▲恐ろしいスピードで表示された文章を入力していく両選手。入力が早すぎてお題の文章が読めないレベルだ(https://www.youtube.com/live/7sR6diUkWao?t=1368s) もうひとつ目が離せない対戦カードは第3試合のくわな選手 vs muller選手。両者ともに優勝候補なため、決勝戦と言われてもおかしくないマッチアップである。▲ローマ字入力 vs かな入力という入力方式の違いも注目ポイントだ 先制を獲ったのはくわな選手。RTC独自ルールである正確性を突く形で、かな入力使いのmuller選手を手玉に取った形だ。その後もくわな選手は正確性を重視した戦法を貫き、2本目も連取していく。しかし3ラウンド目ではくわな選手が正確性を崩してしまい、その隙を突いたmuller選手が1本を返す展開に。ここでくわな選手は戦法をシフト。正確性を敢えて捨て、タイピングスピード主体の戦い方に変えていく。▲4ラウンド目から一変したくわな選手に虚を突かれたのはmuller選手か。正確性を無視したノーガードな戦いに翻弄(ほんろう)され、くわな選手に軍配が上がるシーンが増えてきた(https://www.youtube.com/live/7sR6diUkWao?t=4071s) 最終的には4:1でくわな選手が勝利をもぎとったものの、事前予想通りの激しい駆け引きとなった。試合後のインタビューでは「緊張していた割にはお互いに正確性の高い試合が多くて、かなりプレッシャーのかかる内容でした。muller選手が選ぶげんきワード(ワードテーマ)では、かな入力のスピードに歯が立たないと予想していたので、正確性の部分で勝とうという作戦でした」とくわな選手は回答した。くわな選手の柔軟性と、muller選手への対策が光った試合内容となった。なお、第2試合のY-i選手 vs まるくん選手は、途中でY-i選手が返すシーンもあったが4:1でまるくん選手の勝利。第4試合のgoe選手 vs ゆーくん選手は、3、4ラウンドともにデッドヒート。僅差でgoe選手が打ち勝ち、最終的には4:0ストレートで終了となった。▲準々決勝戦後のトーナメント表。上記4名が準決勝戦に駒を進めた 準決勝:三位決定戦までのダイジェスト 準決勝第1試合はゆたゆた選手 vs まるくん選手という初出場同士の対決となった。1500kpmを記録する豪速タイパー同士の戦いは、最終的には4:1でゆたゆた選手が勝利。第2試合は前回大会2位のくわな選手 vs 前回大会3位のgoe選手が激突。第一試合目とは対照的に、正確性も混ぜ合わせた変則的な戦いが繰り広げられ、4:1でくわな選手が勝利した。敗者同士で行われた3位決定戦はルーキー vs ベテラン対決。一体どちらに軍配が上がるのか注目されたマッチアップだったが、いざ始まるとgoe選手が圧巻のパフォーマンスを発揮。まさかの4:0で、goe選手のストレート勝利という結果となった。決勝戦:モンスター小学生と無冠の帝王が躍動 遂にやってきた決勝戦。初出場にて決勝の舞台まで駒を進めたモンスター小学生ゆたゆた選手と、常に優勝候補として奮戦し続けてきた無冠の帝王くわな選手が並び立った。決勝戦はBo9(5本先取)と長丁場な戦いとなるため、より集中力や正確性が求められるのも注目だ。▲全力を出し切りたいと語るゆたゆた選手 ▲今まで超えられなかった決勝戦の壁を越えたいと語るくわな選手 まずは先手を取ったのはゆたゆた選手。シンプルなスピード勝負に持ち込んだことで怒涛の2連取を達成。好調な出だしとなった。▲若さあふれるスピーディーな入力で無冠の帝王に立ちはだかるゆたゆた選手(https://www.youtube.com/live/7sR6diUkWao?t=11285s) このままゆたゆた選手が勝利をもぎ取るのかと思いきや、3ラウンド目になって潮目が変わる。くわな選手の持ち味である柔軟性が発揮され、正確性重視の試合運びにシフトする。スピードは相変わらずの速度を誇っていたゆたゆた選手だが、堅実に95%以上をキープしたくわな選手が徐々に返していく展開に。▲怒濤の追い上げでマッチポイントを迎えたくわな選手。