FPSやMOBAといったeスポーツタイトルをプレイする際に揃えておきたいのがゲーミングデバイス。ゲーミングPCに始まり、マウス、マウスパッド、ヘッドセット、キーボード、モニター……など、いずれも性能面でプレイヤーのゲームプレイをサポートしてくれる頼もしい存在だ。
今回ご紹介するゲーミングモニター「Optix G27CQ4」は、ゲーム向け性能と湾曲モニターの特性を両立させた製品だ。高リフレッシュレート(詳しくは後ほど)と素早い応答速度に加え、画面のチラつきを抑える機能も搭載されている。実機画像やゲームタイトルのスクリーンショットを交えつつ、気になる特徴などを紹介していこう。
視認性と没入感を高めるゲーミング向け湾曲モニター
今回レビューするゲーミングモニターは、MSI製のOptix G27CQ4。HDMI端子とDisplayPortを備え、2,560×1,440の映像出力に対応している。またPCだけでなく、PlayStation 5の映像出力もカバー。PS5とHDMIで接続することで、1080p / 120Hzの美麗な映像を堪能できる。
液晶サイズは27インチ、本体全体サイズは611.5 mm(幅)× 225.4mm(奥行き) × 457.9mm(高さ)、重量は5.4kg。スタンド部分の高さを-5°~20°まで調節できるので、ユーザーのプレイスタイルに応じて変えられるのも嬉しいポイントだ。
▲Optix G27CQ4の前面イメージ。比較対象としてペットボトル(560ml)を置いている。
まずは実際の設置イメージをご覧いただこう。液晶サイズは大きすぎず小さすぎず、PCデスクの中央に設置すれば、周辺機器類を置くスペースを十分に確保できる。湾曲モニターと言っても平面モニターとサイズ感は変わらないので、すでに同型サイズの平面モニターを使っているなら置き場所に困ることも無いだろう。参考までに、筆者所有のPCデスクは天板サイズ:1200mm(幅)×600mm(奥行き)。本製品を含む2台のモニターを横並びで設置したが、ゆとりを持ってマウスおよびPCマイクを置くことができた。
▲Optix G27CQ4と筆者所有のゲーミングモニター(23.8インチ)を比較。撮影の都合上、角度をつけて設置している
Optix G27CQ4の最大のメリット。それは、湾曲モニター特有の「没入感」、ならびに「高い視認性」だろう。モニター両端が内側に向かって湾曲していることにより、プレイヤーとの距離が平面モニターと比べて必然的に近くなる。モニターとプレイヤーの距離が近づいて包み込まれたような感覚になり、「画面中央のキャラクターと画面下部のUIを交互に見る」といったプレイヤー自身の視線移動のロスが減るため、視認性の向上&目の負担軽減にも一役買ってくれる……というワケだ。
こうした湾曲モニターが持つ特性と同時に、リフレッシュレート(1秒間に画面を書き換える回数)も165Hzをマーク。1msの応答速度と合わさることで、素早い動作が求められるeスポーツタイトルをスムーズに遊ぶことができる。
▲Optix G27CQ4の背面イメージ。本体下部にNAVIキー、本体上部にはドラゴンエンブレムが刻まれている
ゲームプレイをサポートする各種アシスト機能
上記の特徴に加え、Optix G27CQ4は画面のチラつきとカクつきを低減させるアンチフリッカー機能、長時間ゲームに打ち込むプレイヤーの目を保護するブルーライトカット機能を標準搭載。アンチフリッカー機能は電源を入れると自動的に適用され、ブルーライトカット機能については簡単な設定をするだけでOKだ。
▲Optix G27CQ4の製品スペック一例(引用:https://jp.msi.com/Monitor/Optix-G27CQ4/Specification)
さらに「ナイトビジョンモード」をONにすれば、画面が暗くて視界が悪くなるシチュエーション(ゲーム中の夜間戦闘など)でも、視認性を保ったままプレイを続行可能。こちらのナイトビジョンを含む各種設定は、モニター背面のNAVIキーから直感的に行える。NAVIキーの使用感はMSI製の別モニター(平面・ウルトラワイド等)とほぼ変わらないため、「湾曲モニターだから背面へ腕を回しにくいのでは?」と心配する必要も無いだろう。
視線を向ける対象が多いタイトルで大活躍
