去る8月8日と9日の2日間に渡ってPC版『GUNDAM EVOLUTION』のクローズドベータテスト(以下CBT)が実施された。本記事では、CBTで体験した内容をレポートしていくとしよう。なお、以下の内容はあくまでベータテストでの内容であり、製品版では変更される可能性があることをあらかじめご了承いただきたい。
▲オープニングデモのワンシーン。ガンダムの振り向き射撃は、エルメスのビットを撃ち落としたあの時のポーズに似ている
このゲームは『機動戦士ガンダム』シリーズに登場するモビルスーツを操って戦う、6対6のチーム戦FPSだ。
今回のベータテストで使用可能なモビルスーツは、さまざまな『ガンダム』に登場する機体の中から、かなりマニアックなセレクトで選ばれた12種類。
『機動戦士ガンダム』からはガンダムとガンタンク、ジムとザクIIという4種。
『機動戦士Zガンダム』からはメタスとアッシマー(どちらも可変MA)。
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』からはサザビー。
『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』からはジムスナイパーII。
『∀ガンダム』からは∀ガンダム。
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』からはドムトルーパー。
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』からはガンダム・バルバトス。
そして『機動戦士ガンダム サイドストーリーズ』からはペイルライダー。
各シリーズの主役級モビルスーツではなく、いぶし銀的なセレクトになっているところから、このゲームは一味違うと感じさせてくれた。
チーム内で使用するMSの重複は許されない
ただし、これら12機のモビルスーツは、誰もが自由に選べるというわけではない。なんと、自分を含めて6人いるチームの中で、使うモビルスーツの重複は許されないという縛りがある。
その代わり、味方も敵も連邦やジオンといった所属「軍」という考え方はなく、どちらか6人が「アースノイド」。敵対する6人が「スペースノイド」というチーム分けになる。
▲モビルスーツ選択画面。∀ガンダムとドムトルーパー、メタスとジムスナイパーIIのアイコンはグレーアウトし、中央に黄色い「レ」点が描かれている。これは、仲間の誰かがすでに選択済みという証拠
これら12機のモビルスーツは、それぞれ装備している武器が異なるばかりか、HP量や連続ステップ可能回数など、かなり性能差が付けられている。コストのような概念がないこのゲームにおいては、ガンタンクも∀ガンダムも等価値という考え方だ。
▲ペイルライダーの性能。難易度は2で、得意レンジ(距離)は中距離。HP量は1000で、ステップ性能(連続ステップ可能数)が2というのは平均的な性能。メイン兵器はブルパップ・マシンガンで、中距離から堅実にダメージを与えるのが役割
そうなると「だったら、自分は強い(と思う)ガンダムを選びたい」などと考えるのが当然だろうが、なぜ重複選択を許さなかったかといえば、それはこのゲームが6対6のチーム戦だからだ。
勝敗を決めるルールは3種類。ルールごとに戦略は変化する
正式リリース時には任意に選べるようになっているかもしれないが、CBT時点では「カジュアルマッチ」という自動マッチングしか選べなかったため、マップごとに変化する3種類のルールもランダムで選出されていた。ルールの種類は「ポイントキャプチャー」「ドミネーション」「デストラクション」の3つ。
ポイントキャプチャー
試合開始時、スペースノイドとアースノイドのどちらかが攻撃側で、もう片方が防衛側となる。1試合を終えた後は攻守が交代し、2ラウンドの合計点数で勝敗が決まる。