7ラウンド目では今大会最速に近い1569kpmを叩きだすシーンも(https://www.youtube.com/live/7sR6diUkWao?si=GyuwBshab5nPq-3C&t=11981) 結果は5:2と一気にギアを上げたくわな選手の逆転勝利となった。▲3年来の悲願をついに達成したくわな選手。感無量の表情が画面越しからも伝わる 試合終了直後のインタビューでくわな選手は「何も考えられなくて——無我夢中で目の前のワードと向き合っていました」と決勝戦での心情を吐露し「実感が湧いてなくて、不思議な感じです」と自身の優勝に関してもまだ身に沁み切っていない様子だった。興奮冷めやらないとは正にこのことか。身体に溜まり切った熱を放出するかのように、何度も天を仰いでいた。一方で決勝戦については「緊張しました」と語るゆたゆた選手。初出場のRTCに関しても「楽しめた」と返答し、「正確性が少し低いので、もっと正確性を高くする練習をしたいです」と、さっそく現状の改善点と今後の練習内容についてもふれていた。これには解説の隅野さんも「来年が怖いですね」と満面の笑み。将来有望なモンスター小学生。負けてなお天晴れな受け答えであった。くわな選手、ゆたゆた選手のショートインタビューをお届け 最後に、試合を終えた両選手にインタビューを実施したので、その様子をお届けしよう。準優勝:ゆたゆた選手 ショートインタビュー ▲優勝はできなかったものの、晴れやかな表情のゆたゆた選手 ——準優勝おめでとうございます! 今のご気分はいかがですか?ゆたゆた:うれしいです。——初出場で準優勝しましたが、普段は何時間ほど練習をしているのでしょうか。ゆたゆた:あまり意識はしてないですが、いつもは2〜3時間くらいタイピング練習をしてます。土日は多分8時間くらいやっています。——普段の練習ではどのようなソフトを使っているのでしょうか。ゆたゆた:タイピングチューブ、ポップタイピング、打鍵トレーナーなどを使っています。——RTC 2025は素晴らしい結果となりましたが、来年も参加しますか?ゆたゆた:はい、来年も出たいです——ゆたゆた選手、ありがとうございました!優勝 くわな選手 ショートインタビュー ▲優勝トロフィーである黄金のキーボードを掲げるくわな選手 ——優勝おめでとうございます。今大会に向けてどのような練習を実践してきましたか?くわな:大会直前の期間だと、平日は多くても3時間ほど練習していました。休日はなかなか体力も持たないこともあって6時間が限度でした。——競技タイピングを始めたのは大体何歳の頃からでしょうか?くわな:小学校2年生の頃から競技としてタイピングをさわり続けているので、20年ほど続けています。——20年も続けているんですね!大会での優勝経験はRTC2025が初となるのでしょうか。くわな:学生の頃は年齢別タイピング大会で優勝経験などもあったんですけれど、社会人になってからは今回のRTC 2025が初めての優勝になります。——くわな選手自身の強みはどのような所にあると思いますか?くわな:自分の強みは相手を分析して戦い方を変えられることです。普段は『VALORANT』というゲームをプレーしているんですが、そちらの方では相手の弱点を突くようにプレーしているので、そういった思考法をタイピング競技でも応用してます。——今回RTC優勝を達成しましたが、来年以降の目標などはあったりしますか?くわな:実は正直迷っていて……。年齢的にもかなり限界に近付いているので、来年以降についてはまだ決めてはいません。だからこそ今回の優勝はうれしくてたまらなかったですね。——インタビューありがとうございました!まとめ これにてRTC 2025は閉幕となった。振り返ってみると今期のRTCは、転換点ともいえる大会だったかもしれない。RCTといってまず思い浮かぶ選手は4連覇を達成したmiri選手、そして2024年度に優勝した三八木選手だろう。これらの歴代チャンピオンがRTC 2025では不参加となってしまったのだが、だからこそ初出場者だらけの新風吹き荒れるRTCになったともいえる。また今回は一般向けの観戦者を入れずにスタジオ内で大会を開催した。こういった形式も今までのRTCとは異なっている。よりフォーマルな大会として、番組制作を意識した座組になっているといえよう。そして途中のエキシビションマッチもしかり、猫麦とろろさんの登場もしかり、より広い層に大会の面白さを伝えたいという制作側の強い想いを感じる。