ここからは実際のプレイ画面を交えつつ、Optix G27CQ4の使用感をお伝えしたい。今回レビューに選んだゲームタイトルは、5人1組のチームに分かれて爆弾の設置および解除を目指す『VALORANT』。キャラクター、照準、ミニマップ、武器の残弾数……と視線を向けるべき要素が多いFPSだが、湾曲モニターを使ったこともあり、普段使いのPCモニター(平面)と比べて随分とプレイしやすかった。
特に顕著だったのは「視認性の向上」。中央の照準をジッと見たまま、画面端のミニマップとキルログ(プレイヤーの交戦記録)を視界に入れやすくなった。ほんの些細な違いかもしれないが、コンマ数秒の判断がモノを言うFPSにおいて、視線移動は戦局を左右しかねない重要なファクター。そのロスを抑えることができれば、プレイヤーのパフォーマンスも比例して良くなることだろう。
▲『VALORANT』のゲーム画面。FPSは視線を向ける対象が多く、湾曲モニターのメリットが最大限に発揮される
湾曲モニターがもたらすメリットはFPSだけでなく、ほかのジャンルでも健在だ。今回は5人1組のチームで臨むeスポーツタイトル『League of Legends』を触ってみたが、モニターと目線の距離が近づいたことで得られる恩恵は『VALORANT』と同様。これら競技性の強いゲームタイトルだけでなく、美麗なグラフィック表現に力を入れたゲームタイトルでも、本機が得意とする没入感の高さは十二分に感じ取れるのではないだろうか。
▲『League of Legends』のゲーム画面。画面端に映し出されるミニマップを視界に捉えやすくなった
視線移動のロス軽減と没入感をサポートする湾曲モニターは、平面モニターには無い使用感とメリットを秘めている。その独特なフォルムに最初は戸惑う方がいるかもしれないが、そうした未体験の方にこそ、湾曲モニターが持つ唯一無二の恩恵を感じてもらいたい。興味が湧いた方は、ぜひOptix G27CQ4を相棒としてチョイスしてみてはいかがだろうか。
※今回レビューに使用した製品は、MSI様からご提供いただいています。
■Optix G27CQ4スペック
■Optix G32CQ4スペック
関連記事
-
- 量子ドット技術を採用した発色の良さと、170Hzの高リフレッシュレートを両立した高コスパWQHD/27インチゲーミングモニター「MSI G274QPF-QD」レビュー
- ゲーミングモニターを選択するうえで、取捨選択を迫られる場面は少なくない。高いリフレッシュレートを求めると発色が犠牲になったり、発色が良い高リフレッシュレートを求めると高価であったりと、理想的なモニターを見つけるのは案外難しい。 そんな欲張りなユーザーにおすすめしたいのが、量子ドット技術を採用することで美しい発色を実現して170Hzと高いリフレッシュレートに対応し、さらにコストパフォーマンスまでバッチリな27インチのWQHDゲーミングモニターの「G274QPF-QD」だ。そのハイスタンダードなスペックは、エントリーモデルでは物足りないユーザーや、ハイエンドモデルほどの金額は予算的に厳しいというユーザーにうってつけのモニターとなっている。 まず印象深いのが“質感の高さ” まず組み立てながら感じたことは“質感の高さ”だ。コスパの良いモニターとなると外装から安っぽさをどうしても感じてしまうことも少なくない。しかし「G274QPF-QD」は全体にマット仕上げを施すことで、高級感のある印象になっている。細いフレームや背面もシンプルかつスタイリッシュなデザインであり、MSIのロゴもシックで控えめだ。 本モデルは、上位グレードの「Optix MAG274QRF-QD」に対する廉価版というポジションだそう。しかし見た目からは廉価版であることを感じさせない装いである。 また、スタンドとネックは手回しネジで簡単に取り付けることができる(ディスプレイ部分とスタンドはドライバーで2本のネジを留める必要がある)。ネック部分にはケーブルを通す穴も設けられているので、ごちゃつきがちなモニター周りもすっきりとまとめることが可能だ。 VESA(75)にも対応しているので、モニターアームなどにつなげて自由に動かすのも良いだろう。 圧倒的な取り回しの良さ ディスプレイと向き合うなかで大切な機能のひとつである角度調節も、かなりしっかりと対応している。高さ調節は0~130mmで対応しているため、スタンドギリギリのかなり下に下げることができる。モニターの背面へのアクセスも良く、マルチディスプレイ環境では他のモニターと高さを合わせやすい。 