VALORANT初代地域チャンピオンを決める大会「VALORANT Champions Tour Stage2」が2021年4月3日(土)から開催された。
「VALORANT Champions Tour」とはVALORANT世界王者を決める大会でChallengers・Masters・Championsの3段階で構成されている。
地域大会Challengersとその勝者が出場する国際大会Mastersが全3回にわたって開催。そこで成績上位のチームがVALORANT初代チャンピオンを決める大会Championsへの出場権を獲得する。
そして、4月3日(土)から開催されたVALORANT Champions Tour Stage2ではMastersに出場する1チームを決める戦いが行われる。Stage1は新型コロナウイルスの影響で地域内限定での開催となったMastersだがStage2ではアイスランドでの開催が予定されており、期待が高まっている。
17日(土)にはWeek2 Open Qualifierが開催され、実況/解説の岸大河さん・リーゼフェルトさん・Yukishiroさんの3名が見守る中、4グループ23チームが来週のMain Event進出をかけた戦いが行われた。
それでは各試合の見どころをレポートしていこう。
昨年のFirstStrikeでは準優勝を果たしたものの、今年に入ってから苦戦を強いられているBBI。Main Eventに向けて確実に勝利したいこの一戦でひときわ輝いたのがoitaN選手(BBI)。撃ち合いの強さとキルジョイのアビリティを生かした堅い守りでチームを支えた。LFTもkataribe選手(LFT)・PenKim選手(LFT)のデュエリストコンビを中心に粘りを見せるが、31キルと圧倒的な戦績を残したoitaN選手がBBIを勝利に導いた。

モク抜きについて「自分でもびっくりした」と語るoitaN選手。poem選手いわく「この2週間で一から全部見直した」BBIの躍進に期待したい。
Week1で突破こそならなかったが、強豪相手に善戦を見せたiXAはアセントでCRNと対戦。iXAは先週同様Affe選手(iXA)がアストラをピックする独自の構成を採用した。しかし試合は対策を講じていたCRNが前半ラウンドで1-11と大差をつける展開に。ファーストブラッドとカバーの速さでiXAを上回ったCRNが1-13で勝利した。

Serment選手(CRN)はアストラに対して「フェイクを掛けてアビリティを使わす」などの対策を練ってきたと語った。チーム発足から間もないCRNがグループ突破に向けて貴重な一勝をつかみ取った。
先週のOpen Qualifierで王者Crazy Raccon相手に善戦を見せたFAに対するは元プロなど粒ぞろいのメンバーが集まるNC。試合はIGLのEROC選手(FA)の下、個々が積極的に撃ち合いに行くリード。後半に入りラウンド差を縮めたNCだったが、Tfy選手(FA)・SepiaMars選手(FA)が2人で60キルを叩き出す活躍で勝利に導いた。

「FAのため突き詰められない部分もあったが前半はいいところが出た」とEROC選手が語る通り、先週からより進化した姿を見せたFA。一方のNCはチームとしての練度の差で敗れ、グループ突破が遠のいた。
これまで多くの強豪を倒して力をつけてきたチーム同士の対戦。先週は苦しい試合が多かったNVGだったが、この試合では新加入のDualing選手も含めて練度の高さを披露。Anthem選手(FG)のサイファー採用などの構成変更を行ってきたFGとの接戦を制して、大事な一戦に勝利した。

「Week1ではまだ合わせうまくいかなかったため、Dualing選手にスカイをピックしてもらい攻撃的に動いた」と語ったKamuro選手(NVG)。先週の悔しい思いを胸に這い上がってきたNVGがFGとのライバル対決を制した。
『VALORANT』リリース後から多くの大会に出場してきたチーム同士の対戦。結果の欲しい両チームだが試合をリードしたのはGTS。解説のYukishiroさんが「撃ち合い方がうまかった」と語るようにフィジカル面でSBLを上回ったGTSが試合をリードした。SBLはファーストブラッドを取られる展開が続き、2-13で敗れた。

