【レポート】絶対王者の意地を見せた「VALORANT Champions Tour Stage2 Week1 Main Event」。強豪アマチュアチームも続々登場!
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「VALORANT Champions Tour」とはVALORANT世界王者を決める大会でChallengers・Masters・Championsの3段階で構成されている。
地域大会Challengersとその勝者が出場する国際大会Mastersが全3回にわたって開催。そこで成績上位のチームがVALORANT初代チャンピオンを決める大会Championsへの出場権を獲得する。
そして、4月3日から開催されたVALORANT Champions Tour Stage2ではMastersに出場する1チームを決める戦いが行われる。Stage1は新型コロナウイルスの影響で地域内限定での開催となったMastersだがStage2では、アイスランドでの開催が予定されており、期待が高まっている。
Week1の10日(土)・11日(日)にはMain Eventが開催され、実況/解説は岸大河さん・yueさん・yukishiroさんの3名が務めた。Day1ではLag Gaming・NORTHEPTION・SCARZ・思考行結、そしてDay2ではAbsolute Jupiter・Crazy Raccoon・Feeling・チーム探してますがFinalに進む4チームを決める戦いに臨んだ。
またMain Eventからは新たなパッチノートが適用され、バッキーの弱体化やヴァイパーの強化が入り、各チームがどのような戦術をとるか注目が集まった。
マッチレポート Day1
まずはDay1。各グループごと試合の見どころをレポートしていこう。
思考行結(SK) vs Lag Gaming(Lag)
Open Qualifierを無敗で勝ち上がった両チームの対戦。1st mapのバインドでは構成を大幅変更したLagのFlax選手が30キルの大活躍。11-13ともつれた試合を見事に取りきった。

▲リーチに繋がるラウンドで見事なアビリティの使い方を見せたFlax選手。今大会まであまり使用してこなかったレイズだが、高い理解度を示した
ただ2nd mapではSKのA1tman選手がパッチノートで強化されたヴァイパーを採用。練度の高さで相手に流れを渡さず思考行結が13-9で勝利した。

▲アビリティをうまく使いLagを苦しめたA1tman選手。クラッチプレイも見せて、新たなパッチノートでのヴァイパーの強さを存分に見せつけた

▲見事なクラッチプレイを見せたArmy選手。要所での活躍が目立ち流れを相手に渡さなかった
インタビューでFlax選手が「ヴァイパーのプレッシャーがやりにくさに繋がった」と答えておりパッチノートの影響がさっそくうかがえた試合内容だった。
SCARZ(SZ) vs NORTHEPTION(Nth)
ロスター変更直後にもかかわらずREJECTを下して勝ち上がったSZと、FAV gamingを抑えてMain Eventに進出したNthの注目の対決。
1st mapではスプリットに向けて対策を講じてきたSZがラウンドを連取。Nthも後半にかけてラウンドを取り返すが、序盤のラウンド差が響き、13-8でSZが勝利した。

▲marin選手の見事なクラッチプレイ。珍しいレイナピックだったが撃ち合いの強さで存分に強さを示した
続くヘイヴンではSZのセットアップを撃ち合いでNthが打開。SZもラウンドを取り返すが、20・21ラウンド目の連続クラッチなど個人の打開力を示したNthが新生SZに黒星を付けた。

▲フェイクの選手に対してブレイドストームで2キル獲得するseoldom選手。SZの細かな戦術に対してフィジカルで対応した

▲終盤のリーチがかかった場面でクラッチプレイを見せたAstell選手。勝負所でも強気に撃ち合いに行く姿勢が見られた
お互いのピックマップを取り合う展開となった両チーム。SZのmarin選手はインタビューで「息が合わないシーンが多かった。大会の緊張感に慣れてない」と新生チームならではの反省点を語った。
思考行結(SK) vs SCARZ(SZ)
連戦となるSZが次に戦うのは勢いに乗るSK。ヴァイパーを両チームがピックした1st mapでは前半に大きなラウンド差をつけたSZが13-10で勝利。

▲前半最終ラウンドで1vs3のクラッチプレイを見せたRyota選手。アイスボックスでのセージの運用方法をかなり研究していた

▲追い込まれた状況でブレイドストームを生かして1vs3クラッチを見せたMerRy選手。試合には敗北したが随所で輝きを見せた。
勢いそのままに2nd mapではAde選手がエースを達成すると、marin選手のオペレーターでゲームを支配。5-13で大事な試合に勝利した。