チルト(上下方向の角度調節)も-5°~20°で対応。モニターとしっかり向き合う用途で使う場合には、視線とモニターの向きをそろえることで疲労軽減にもつながる。なにより、集中して作業やゲームをしたいときに嬉しい機能だ。 また、スイベル(横方向の角度調節)に対応していることは、FPSなどマウス・キーボードを使ってゲームをするユーザーにはとてもありがたい。というのも、FPSゲーマーはディスプレイと目の距離がとても近い場合が多い(これが目に悪い可能性も否定できないので推奨はできない)。そんなときに効いてくるのが、スタンドとディスプレイの角度の兼ね合いなのだ。 ▲スタンド部分をななめにし、キーボードと沿わせるイメージ スイベルに対応することで、スタンド部分を斜めにしつつ、ディスプレイはユーザー側を向いているという構図を作ることができる。これにより左手で入力するキーボードを自然な形で設置できるので、本モデルはコンパクトなスタンド部分のデザインも相まってとても助かる。 ピボット機能もあり 「G274QPF-QD」はピボット機能(画面回転)にも-90°~90°の間で対応している。これは画面を縦にして使用できるという機能だ。メインモニターの横にサブモニターとして縦置きするも良し、縦に2枚並べて巨大なスクリーンにして使うも良い。 後者の使い方は、画面に常に固定したウィンドウを表示するような用途ではとても便利である。証券会社などのオフィスでは縦画面を駆使して多くのモニターを使っていることも多い。 筆者は普段、メインモニターは横、その両脇にサブモニターをそれぞれ縦置きにして使っている。ゲーマーとしては横方向でメインモニターは外せないが、サブモニターであれば縦で も不便ない。ゲームをしながら見たい情報を置いたり、SpotifyやNetflixを流いたりと、ちょうど良い使い方だ。 そのままで美しい発色の良さ そして、なんといっても「G274QPF-QD」の最大の特徴は量子ドットの搭載で、色純度の高い発色を実現している点だ。量子ドットとは、光の3原色であるRGB(赤・緑・青)を高いレベルで再現可能な技術であり、特定の色に強弱があった従来のLEDに比べてRGB全ての発色が良いことが特徴だ。つまるところ、発色の良い美しい映像を楽しむことができる。 これだけ発色が良いと、ゲームなども当然美しい映像で楽しむことができる。色の感じ方は人それぞれだが、筆者はいつも新しいモニターを触るときは好みの色に調節することが多いが、本モデルではそれを必要としないほど、自然で美しい発色であるような印象を受けた。Display HDR 400にも対応しているので、対応しているゲームタイトルやコンテンツでは自由に調節して楽しむことができる。 スペック的な話をすると、約10億7,300万色の表示色に対応している。色域もsRGBカバー率:99%ととても広いため、クリエイティブ用途でも十分通用するだろう。 OSDではさまざまな設定も可能で自分好みの色味に調節できるほか、ゲームジャンルごとのプリセットなども用意されている。 eスポーツタイトルに嬉しい170Hzリフレッシュレート オーバークロック時には最大170Hzのリフレッシュレートに対応している点も、RAPID IPSパネルを採用した「G274QPF-QD」の強みのひとつだ。リフレッシュレートとは、簡単に説明すると1秒間に描画される画像の枚数を示す数値であり、その値が大きければ大きいほどなめらかな映像を楽しめる。FPSなどのタイトルでは敵の動きがより精細に表示されるため、しっかりと視認することができ、強さに直結するといっても過言ではない。 ゲーミングモニターとして流通しているものの多くが144Hzであることを考えると、170Hzに対応する本モデルは他のモニターに比べてひとつアドバンテージを持っていると言える。なお、DisplayPort接続時は最大170Hz、HDMI接続時は最大144Hzとなっている。 また、DisplayPort Alt Modeに対応したUSB Type-C端子も搭載されている。ノートPCやスマートフォンの映像を手軽に出力することもできる。最大15Wの給電にも対応しているので、マウスやキーボード、スマートフォンの充電などにも活用できそうだ。 もちろんゲーマーに嬉しい機能も豊富に対応している。