「チーム全員が好調だった」と話したhiroronn選手(GTS)。比較的若いメンバーで構成されているGTSの今後の伸びにも期待したい内容となった。
グループ突破がかかった重要な試合をリードしたのはFL。CLZ選手(FL)のヴァイパー採用などスプリットに向けて構成を大きく変えたFLが序盤からゲームを支配した。マップの理解度が劣ったSGは後半ラウンドでわずか一本しか取れずに敗戦。惜しくもグループ突破を逃す結果に終わった。
SG相手に完璧な試合展開を見せたFL。2zzy選手(FL)が「ヴァイパーが刺さった」と話す通り手ごたえを感じる試合内容だったようだ。

勝利したチームがグループ突破となる重要な試合。解説のYukishiroさんが「DNGと相性がいい」と話す通り、持ち前のフィジカルに加えてチームの連携を高めてきたRCが前半ラウンドを7-5で折り返す。DNGも意地を見せるが、これまでのDep選手(RC)・Hare選手(RC)を中心とした戦いから五人の連携をより意識した戦いに進化したRCがDNGに勝利。最終戦でグループ突破を決めた。

「最近は対応力を意識している」とDep選手が話した通り、先週からさらに一回り進化した姿を見せたRC。来週のMain Eventに期待が持てる内容となった。
Week2 Open Qualifierを突破したのはNovagis Gaming・FAV Gaming・FENNEL・REJECTの4チーム。 過去の大会で結果を残してきたBlackBird Ignis・First Gaming・DetonatioN Gamingが敗退するなど、勢力図の変化を感じる結果となった。
来週の組分けは以下の通り。Playoffsに進出する残り4チームをかけた戦いから目が離せない。


配信アーカイブ:
VCT Stage 2 - Challengers JAPAN Week 2 Open Qualifier
https://www.mildom.com/playback/12287123/12287123-c1t6svlaks9b7mh3jlfg
VALORANT Champions Tour Stage2 公式:
https://valorantesports.tokyo/index.html
「VALORANT Champions Tour」とはVALORANT世界王者を決める大会でChallengers・Masters・Championsの3段階で構成されている。
地域大会Challengersとその勝者が出場する国際大会Mastersが全3回にわたって開催。そこで成績上位のチームがVALORANT初代チャンピオンを決める大会Championsへの出場権を獲得する。
そして、4月3日(土)から開催されたVALORANT Champions Tour Stage2ではMastersに出場する1チームを決める戦いが行われる。Stage1は新型コロナウイルスの影響で地域内限定での開催となったMastersだがStage2ではアイスランドでの開催が予定されており、期待が高まっている。
17日(土)にはWeek2 Open Qualifierが開催され、実況/解説の岸大河さん・リーゼフェルトさん・Yukishiroさんの3名が見守る中、4グループ23チームが来週のMain Event進出をかけた戦いが行われた。
マッチレポート
それでは各試合の見どころをレポートしていこう。
BlackBird Ignis(BBI) vs LFT
昨年のFirstStrikeでは準優勝を果たしたものの、今年に入ってから苦戦を強いられているBBI。Main Eventに向けて確実に勝利したいこの一戦でひときわ輝いたのがoitaN選手(BBI)。撃ち合いの強さとキルジョイのアビリティを生かした堅い守りでチームを支えた。LFTもkataribe選手(LFT)・PenKim選手(LFT)のデュエリストコンビを中心に粘りを見せるが、31キルと圧倒的な戦績を残したoitaN選手がBBIを勝利に導いた。

▲モク抜きと壁抜きを連続で見せて実況/解説を沸かしたoitaN選手。poem選手(BBI)も「oitanが強かった」と語るほどの圧巻のプレイだった
モク抜きについて「自分でもびっくりした」と語るoitaN選手。poem選手いわく「この2週間で一から全部見直した」BBIの躍進に期待したい。
iXA vs Criterion(CRN)
Week1で突破こそならなかったが、強豪相手に善戦を見せたiXAはアセントでCRNと対戦。iXAは先週同様Affe選手(iXA)がアストラをピックする独自の構成を採用した。しかし試合は対策を講じていたCRNが前半ラウンドで1-11と大差をつける展開に。ファーストブラッドとカバーの速さでiXAを上回ったCRNが1-13で勝利した。

