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- 23.6インチの180Hz対応湾曲ゲーミングモニター「G2422C」はストーリー重視のゲームからFPSまで楽しめる汎用性の高い一台【レビュー】
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提供:エムエスアイコンピュータージャパン
23.6インチの湾曲ゲーミングモニター「G2422C」が12月7日にMSIより発売された。グラフィカルなコンテンツとの相性の良いVAパネルや、FPSプレイヤーにも嬉しいリフレッシュレート180Hzへの対応、レースゲームなどで没入感が増す湾曲パネルなど、たくさんの用途に幅広く対応する代物である。
また、価格が本稿執筆時点での最安値が22,800円とコストパフォーマンスに優れていることもポイントだ。実際に筆者が10日ほどメインモニターとして使用したインプレッションをお届けする。
湾曲パネルで抜群の没入感
G2422Cの最大の特徴は湾曲パネルにある。湾曲率(1,500R)で没入感があるとより楽しめるコンテンツに最適だ。湾曲率とはパネルの曲がり具合を表すもので、数字が小さいほど大きく湾曲していく。1,500Rとはそのなかでも人間の視界に自然にフィットし、自然に視野が広がっていくような感覚が得られるのだ。
23.6インチなのでやや窮屈さは感じるものの、その分否が応でも没入感は高まる。レーシングゲームやストーリー重視のゲームはもちろん、eスポーツの観戦やストリーマーの配信を視聴する際にも、自然な没入感で楽しめる。
また、パネルには高コントラストでメリハリの効いた映像表現が可能なVAパネルが採用されている。黒色の純粋さなど多くの色を使ったゲームなどではその真価を発揮するだろう。筆者は試用期間中に『Alan Wake 2』(The Game Awards 2023にてベストゲームディレクション賞を受賞)をプレイしてみたが、同作のように色や映像演出によるゲームデザインをより楽しむことができた。
178°度と視野角が広いことも特徴的で、日常使いでは視野角が足りないと感じることもない。湾曲していてもしっかり画面の隅まで自然に視認できるだろう。
高いリフレッシュレートでFPSに有利
G2422Cは180Hzと高いリフレッシュレートに対応している。一般的なストーリー重視のゲームだけでなく、FPSやTPSといった競技性の高いゲームでも重宝する。
簡単に述べると1秒間に何枚の画像を表示させるかを示したこの値は、高ければ高いほど画面がヌルヌル見える。例えばFPSでは敵が見えた瞬間に反応しなければならないが、1秒間により多くの枚数表示してくれることで、敵をより視認しやすくなる。
一般的なゲーミングモニターの144Hzに比べてやや有利であるうえ、DisplayPort・HDMIの両方で180Hzに対応している点もポイントだ。対応する家庭用ゲーム機では1080p・120Hzでの駆動にも対応しているため、コンソールユーザーでも高いリフレッシュレートを楽しむことができる。応答速度も1ms(MPRT)と高速であり、プレイしていて遅延を感じることはまずない。
サイズは23.6インチと、ややゲーミングモニターのなかでは小さい部類に入る。一般的に24インチクラスがゲーミングモニターにおける一般的なサイズ感であり、それに近い感覚でプレイすることができるほか、コンパクトである。
筆者は『VALORANT』を日常的にプレイしているが、やはりリフレッシュレートは高ければ高いほうが良い。最近は500Hz対応モデルも他社から発売されるようになってきたが、まだまだ高額なので、エントリー向けとしては180Hzくらいが適正であるように感じる。より高みを目指したければゆっくりステップアップすれば良いだろう。
また、入力対応端子はHDMI 2.0b ×2・DisplayPort 1.2a ×1で多くのデバイスを接続できるのも嬉しい。前述の通り高コントラストが特徴なので、コンソールゲームで没入感高く遊びまくりたいならピッタリだ。
多彩なゲーマー向け機能