動きの速いゲームでは必須である残像感を打ち消すアンチモーションブラーや、暗い場所の視認性を上げるナイトビジョンはもちろん、対応するグラフィックボードではG-SYNC Compatibleによって画面のズレやかくつきを防いでくれる。アンチフリッカーとブルーライトカットも搭載しているので、長時間モニターと向き合っていることの多いゲーマーやクリエイターも助かる。 ここまで述べてきた通り、「G274QPF-QD」は発色の良いディスプレイとFPSで圧倒的なアドバンテージを持つ170Hzに対応した、高水準なゲーミングモニターと言える。また、WQHD(2,560 × 1,440)はやはりフルHDと比べて多くの情報を表示できるので、クリエイティブ作業やビジネス用途でもとても心強い。 ▲サムネイルの表示を「大」にしてもこれだけのファイルを表示させることができる 冒頭でも述べたが、本モデルは「Optix MAG274QRF-QD」の廉価版という位置づけであり、PCからディスプレイの調節ができる機能を省いた以外はほぼスペック的に変わりはない。62,800円(価格ドットコム)である「Optix MAG274QRF-QD」に対して、「G274QPF-QD」は55,000円と、その価格差は馬鹿にならない。高コスパで高水準なゲーミングモニターが欲しいなら、選択肢のひとつとして有力な一台である。
-
- PS5やSwitchと合わせて使いたい! 美しい映像を没入感たっぷりで楽しめる31.5インチ湾曲ゲーミングモニター「G323CV」レビュー
- ようやくこのときがやってきた! 次世代と呼ぶことも憚られるほど発売から月日が経った次世代ハードの PlayStation 5 や Xbox Series X|S が、店頭を中心にネットショップでも購入できるようになってきた。 もちろん、Nintendo Switch も『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』などの注目タイトルが目白押しだ。2022年末から2023年夏ごろまでは、家庭用ゲーム機の存在感が特に強いように感じる。 そこで今回ご紹介するのが、MSIのゲーミングモニター「G323CV」だ。引き締まった黒色が得意なVAパネルを採用した本モデルは、31.5インチというやや大きめなサイズ感と、湾曲率1,500Rのゆるやかな没入感が特徴的な、コストパフォーマンスに優れたモデルである(想定価格は26,200円)。 まずはその外観をチェック! G323CVはコストパフォーマンスに優れたエントリーグレードであるものの、外観はかなりレベルが高いように感じる。というのも、ディスプレイの中心から縁に向かうにつれて薄くなっていくようなデザインであり、ベゼル(モニターの縁)も細い。台座となる足回りもスマートで、デスクに置いても邪魔にならない。設置した際の印象はスタイリッシュに尽きる。 そのうえ、チルト(上下の方向調節)とスイベル(横方向への調節)に対応している点はポイントが高い。特に、スイベルに対応することで、足の位置をそのままにモニターの左右の角度を調節できるため、置く場所が狭いユーザーでも安心だ。 FPSプレイヤーはモニターの足とマウスやキーボードなどのデバイスが干渉することを避けるため、わざとズラした置き方をすることも多く、そういったユーザーにも嬉しい仕様だ。 縦方向の高さ調節やピボット(モニターの回転)には対応していないものの、付属のスペーサーネジを取り付けることでVESA(100)規格のモニターアームに対応しているので、必要に応じて導入することも可能である。 なお、組み立ても簡単だ。足と柱を手回しネジで組み合わせ、ディスプレイへはめ込むだけとなっている。 美しいVAパネルと、様々な用途で発揮される没入感 ゲーミングモニターの多くは、シューター向けに最適な24インチ前後のモデルと、40インチ前後のハイエンドモニター(テレビ)の両極端になっている印象があるが、このモデルはその中間を突いてくれている。 実際にディスプレイを見ていくと、31.5インチというサイズ感は、小さすぎず大きすぎないため、デスクに置くにもちょうど良い。また、黒色の発色に強いVAパネルを搭載することで、特にグラフィックが美しいゲームを遊ぶ際にその真価を発揮してくれる。 引き締まった黒色は、ゲームの世界にあるものをしっかり表現してくれるので、ジメジメとした雰囲気の『DARK SOULS』シリーズなど、暗い場所の多いゲームにもピッタリだ。