▲Week1と同じくアセントでアストラをピックしたAffe選手。しかしこの試合ではCRNの対策に苦しめられ効果的な運用ができなかった
Serment選手(CRN)はアストラに対して「フェイクを掛けてアビリティを使わす」などの対策を練ってきたと語った。チーム発足から間もないCRNがグループ突破に向けて貴重な一勝をつかみ取った。
Free Agents(FA) vs No Country(NC)
先週のOpen Qualifierで王者Crazy Raccon相手に善戦を見せたFAに対するは元プロなど粒ぞろいのメンバーが集まるNC。試合はIGLのEROC選手(FA)の下、個々が積極的に撃ち合いに行くリード。後半に入りラウンド差を縮めたNCだったが、Tfy選手(FA)・SepiaMars選手(FA)が2人で60キルを叩き出す活躍で勝利に導いた。

▲わずか9ラウンドで20キルしたTfy選手。豊富なエントリーと撃ち合いの強さを見せ実況の岸さんも「活き活きしている」とその活躍を称賛した
「FAのため突き詰められない部分もあったが前半はいいところが出た」とEROC選手が語る通り、先週からより進化した姿を見せたFA。一方のNCはチームとしての練度の差で敗れ、グループ突破が遠のいた。
First Gaming(FG) vs Novagis Gaming(NVG)
これまで多くの強豪を倒して力をつけてきたチーム同士の対戦。先週は苦しい試合が多かったNVGだったが、この試合では新加入のDualing選手も含めて練度の高さを披露。Anthem選手(FG)のサイファー採用などの構成変更を行ってきたFGとの接戦を制して、大事な一戦に勝利した。

▲新加入ながらMVPをとる活躍を見せたDualing選手(NVG)。ロスター変更から間もないにもかかわらず連携力でFGを上回った
「Week1ではまだ合わせうまくいかなかったため、Dualing選手にスカイをピックしてもらい攻撃的に動いた」と語ったKamuro選手(NVG)。先週の悔しい思いを胸に這い上がってきたNVGがFGとのライバル対決を制した。
Gaming Team SELECTOR(GTS) vs THE SHABLES(SBL)
『VALORANT』リリース後から多くの大会に出場してきたチーム同士の対戦。結果の欲しい両チームだが試合をリードしたのはGTS。解説のYukishiroさんが「撃ち合い方がうまかった」と語るようにフィジカル面でSBLを上回ったGTSが試合をリードした。SBLはファーストブラッドを取られる展開が続き、2-13で敗れた。

▲設置中の相手にブラストパックを投げてキルをとるRIA選手。アビリティを使ったクレバーな動きで視聴者を沸かせた
「チーム全員が好調だった」と話したhiroronn選手(GTS)。比較的若いメンバーで構成されているGTSの今後の伸びにも期待したい内容となった。
FENNEL(FL) vs Sengoku Gaming(SG)
グループ突破がかかった重要な試合をリードしたのはFL。CLZ選手(FL)のヴァイパー採用などスプリットに向けて構成を大きく変えたFLが序盤からゲームを支配した。マップの理解度が劣ったSGは後半ラウンドでわずか一本しか取れずに敗戦。惜しくもグループ突破を逃す結果に終わった。
SG相手に完璧な試合展開を見せたFL。2zzy選手(FL)が「ヴァイパーが刺さった」と話す通り手ごたえを感じる試合内容だったようだ。

▲これまでデュエリストをピックしてきたCLZ選手がヴァイパーに。「立ち回りがこれまでと全く違う」と難しさを語ったが、チームを勝利に導く活躍を見せた
REJECT(RC) vs DetonatioN Gaming(DNG)
勝利したチームがグループ突破となる重要な試合。解説のYukishiroさんが「DNGと相性がいい」と話す通り、持ち前のフィジカルに加えてチームの連携を高めてきたRCが前半ラウンドを7-5で折り返す。DNGも意地を見せるが、これまでのDep選手(RC)・Hare選手(RC)を中心とした戦いから五人の連携をより意識した戦いに進化したRCがDNGに勝利。最終戦でグループ突破を決めた。