攻撃側はマップ上に示されている拠点へ接近し、エリア内に滞在している時間に応じて制圧ゲージが増えていく。ゲージが最大になると制圧が完了するが、防衛側は拠点内にいる敵機を破壊するのがベストな対応だが、防衛側がエリア内にいる間は「争奪中」扱いとなり、制圧ゲージが増えないというルール。
▲敵軍の目標エリア内に留まり、制圧をしているところ。中央上部にある水色のゲージがいっぱいになるまで留まることができれば制圧が完了する
ドミネーション
ルールとしては「ポイントキャプチャー」に近い拠点の制圧が目的だが、こちらは攻守に関係なく、両チームが同じ拠点を奪い合うルール。一定時間が経過すると第二、第三の拠点が制圧可能になり、制限時間内に多くの拠点を制圧したチームの勝ち。
拠点を制圧されないのは当然のことだが、第二、第三の拠点が制圧可能になると相手が防衛する拠点も増えるため、戦力が分散し、攻めやすくなる。しかし、これはまた自軍も戦力が分散しやすいというリスクの裏返しでもある。
デストラクション
デストラクションは「ポイントキャプチャー」と同じく、攻撃側と防衛側に分かれて2ラウンドの戦いを行う。攻撃側は2つある目標地点に接近し、破壊兵器を設置。設置された破壊兵器は設置と同様に目標地点の近くへ行き、破壊兵器の起動を阻止できるというもの。
攻撃側は目標地点に破壊兵器を設置したあと、防衛側のモビルスーツが破壊兵器へ近寄らないようにするのがポイントとなる。
▲攻撃側で、破壊兵器を敵軍の目標へ設置したところ。敵モビルスーツに解除されないように護衛するか、それとも隠れていて、破壊兵器を解除しに来た敵を背後から撃つかは、敵の行動次第
▲防衛側で、敵に設置された破壊兵器を解除しているところ。目標に密着して、画面中央にある「A」アイコンの周りにある水色ゲージが一周するまで待たないといけないので、解除作業中を狙われたら非常に危険だ
基本はFPSだが、勝敗を左右するのは戦略と戦術の両方
このゲームは、エースパイロットが10機連続で敵モビルスーツを撃破したとしても、拠点を制圧できなかったり、目標を破壊されてしまったりすると敗北となる。勝者はあくまで、ルール上の勝利条件を満たしたチームとなるからだ。
仮に自機が中破しても、周りにいる仲間が修理してくれれば再び動けるようになるし、大破した場合でも、数秒の待機時間を経てすぐに自軍の拠点へリスポーンするし、その際にモビルスーツを変更してもいい。このゲームにおいて撃破されたことはあくまで「一時的に前線から退く」だけで、大きなペナルティではない。
自機が撃破されたとしても相打ちで敵にダメージを与えたり、仲間が到着するまでのあいだ、少しでも制圧が遅くなるように時間稼ぎをしたりという作戦もあり得る。撃破数や敵への与ダメージ量が勝敗とは直接的には関係しないルールを採用したことで、エイムの腕前よりも、戦略や戦術といった作戦の比重が高いゲームになっている。
▲仲間が敵をひきつけているところに、少し離れたところから射撃。これも立派な作戦だ
作戦を遂行するために活かす、極端な12種類のモビルスーツ
今回のベータテストで登場した12機のモビルスーツは、どれも極端な性能を持っている。「どのモビルスーツが強いか」を議論するのではなく、どのモビルスーツをどんな用途で運用し、どのモビルスーツがどんなサポートを行うかの作戦こそが、勝敗の鍵を握る。ここではモビルスーツ選択画面の左から順に、それぞれの注目ポイントを説明しよう。
▲ガンタンクも、性能を上手く活かすことで強力なモビルスーツとして運用できる
ペイルライダー
「ハンド・グレネード」「EMPグレネード」という、まとまっている複数の敵を同時に攻撃できる武器を持っている。また、味方のHPを回復させる「リペアポッド」を設置できるので、味方が複数固まっている場所のサポートに向いている。
ガンダム
基本兵器はお馴染みのビーム・ライフル。しかし、それ以外の武器は、ファンならニヤリとさせられてしまうもの揃い。
TV版の第1話で、アムロの言葉でのみ登場した「スーパー・ナパーム」は、投げた後一定時間で爆発する爆弾。「ハイパー・ハンマー」は、劇中ではゴッグに受け止められてしまったガンダムハンマーの強化版。ゲーム内では敵に当てればガード不可のスタン効果で、床や壁に当たっても周囲に攻撃判定が発生するという、強力な近接武器。