RTCも時勢の波に合わせて変化・進化していくしかない。そういった意味では今年のRTCはまず間違いなく成功した年なのではないだろうか。こうなってくると来年のRTCにも同様の期待を抱かざるを得ない。どういった変化をもってタイピング競技の裾野を広げ、拡張していくのか。来年もまた注目の年になりそうだ。【番外編】裾野を広げるエキシビションマッチ実は本大会ではゲスト同士がタイピングで戦うエキシビションマッチも開催された。選手たちのすごさやタイピングの面白さを実感するために、司会陣4人が肌を脱いだ形だ。こういった大会で司会陣全員がプレーヤーとして参加するのはなかなか珍しい試みかもしれないが、RTCの裾野を広げる上では重要な試みともいえる。▲スペシャルマッチとしてしっかりとトーナメント形式で実施されたエキシビションマッチ(https://www.youtube.com/live/7sR6diUkWao?t=7811s) ちなみに解説の隅野さんは別格の存在なので、このエキシビションマッチではプレーヤーとしては参加せず解説に徹した。▲観戦枠には特別ゲストとしてVTuberの猫麦とろろさんも参加 観戦者からの野次にたじたじな様子の篠原さんだったが、どうにか優勝。終始和やかな雰囲気の中、エキシビションマッチは終了した。▲決勝戦はタイピング歴のある貴島明日香さんと篠原さんの対決。試合中ヤジが飛ぶという前代未聞の環境に篠原さんもたじたじ。こういった遊び心があるのもエキシビションマッチならでは(https://www.youtube.com/live/7sR6diUkWao?t=8852s) 試合中に「なぜテレビ局を辞めたのですか?」という野次には動揺を隠せず「それっ、結構クリティカルなやつっ!」と思わず言葉に詰まったシーンも(笑)。こういった遊び心を持ちつつも、知名度向上にも目を向けているのがRTC 2025のスタイルだ。 ■関連リンクREALFORCE TYPING CHAMPIONSHIP 2025 アーカイブ:https://www.youtube.com/live/7sR6diUkWao?si=TzzR-LfyQW9f-2VLREALFORCE 公式ウェブサイト:https://www.realforce.co.jpREALFORCE 公式X:https://x.com/TOPRE_REALFORCE撮影:gappo3編集:いのかわゆうgappo3 プロフィール『オーバーウォッチ 2』のプロリーグ「Overwatch League」公式日本語配信の解説担当。初代『オーバーウォッチ』にて創設されたプロゲーミングチーム「Green Leaves」での活動を基盤に、2017年からライター業を開始。eスポーツ中心のインタビュー記事やコラム記事を数多く手がけてきた。X:https://x.com/gappo3gappo3
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- 【大会レポート】最年少小学生選手と無冠の帝王が激突!——タイピング日本一を決めるeスポーツ大会「REALFORCE TYPING CHAMPIONSHIP 2025」
- 東プレ主催の国内最大規模の競技タイピング大会「REALFORCE TYPING CHAMPIONSHIP 2025(RTC 2025)」の決勝ステージが4月26日(土)に開催された。▲RTCは2017年から始まり、今年で第6回目の開催となる 総勢9,668名が参加した本大会。予選はウェブ上でタイピング練習が楽しめる「e-typing」を用いて計4回行われ、その中から成績上位者の8名が決勝ステージに選抜される形だ。▲「e-typing」は誰でもプレーできるタイピング練習ができるウェブサイト。期間内なら何度でも予選に挑戦できるというのもRTCならではのレギュレーションだ(https://www.e-typing.ne.jp) 決勝ステージは例年有観客オフライン開催となっているが、今年は競技選手がよりタイピングに集中しやすい環境ということで無観客開催となった。▲会場を盛り上げてくれたのは5名の出演者。左から順に実況解説の篠原光さん、隅野貴裕さん、ゲストの貴島明日香さん、シュウペイさん、寺太勇さん 基本的な競技ルールは下記の通り。