▲この試合のMVPとなったHare選手。日本トップとも称される撃ち合いの強さでキルを量産した
「最近は対応力を意識している」とDep選手が話した通り、先週からさらに一回り進化した姿を見せたRC。来週のMain Eventに期待が持てる内容となった。
まとめ
Week2 Open Qualifierを突破したのはNovagis Gaming・FAV Gaming・FENNEL・REJECTの4チーム。 過去の大会で結果を残してきたBlackBird Ignis・First Gaming・DetonatioN Gamingが敗退するなど、勢力図の変化を感じる結果となった。
来週の組分けは以下の通り。Playoffsに進出する残り4チームをかけた戦いから目が離せない。


配信アーカイブ:
VCT Stage 2 - Challengers JAPAN Week 2 Open Qualifier
https://www.mildom.com/playback/12287123/12287123-c1t6svlaks9b7mh3jlfg
VALORANT Champions Tour Stage2 公式:
https://valorantesports.tokyo/index.html
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- 【本当の熱狂がここに!】陰キャも陽キャも全員集まれ!——FENNELがチアパーティにこだわる理由
- FENNEL(FL)が『VALORANT』の国内リーグ「VALORANT Challengers Japan Split2」のパブリックビューイング「FENNEL チアパーティ(チアパ)」を開催しています。以前、ブリティッシュバーHUBにてパブリックビューイングを経験した我々としては行かないわけにはならないので、さっそく行ってきました。今回は5月10日(水)行われたPlayoff DAY1、Crest Gaming Zst戦におうかがいしました。▲1ラウンド1ラウンド、固唾を呑んで見守るファン。1マップ目からOT(オーバータイム)に持ち込んだ接戦ということもあり、絶叫と歓声が入り交じった熱狂が会場を盛り上げていました ひとりで来ても大丈夫!入ったその日に仲良くなれるFENNELのチアパーティ チアパが開催されたのは、渋谷にあるロスカボス渋谷。入場料1,000円ですが、飲み放題(2,000円)をつけると、合計3,000円がかかります。▲アルコールをメインに扱う飲み放題。メニューを見る限りカクテルが充実しているのがうかがえます PlayOffはBO5なので、最大5試合が観られるとなると結構良心的な値段設定です。5月5日(金)はゴールデンウィークの上、試合は19時開始、対戦相手が国内でも人気のeスポーツチームCrazy Raccoonと、好条件がそろったこともあり、キャパシティ70名のところ100名以上もの参加者が集結。急遽他のフロアも使用しての開催となったとのことです。▲ものすごい熱気で会場が大盛り上がりだった5日5日(金)のCR戦 今回はゴールデンウィーク明けの水曜日、12時開始予定と、条件的にはかなり厳しい条件です。それでも20~30人の参加者はあり、チアパとFENNELの人気の高さがうかがえます。チアパが他のeスポーツチーム、大会など、はたまたフィジカルスポーツなどのパブリックビューイングと一線を画しているのは、その観戦スタイル。基本的に立ち見スタイルで、一緒に観ている人たちと円陣を組んだり、グータッチなどをしながらライブ会場さながらの応援をするところです。▲決められた座席に着席するパブリックビューイングとはことなり、自由に移動できるというとことも相まって会場の一体感は別格。試合前には円陣を組んで鼓舞するシーンも こういった説明をすると、一見、アクティブな人は楽しめるけど、おとなしめのコミュニケーションがうまくない人にとっては苦痛の空間になってしまうのではないかと言う懸念が生まれてくると思います。確かに見た目はスクールカースト上位っぽい人たちが騒いでいるように思えますが、その場に居る人は誰にでもフレンドリーで溶け込ませてくれる雰囲気があります。そのひとつが、スタッフが一緒になって観戦しているところです。▲スタッフもファンも入り交じった会場では、FLがラウンドを取るたびにグータッチで盛り上がる。