不安な防御面は、ガンダム・シールドを構えて接近できるので、強引な攻め込みが期待できる。
▲原点にして頂点とも言うべき、初代ガンダム。兵装は「わかってる感」満載のマニア装備が中心
ザクII
基本兵器はザク・マシンガンだが、注目すべきはスモーク・ディスチャージャー。『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』第6話で使われた煙幕をモチーフにしたと思われるが、煙幕の展開中は何と無敵。ブーストゲージも回復するという高性能ぶり。敵を撃墜しなくても、撃墜「されにくい」性能は、制圧任務に向いている。
ガンダム・バルバトス
全12機いるモビルスーツの中で、唯一射撃兵器を装備していない、バリバリの近接タイプ。メイン兵器のメイス(薙ぎ払い)で敵を殴るとノックバックさせられるほか、メイス(叩きつけ)は敵の近くに振り下ろすだけでダメージを与え、スタンさせる効果がある。
特筆すべきはブーストジャンプ。前方に大きくジャンプしつつ敵を攻撃する技だが、技のクールダウン中に敵を撃破すると、クールダウンが一気に終了。敵弾を喰らわずに接近さえできれば、前線をかき乱す暴れん坊となる。
▲本作の中ではもっとも新しい作品から1機だけ登場することになった、ガンダム・バルバトス。射撃兵装なしの近接のみという漢らしさ
サザビー
ビーム・ショット・ライフルはショートレンジの近距離用。ただし、リーチの短さを補うのが索敵性能。前方にいる敵を探し出してくれるため、見つけた敵の位置をボイスチャットなどで仲間に伝えられれば有利になる。また、ファンネルは一定時間、自動で敵を攻撃してくるため、これも索敵の一種として使える。
▲自動車撃してくれるファンネルに加え、敵を探し出す索敵性能まで備えたサザビー。ただし、飛び道具の射程は短い
メタス
『機動戦士Zガンダム』劇中で百式のハイパー・メガ・ランチャーへエネルギーを供給したように、本作内では仲間のモビルスーツとエネルギーケーブルを接続。接続した仲間の攻撃力や防御力を一定時間UPさせるというバフをかけられる。それに加えて、少しでもHPが減ったモビルスーツがいたら、そのHPを回復させる「リペアケーブル」という技も備えているなど、チームのサポート役として1機はいてほしい存在。
当然のことながら攻撃性能は低く、HPも低いが、メタスはモビルアーマー形態へ変形する機能を備えている。このためリスポーンしてから前線へ復帰するまでのスピードが早いほか、離れた拠点へ駆けつけるのも得意。チーム内に上手いメタスがいるかどうかが、勝敗の鍵を握るような印象。
余談だが、モビルアーマー形態で飛行中のみ、TPS視点になる。
ジム・スナイパーII
遠距離射撃が得意な機体。スコープを覗いて、遠く離れた敵モビルスーツも狙い撃てる。自分のほか味方も利用できるジャンプ・ブースターというジャンプ台を設置し、空中からセンサー・バイザーを起動。この技を発動中は空中でのホバリング中が延長されるほか、空中でスコープを覗き込み、離れた敵を狙えるようになる。こちらは空中にいるため、敵から狙われづらいのが有利に働く。
中破した仲間を、少し離れた場所から修理してあげられるリカバリーガンも、地味に嬉しい技だ。
▲全12MS中、唯一スコープで遠距離を狙えるモビルスーツ。狙っている間に自分が狙われないよう、空中から狙い撃つのが強い
アッシマー
メタスと同じ可変モビルアーマーなので、メタスと同様の運用もできる。しかしメタスとの違いは、メタスが仲間のモビルスーツをサポートする技を備えているのに対して、アッシマーは敵を倒すための攻撃性能が秀でている。
大型ビーム・ライフルによる射撃はもちろんのこと、特筆すべきはパンチ。シンプルな名前だが、TV版『機動戦士Zガンダム』第14話「アムロ再び」で、百式に左ストレートを食らわせたアッシマーの活躍に注目した技だと思われる。パンチの技モーション中、正面からの射撃はすべて無効化するばかりか、触れた敵すべてにダメージとノックバック。クリーンヒットした相手はスタン効果も加わる。