特筆すべきはRTC独自ルールの「正確性」だろう。どちらかが正確性95%を下回るかどうかで、戦法も試合展開も全く違ったものになる。タイピングスピードだけでは勝てないのがRTCの妙なのだ。▲トーナメント形式はシングルエリミネーション。正確性によっては速く入力しても負けてしまうことがあるのがRTCの面白いところ。ただ速く入力できればいいという訳ではないのだ 最年少は小学校5年生!個性あふれる8人の選手たち 決勝に進出したのは下記の8名。ベテラン選手から本大会初出場となる期待の若手選手など、個性あふれる選手がそろった。▲決勝ステージのトーナメント表 ▲ゆたゆた選手:小学5年生でありながら優勝候補の一角。今回がRTC初出場だ ▲める選手:若手期待のかな入力戦士。こちらも初出場 ▲まるくん選手:こちらも若手プレーヤー。スピード勝負が得意。RTC初出場となる選手だ ▲Y-i選手:幼い時代から競技タイパーとして活躍したベテラン。3年連続の出場 ▲くわな選手:前回大会2位のベテランタイパー。今大会の優勝候補。『VALORANT』では上位ランク“イモータル2”の実力を持つマルチプレーヤー ▲mulelr選手:大会皆勤賞で上位常連のベテランかな入力使い。今大会の優勝候補 ▲goe選手:前回大会3位でタイピングソフト「寿司打」の3冠王プレーヤー ▲ゆーくん選手:初出場ながら、第2回予選1位に輝いた期待のルーキー そんな強豪ひしめくRTC 2025の大会レポートをお届けしよう。準々決勝:第1試合目から盛り上がりをみせる注目カード 準々決勝となる第1試合から目が離せない対戦カードとなったRTC 2025。特筆すべきは最年少となる小学五年生のゆたゆた選手 vs かな入力の使い手める選手。▲ゆたゆた選手は予選1位通過の優勝候補。対するめる選手は現役の学生でありながら、かな入力の使い手という稀有なプレーヤーである 試合内容は終始ゆたゆた選手が押す形となった。kpm換算(一分間に打ち込む文字数)で1400以上を叩きだす瞬間もあり、実況の篠原さんも思わず舌を巻くような勢いで駆け抜けていく。安定した高速タイピングによってストレート勝ちを決めたゆたゆた選手。今大会が初出場ではあるものの、優勝候補として盤石な雄姿を会場に見せつけた。▲恐ろしいスピードで表示された文章を入力していく両選手。入力が早すぎてお題の文章が読めないレベルだ(https://www.youtube.com/live/7sR6diUkWao?t=1368s) もうひとつ目が離せない対戦カードは第3試合のくわな選手 vs muller選手。両者ともに優勝候補なため、決勝戦と言われてもおかしくないマッチアップである。▲ローマ字入力 vs かな入力という入力方式の違いも注目ポイントだ 先制を獲ったのはくわな選手。RTC独自ルールである正確性を突く形で、かな入力使いのmuller選手を手玉に取った形だ。その後もくわな選手は正確性を重視した戦法を貫き、2本目も連取していく。しかし3ラウンド目ではくわな選手が正確性を崩してしまい、その隙を突いたmuller選手が1本を返す展開に。ここでくわな選手は戦法をシフト。正確性を敢えて捨て、タイピングスピード主体の戦い方に変えていく。▲4ラウンド目から一変したくわな選手に虚を突かれたのはmuller選手か。正確性を無視したノーガードな戦いに翻弄(ほんろう)され、くわな選手に軍配が上がるシーンが増えてきた(https://www.youtube.com/live/7sR6diUkWao?t=4071s) 最終的には4:1でくわな選手が勝利をもぎとったものの、事前予想通りの激しい駆け引きとなった。試合後のインタビューでは「緊張していた割にはお互いに正確性の高い試合が多くて、かなりプレッシャーのかかる内容でした。muller選手が選ぶげんきワード(ワードテーマ)では、かな入力のスピードに歯が立たないと予想していたので、正確性の部分で勝とうという作戦でした」とくわな選手は回答した。くわな選手の柔軟性と、muller選手への対策が光った試合内容となった。なお、第2試合のY-i選手 vs まるくん選手は、途中でY-i選手が返すシーンもあったが4:1でまるくん選手の勝利。