我々は取材で遠巻きに観戦の様子を観ていましたが、常連と思われる参加者がグータッチをしに来てくれました こういったところは、スタッフが運営側としてしっかりと管理する立場にあると思いますが、チアパの場合は、一緒に楽しんでいます。初めてきた人には率先して声掛けしていましたし、それだからといって無理強いして一緒に盛り上がることを強要している感じでもありません。あくまでも、自主的に参加することを促して、参加してきたら全力で受け入れるっていう印象です。それらは参加者にも伝搬し、リピーターがスタッフと同様な態度で新規客を迎え入れてくれる好循環が生まれています。▲この日のために仕事を午前で切り上げ、他県からはるばるやってきたというファンのふたり。「怖いところかなと思ってたけど、ファンのみんなが優しくてすぐになじめた」と、hiroronn選手がファンだという右側の女性。左側の女性はなんと元CRのファンで、右側の女性に誘われてFLのチアパに参加しているとのこと ▲誰かが飲み物をこぼしてしまったアクシデントが起こってもファンの一体感が垣間見えます。どこからともなく雑巾やタオルを持った別のファンが駆け寄り、あっという間に片付けてしまう。その日出会ったメンツでこの一体感はチアパならではといえるのではないでしょうか 会場の雰囲気作りも手が込んでいました。クラブを彷彿させる店内にDJブースもあり、試合開始前から楽しめるようになっています。試合が始まる直前にはオープニングムービーが流れ、気持ちを高めてくれていました。店内に飾られたFENNELのグッズもいい雰囲気で並べられていました。▲入口にはファングッズの販売コーナーや応援フラッグなど、雰囲気作りにもこだわりを感じました このようにたびたびニュースで見かける地元の公民館でパイプ椅子に座ってオリンピアンを応援するパブリックビューイングとはまったく別モノであることがわかります。チアパだけではないですが、eスポーツチームが行うパブリックビューイングの良さのひとつに、一体感があります。以前取材したHUBではその日に行われた2対戦分の配信を観ていましたので、最大4チームのファン、もしくは『VALORANT』そのもののファンが集まっている感じでした。そのため、どちらかの贔屓のチームが勝利した時に感嘆の声を上げるというよりは、クラッチやエースなどのいいプレイが出た時に盛り上がります。eスポーツチーム開催のパブリックビューイングの場合、基本的にそのチーム、もしくはそのチームに所属する選手のファンです。勝利した時は全員で喜びを享受できますし、負けたら悔しさを共有することができます。例えラウンドを落としても、そのラウンドの良かった部分を褒め称えていたのは、なかなかいい光景でした。FENNELがチアパにこだわる理由 そんなチアパならではの応援形式を提案し、統括しているのがFENNEL エンターテインメント事業部ディレクターの石川龍平氏です。ちょうどチアパの会場に来ていたので、チアパを開催した経緯や今後の展開などを聞いてきました。——チアパを行うようになった経緯を教えてください。石川龍平氏(以下、石川):FENNELのスタッフは熱い人間が多く、事務所などで試合観戦をするとすごく盛り上がるんですよね。FENNELの試合だけでなく、サッカーワールドカップやWBCなど、大きな大会を観ても同様です。この盛り上がりをファンと分かち合いたいと思ったのがきっかけです。これまでeスポーツのイベントというと、スティックバルーンを叩いたり、観戦するだけだったり、ちょっと物足りない気がしていました。応援は全身でやった方が絶対に楽しいと思い、現在のチアパの形となりました。チアパ自体は2023年のVALORANT Challengers Japan Split1から実施していました。——結構やっていますね。実際、チアパをやってみた手応えはいかがでしょうか。石川:初日から来場者は結構いました。ただ、それまでのパブリックビューイングが大人しく観戦することが常識だったので、チアパの理念に共感してくれるか不安でした。ただ実際にやってみると、驚くほどスッとチアパに入ってくれました。最初は盛り上がり切れていないファンのケアをするのに苦慮しましたが、ファン同士の交流が行われるようになってからは、その心配もなくなりました。他のパブリックビューイングと違うのは、やはりスタッフとの距離感ですね。ファンとスタッフが会場で自然と会話できる距離感を保ってくれているので、スタッフとファンに一体感が生まれています。今やFENNEL FAMILYといっているくらいです。