G2422Cの弱点を挙げるとすれば、それは角度調節だ。-5° ~ 20°のチルト(上下方向の角度調整)にのみ対応しており、スイベル(横方向)や高さ調節はできない。ただし、付属のスペーサーネジでVESA75に対応するため、モニターアームを使って自由な角度調節を実現することが可能だ。
対応機能はそれだけではない。ディスプレイ同期技術のAdaptive-Syncや画面のチラつきを抑えるアンチフリッカーにも対応しているほか、長時間のゲームでも安心なブルーライトカット機能も搭載している。
また、ナイトビジョンにも対応している。これは暗い場所を見やすくしてくれるという機能であり、オフ・通常・強い・最も強い・A.I.から選択することができる。A.I.では暗さを自動で検知して最適なものに調整してくれる。特に『Alan Wake 2』のような暗い場所が良く登場するゲームでは、ゲーム内の設定を駆使しても画面が見にくいシーンが少なくない。この時にナイトビジョンを最も強いに設定することで、マップなどの全体が把握しやすくなった。
汎用性が高く最初の一台にピッタリ
ここまで述べてきた通り、G2422Cは没入感を高める湾曲パネルと、ストーリー重視のゲームや動画鑑賞にぴったりなVAパネル、FPSなどでもしっかり遊べる高いリフレッシュレート、ゲーマーを支援するさまざまな機能を搭載されたゲーミングモニターである。
これだけ盛りだくさんの機能を持ちながら、価格は22,800円(本稿執筆時点での最安値)と、入門機としても手に取りやすい金額だ。いろんなゲームを遊びたいというユーザーが最初に購入する一台にはピッタリと言えるだろう。
G2422C スペック
https://jp.msi.com/Monitor/G2422C
パネルサイズ:23.6インチ
アスペクト比:16:9
最大解像度:フルHD(1,920 × 1,080)
リフレッシュレート:180Hz
応答速度:1ms(MPRT)
パネル種類:VA
表面タイプ:ノングレア
画素ピッチ (H X V):0.27156 × 0.27156(mm)
色域:sRGBカバー率:88%・DCI-P3カバー率:81%
最大表示色:約1,677万色
視野角:178°(H)/ 178°(V)
パネル表面曲率: 1,500R
輝度:250
コントラスト比:3,000:1
消費電力:使用時 17W / スタンバイ時 0.5W
入出力端子:HDMI 2.0b ×2・DisplayPort 1.2a ×1・ヘッドホン出力 ×1
本体サイズ:約538 × 216 × 415(mm)
本体重量:約3.3kg
電源タイプ:36W ACアダプタ
電源入力:100 ~ 240V、50 / 60Hz
走査周波数:31 ~ 201 KHz(H) / 48 ~ 180 Hz(V)
上下角度調節(チルト):-5° ~ 20°
高さ調節:ー
左右角度調整(スイベル):ー
画面回転(ピボット):ー
映像端子:最大解像度 / リフレッシュレート:
DP:1,920 × 1,080 / 180Hz
HDMI:1,920 × 1,080 / 180Hz
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- 23.8インチゲーミングモニター「G244PF E2」レビュー! リフレッシュレート180Hz、ピボット(90度回転)にも対応しゲームでも仕事でも汎用性の高い一台
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提供:エムエスアイコンピュータージャパン
180Hzまで対応するリフレッシュレートや23.8インチのサイズ感、高速な応答速度といった、ゲーミングモニターを選ぶうえで重要な要素を網羅しつつ、ピボット(90度回転)にも対応した、お手軽ながらかゆいところに手が届くMSIのゲーミングモニター「G244PF E2」をご紹介しよう。
なお、「G244PF E2」はビックカメラグループ専売モデルで、価格は27,800円(税込)となっている。
FPSでしっかり遊べる安心感
まず、G244PF E2の大きな特徴は高いリフレッシュレートと23.8インチのサイズ感にある。リフレッシュレートとは簡単に述べると1秒間に描画される画面の枚数を示したもので、これが高ければ高いほど、画面は“ぬるぬる”動くようになる。
