3人ひと組のチームで戦うバトルロイヤルゲームとして2019年に世に放たれて以来、世界中で多くのアクティブユーザーが日夜遊び続けている『Apex Legends』(以下『Apex』)。その人気ぶりにあわせてe-elementsもシーズン8から本格的に『Apex』を取り上げてきたが、ゲームはいよいよシーズン9に突入。新レジェンド(キャラクター)、”ヴァルキリー”の追加や、3vs3で戦う新たなゲームモード、“アリーナ”の登場などでさらなる盛り上がりをみせている。
連載5回目となる今回は、シーズン8から『Apex』を始めた記事担当者が終盤(4月下旬~5月4日)に見せた”逆おいこみ”の模様と、シーズン9のファーストインプレションをお届けしたい。
シーズン8は光の速さでランクダウン→フリーマッチエンジョイで終了
前回の記事では「イベント(ウォーゲーム)も開催中だし、フリーマッチ中心で遊びたい」的なことを言っていた気がするが、シーズン8が5月頭に終わる=ランクがリセットされるということを知ってしまうと、最後の追い込みをかけたくなるのがゲーマーの性(?)というもの。
というわけで、4月中旬はいつも通りランクマッチメインで『Apex』をプレイ。滑り込みでのプラチナランク入りを狙ったものの、ポイントはプラスではなくマイナス方向に大きく変動。およそ3日で800ポイントほど減らすスピード降格で、プラチナどころかゴールドランクの下限、ゴールドⅣ(2800ポイント)の方に”到達”してしまうという結果に……。
さすがにゴールドⅣの底からプラチナ、2800から4800ポイントを10日やそこらで稼ぐのは不可能と悟り(筆者はゴールドⅣからⅢまで上げるのに10日ぐらいかかっている)、4月下旬からはキルゾーン開催中のフリーマッチでのプレイに移行した。
ウォーゲームは2週間ほどの開催期間中、2~4日おきに特殊なルールがフリーマッチに追加されたイベント。筆者はランクマッチをムキになってプレイしていたため、記事で語れるぐらい遊んだのは最後のイベント、アーマーリジェネぐらいだったが、これがなかなか楽しかった。
アーマーリジェネ期間中のフリーマッチは、最初からレベル1のアーマーを装備した状態で戦場へ降下、さらに被弾しても一定時間経つとアーマーの耐久力が回復する仕様だったため、序盤の素手状態、中盤以降に見えない位置から攻撃されても生き残りやすく、筆者の腕でもキル数やダメージを稼ぎやすかった。
▲最初からアーマーを装備した状態でスタートする仕様は、シーズン9に継承。そのためアーマーリジェネルールでのフリーマッチは、シーズン9のちょっとした予習としても機能した
さすがにハンマー(1試合で合計2000ダメージを与えると得られるバッジ)は取れなかったものの、ランクマッチでは夢のまた夢だった1000ダメージ代を何度か獲得することにも成功。
そしてアーマーリジェネ中にオープンな撃ち合いを数多く経験したおかげか、ウォーゾーン終了後のフリーマッチでも自分のキルやアシストで部隊が生き延びる、チャンピオンが決まるラストキルを取るといった、ゲームの勝敗を左右するポイントで活躍する喜びも味わえた。
▲毎回これぐらいキル/アシスト数にダメージを稼げれば……というリザルト画面。ふつうの『Apex』プレイヤーならハンマー達成が戦闘で活躍した目安になるのだろうが、筆者にとっては1000ダメージでも快挙
しかしウォーゲーム終了後にまた未練がましく挑戦してみたランクマッチの方では、あまりよい結果は得られず。これはやはりランクマッチになると、自分もふくめて多くのプレイヤーが降下地点や移動するルート、遠方の敵を見つけた際に戦うかどうかの判断など、あらゆる局面での行動が慎重になるからだろう。
それなりにゲーム数をこなしたことで、こういったフリーマッチとランクマッチによって変わるプレイヤーの動きに気づけたのも、個人的はゴールデンウィーク中の『Apex』を楽しく遊べたポイント。
おかげでフリーマッチ特有のあえて敵部隊がいる地点に降下→周りに武器がなくて殴り合い→別の部隊も降りてきてさらなるカオスに……といった展開も楽しめるようになった。シーズン9ではこういった経験を活かして(?)、キル数の向上、あわよくば(フリーマッチでの)ハンマー獲得も狙っていきたい。
▲ランクマッチよりアグレッシブに動くプレイヤーが多いため、序盤から試合が動きやすいフリーマッチ
飛行の多用とミサイル乱射が楽しい新レジェンドのヴァルキリー
筆者的にはフリーマッチをゆるく遊んでいるうちにいつの間にかやってきたシーズン9。バージョンアップして日が浅い(※記事制作の時期は5月8~11日)ためはっきり断言できることは少ないが、とりあえず新レジェンドのヴァルキリーはかなり強そう。