5月5日(金)のチアパには100人以上のファンが訪れてくれましたし、リピーターも多いんです。一度来てくれていた人が友だちを誘ってくれているようです。チアパに来て楽しいと思ってくれた結果、誘ってくれたんだと思います。——チアパとしてこだわっている点はありますでしょうか。石川:チアパだけでなく、FENNELというチームは誰からみても“カッコイイ”と思われる、憧れの対象となるチームを目指しています。そのひとつとしてHIPHOPに力を入れており、HIPHOPアーティストのOZworldがメンバーにいるのもその一環ですね。チアパはイベントとしてだけでなく、空間としての格好良さもこだわっています。物販ひとつにしても見栄えのよい展示方法をいつも模索しています。スペース的な問題や数時間の展示であることを考えれば、グッズ一覧の写真を用意するだけでも十分だと思います。しかし、空間としてこだわるのであれば、細部まで手を抜きたくないですね。照明とかもそうです。▲実物を手に取って楽しめるのは購買意欲にも大きく左右される。こういったささいなこだわりが重要だと石川氏 eスポーツの観戦スタイルを変えていきたいですね。観る側の体験をもっと良くしていきたい。——新型コロナも5類指定を受け、よりオフラインでの大会が増えていくと思いますが、チアパは同時に開催していく予定でしょうか。石川:スタジアムでチアパと同じ体験ができるのであれば、チアパを開催する必要はないかも知れません。そうでなければ、スタジアムとは違う体験ができる場としてチアパは残していきたいですね。あとは地方や海外での試合の時は東京でチアパを行うでしょう。先日のSplit1のPlayOffが大阪で開催されたときも東京でチアパを開催しました。東京開催だけでなく、オンラインで応援してくれているファンのためにも地方でのチアパも開催したいですね。——ありがとうございました。——— eスポーツは、個人戦であれ、団体戦であれ、選手のファンが中心で、チーム推し、箱推しをしているファンはあまり見かけないのが現状です。しかし、個人がこういったイベントを開催するにはコストも時間もかかりすぎ、荷が重すぎるといえます。そうなると、やはりチームとしての人気を高めていく必要があるわけです。FENNELのチアパは、憧れを作るきっかけのひとつとして価値が十分にあると感じました。憧れのチーム、もしくは所属する選手を応援する人たちが集まることで、よりそのチームの魅力を分かち合えます。これは憧れのグループアイドルのファンに近しいものがあるかも知れません。チアパを開催することで、チームに憧れるのファンが増え、その結果、FENNELがより多くの頻度、大きな会場でチアパを開催できるようになり、そこからさらにファンの拡大に繋がる好循環が生まれるのではないでしょうか。【岡安学 プロフィール】eスポーツを精力的に取材するフリーライター。ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。さまざまなゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆も行い、関わった書籍数は50冊以上。現在は、Webや雑誌、Mookなどで活動中。近著に『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム刊)、『INGRESSを一生遊ぶ!』(宝島社刊)Twitter:@digiyas
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- 【大会レポート】賞金総額7,824万円!『Identity V 第五人格』の世界大会が閉幕!優勝はDOU5!
- 『Identity V 第五人格』の世界大会「Call Of the Abyss VI」が2023年5月3日(水)に開催。優勝は中国大陸地区のDOU5に輝いた。<以下、ニュースリリースより>賞金総額7,824万円! 栄光のチャンピオンが降臨し、世界が熱狂した盛典が幕を閉じる――NetEase Gamesの1v4非対称対戦型モバイルゲーム『Identity V 第五人格』の「Call Of the Abyss VI」(COA VI)世界大会決勝戦が5月3日に閉幕しました。COAは『Identity V』の各種eスポーツイベントの中でも最高の競技レベルと栄誉を有するeスポーツ大会で、今年の大会の賞金総額は7824万円に上りました。 