特にFPSではこれが重視され、例えば敵が一瞬だけ見えるシチュエーションでも、その描画枚数が多いことでより敵の動きを鮮明に捉えることができるようになる。
現在では240Hz~360Hzといったミドル~ハイエンドモデルも主流になってきた。それらと比較すると180Hzはやや低く感じるが、エントリーモデルで一般的な144Hzなどと比べると多少のアドバンテージがあると言えるだろう。
実際に『VALORANT』や『レインボーシックス シージ』などをプレイすると、一般的にオフィスワークなどで使われる60Hzのモニターとは雲泥の差であることがわかる。
また、23.8インチ・フルHDというサイズ感にも注目したい。公式大会など競技シーンなどでは24インチ前後のモニターが採用されるケースが多く、より同じ環境に近い状態でプレイすることができる。フルHD(1,920×1,080)解像度も、FPSプレイヤーであればより高いフレームレートを出すために結局低い解像度でプレイすることが多いため、むしろ助かるかもしれない。
応答速度も1ms(GTG)と非常に高速であり、普通にプレイしている分には遅延が気になることはまずないだろう。
PS5など次世代ゲーム機でも楽しめる
G244PF E2は、従来のIPSと比べ4倍速い駆動速度を実現したRAPID IPSパネルを採用している。IPSパネルの鮮やかな発色や残像感の少ない映像も特徴のひとつで、FPS以外の動きの速いアクションゲームなどでも快適に楽しむことが可能だ。
また、視野角も178°と非常に広いため、動画鑑賞やオフィスワークなどのいわゆる“普段使い”でも重宝する。
もちろん、家庭用ゲーム機も接続可能だ。PS5との接続では、フルHD(1,920×1,080)・120Hzにも対応している点もポイント。HDMI 2.0bが2つ、DisplayPort 1.2aが1つとインターフェースも標準的で、DisplayPortでPCを接続すれば、家庭用ゲーム機やFire TV Stickなどを2つまで接続できる。
残念ながらスピーカーは搭載されていないが、ヘッドホン出力で外部のスピーカーを接続可能だ。
角度調節が自由自在
エントリーモデルとしてFPSやゲームに向いているスペックであることをお伝えしてきたが、調節機能が豊富にあることも特筆すべき事柄だ。
上下角度調節(チルト)は-5° ~ 20°、高さ調節は0 ~ 130mm、左右角度調整(スイベル)は-45° ~ 45°と、モニターの角度調節はかなり自由度が高い。FPSをしていると、どのように画面に向き合えば良いかがわからなくなることは多々あるし、デスクやチェアなど自身の環境にあった角度調節ができないと、肩こりや疲労の原因にもなる。
その点、G244PF E2は豊富な調節機能を搭載しているため、自分にあった角度を模索しやすい。もしそれでも合わないという場合でも、VESA(75)規格に対応しているため、モニターアームなどを活用する手もある。
そして、ピボットにも対応しているのはゲーミングモニターとして珍しい。ピボットとは90度回転させ、いわば縦画面にできるということだ。SNSの閲覧などで重宝されると謳われることが多いが、仕事用のサブモニターなどとしても使うことができる。
もしこのモニターに満足できないレベルまでゲームが上達したら、更に高スペックなものに買い換えるかもしれない。そんな場合でもピボットを活用してサブモニターとして活用してあげると良いだろう。
ゲーマーには嬉しい機能も完備
もちろん、ゲーマーをサポートする機能も充実している。ブレや残像感を抑えるアンチモーションブラーや、画面のチラつきを抑制するアンチフリッカーのほか、長時間ゲームしがちなゲーマーにも嬉しいブルーライトカット機能や、暗い場所の視認性をあげるナイトビジョンも搭載している。画面のティアリングやカクつきを抑えるAdaptive-Syncにも対応しているなど、ゲーマーが求める機能は一通り揃っている。
OSDを通じたそれらの操作もレスポンスが良く、頻繁に入力を切り替えたり設定を変えたい場合も便利だ。