また、暗所の視認性を上げるナイトビジョンにも対応している。 また、映画やドラマなどの鑑賞にも向いている。というのもG323CVは湾曲率1,500Rのパネルを採用しており、31.5インチではゆるやかな没入感を得ることができる。 湾曲がキツいと没入感は増すものの、どうしても違和感が出てしまうため、モニターから少し離れてゲームをしたり動画鑑賞をしたりするぶんには、このゆるさが心地よい。 筆者は試用期間中にPS5でワーナーゲームの『ホグワーツ・レガシー』をプレイしてみたが、大画面でホグワーツ城の上空を箒で飛び回るのは極上の体験であった。そのほかにも、特にレースゲームやフライトシミュレーションといった、スピードを感じるゲームにおいて、その没入感はひとしおだ。 映画館のスクリーンのような湾曲具合は自然とモニターと向き合う姿勢を作ってくれるので、映画・ドラマなどの鑑賞にはもってこいである。また、ゲーム実況やeスポーツの観戦で、ゲームを「観る」という文化も根付いてきたが、意外なことにFPSタイトルでのeスポーツ観戦時は、湾曲の恩恵を受けやすい。 プレイヤーの歩いているときのスピード感が増幅されるような感覚があり、没入感と相まって今までにない印象を受けた。「湾曲ゲーミングモニターによるeスポーツ鑑賞」を体験してみて欲しい。 ▲Six Invitational 2023より ゲーマーをサポートする機能も充実 なお、G323CVはリフレッシュレート75Hzのパネルを採用している。PCなどに接続すれば、標準的なモニターよりも少し高いフレームレートで遊ぶことができるというわけだ。応答速度も1msと、動きの速いシューティングタイトルなどを遊んでも、実用上で遅延を感じることは全くなかった。 また、同期機能として対応するグラフィックボードと組み合わせることで「AMD FreeSync」も利用でき、カクつきを軽減してくれる。 そのほか、チラつきを抑制するアンチフリッカーと、ブルーライトカット機能も搭載しているので、長時間ゲームしがちなユーザーにもピッタリだ。 やっぱり手軽な家庭用ゲーム機 近年、PCゲーム市場が凄まじい盛り上がりを見せてはいるものの、ゲーミングPCは安価なものでも10万円を超え、おおよそ20万円前後のモデルが台頭している。一方の家庭用ゲーム機は、約6万円(Xbox Series Sは4万円弱)でハイエンドなAAAタイトルを遊ぶことができるとあって、その価格差は言うまでもない。 冒頭でも述べたとおり、2022年の年末~2023年の年始頃から次世代ハードの入手性が高まってきた。もちろん、Nintendo Switch や PS4、Xbox One といった既存のゲームハードで遊んでいるプレイヤーも含め、G323CVであれば大きな画面と美しいグラフィックを楽しむことができる恩恵は十分に受けることができる。 「ハリー・ポッター」のホグワーツ城を中心としたオープンワールドRPG『ホグワーツ・レガシー』もそうだが、狩りゲーとして人気を博しているエレクトロニック・アーツ(開発はコーエーテクモゲームズ)の『WILD HEARTS』など、ここ数ヶ月は家庭用ゲーム機でも遊べるタイトルが豊作である。 年内にはスクウェア・エニックスから待望の『FINAL FANTASY XVI』や、任天堂からはシリーズ最新作『ピクミン4』といった大作も発売が予定されている今、快適な環境で家庭用ゲーム機を遊び倒したいユーザーにおすすめしたいゲーミングモニターだ。 ■G323CV製品ページ https://jp.msi.com/Monitor/G323CV
-
- “ちょうど良い”モニターを探しているならコレ!eスポーツからソロゲーまで、多様なニーズに合ったゲーミングモニター「G2412」レビュー
- ゲーミングモニターを選ぶうえで重視するポイントは人それぞれだろう。リフレッシュレートやパネルの種類、発色の良さや解像度、サイズ感、入力端子の数等々、モニターというデバイスはなかなかに奥深い。だが一方で、重視すべきポイントのひとつひとつに詳しくなるには、少々ハードルが高い。 そんなあなたにオススメしたいのが、MSIのゲーミングモニター「G2412」だ。リフレッシュレートは最大170Hz(オーバークロック時)で応答速度1msと、競技的なゲームタイトルに最適なだけでなく、フルHDのIPSパネルによる発色の良い映像を楽しむことができる。つまるところ、さまざまな用途にバランス良く当てはまるというわけだ。 