今回のCOA VIワールド決勝トーナメントは、中国の杭州と日本の東京の2会場で同時開催され、世界中にオンライン生配信されました。決勝トーナメントに進出した12戦隊(チーム)のうち、日本地区代表と東南アジア地区代表であるAXZ、ZETA、FL、Ztの4チームは東京の新宿住友ホールの会場に集結し、中国大陸地区代表の8チームは中国・杭州のCHINA HANGZHOU ESPORTS CENTER会場で試合を行いました。中国・杭州会場 日本・東京会場 4月30日から5月3日までの4日間におよぶトーナメント戦では、12チームが『Identity V』最高の栄誉をかけてしのぎを削りました。中国大陸地区のGG戦隊とDOU5戦隊が決勝まで勝ち上がり、優勝を争いました。最終的に中国大陸地区のDOU5戦隊が優勝トロフィーを手にし、DOU5_DongXがFMVPを獲得しました。準優勝はGG戦隊、3位はGr戦隊となりました。 今回のCOA VI ワールド決勝には中国大陸地区、香港・マカオ・台湾地区、日本地区、韓国地区、東南アジア地区、欧米地区の6大地区から20チームの強豪が集結しました。グループリーグの激戦を経て、12のトップチームが決勝トーナメントに進出し、負ければ終わりのトーナメント戦で大胆な戦いを繰り広げ、それぞれの雄姿を見せてくれました。 COA VI決勝トーナメントの最後を飾る優勝決定戦はさらに観客の目を引きつけ、今大会の盛り上がりは最高潮に達しました。両戦隊によるCOA VI優勝決定戦のステージは、全世界の『Identity V』ファンを興奮と熱狂の渦に巻き込み、世界中のファンが当日の生配信を観戦して、それぞれひいきのチームに声援を送りました。 この優勝決定戦はひときわ精彩を放っていました。両チームはいずれもトップレベルの実力を持つ戦隊で、優勝決定戦での実力は伯仲しており、選手の試合中のパフォーマンスも互角でした。両戦隊は5試合戦い、どちらも譲りません。Ban&Pick戦術からはお互いのキャラクターを深く研究していることがうかがえ、そうした中でも見習うべき布陣で臨みました。対戦中は双方とも優れた戦略を打ち出し、思い切った戦いを繰り広げ、かつてないほど素晴らしい試合となりました。選手たちも模範的な技術と実力を見せてくれました。最終的に一枚上手だったDOU5戦隊が勝利を収め、COA VIチャンピオンとなり、世界トップ戦隊の象徴である栄誉のトロフィーを手にしました。優勝トロフィーを掲げる写真 今回のCOAは引き続き2会場をつないで行われ、中国の杭州会場には観客3000人余り、日本の東京会場には観客500人余りが詰めかけました。双方の会場では至近距離で直接試合を観戦するだけでなく、グッズ販売や選手のファンミーティングといったさまざまなイベントも開催されました。チケットを購入して会場を訪れたプレイヤーは、Identity Vの隠者のオフライン限定衣装も受け取れました。さまざまなオフラインイベントによってプレイヤーの観戦気分も盛り上がり、会場の雰囲気をさらに熱くしてくれました。会場の写真 今大会は世界的にも注目を集めました。COA VIワールド決勝トーナメント開催中、『Identity V』大会関連のトピックやワードが頻繁に中国のウェイボー(Weibo)や海外のTwitterのトレンドに登場しました。ここからも、本大会がすでに全世界で大きな影響力を持っていることがわかります。 今回の『Identity V』COA VIワールド決勝では、各地区代表チームが並外れた実力と自分たちのスタイルを見せつけ、クオリティの高い国際試合を繰り広げました。また、eスポーツ大会のオフライン戦が復活し、選手、観客、スタッフのオフライン参加により大会がさらに活気づき、『Identity V』の世界的な大会が着実に発展している様子も目の当たりにできました。これからも『Identity V』がますますエキサイティングなeスポーツ試合をもたらしてくれることを期待しましょう。
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- 【大会レポート】賞金総額7,824万円!『Identity V 第五人格』の世界大会が閉幕!優勝はDOU5!