▲新レジェンドのヴァルキリー
まずパッシブアビリティのVTOLジェットでの飛行がとにかく便利。ブーストゲージを消費するため無限に滞空できるわけではないが、他のレジェンドなら壁をよじ登ったり一部の戦術アビリティを使わないとたどり着けないような場所に、ジャンプボタンを2度押すだけで移動できるのは非常に大きなアドバンテージ。単純に使っていて気持ちがいい。
戦術アビリティのミサイルスワームも強力。敵を確殺できるような精度の攻撃ではないが、気軽に前方を爆撃する手段を持っている意味は大きい。空中から放てば遮蔽物があっても敵を攻撃することができるし、爆撃で足止めしている間にVTOLジェットで飛行すれば、距離を取って回復する時間を作ったり、戦闘に自信がある人ならば敵の裏に回って奇襲をかけることもできるだろう。
それでいて飛行を多用しすぎて孤立しない限り生存能力の高いレジェンドなので、これから『Apex』を始める人にもオススメできる存在だ。
▲VTOLジェットは画面右に表示されているゲージが0になるまで使用可能。落下中であれば武器での攻撃や戦術アビリティを使用することも可能だ
▲アルティメットアビリティのスカイハイダイブも便利。発動すれば仲間を連れてジャンプタワーを利用した際のように移動できるため、ヴァルキリーがパーティーにいればリング外でダメージを受けての死亡は容易に防げる
これといった弱点が見当たらない”強キャラ”感漂うヴァルキリーが追加されたシーズン9だが、現在最も注目を浴びているのはキャラクターではなく、あるひとつの武器。ご存じの方も多いかもしれないが、それはシーズン9で追加された”ポセックボウ”。この新武器がゲーム内はもちろん、配信やSNSなどゲーム外でも大きな存在感を放っている。
ポセックボウは『Apex』に初めて登場した弓矢タイプの射撃武器で、連射は効かないが1発あたりのダメージが高めという、スナイパーライフルに近い立ち位置の武器として登場。しかしポセックボウのなにがゲーム内外で話題を集めているかといえば、この得物が見た目通りの”弓矢ならでは”の特性をそなえている点だ。
まず重火器ではないため発射音が既存の武器と比べるとかなり小さく、近くで銃声や大きめの効果音、セリフが流れていると、ポセックボウの発射音を正確に認識するのが難しい。
また撃った(射った)後の反動が非常に小さく弾(矢)の軌道も素直なため、命中させやすいのも特徴のひとつ。各種スナイパーライフルでの狙撃が大の苦手な筆者でもそこそこヒットさせられるほどなので、普段から狙撃でキル数を稼げていたプレイヤーが持つと、発射音の小ささと相まって、狙撃武器というよりは暗殺武器では?というレベルで多くのキル数を稼いでいた。
▲シーズン9最大の目玉(?)として話題をさらった、ポセックボウ
こんな驚異的な武器は使わなくては損! ということで、シーズン9が開始した直後の数日は、多くのプレイヤーがポセックボウを使用。
筆者は狙撃が得意でないためまずは仲間に譲ることが多かったが、マップの探索中に第2、第3のポセックボウが見つかると必ずといっていいほど仲間から「ポセックボウを発見!」というメッセージが送られてきたので、結局はポセックボウをピックし、仲間とともに狙撃に勤しむ……という試合展開を体験、そこからチャンピオンや上位に残ることも少なくなかった。
▲ポセックボウを発見したらピン留めで仲間にメッセージを送るのがある種の礼儀と化していた5月上旬の『Apex』。一撃の威力が高いため、ひとりで多くの弾(矢)を持ち歩かず、仲間に回せる点も流行の一因を担ったように思う
▲無敵の武器のように騒がれたポセックボウだが、連射力は各種銃器に劣るため、接近戦に持ち込めれば勝機は十分にあった
ただ、さすがにこのポセックボウ一強状態(筆者のランク帯だと世間で騒がれているほどではなかったのだが)は想定外だったようで、アップデートによりポセックボウは弱体化。断言はできないが、この記事がアップされる頃にはポセックボウブームはひとまず落ち着いていそうな予感だ。
使い勝手のいい新レジェンド、ヴァルキリーと、華々しいデビューを飾ったポセックボウのおかげで対戦ゲーム特有の大型バージョンアップ直後ならではのお祭り騒ぎを『Apex』でも味わえた今回。次の記事ではシーズン9からスタートした3vs3のバトル、アリーナモードを取り上げたい。
ライター/マンモス丸谷
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