▲チームに勢いをつけるエースを見せたAde選手。Stage2の配信試合では初となるエースは視聴者を大いに沸かせた
実況の岸さんが「のびのびとプレーしていた」と語るほど高い完成度を見せたSZ。インタビューではRyota選手は「コミュニケーションを突き詰めた」と語り、1試合目からの修正が機能した形となった。
Lag Gaming(Lag) vs NORTHEPTION(Nth)
新進気鋭のLagとNthの対戦。この試合で視聴者を魅了したのがSeoldam選手。1st mapではブレイドストームでのエースを達成しフィジカルでLagを圧倒。

▲ブレイドストームでACEを見せたSeoldam選手。アジアNo.1ジェットとも言われる実力をいかんなく発揮した
さらに2nd mapのバインドではSugarZ3ro選手が、この日初ピックのアストラで視聴者を驚かせた。試合は積極的に撃ち合いに挑んだNthがこの重要な試合を8-13で取り、グループ突破に大きく前進した。

▲Seoldam選手がスカイをピックするなど、これまでにない構成を見せて視聴者を驚かせたNth

▲最初のラウンドでエースを達成したSugarZ3ro選手。この日初となるアストラピックだったが見事なアビリティの使い方を見せた
アストラについて「スモークが欲しいタイミングですぐにたくことができる」と語ったAstell選手。またSugerZ3ro選手も「かなりのスクリムをこなしてきた」と運用に自信をのぞかせた。
思考行結(SK) vs NORTHEPTION(Nth)
グループAで台風の目となったNthと後がないSKの対戦カード。この日絶好調のSeoldam選手が縦横無尽なエントリーで翻弄。

▲ジェットのアビリティを駆使し、さまざまなエントリーの形を見せたSeoldam選手。積極的に前に出て撃ち合いに臨んだ
1st mapに2-13で勝利すると、続く2nd mapでも前半を12-0と思考行結に1本も取らせなかったNthが圧倒的なフィジカルでグループ突破。
Astell選手は「油断せずに優勝を目指して頑張る」とコメントしたが、その可能性を十分に感じさせる試合内容だった。
Lag Gaming(Lag) vs SCARZ(SZ)
グループAの残り1枠を掛けたLagとSZの一戦。ラウンドを取り合う意地のぶつかり合いで先に王手をかけたのはLagだが、SZが土壇場で追いつきオーバータイム(OT)の末に14-16の長期戦を制した。

▲追い込まれた状況のエコラウンドを勝利するSZ。ヴァイパーズピットをうまく使いサイトに侵入した
ただ2週間後に向けていいイメージで終えたいLagも2nd mapで意地を見せ、2度目のOTの末に意地を見せたLAGが15-13で勝利した。

▲オペレーターとブレイドストームで積極的にキルを取りに行ったBazzi選手
見事2位でグループ突破を決定させたSZだが、marin選手は「メインイベントに向けて調整が必要」と語り、Finalsに向けてさらなる成長に期待したい。
マッチレポート Day2
続けてDay2。絶対王者のAbsolute Jupiterと、新王者のCrazy Raccoonの再戦が行われた試合にも注目だ。
チーム探してます(TS) vs Feeling(FEL)
Open Qualifierで強敵を打ち破り勝ち上がった両チーム。序盤に9ラウンドを連取したチーム探してますがそのまま差をつけて1st mapを勝利。ただ2nd mapでは、一転してFELが前半で10-2と大量リード。後半一度もラウンドを取られることなく、2-13でこの試合を引き分けに持ち込んだ。

▲2nd mapでKDA5.8を叩き出したお散歩ジェット。安定した立ち回りと撃ち合いの強さで圧巻のプレーを見せた
Crazy Raccoon(CR) vs Absolute Jupiter(JUP)
Stage1決勝の再戦が早くも実現。JUPはLaz選手がフェニックス、CRはZepher選手がスカイと両チーム大きく構成を変えての一戦となった。試合は序盤こそラウンドの取り合いになったが、JUPがさらに進化した連携の高さを見せて勝利。

