ライターのMW岩井といいます。

この記事では、僕が一番好きなゲーム『モンスターハンター』の思い出を、自分が体験した目線で語らせていただきます。

『モンスターハンター ポータブル 2nd G』(2008年発売)

初めて『モンハン』に触れたのは、2008年発売の『MHP2G』です。以前から「面白い」と評判になっていたのは知っていながら、廉価版(2009年)が発売されたタイミングで初めて購入。

僕自身、ゲームの腕前はそれなりに自信があったことに加えて、ゲームがそれほど上手くはなかった女性の友人が楽しんでいたを見て「自分なら余裕かな」と油断していたのです。

友人にもコツや攻略を聞かず、攻略本も攻略サイトも見ずに「腕前があれば、どうにかなるでしょ」と進めていたものの、どうにもならなかった涙の記憶。

『モンハン』初体験だった僕には「素材集め」という概念がなかったので、CLEARマークがついたクエストは二度とプレイしないでいたら、いつまで経っても武器や防具が作れず。ほぼ初期装備のまま村クエスト★9「地獄からきた兄弟」へ挑むも、ついに断念。

凄く嫌な後味を残しつつ、それ以来はマルチプレイどころかソフトを起動することすらしなくなった、涙の記憶です。

モンスターハンター3(トライ)』(2009年発売)

前作の反省を活かし、『モンハン』に詳しい元同僚に色々と教わりながらスタート。『MHP2G』とは異なり、利用料(30日で800円)を支払えばネット経由の協力プレイができたので、帰宅後は同僚たちと深夜までプレイする日々。

そんなある日、いよいよ村の最終クエスト「モガの村を救え!」へ挑戦。不慣れな操作、足りない知識、そして折れそうなメンタルを抱えながら、ナバルデウスへと振り下ろす剣。

そして始まる、初めての『モンハン』エンディング。長時間に渡る『モンハン』への挑戦の、ひとつの結末。この後、僕は知ることになるのです。『モンハン』におけるエンディングは、そこから始まる、友人たちとの協力プレイの始まりなんだと。

 

結局、クリア後もたくさん同僚や友人たちと遊び、欲しい素材がなくなってもなおオンラインへ接続していた目的は、テキストチャットのためでした。面と向かっては言えない相談事や愚痴など、お互いが疲れ果てている深夜のトーンだからこそ話せる環境。あれはあれで貴重な「場」だったと思っています。

『モンスターハンターポータブル 3rd』(2010年発売)

『MH3』クリア経験という自信がついた僕でしたが、その慢心を打ち砕いてくれたのが、『モンスターハンターポータブル 3rd』のジンオウガという存在。まだ武器も防具も万全ではない状態のまま、動きがよくわからないモンスターに対して、ヒット&アウェイ。

何度も支給品ボックスの中を覗いたり、フィールドのアイテムを採取するなどして、挑み続けた50分。本当に時間ギリギリで倒した時の歓喜の感情は、今も忘れません。

販売本数も相当あったソフトなので、身の回りのゲーム好きたちは持っていて当たり前。友達の友達も招き、会社帰りに中華料理屋を貸し切って「狩会」も頻繁に開催するようになりました。

 

この時に増えた友人たちの中には、今や一番の親友になった方もいらっしゃいます。縁って、わからないものですね。

『モンスターハンター3(トライ)G』(2011年発売)

『MH3』や『MHP3』に登場したモンスターの亜種がたくさん登場し、狩猟できるモンスターの数がかなり増えた本作。中でもインパクトがあったのは、水中闘技場で闘うことになるラギアクルス希少種。

水中で不気味に青白く光る雷光。ただですら操作が難しい水中で、通常のラギアクルスよりも巨大な希少種との戦闘。必然的に緊張感は高まり、誰しも3DSを握る手は発汗量が増えていたはず。

 

人によっては、『ジョジョの奇妙な冒険』とコラボしたイベントクエスト「黒曜石は砕けない」に登場した、超強力なブラキディオスの方が印象に残っているかもしれません。パーティプレイで討伐はしたものの「絶対に一人で倒してやる」と意気込んで何度も挑みましたが、結局討伐できないまま…という悔しさも含めて、想い出深いです。