G244PF E2は、FPSや動きの早いアクションなどをしっかりとプレイしたいユーザーや、角度調節は外せないというこだわりをもったユーザーにとっては、有力な選択肢となるだろう。
ビックカメラグループ専売モデル 販売ページ
ビックカメラ:https://www.biccamera.com/bc/item/12258023/
ソフマップ:https://www.sofmap.com/product_detail.aspx?sku=100559570
G244PF E2 スペック
https://jp.msi.com/Monitor/G244PF-E2
パネルサイズ:23.8インチ
アスペクト比:16:9
最大解像度:フルHD(1,920 × 1,080)
リフレッシュレート:180Hz
応答速度:1ms(GTG)
パネル種類:RAPID IPS
表面タイプ:ノングレア
画素ピッチ (H X V):0.2745 × 0.2745(mm)
色域:sRGBカバー率:93%、DCI-P3カバー率:88%
最大表示色:約1,677万色
視野角:178°(H)/ 178°(V)
パネル表面曲率: ー
輝度:300
コントラスト比:1,000:1
消費電力:使用時 17W / スタンバイ時 0.5W
入出力端子:HDMI 2.0b ×2 DisplayPort1.2a ×1 ヘッドホン出力 ×1
本体サイズ:約542 × 197 × 399(mm)
本体重量:約4.7kg
電源タイプ:36W ACアダプタ
電源入力:100 ~ 240V、50 / 60Hz
走査周波数:50 ~ 200 KHz(H) / 48 ~ 180 Hz(V)
上下角度調節(チルト):-5° ~ 20°
高さ調節:0 ~ 130(mm)
左右角度調整(スイベル):-45° ~ 45°
画面回転(ピボット):-90° ~ 90°
映像端子:最大解像度 / リフレッシュレート:
DP:1,920 × 1,080 / 180Hz
HDMI:1,920 × 1,080 / 180Hz
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- 165Hzゲーミングモニター「Optix G251F」レビュー。高画質と高リフレッシュレートを両立! USBハブ搭載でFPSでも仕事でも!!
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提供:エムエスアイコンピュータージャパン
「Optix G251F」は、2023年9月下旬にMSIから発売された24.5インチのゲーミングモニターだ(想定価格:27,800円前後)。
コストパフォーマンスに優れたOptix Gシリーズであり、RAPID IPSパネルの採用で高画質かつ165Hzと高いリフレッシュレートを両立しているのが特徴的だ。
また、G-SYNC Compatibleやナイトビジョンをはじめとしたゲーム支援機能も充実しているほか、DisplayHDR 400やUSBハブ機能も搭載している。
実際に筆者が10日間ほどメインモニターとして使用したインプレッションをお届けする。
美しいだけでなく高いリフレッシュレートに対応したディスプレイ
まず、eスポーツに欠かせないリフレッシュレートが165Hzと非常に高いことが最大の特徴だ。
リフレッシュレートは簡単に述べると1秒間に描画される画像の枚数であり、その数値が高ければ高いほど、1秒間にたくさんの絵によって映像が作られ、よりなめらかに感じることができるわけだ。
特にFPSなどでは敵の動きをより鮮明にとらえることができるため、この数値には気を遣う。
一般的な作業用モニターは60Hzのものが多く、それらと比べると雲泥の差だ。
エントリーモデルとして販売されている多くが144Hzであることを考えると、多少のアドバンテージもある。
競技シーンなどでは360Hzモニターが採用されることも増えてきたが、プロを目指すユーザーも最初の一歩としては165Hzあれば十分だろう。
また、24.5インチというサイズ感もポイントだ。競技シーンではこのサイズのモニターが一般的に用いられることが多い。モニターに向き合った時に無理なく視野全体を使って視認できるからだ。