第4試合のgoe選手 vs ゆーくん選手は、3、4ラウンドともにデッドヒート。僅差でgoe選手が打ち勝ち、最終的には4:0ストレートで終了となった。▲準々決勝戦後のトーナメント表。上記4名が準決勝戦に駒を進めた 準決勝:三位決定戦までのダイジェスト 準決勝第1試合はゆたゆた選手 vs まるくん選手という初出場同士の対決となった。1500kpmを記録する豪速タイパー同士の戦いは、最終的には4:1でゆたゆた選手が勝利。第2試合は前回大会2位のくわな選手 vs 前回大会3位のgoe選手が激突。第一試合目とは対照的に、正確性も混ぜ合わせた変則的な戦いが繰り広げられ、4:1でくわな選手が勝利した。敗者同士で行われた3位決定戦はルーキー vs ベテラン対決。一体どちらに軍配が上がるのか注目されたマッチアップだったが、いざ始まるとgoe選手が圧巻のパフォーマンスを発揮。まさかの4:0で、goe選手のストレート勝利という結果となった。決勝戦:モンスター小学生と無冠の帝王が躍動 遂にやってきた決勝戦。初出場にて決勝の舞台まで駒を進めたモンスター小学生ゆたゆた選手と、常に優勝候補として奮戦し続けてきた無冠の帝王くわな選手が並び立った。決勝戦はBo9(5本先取)と長丁場な戦いとなるため、より集中力や正確性が求められるのも注目だ。▲全力を出し切りたいと語るゆたゆた選手 ▲今まで超えられなかった決勝戦の壁を越えたいと語るくわな選手 まずは先手を取ったのはゆたゆた選手。シンプルなスピード勝負に持ち込んだことで怒涛の2連取を達成。好調な出だしとなった。▲若さあふれるスピーディーな入力で無冠の帝王に立ちはだかるゆたゆた選手(https://www.youtube.com/live/7sR6diUkWao?t=11285s) このままゆたゆた選手が勝利をもぎ取るのかと思いきや、3ラウンド目になって潮目が変わる。くわな選手の持ち味である柔軟性が発揮され、正確性重視の試合運びにシフトする。スピードは相変わらずの速度を誇っていたゆたゆた選手だが、堅実に95%以上をキープしたくわな選手が徐々に返していく展開に。▲怒濤の追い上げでマッチポイントを迎えたくわな選手。7ラウンド目では今大会最速に近い1569kpmを叩きだすシーンも(https://www.youtube.com/live/7sR6diUkWao?si=GyuwBshab5nPq-3C&t=11981) 結果は5:2と一気にギアを上げたくわな選手の逆転勝利となった。▲3年来の悲願をついに達成したくわな選手。感無量の表情が画面越しからも伝わる 試合終了直後のインタビューでくわな選手は「何も考えられなくて——無我夢中で目の前のワードと向き合っていました」と決勝戦での心情を吐露し「実感が湧いてなくて、不思議な感じです」と自身の優勝に関してもまだ身に沁み切っていない様子だった。興奮冷めやらないとは正にこのことか。身体に溜まり切った熱を放出するかのように、何度も天を仰いでいた。一方で決勝戦については「緊張しました」と語るゆたゆた選手。初出場のRTCに関しても「楽しめた」と返答し、「正確性が少し低いので、もっと正確性を高くする練習をしたいです」と、さっそく現状の改善点と今後の練習内容についてもふれていた。これには解説の隅野さんも「来年が怖いですね」と満面の笑み。将来有望なモンスター小学生。負けてなお天晴れな受け答えであった。くわな選手、ゆたゆた選手のショートインタビューをお届け 最後に、試合を終えた両選手にインタビューを実施したので、その様子をお届けしよう。準優勝:ゆたゆた選手 ショートインタビュー ▲優勝はできなかったものの、晴れやかな表情のゆたゆた選手 ——準優勝おめでとうございます! 今のご気分はいかがですか?ゆたゆた:うれしいです。——初出場で準優勝しましたが、普段は何時間ほど練習をしているのでしょうか。ゆたゆた:あまり意識はしてないですが、いつもは2〜3時間くらいタイピング練習をしてます。土日は多分8時間くらいやっています。——普段の練習ではどのようなソフトを使っているのでしょうか。ゆたゆた:タイピングチューブ、ポップタイピング、打鍵トレーナーなどを使っています。——RTC 2025は素晴らしい結果となりましたが、来年も参加しますか?