実際に筆者が10日間ほどメインモニターとして「G2412」を使い込んだインプレッションをお伝えする。 高いリフレッシュレートでシューターを有利に 「G2412」には、昨今爆発的な盛り上がりを見せているシューティングゲームにおいて大切な要素をふんだんに盛り込んでいる。まずはディスプレイのリフレッシュレートだ。 1秒間にモニターが表示できる画像の枚数を示すリフレッシュレートは、その数値が高ければ高いほど映像が滑らかになり視認性が上がる。つまり、一般的なモニターの60Hzと、「G2412」の170Hzでは、数倍“ヌルヌル”と見えるというわけだ。 シューティングで敵のキャラクターが一瞬だけ身体を見せたとしよう。もしそれが1秒間だけ視認できたとして、60Hzのモニターでは60回の画像を使ってその敵キャラクターを表示するが、「G2412」では170回表示するというと、その違いの大きさがおわかりいただけると思う。純粋に敵の動きをより細かく表示することが可能なのだ。 ゲーミングモニターのリフレッシュレートは、一般的に60Hz・144Hz・165Hz・240Hzという区切りで市場に出回っている。同価格帯のゲーミングモニターのなかでも、わずかではあるが170Hzというアドバンテージがあるのも嬉しいポイントだ。 また、「G2412」のディスプレイサイズである23.8インチは、プロプレイヤーにも好まれるようなサイズ感であることも付け加えたい。モニターと向き合ったときに視界に画面全体を捉えることができるサイズとされているからだ。そのほか、応答速度も1msととても高速であり、遅延などを感じることはほぼないと言って良い。シューティングを真剣にプレイしようかと考えているユーザーにはピッタリだ。 なお、「G2412」は現在では生産を終了している「Optix G241」の後継モデルという位置づけだ。前モデルの144Hzから170Hzと大幅にパワーアップしているほか、最大表示色とDCI-P3のカバー率が少々落ちているものの、コントラスト比が上がることでメリハリのある映像を楽しむことができる。 コンソールハードで遊びたいユーザーにもピッタリ 述べたとおり、「G2412」PCのシューティングゲームに最適であるが、次世代コンソールハードと接続することでフルHD・120Hzの表示にも対応していることから、PCを持っていない、PCとコンソールを併用したいユーザーにもピッタリである。 “次世代”とは言いつつ、PlayStation 5もXbox Series X/Sも2020年11月の発売から2年以上が経過している。半導体不足等で入手しにくい状況が続いていたが、2023年に入ってからはチラホラ店頭でも見かけるようになってきていて、ネットショップでも再入荷から完売までの時間が長くなっているように感じる。 コストパフォーマンスという面でコンソールハードの優位性は圧倒的に高く、PC版では数十万クラスのスペックが必要なAAAタイトルも、6万円程度で快適に遊べるというのは魅力的であろう。 「G2412」はそんな次世代コンソールの最大リフレッシュレートである120Hzに対応しているため、シューティングゲームのプレイに最適。HDMI入力も2基搭載しているため、複数のハードを接続できるのもひとつポイントだ。 また、発色が良いIPSパネルを採用しているため、AAAタイトルなどの美麗なグラフィックを余すことなく楽しむことができるほか、視野角が178度ととても広いため、座った状態や寝転んだ状態などでも楽しむことができる。 ゲーマーをサポートする機能もしっかり満載 もちろん、ゲーミングモニターとしての機能もしっかりと備わっている。暗いシーンの視認性を上げる「ナイトビジョン」や、黒フレームを挿入することで残像感を抑制する「アンチモーションブラー」などを搭載している。対応のグラフィックボードと組み合わせるとティアリング(ゲーム画面の小さなズレ)やカクつきを抑える「FreeSync Premium」を利用することもできる。 また、目に優しい「ブルーライトカット」や、フリッカー(チラつき)を抑制する「アンチフリッカー」もサポートしている。 画面設定のプリセットとして、FPS・レーシング・RTS・RPGの4つも用意されているので、お好みに合わせて画面の雰囲気を変えることも可能だ。 