フルHD(1,920×1,080)という解像度もやや物足りなく感じるが、仮に高い解像度のモニターでも、FPSではフレームレートを上げるために解像度を落としてプレイする場合があり、高解像度モニターで最大未満の解像度に設定する際に画面がぼやけることもあるので、かえってありがたかったりする。
もちろん応答速度も1ms(GTG)で遅延を全く感じないレベルであり、FPSを遊ぶ最初のモニターとして選択するのもアリだ。
また、RAPID IPSパネルを採用することにより、高画質でゲームを楽しむことができる。sRGBカバー率は98.62%ととても高い。
eスポーツに特化したうえで、シングルプレイがメインのゲームタイトルや、映画などの映像作品を美しい映像で楽しむことが可能だ。DisplayHDR 400にも対応しており、対応コンテンツを更に美しく表示してくれる。178度ととても広い視野角もポイントだ。
うれしいUSBハブ機能と弱点を補うポテンシャル
モニターの端子類には、この価格帯には珍しくUSBハブ機能が搭載されている。2つのType-A端子はUSB 3.2 Gen1に対応しており、マウスやキーボードなどのゲーミングデバイスはもちろん、仕事中にさっとデータを整理したり、ちょっとした補助に使ったりと何かと便利だ。
筆者としてもUSBポートが手元に2つ増えるというのはとても嬉しい。
USBスロットがいくつあっても足りないことはゲーマーでなくともPCユーザーであれば頷いてくれるはずだ。
なお、コストパフォーマンスに優れたOptix Gシリーズということもあり、細かな機能は省かれている。そのひとつは角度調節だ。チルト(縦向き)には-5度~20度に対応しているが、スイベル(横向き)や高さ調節などの細かい調節機能はほぼない。
FPSなどではモニターの角度や高さにこだわりたい場面が多々あると思う。そんな場合はモニターアームなどで対応して欲しい。付属のスペーサーを使うことでしっかりVESA100に対応している。
▲取り付け時には2本のネジを締める必要がある
ゲームを補助する機能も満載
Optix G251Fは、ユーザーのゲーミングライフを補助する機能もたんまり設けられている。
黒挿入により残像感を抑えるアンチモーションブラー、ゲームの暗い部分でも視認性を上げるナイトビジョン、対応のグラフィックスカードと組み合わせることでカクつきやティアリングを抑えるG-SYNC Compatibleなどさまざまだ。
長時間ゲームしたがりなユーザーにうれしい目の疲労を軽減する「アンチフリッカー」「ブルーライトカット」機能も搭載されている。
また、背面のジョイスティックを使えば画面の色味を簡単にレスポンス良くカスタマイズすることも可能である。
Optix G251Fはコストパフォーマンスに優れている点についても触れておきたい。24.5インチでDisplayHDR 400にも対応し、165Hzという高いリフレッシュレートを持つゲーミングモニターのなかでは想定価格27,800円ととても安い値段だ。
安心してFPSをプレイできるスペックと、快適に映像を楽しめる高画質パネル、USBハブ搭載やゲーミングらしいさまざまな機能を持っている。FPSをはじめたいユーザーやいろんなゲームを遊びたいユーザー、ビジネス用途とも両立したいモニターを探しているなら有力な選択肢になるだろう。
■ゲーミングモニター:Optix G251F
https://jp.msi.com/Monitor/Optix-G251F
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- 「G27C4X」レビュー! 250Hz・27インチ・湾曲と、FPSをガチで遊ぶときに欲しい三拍子が揃ったゲーミングモニター
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FPSのeスポーツタイトルを快適にプレイするうえで、最近はデバイスへこだわるユーザーが増えているように感じる。わかりやすいのがキーボードやマウスで、eスポーツの大会やイベントなどにいくと、だいたい提携している企業やメーカーのブースがあり、プレイで有利になるデバイスをアピールしている。