▲Stage1からピックを変更してきた両チーム。特にZepher選手のスカイピックは視聴者を驚かせた
2nd mapのアセントでも前回で苦しめられたneth選手のオペレーターに柔軟に対応し、前回王者にリベンジを果たした。

▲CR相手にエースを達成するtakej選手。Stage1の決勝では結果を残せなかったが、この日は本来のパフォーマンスを発揮
Laz選手は「CRとは後々あたることになる。そっちがメイン」と語っていたが、各選手がCRとのリベンジしたことへの安堵を口にしていた。
チーム探してます(TS) vs Crazy Raccoon(CR)
JUPとの一戦を落とし、グループ突破に黄信号がともったCRだが、TS相手に圧巻のプレーを披露。1st mapの後半からわずか2ラウンドしか落とさずに5-13、2-13で王者の貫録を見せた。

▲一戦目の悔しさを晴らす素晴らしいプレーを見せたneth選手。誰もが認める日本一のレイズ使いがチームを牽引した
ただインタビューでrion選手は「この試合はやりたい事ができたが、1試合目のJUP戦は反省点が多い」と話し、チームとして修正すべき点が多いことを明かしていた。
Feeling(FEL) vs Absolute Jupiter(JUP)
下馬評通りJUPがスキのない試合展開で1st mapを取得したが、2nd mapではFELが意地を見せる。特に活躍したのがArt選手のオーディン。固定砲台のように弾幕を張り攻守でチームに貢献。惜しくも11-13で敗れたFELだが多くの視聴者がこの日のベストバウトに挙げる試合を見せた。

▲JUP相手にキルを量産したArt選手のオーディン。武器の強さを生かした立ち回りでJUPを苦しめた
チーム探してます(TS) vs Absolute Jupiter(JUP)
グループ突破に向けて後がないTSの前に立ちふさがったのはJUPのLaz選手。圧倒的なフィジカルでキルを重ね、ウルトと合わせたエントリーでTSを苦しめた。

▲デュエリスト採用でさらに脅威が増したLaz選手。ウルトを積極的に使い、特にエントリー面で貢献した
後がないTSも意地を見せたかったが、JUPの高い壁に敗北。グループステージの敗退が決定した。「今までの試合で一番楽しかった」と語ったLaz選手。「ここからが本番」と語っていたが、王座奪還に向けて最高の仕上がりを見せた3試合だったといえるだろう。
Feeling(FEL) vs Crazy Raccoon(CR)
グループ突破の残り1枠を掛けた試合は両チームラウンドを取り合う互角の勝負。ただ、後半からFELの動きに対応したCRが勝利し王者の貫禄を見せ、2位通過を確定させた。

▲ブラストパックでエントリーしながら、空中で敵を倒したneth選手。間違いなくこの日一番のプレーだろう
また、消化試合となった2nd mapではCRの選手がこれまでピックしなかったエージェントを選択し、視聴者を沸かせた。

▲消化試合のため「自分が一番好きなキャラクター」と語るヨルをピックしたZepher選手。ただ「最後のラウンドにはふれないでほしい」と語るほどのミスをしてしまい、実況/解説の笑いを誘った
グループ突破は決めたもののneth選手が「悔しい」と語る通り、JUPにリベンジを果たされたCR。Challenge FinalでのJUPとの再戦に期待したい。またグループ敗退とはなったがJUP・CR相手に接戦を見せたFELへの期待も高まる1日となった。
まとめ
熾烈な戦いを繰り広げChallenge Final進出を決めたのはNORTHEPTION・SCARZ・Absolute Jupiter・Crazy Raccoonの4チーム。Stage1から構成を大きく変えるチームも多く見られたこの2日間。パッチノートの変更によるバッキーの減少・ヴァイパーの採用などStage1では見られなかった環境の変化が生まれたのも印象的だった。今回惜しくも敗退したチームも来週の活躍に期待したい。
配信アーカイブ:
VCT Stage 2 - Challengers JAPAN Week 1 Main Event Day 1
https://www.mildom.com/playback/12287123/12287123-c1ofopd2lrnch6bk91ag
VCT Stage 2 - Challengers JAPAN Week 1 Main Event Day 2:
https://www.mildom.com/playback/12287123/12287123-c1p4as52lrn95a06cm9g
VALORANT Champions Tour Stage2 公式:
https://valorantesports.tokyo/index.html
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