メタスの後方支援では満足できない、ブラン・ブルタークばかりの暴れん坊プレイヤーにお勧め。
ドムトルーパー
HPもやや高く、初心者向けの機体。スクリーニングニンバスで正面からの射撃を無効化しつつ突進し、敵にガード不可のダメージを与える強引な突進攻撃を備える。これで敵陣に踏み込み、感知式吸着地雷を設置するのもドムトルーパーの役割。
スクリーニングニンバス発動時には、近くにいる味方の防御力と移動能力が一定時間向上。さらに、アーマーガンを使うと仲間にアーマーを付与できるなど、サポート機としての役割も持っている。
▲知名度が高い「黒い三連星」のドムではなく、「マチルダさんが眼帯をつけたような」ヒルダ・ハーケン(もとザフトの赤服)搭乗機のほう
∀ガンダム
∀ガンダムの特徴は、敵に向かって突進していき、敵に接触すると巴投げをするという「投げ技」を持っていること。投げた相手は大ダメージに加えてスタン効果を与えるため非常に強い技ではあるが、ガンダム・バルバトス以外すべてのモビルスーツが射撃武器を持っているこのゲームで、投げを狙えるチャンスは少ない。だが、それだけに使いたくなる技の筆頭だ。
もうひとつの特徴は、ナノスキンという自己再生能力。作中では、∀ガンダムの装甲はナノマシンの集合体であり、自己再生能力を持つという設定が反映されたもの。
ガンタンク
主兵装は両腕に装着しているボップ・ミサイルと、両肩に装備しているキャノン砲。ボップ・ミサイルは攻撃力は低いものの、なんと自動照準で複数の敵に向けて弾をばら撒く。微力ながら敵には着実にダメージを与えられるので最後の止めにも使えるし、食らった側はどこから撃たれたのかがわからず、とりあえず物陰に隠れるという行動を取るだろう。そこを仲間が狙いに行くなど、連携攻撃をしやすい。
キャノン砲は遠くまで届く範囲攻撃なので、チラリとでも敵が見えたら雑に射撃しておくといい。いつの間にか撃墜数が増えているはずだ。
マニアに嬉しい技は「コア・ファイター射出」。TV版21話「激闘は憎しみ深く」で、ガンタンクのパイロットであるリュウ・ホセイがガンタンクからコア・ファイターを分離させ、ガンダムを狙っていたマゼラトップへ体当たりしたエピソードが元ネタと思われる。
ジム
HPが低い上に連続ステップができず、ビーム・スプレーガンの射程も短いジムは、モビルスーツ同士の戦闘では不利になる。しかし、設置後に敵を自動追尾する地雷のホーミングマインや、起爆タイミングを調整できる起爆型爆弾といった設置型武器に秀でている。また、中破している仲間を中間距離から修理できるリペアグレネードなど、仲間をサポートする機能も備えている。
FPSのファンはもちろん、ガンダムファンがFPSデビューするのにも適した作品
本作の操作は一般的なPC用FPSと共通しており、マウスで視点変更とエイムを行い、キーボードのWASDで移動、ジャンプはスペースキーで行うため、PCのFPSゲーマーはすんなり遊べるはず。
一方でFPSは未経験のプレイヤーからすると敷居が高いジャンルのゲームだ。だが『ガンダム』好きなら、自分の推しのモビルスーツを使って活躍したいと思うはず。
一人ひとりの実力ではなく、モビルスーツごとの性能を活かしたトータルな試合運びができれば、大番狂わせもあり得る。それがこの『GUNDAM EVOLUTION』の特徴だ。
▲立体的なマップを利用し、敵の死角から射撃。反撃されたら前後ではなく、左右に避ける。これがFPS初歩の初歩だ
©︎創通・サンライズ
©創通・サンライズ・MBS
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- 26.5インチゲーミングモニター「MPG 271QRX QD-OLED」レビュー。360Hzの超高画質パネル「QD-OLED」採用!! 究極の映像美と高いリフレッシュレートを求めるならコレ!