今改めて振り返ってみると、実際にゲーム機を持ち寄らないと協力プレイができなかったこのソフトが、平日夜や休日に仲間と集まる楽しみもあって、今のところ過去で一番楽しかった『モンハン』です。

『モンスターハンター4』(2013年発売)

それまで地面を歩き回っていたハンターが、段差に向かって走るとジャンプでき、ジャンプ中にモンスターへ攻撃を当てると「乗り」ができるという新しいシステムを採用した作品。相対的に麻痺や気絶の重要度が下がり、ハンマー使いの皆さんがお怒りになっていたのを覚えています。

登場モンスターは『MH3G』からドスジャギィやブラキディオス、イビルジョー。『MHP3』からはウルクススとジンオウガなど、『MH3』系統からの続投モンスターに加えて、『MHP2G』からもフルフルやティガレックス、アカムトルム、キリンといった人気モンスターが登場すると聞いて、いったんは『モンハン』を離れていた狩人たちも復帰してきたこともあり、プレイヤー人口はかなりのものに。電車の中でもプレイしている狩人をよく見かけて、ローカル通信で相手のゲームに参加することも何度か……。

 

また、携帯用ゲーム機版『モンハン』としては、追加料金なしでインターネット経由による協力プレイができるようになった作品。Twitterで狩友を募集して、見知らぬネット友達と共にフィールドを駆け回りました。

『モンスターハンター4G』(2014年発売)

『モンスターハンター4』の上位版。「ギルドクエスト」という自動生成クエストは本作へも引き継がれました。もっとも報酬(高性能な発掘武器)が出現すると言われていた「レベル140の2頭クエストで、右側にラージャンがいるもの」を探す、通称「右ラー」を追い求めるハンターが続出。

「いま使っている武器よりも、少しでも高性能なものを」探し求める飽くなき欲求がプレイ時間を引き伸ばし、1,000時間プレイヤーが珍しくなくなったのも今作の特徴です。

 

またシリーズで初めて「自分がダウンしたとき、操作をしなければ無敵(ダウン)状態を延長できる」というシステムが搭載され、「自分の起き上がりを狙ってモンスターが攻撃してくる」悩みが改善。上手い人が、より生き残れるというシステムは、アクションゲームとして『モンハン』を遊んでいる人にとって、練習し甲斐のあるゲームになっていきました。

『モンスターハンタークロス』(2015年発売)

個人的な印象では『MH4』をベースに、各武器に対して4つの「狩猟スタイル」を選べるようになった今作。人気だったのは、段差がない場所でもジャンプ攻撃を繰り出せる「エリアルスタイル」と、モンスターの攻撃をぎりぎりで回避できると反撃しやすくなる「ブシドースタイル」。僕は、大剣でエリアルスタイルを選び、積極的に乗りを狙っていました。

また、タッチパネルに触れるだけで発動できる必殺技「狩技」を実装した最初の作品。無敵状態のまま走り抜けたり、体力が一定時間回復するといったディフェンシブなものから、武器ごとに用意されたオフェンシブなものまで、「自分の好みや腕前に応じて」狩技を選べるというカスタマイズ要素が楽しくて。「どのスタイルを使ってます?」「その狩技、強いですか?」など、会話が弾んだシリーズでもあります。

『モンスターハンターダブルクロス』(2017年発売)

『MHX』の上位版という位置づけの本作。「超特殊許可クエスト」という超難易度クエストをすべてクリアすると、集会所では自分のキャラクターの上に王冠が表示されるため、自分の腕前をアピールしたい人は積極的に「超特殊許可クエスト」へ挑み、散っていった印象。

一方で、『MHX』から追加された「ニャンター」というシステムがさらに強化されたため、アクションゲームが苦手な人でもクエストへ同行させ、クリア扱いにしてあげるという初心者救済システムがあったので、友人たちの素材集めが捗りました。

 

なお『MHXX』から新規追加された「ハンターコール」は、近くで同じソフトを起動している人に対して「こちらの集会所へ来ませんか?」とお誘いを出すシステム。このシステムを有効活用した人が何人いたかはわかりませんが、見知らぬ人に「一緒に遊びませんか?」と言いづらい、シャイな狩人の味方になってくれたはずです。