- 『Identity V 第五人格』の世界大会「Call Of the Abyss VI」が2023年5月3日(水)に開催。優勝は中国大陸地区のDOU5に輝いた。<以下、ニュースリリースより>賞金総額7,824万円! 栄光のチャンピオンが降臨し、世界が熱狂した盛典が幕を閉じる――NetEase Gamesの1v4非対称対戦型モバイルゲーム『Identity V 第五人格』の「Call Of the Abyss VI」(COA VI)世界大会決勝戦が5月3日に閉幕しました。COAは『Identity V』の各種eスポーツイベントの中でも最高の競技レベルと栄誉を有するeスポーツ大会で、今年の大会の賞金総額は7824万円に上りました。 今回のCOA VIワールド決勝トーナメントは、中国の杭州と日本の東京の2会場で同時開催され、世界中にオンライン生配信されました。決勝トーナメントに進出した12戦隊(チーム)のうち、日本地区代表と東南アジア地区代表であるAXZ、ZETA、FL、Ztの4チームは東京の新宿住友ホールの会場に集結し、中国大陸地区代表の8チームは中国・杭州のCHINA HANGZHOU ESPORTS CENTER会場で試合を行いました。中国・杭州会場 日本・東京会場 4月30日から5月3日までの4日間におよぶトーナメント戦では、12チームが『Identity V』最高の栄誉をかけてしのぎを削りました。中国大陸地区のGG戦隊とDOU5戦隊が決勝まで勝ち上がり、優勝を争いました。最終的に中国大陸地区のDOU5戦隊が優勝トロフィーを手にし、DOU5_DongXがFMVPを獲得しました。準優勝はGG戦隊、3位はGr戦隊となりました。 今回のCOA VI ワールド決勝には中国大陸地区、香港・マカオ・台湾地区、日本地区、韓国地区、東南アジア地区、欧米地区の6大地区から20チームの強豪が集結しました。グループリーグの激戦を経て、12のトップチームが決勝トーナメントに進出し、負ければ終わりのトーナメント戦で大胆な戦いを繰り広げ、それぞれの雄姿を見せてくれました。 COA VI決勝トーナメントの最後を飾る優勝決定戦はさらに観客の目を引きつけ、今大会の盛り上がりは最高潮に達しました。両戦隊によるCOA VI優勝決定戦のステージは、全世界の『Identity V』ファンを興奮と熱狂の渦に巻き込み、世界中のファンが当日の生配信を観戦して、それぞれひいきのチームに声援を送りました。 この優勝決定戦はひときわ精彩を放っていました。両チームはいずれもトップレベルの実力を持つ戦隊で、優勝決定戦での実力は伯仲しており、選手の試合中のパフォーマンスも互角でした。両戦隊は5試合戦い、どちらも譲りません。Ban&Pick戦術からはお互いのキャラクターを深く研究していることがうかがえ、そうした中でも見習うべき布陣で臨みました。対戦中は双方とも優れた戦略を打ち出し、思い切った戦いを繰り広げ、かつてないほど素晴らしい試合となりました。選手たちも模範的な技術と実力を見せてくれました。最終的に一枚上手だったDOU5戦隊が勝利を収め、COA VIチャンピオンとなり、世界トップ戦隊の象徴である栄誉のトロフィーを手にしました。優勝トロフィーを掲げる写真 今回のCOAは引き続き2会場をつないで行われ、中国の杭州会場には観客3000人余り、日本の東京会場には観客500人余りが詰めかけました。双方の会場では至近距離で直接試合を観戦するだけでなく、グッズ販売や選手のファンミーティングといったさまざまなイベントも開催されました。チケットを購入して会場を訪れたプレイヤーは、Identity Vの隠者のオフライン限定衣装も受け取れました。さまざまなオフラインイベントによってプレイヤーの観戦気分も盛り上がり、会場の雰囲気をさらに熱くしてくれました。会場の写真 今大会は世界的にも注目を集めました。COA VIワールド決勝トーナメント開催中、『Identity V』大会関連のトピックやワードが頻繁に中国のウェイボー(Weibo)や海外のTwitterのトレンドに登場しました。ここからも、本大会がすでに全世界で大きな影響力を持っていることがわかります。 今回の『Identity V』COA VIワールド決勝では、各地区代表チームが並外れた実力と自分たちのスタイルを見せつけ、クオリティの高い国際試合を繰り広げました。また、eスポーツ大会のオフライン戦が復活し、選手、観客、スタッフのオフライン参加により大会がさらに活気づき、『Identity V』の世界的な大会が着実に発展している様子も目の当たりにできました。これからも『Identity V』がますますエキサイティングなeスポーツ試合をもたらしてくれることを期待しましょう。