- 提供:エムエスアイコンピュータージャパン 高いスペックを誇るMSIの「MPG 271QRX QD-OLED」は、最新のQD-OLED技術と驚異的な360Hzリフレッシュレートを兼ね備えた26.5インチのゲーミングモニターだ。単にモニターが映像を映し出すだけのデバイスではなく、ゲーミング体験を底上げしてくれるような製品である。10日間ほど使用したインプレッションをお届けしよう。 圧倒的な映像美で“本物”を感じる仕上がりに MPG 271QRX QD-OLEDにおいて、まず目を奪われるのはその圧倒的な画質だ。WQHD(2,560 × 1,440)解像度は、従来のフルHDの1.8倍の情報量を伝え、ゲームの細部まで鮮明に描写してくれる。例えば、『サイバーパンク2077』のようなネオンがぎらつく退廃的な空気感を鮮やかに映し出し、世界の情報量がフルHDと比べて一段アップするような印象を受けた。また、クリアな映像を実現する裏付けとして、モニターの鮮明度(クリアさ)を示す規格「ClearMR」において、最高ランクの「13000」を取得しているそうだ(2024年7月時点)。 量子ドットと有機ELを組み合わせたQD-OLEDパネルは、従来のOLEDを遥かに凌ぐ色彩豊かさを実現。工場出荷時にカラーキャリブレーションがなされ、開封時からDelta E≦2の高い色精度での発色が可能であり、ゲームや映像作品がみせたい色味を限りなく近く再現してくれている。 例えば、『Forza Horizon 5』のメキシコの風景は、まるで窓から外を覗いているかのような臨場感があり、砂漠の赤茶けた大地から鮮やかな熱帯雨林まで、その色彩の再現性にみとれること間違いなしだろう。もちろんゲームだけでなく、映画、ドラマ、アニメなどあらゆるものが美しく感じる。なんなら普段見ているデスクトップすら一段上の綺麗さがあるように感じるほどだ。従来の液晶パネルと比べると一目瞭然の美しさだ。 これだけの美しさを備えながら、ハードウェアブルーライトカットも搭載されている。これはデフォルトでONになっていて、文字通りハードウェアレベルのブルーライトカットを備え、目への負担を低減してくれる。ブルーライトカットといえば色味が若干変わってくるものも多いが、これまで述べてきた鮮やかで正確な色味を実現しているままだから驚きだ。 有機ELといえば、画面の焼き付きが懸念のひとつではあるが、これを防ぐ「MSI OLED Care 2.0」が搭載されているため心配はいらない。これは画面のピクセルを一定間隔で移動させる「ピクセルシフト」、モニターがスタンバイ状態のときに自動的にピクセルリフレッシュを行う「パネルプロテクト」 、画面上で動く映像を検出し、タスクバーなど静止画が一定時間表示されていることを検知すると、その周辺の自動的に輝度を下げる「静止画検出」など、焼き付きを防ぐ多数の機能を内包している。 なお、「パネルプロテクト」については、「短時間(4時間)」と「長時間(16時間)」の2つの設定がある。どちらもモニターがスタンバイ状態(10分以上)のときに自動的に実行されるほか、時間ごとにリフレッシュ実行の通知が表示される。4時間設定の場合は3回までスキップすることができ、4回目および16時間設定の場合はその都度、強制的に実行されるため注意して欲しい。リフレッシュ時間は約20分だ。リフレッシュの間は一定時間モニターを使えなくなるわけだが、手動で実行した場合には使用時間のカウントがリセットされる。 もうひとつ有機ELの懸念点は発熱だ。MPG 271QRX QD-OLEDは、熱伝導率の高いグラフェンフィルムと専用設計のヒートシンクによりファンレス設計となっている。一般的な液晶モニターと比べれば多少熱さを感じるが、排熱も十分できているようだ。また、国内サポート保証が3年ついているというのも安心できる材料だ。 ハイリフレッシュレートでライバルに差を付けろ MPG 271QRX QD-OLEDは映像だけではなく、卓越したゲーミング性能も特徴のひとつだ。360Hzという驚異的なリフレッシュレートと、0.03ms(GTG)と高速な応答速度は、『VALORANT』や『オーバーウォッチ2』といった競技性の高いシューティングゲームなどで圧倒的に優位に立つことができる。 筆者自身、360Hzのモニターに触れるのは初めてであり、普段使っている280Hzモニターから違いを感じ取れるか不安ではあった。実際に使用すると、射撃場などでマウスを振ってもあまり違いは感じなかったが、対人戦になると、その違いは明確に理解できた。 例えば、敵が遮蔽物の後ろからジャンプして、一瞬だけ見えた頭を正確に撃ち抜けたときは「これは360Hzでなければできなかったな」と感じた。