お好みで27インチの大きなサイズも 「G2412」は23.8インチだが、同等のスペックを有した27インチのモデル「G2722」も存在する。こちらも視野角が広く発色の美しいフルHDのIPSパネルを採用し、最大リフレッシュレートが170Hz、アンチモーションブラーなどのサポート機能もしっかり備わっている。 ▲左「G2412」(23.8インチ)・右「G2722」(27インチ) なお、23.8インチと27インチは結構な差がある。23.8インチであれば、本稿でも述べたが、デスクに置いて向き合ったときに画面全体をしっかり把握することができる。一方の27インチではシンプルにサイズが大きいため、迫力のある映像を楽しむことができる。シューターでは画面端の情報が得にくくなるものの、遠くの敵などを視認しやすい。特に『Apex Legends』のようなバトロワでは、遠くにいる敵をしっかりと見ることができるように感じた。 ▲部屋を暗くすると、IPSパネルの発色の良さが際立つ。左「G2412」(23.8インチ)・右「G2722」(27インチ) プレイスタイルや、デスクの環境に合わせて自分にあったものを選んで欲しい。「G2722」は以前レビューしているので、重複する内容もあるが、合わせて確認して欲しい。 https://e-elements.jp/portal/news/17336/ 述べてきた通り「G2412」は、競技性の高いシューティングからソロで遊びたいAAAタイトルまで、多くの用途をカバーしてくれる。特にシューティングでは、高いリフレッシュレートと応答速度、ナイトビジョンなどのサポート機能が活躍し「ゲーミングモニター」としての優位性を感じることができるだろう。また、美麗なIPSパネルを搭載することで映像鑑賞や一人で遊べるAAAタイトルなどをしっかり楽しむこともできる。 eスポーツタイトルをがっつり遊びたいというユーザーを中心に、さまざまな用途をカバーしてくれる、ゲーマーにとって頼もしい相棒となってくれるだろう。 ■MSI G2412 商品ページ https://jp.msi.com/Monitor/G2412 ■MSI G2722 商品ページ https://jp.msi.com/Monitor/G2722
-
- 高リフレッシュレートかつ発色の良いRAPID IPSパネルを採用し、流行りのシューターからサブスク視聴など日常使いでも真価を発揮する高コスパゲーミングモニター「G244F」レビュー
- 突然だが、ゲーミングモニターを購入する多くのユーザーは、FPSなどのプロプレイヤーではないと思う。かくいう筆者も嗜む程度のプレイ時間で、これを読んでいる読者諸君も大多数がカジュアルにゲームを楽しむユーザーだろう。 そのうえで、どのようなゲーミングモニターを検討すれば良いのか迷ったことはないだろうか。 例えば、視野角が狭いTNパネルが採用されている代わりに、高リフレッシュレートへ対応している製品や、やたらゴテゴテなRGBLEDに装飾されている高価な製品は、言ってしまえば、「FPS、そこまでガチでやるわけではないし……」と辟易してしまう。 FPSへ極限まで特化した製品も良いが、ユーザーとしては日常使いも同じくらい大切なものだし、財布にも優しいとなお良い。ただ、もちろんFPSで有利になるような機能は備えていて欲しい。という欲張りな考えを持っているなら、本稿で紹介するゲーミングモニター「G244F」は選択肢に入れるべきだ。 FPSに必要な「リフレッシュレート」を備えている まず、「G244F」がFPSなどのシュータージャンルに向いている理由は、170Hz(DP接続・オーバークロック時)というリフレッシュレートにある。リフレッシュレートとは、1秒間に映し出す画像の枚数を示している。 そもそも映像とは、画像をとてつもない早さで連続表示させることで成り立っているのであって、その画像枚数が増えれば増えるほど、なめらかになるというわけだ。 一般的なオフィスなどで使われるモニターは、たいていのものが60Hzであり、1秒間に60枚の画像が表示されている。一方で170Hzのディスプレイを搭載した「G244F」は、170枚もの画像が表示されることで、とてもなめらかな映像を楽しむことができる。 そしてこれは、動きの早い敵の動きを一刻も早く捉える必要のあるFPSなどのジャンルにおいて、とても重要なのだ。筆者自身も、しばらくこのモニターで『VALORANT』や『レインボーシックス シージ』などのFPSを170Hzで遊んでいたが、試しに60Hzで遊んでみたところ、カクカクしているように感じるほど、その違いは顕著に感じられる。 