ゆたゆた:はい、来年も出たいです——ゆたゆた選手、ありがとうございました!優勝 くわな選手 ショートインタビュー ▲優勝トロフィーである黄金のキーボードを掲げるくわな選手 ——優勝おめでとうございます。今大会に向けてどのような練習を実践してきましたか?くわな:大会直前の期間だと、平日は多くても3時間ほど練習していました。休日はなかなか体力も持たないこともあって6時間が限度でした。——競技タイピングを始めたのは大体何歳の頃からでしょうか?くわな:小学校2年生の頃から競技としてタイピングをさわり続けているので、20年ほど続けています。——20年も続けているんですね!大会での優勝経験はRTC2025が初となるのでしょうか。くわな:学生の頃は年齢別タイピング大会で優勝経験などもあったんですけれど、社会人になってからは今回のRTC 2025が初めての優勝になります。——くわな選手自身の強みはどのような所にあると思いますか?くわな:自分の強みは相手を分析して戦い方を変えられることです。普段は『VALORANT』というゲームをプレーしているんですが、そちらの方では相手の弱点を突くようにプレーしているので、そういった思考法をタイピング競技でも応用してます。——今回RTC優勝を達成しましたが、来年以降の目標などはあったりしますか?くわな:実は正直迷っていて……。年齢的にもかなり限界に近付いているので、来年以降についてはまだ決めてはいません。だからこそ今回の優勝はうれしくてたまらなかったですね。——インタビューありがとうございました!まとめ これにてRTC 2025は閉幕となった。振り返ってみると今期のRTCは、転換点ともいえる大会だったかもしれない。RCTといってまず思い浮かぶ選手は4連覇を達成したmiri選手、そして2024年度に優勝した三八木選手だろう。これらの歴代チャンピオンがRTC 2025では不参加となってしまったのだが、だからこそ初出場者だらけの新風吹き荒れるRTCになったともいえる。また今回は一般向けの観戦者を入れずにスタジオ内で大会を開催した。こういった形式も今までのRTCとは異なっている。よりフォーマルな大会として、番組制作を意識した座組になっているといえよう。そして途中のエキシビションマッチもしかり、猫麦とろろさんの登場もしかり、より広い層に大会の面白さを伝えたいという制作側の強い想いを感じる。RTCも時勢の波に合わせて変化・進化していくしかない。そういった意味では今年のRTCはまず間違いなく成功した年なのではないだろうか。こうなってくると来年のRTCにも同様の期待を抱かざるを得ない。どういった変化をもってタイピング競技の裾野を広げ、拡張していくのか。来年もまた注目の年になりそうだ。【番外編】裾野を広げるエキシビションマッチ実は本大会ではゲスト同士がタイピングで戦うエキシビションマッチも開催された。選手たちのすごさやタイピングの面白さを実感するために、司会陣4人が肌を脱いだ形だ。こういった大会で司会陣全員がプレーヤーとして参加するのはなかなか珍しい試みかもしれないが、RTCの裾野を広げる上では重要な試みともいえる。▲スペシャルマッチとしてしっかりとトーナメント形式で実施されたエキシビションマッチ(https://www.youtube.com/live/7sR6diUkWao?t=7811s) ちなみに解説の隅野さんは別格の存在なので、このエキシビションマッチではプレーヤーとしては参加せず解説に徹した。▲観戦枠には特別ゲストとしてVTuberの猫麦とろろさんも参加 観戦者からの野次にたじたじな様子の篠原さんだったが、どうにか優勝。終始和やかな雰囲気の中、エキシビションマッチは終了した。▲決勝戦はタイピング歴のある貴島明日香さんと篠原さんの対決。試合中ヤジが飛ぶという前代未聞の環境に篠原さんもたじたじ。こういった遊び心があるのもエキシビションマッチならでは(https://www.youtube.com/live/7sR6diUkWao?t=8852s) 試合中に「なぜテレビ局を辞めたのですか?」という野次には動揺を隠せず「それっ、結構クリティカルなやつっ!」と思わず言葉に詰まったシーンも(笑)。こういった遊び心を持ちつつも、知名度向上にも目を向けているのがRTC 2025のスタイルだ。 ■関連リンクREALFORCE TYPING CHAMPIONSHIP 2025 アーカイブ:https://www.youtube.com/live/7sR6diUkWao?si=TzzR-LfyQW9f-2VLREALFORCE 公式ウェブサイト:https://www.realforce.co.jpREALFORCE 公式X:https://x.com/TOPRE_REALFORCE撮影:gappo3編集:いのかわゆうgappo3 プロフィール『オーバーウォッチ 2』のプロリーグ「Overwatch League」公式日本語配信の解説担当。初代『オーバーウォッチ』にて創設されたプロゲーミングチーム「Green Leaves」での活動を基盤に、2017年からライター業を開始。eスポーツ中心のインタビュー記事やコラム記事を数多く手がけてきた。X:https://x.com/gappo3gappo3
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- 【結果速報 5月18日】「Asian Champions League 2025」優勝はときど! 2位のひぐち、3位のもけがEWC出場権獲得!
- 中国・上海で開催中の「Asian Champions League 2025」ストリートファイター6部門のDAY2が2025年5月18日(日)に開催され、ときど選手(REJECT ROATZ!)がひぐち選手(ZETA DIVISION)を3-1で下し優勝を果たした。「Asian Champions League 2025」はDreamHack Shanghai内で行われたeスポーツ大会。上位2名まで「Esports World Cup」への出場権もかかっている。18日(日)はトップ8によるダブルエリミネーショントーナメントが行われ、ウイナーズサイドから勝ち続けたときど選手が優勝を果たした。なお、「EWC」への出場権は上位2名までだが、ときど選手は「CAPCOM CUP 11」の戦績によりすでに出場権を持っていることから、2位のひぐち選手に加えて、3位のもけ選手が繰り下がりで出場権を獲得することとなった。Asian Champions League 2025 ストリートファイター6部門 最終結果 順位 選手(チーム) 賞金・賞品 優勝 ときど(REJECT RHOATZ!) 3万ドル 2位 ひぐち(ZETA DIVISION) 6000ドル+EWC出場権 3位 もけ(FAV gaming) 4500ドル+EWC出場権 4位 Jr.(RIDDLE ORDER) 3000ドル 5位 Rainpro 1800ドル 5位 ヒカル(ZETA DIVISION) 1800ドル 7位 CABA(BANDITS) 450ドル 7位 やまぐち(ZETA DIVISION) 450ドル ※ときど選手はEWC出場権を獲得しているため、権利が繰り下がって適用された ©CAPCOM■配信URLDay1 日本時間 5月17日(土)11:45~YouTube:https://youtube.com/live/NlXfEdieKoQTwitch:https://www.twitch.tv/capcomfighters_jpDay2(決勝) 日本時間 5月18日(日)11:45~YouTube:https://youtube.com/live/2h701TmYy80Twitch:https://www.twitch.tv/capcomfighters_jp※大会の進行状況によっては配信開始時間が前後する可能性あり【リンク】START.GG:https://www.start.gg/tournament/hero-esports-asian-champions-league-2/event/street-fighter-6-ewc-qualifier/overviewACL ストリートファイター6 トーナメントルール:https://www.esportsacl.com/rule-regulations?id=1000023&type=0DreamHack Shanghai:https://dreamhack.com/dreamhack-shanghai/