敵の動きを正確に捉えられる利点は素人の筆者でもわかるレベルだ。また、筆者の280Hzモニターに戻した際に「ちょっとフレームレート低いな」と感じたので、筆者のなかでは、人間の目にもしっかり360Hzが有用であると結論付けた。 また、MPG 271QRX QD-OLEDは26.5インチモニターではあるが、eスポーツシーンで使われがちな24.5インチサイズ表示に対応している。四方が黒帯となるのでやや違和感があるが、より高い競技性をもってプレイしたいユーザーには良いかもしれない。 至れり尽くせりの豊富すぎる機能 画質やゲーミング性能はもちろんだが、MPG 271QRX QD-OLEDは多数の機能を備えている。スタンドの機能性も秀逸で、高さ調節はもちろんチルト、スイベル、さらに90°回転させることも可能だ。この高画質と高ゲーミング性能を活かせるのか筆者は見出せなかったが、縦画面専用のゲームを遊びたいプレイヤーにも良いかもしれない。なお、専用のスペーサーを使うことでVESA100のモニターアームなどにも対応する。 そのほかに、KVMスイッチにも対応。これは、モニターに搭載されたUSBハブに接続したUSBデバイス2つを、HDMIまたはDP接続と、USB Type-C(DP Alt mode)の入力切り替え時に自動的に切り替えるというもの。1つのマウス・キーボードを2つのPCで共有できるというわけだ。 例えば、普段はMacでUSB Type-C(DP Alt mode)で接続して仕事をしつつ、ゲーム用の別のPCを使うような環境であれば、同じマウス・キーボードで仕事もゲームもできて便利になる。 また、入力端子もHDMI 2.1 ×2(HDCP:2.3)、DisplayPort 1.4a ×1(HDCP:2.3)、USB Type-C(DP Alt mode、USB PD) ×1、USB 2.0 Type-A(USBハブ) ×2、USB 2.0 Type-B(PC接続用) ×1、ヘッドホン出力と非常に豊富、複数のPCも家庭用ゲーム機もラクラクつなげられる。USB PDは90W出力に対応するため、対応するデバイスであれば急速充電も可能だ。また、家庭用ゲーム機は1440p/120Hz/HDRに対応するため、HDMI 2.1が2つあるのは大きなポイントだろう。 そのほかに、アンチフリッカー、ナイトビジョン、Adaptive-Sync、AIビジョン、PIP/PBP、DisplayHDR True Black 400など多数の機能を搭載する。これらを制御するのはモニターのボタンを直接押して操作するOSDのほかに、PCにインストールする専用ソフト「Gaming Intelligence」でも可能だ。マウスとキーボードでらくらく操作できるのは地味だが便利だ。なお、背面にあるLEDライトの制御などもこのソフトから可能だ。 ――― ここまで述べてきた通り、MPG 271QRX QD-OLEDは圧倒的な画質、驚異的な応答速度とリフレッシュレート、そして多機能なスタンドなどの豊富な機能は、ゲーマーの要求を余すところなく満たしてくれる、至れり尽くせりな一台となっている。 とりわけ、360Hzの超高リフレッシュレートと0.03msの応答速度は、反射神経と正確性が要求されるゲームで大きなアドバンテージとなるため、競争性の高いeスポーツタイトルのプレイヤーには強くおすすめしたい。 もちろん、QD-OLEDパネルがもたらす鮮やかな色彩と深い黒を楽しみたい、高画質のゲーム体験を求めるプレイヤーや、豊富な機能を使いこなして仕事もゲームもバリバリこなしたいマルチタスクユーザーなど、多くのユーザーにとって頼り強い相棒となってくれるだろう。 MPG 271QRX QD-OLED製品ページ https://jp.msi.com/Monitor/MPG-271QRX-QD-OLED
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- MSIの27インチ湾曲ゲーミングモニター「MAG 27CQ6PF」の魅力は“汎用性の高さ”―WQHD・180Hz対応や優秀な足周りでゲームからビジネスでも活躍