『モンスターハンター:ワールド』(2018年発売)

過去作に較べてシステムが親切に、グラフィックは過去最高に強化された新生『モンハン』。全世界同時発売だったこともあり、ボイスチャットをするとほとんどの場合、外国の方と会話することになったのも印象深いです。

でも、思い出深い事件は2つ。一つ目は、GWから配信された「マム・タロト」。これまで『MH:W』は一人で遊べばモンスターの体力も2.6分の1程度に減っていたものの、マム・タロトは1人だろうが4人だろうが、モンスターの体力は同じ。しかも、同じ集会所に最大16人いたほうが効率がいい…というシステムを採用したので、誰もが新しい狩友を探して、Twitterでパートナーを探していました。

 

もう一つは、ソフトの発売から約半年後に配信された、『ファイナルファンタジーXIV』コラボのイベントクエスト「極ベヒーモス討滅戦」。それまで、難しいとは言っても4人中3人が頑張ればどうにか倒せるような難易度のモンスターが大半だった中、颯爽と登場した「即死級の攻撃」を持つモンスター。

 

「サークル」という仕組みで、気の合う仲間が集って遊んでいた本作でしたが、極ベヒーモスの登場により、殺伐とした空気になるサークルが多数。しかも、自分も一緒極ベヒーモスを討伐しないと、専用武器や防具(しかも格好いい!)が生産できないばかりか、ギルドカード(プロフィールカードのようなもの)に載せられる称号「光の戦士」も入手できないとあって、「欲しい」「クリアできない」という声がネットに溢れました。

 

「サークル内で一番上手い●●さんなら倒してくれるはず」「…う、うん…」などはまだ可愛い方で、成功すれば自分の手柄だけど、失敗したら仲間のせい…というジャイアニズムを発揮するハンターも多数。こうして、いくつものサークルが空中分解に追い込まれていったのです。

あの荒波を乗り越えたサークルの皆さんは、さぞかし強固な結束力をお持ちか、お上手な人が揃っていたのではないでしょうか。

『モンスターハンターワールド:アイスボーン』(2019年発売)

『MH:W』発売から1年半後に発売された、大型の有料アップデート。新たなフィールド、新たなモンスターを多数追加し、一度はプレイから離れていたハンターたちを引き戻すのに十分な魅力を持っていました。

 

中でも特徴的だったのは、ソフトの発売から10ヶ月後に配信された、新モンスターのアルバトリオン。『MH3/G』シリーズのラスボス的なポジションのモンスターなので、登場が発表された時には多くのハンターたちが大喜び。ですが、その歓喜の声はすぐに、阿鼻叫喚へと変わることになりました。そう、アルバトリオンは前作における極ベヒーモスと同様の、かなりの強敵だったのです。

 

そもそも、このモンスターは他のモンスターとは「倒すためのお作法」が違っていたのです。Twitterなど、SNS全盛期の現在において、みんなで試行錯誤を行い、正解らしきものを実施する…という作業は、本当に今の時代らしい攻略のやり方でした。

しかも、アルバトリオンは日替わりで初期属性が変わるという「日付」の概念があったのも特徴的でした。このため「自分は火属性スタート用の装備しか持っていないから…」など、挑戦できる日が限られているという楽しみも与えてくれました。

そして『モンスターハンターライズ』へ

そして現在。僕をはじめとするハンターの仲間たちは、3月26日に発売する『ライズ』のため、着々と準備を始めています。公式Twitterなどから発せられる情報に一喜一憂したり、インタビュー記事が掲載されたら飛びついて熟読したり。

 

少しでも操作しやすいコントローラを今のうちから探しておこうとか、ボイスチャット機能がない『ライズ』でボイスチャットをするためにはDiscordとClubHouseのどちらを使おうかとか。こんな準備期間を楽しめているのも、すべて『モンスターハンター』最新作が楽しみ過ぎるからに他なりません。

さて、今作ではどんなドラマが生み出されることやら。

 

モンスターハンターライズ公式サイト:https://www.capcom.co.jp/monsterhunter/rise/

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