また、応答速度は1msと、遅延などを感じることは一切ないほか、一般的に高いリフレッシュレートで出力するには、DisplayPortケーブルが必要とされているが、「G244F」はHDMIケーブルでも最大165Hzに対応していることなども嬉しいポイントだ。 ゲームに適した23.8インチというサイズ感 高いリフレッシュレートに加えて、23.8インチというサイズ感も、FPSに適する要素のひとつだ。というのも、プレイヤーがモニターと向き合った際に、画面全体を視界に捉えることができるサイズは、24インチ前後とされているからだ。 FPSというジャンルは、いつどこから敵が現れるかわからないシーンが多い。そこで画面全体をしっかりと視界に捉え、突然フレームインしてくる敵に備えなければならない。また(これが目にどのような影響を及ぼすかは置いておくとして)、画面と目の距離をとても近づけることを好むプレイヤーもいる。 実際、海外にはモニターと目の距離が数センチしかないようなプロプレイヤーもみられる。 その理由は自身の操るキャラクターが撃つ場所にしっかりと集中したいからだ。敵が来る方向が限定されている場合や、自分が守るポジションをしっかりと注視する場合には、弾が飛ぶ場所(つまり銃の照準器)を長い時間、瞬きすらせずに見続ける。 24インチ前後というサイズ感は、そんなプレイヤーにも最適なのだ。 RAPID IPSパネルによる発色の良さ FPSプレイヤーとて、四六時中FPSをやっているわけではない(やってるかもしれないが)。ときには、YouTubeでストリーマーの配信を楽しむことや、NetflixやAmazonプライム・ビデオなどを視聴することもあるだろう。 そんなとき、「G244F」であれば、発色の良いキレイな映像を楽しむことができる。 その理由は、RAPID IPSパネルを採用しているからだ。一般的に、応答速度やリフレッシュレートなどを競技向けにハイスペックなものにしようとすると、TNパネルやVAパネルといったディスプレイパネルが採用されることが多い。 しかし、これらのパネルには、視野や色域の狭さが弱点として挙げられる。これを解消したのが、「G244F」に採用されているRAPID IPSパネルなのである。 IPSの強みである178度という視野角の広さや、sRGBカバー率97.7%という色域の広さは、一般的なTNパネルやVAパネルに比べてより鮮やかで美麗な映像を、さまざまな角度から楽しむことができる。 これにより、テレビを見たり動画視聴したりと、映像を楽しむことや家庭用ゲーム機などで遊ぶことも、快適に行えると言える。また、PS5と接続してフルHD解像度・120Hzにも対応している。 ゲーマーを支えるさまざまな機能 ゲームに嬉しい機能も多く盛り込まれていて、「アンチフリッカー」による画面チラつきの抑制や「ブルーライトカット」などによる長時間の使用でも目が疲れにくいようになっているほか、黒いフレームを挿入し残像感を緩和する「アンチモーションブラー」や、暗い場所での視認性を上げる「ナイトビジョン」などが備わっている。 また、対応のグラフィックボードと接続すれば、低フレームレート補正やティアリングを軽減してくれる「FreeSync Premium」の恩恵を受けることも可能だ。 付属のスペーサーネジを装備することで、VESA100(100×100mm)にも対応する。フレームがとても薄くデザインされた筐体なので、マルチディスプレイ環境にも適しているだろう。 述べてきた通り、23.8インチという丁度よいサイズ感や、170Hzという高いリフレッシュレート、アンチモーションブラーといった機能が重なり、FPSをメインに遊ぶゲーマーにとってぴったりな一台であることは間違いない。 気づけばFPSを起動している筆者としてもお気に入りのモニターだ。そして、RAPID IPSパネルの採用によって、広い色域と視野角が確保され、動画視聴やオフラインゲームで遊ぶときにも、その真価を発揮する。 「G244F」は、FPSプレイヤーとしてしっかり機能を欲しいけど、さまざまな用途で使いたいというユーザーにとって、有力な選択肢のひとつとなるゲーミングモニターと言えるだろう。 G244F製品ページ https://jp.msi.com/Monitor/G244F