- 提供:エムエスアイコンピュータージャパン MSIから2024年5月30日に発売された「MAG 27CQ6PF」は、27インチ・WQHD・180Hzなどに対応した湾曲ゲーミングモニターだ。想定価格は税込38,800円前後。ゲーミングユーザー向けの高スペックな「MAG」シリーズであり、高コントラストと高速応答を両立した次世代のVAパネルや、AIビジョンをはじめとしたさまざまな機能を搭載している。 本稿では実際に「MAG 27CQ6PF」を10日間ほどメインモニターとして使用したインプレッションをお届けしよう。 美しいRAPID VAパネルで高精細な映像を まず、MAG 27CQ6PFの大きな特徴は、高い解像度と湾曲している点にある。解像度はWQHD(2560×1440)であり、一般的なフルHDの約1.8倍の高精細を誇る。画面を見たときにドットが目立たずより美しい映像を楽しめるだろう。肉眼に近い美しい色彩でHDRにも対応する充実っぷりだ。 そのほかに、画面に一度に表示できる量が増えるというメリットもある。例えばエクスプローラーからお目当てのファイルを探したいときにも、より多くのファイルを表示できるから探しやすかったり、ウィンドウを4つに分割して表示してもしっかり文字が読めたりと、ゲーム以外でも大きな恩恵を受けることができる。 高精細で奥行きのある映像を楽しめる高コントラストと高速応答を両立したRAPID VAパネルは、180Hzの高いリフレッシュレートと、応答速度0.5ms(GTG/最小値)に対応。リフレッシュレートとはざっくりいうと1秒間に描画される画像の枚数であり、その数値が高ければ高いほど、よりなめらかな映像に感じることができるわけだ。一般的なモニターは60Hzであり、MAG 27CQ6PFはその3倍の“ぬるぬる感”でゲームをプレイすることができる。 これはFPSなど、敵の動きをより鮮明に捉えることが勝利へと繋がるゲームで重視されるもので、一度高いものを体験すると低いものを体験したときに明らかに違いが感じ取れる。 また、27インチというサイズ感もFPS用途の場合はやや大きめな部類に入るが、敵が大きく見やすいというメリットがある。もちろんビジネス用途でこのサイズ感とWQHD解像度の相性が良いため、ゲームとビジネスの両方で活用したいユーザーにとっては嬉しいポイントだ。 適度な湾曲で自然なゲーム体験 もうひとつの大きな特徴は「湾曲」という点だ。MAG 27CQ6PFの湾曲率は1,500Rである。湾曲の度合いを示す湾曲率とは数字が小さいほど大きく湾曲する。なかでも1,500Rは人間の視野に近いといわれ、視界に自然に視野が広がっていくようなフィット感が得られる。 より自然に画面全体を視界に収めることができるため、レースゲームやフライトシミュレーターのような没入感の高いゲームとの相性が非常に良い。それだけでなく、映画やドラマなどの映像鑑賞のみならず、eスポーツ大会の観戦なども没入感をもって楽しむことが可能だ。 なお、湾曲率1,500Rは27インチモニターであればそこまでキツくない。感覚的には「ゆるやかにカーブしている」という印象で、FPSや画像編集など、大きくカーブしているとやりにくくなってしまうゲームや作業も、大きな影響を受けにくい。さまざまな用途への汎用性が高いと言えるだろう。 ゲーマーを支える機能を豊富に搭載 また、PS5/Xbox Series X|Sなど家庭用ゲーム機では1440p・120Hzに対応している。DisplayPort 1.4のほかHDMI 2.0b入力も2つ搭載しているため、最大3つの機器を接続でき、前述の映像を楽しむための用途としても存分に活用できるだろう。 そのほかに、残像間を抑えるアンチモーションブラー、チラつきを防止するアンチフリッカー、ティアリングやカクつきを抑えるAMD FreeSync、暗い場所の視認性を向上するナイトビジョン、映像のシーンに合わせてコントラスト・明るさ・彩度を自動で調整してくれる「AIビジョン」、ブルーライトカットなど、ゲームプレイ時にあると嬉しい機能をふんだんに搭載している。 また、足周りも優秀で、上下角度調節(チルト)、高さ調節、左右角度調整(スイベル)にも対応し、角度を自由に調節することができる。とくにスイベルに対応することでモニターの足とキーボードの干渉を防ぐなどの工夫も可能となっている。モニターアームの規格VESA100にも対応しており、もっと自由に動かしたいというユーザーは活用すると良いだろう。 ここまで述べてきた通り、MAG 27CQ6PFは美しく高精細なパネル、高いリフレッシュレートと高速な応答速度、自由度の高い足周りや、ゲーマーを支援するさまざまな機能を搭載した高スペックなゲーミングモニターと言えるだろう。ゲームや映像鑑賞、FPSなどのeスポーツタイトル、そしてビジネス用途など、さまざまな用途にぴったりな一台となっている。 MAG 27CQ6PF製品ページ https://jp.msi.com/Monitor/MAG-27CQ6PF/Overview