こちらから入力するデバイスへのこだわりももちろん大事だが、筆者としては最も大事なのはモニターだと考えている。そもそも、敵を見ることができなければ、入力のしようがない。
今回取り上げるMSIのゲーミングモニター「G27C4X」は、FPSのためにモニターをちょっとステップアップしたいというユーザーにおすすめしたい一台だ。250Hz対応(オーバークロック時)、湾曲パネル、27インチとFPSで必要な三種の神器「リフレッシュレート・湾曲・27インチ」がそろっている。
高いリフレッシュレートで差を付けろ
前述のとおり、まずは「G27C4X」にはFPSを遊ぶうえで大切にしたい「リフレッシュレート・湾曲・27インチ」の3つが揃っていることを強調したい。
リフレッシュレートとは、簡単に述べると1秒間に描画する画像の枚数を表すこの数値は、一般的なモニターで60。ゲーミングモニターならエントリーモデルでは144Hzのことが多い。そんななか「G27C4X」は250Hzと非常に高い(DP接続・オーバークロック時。HDMI接続では最大240Hz)。
リフレッシュレートが高いことにより、敵の動きが表現される枚数が増え、より滑らかに視認することができる。敵の動きがより鮮明になるというわけだ。
なお、これより上のリフレッシュレートになると300Hzを超えるモデルも市場に存在するが、価格が一気に跳ね上がる。250Hzは現状コストパフォーマンス良く購入できるちょうどよい塩梅だ。
湾曲で画面端に簡単アクセス
次に湾曲だ。これは文字通りディスプレイが曲がっていることであり、没入感を高めてくれる。FPSで没入感はいらないと思うかもしれないが、もうひとつ「視点移動の少なさ」というメリットもある。当然ながら、画面が湾曲していることによりモニターの左右の端っこ部分はプレイヤーの目に近くなる。じつは、これが馬鹿にならないのだ。
例えば『VALORANT』や『Apex Legends』といったタイトルでは、画面の端にミニマップなどがある。これに対する意識の向け方が湾曲だとかなり変わる。より身近に画面の端を感じるようになる。敵や味方の位置を把握することはとても大事であることは、FPSプレイヤーならよくわかるだろう。
FPS以外でも嬉しい「27インチ」というサイズ感
そして最後に、27インチというサイズだ。これは好みが分かれるというのが正直なところだが、一般的なユーザーがデスクに置ける実用的なサイズの最大値ではないだろうか。プロプレイヤーは大会などで24インチ前後のモデルを使うことが多いが、特にプロを目指しているわけではないユーザーなら、より敵を見やすい27インチをおすすめしたい。
また、27インチというサイズ感は、映像作品を楽しむ際に迫力が増す。湾曲していることも手伝って、映画やドラマを見る際にも有用だ。
そういう意味では、家庭用ゲーム機でソロゲーを遊ぶのにも向いていると言える。家庭用ゲーム機では1080p・120Hz動作にも対応しているので、遊びたいタイトルも増えてきた最新のゲーム機を遊び尽くすにももってこいだ。
▲HDMI2.0bポート×2とDisplayPort 1.2a×1を備えている
ただし、解像度は1,920×1,080(フルHD)と比較的控えめだ。ビジネス用途などでガッツリ使いたい場合にはより高い解像度のモデルをおすすめしたい。ただし、FPSでは前述の通りより高いfpsを出すために、設定や解像度を落とす傾向にもある(そもそも敵を見やすくするためにグラフィック設定を落とすことも多々ある)。そして、ゲーム上の解像度とデスクトップの解像度に齟齬がある場合、アプリケーションを切り替えた際に画面が大きく乱れることがあるため、FPSゲーマーにとってはむしろ「フルHDがちょうどいい」というユーザーも少なくない。
ゲーマーをサポートする機能も充実
また、応答速度1ms(MPRT)と普通にプレイしている分にはまず遅延は感じないほか、ブレや残像感を抑えるアンチモーションブラーや、画面のチラつきを抑制するアンチフリッカーにも対応している。どちらもFPSをプレイするうえで大切な機能である。
そのほか、長時間ゲームしがちなゲーマーにも嬉しいブルーライトカット機能や、暗い場所の視認性をあげるナイトビジョンも搭載している。
対応のグラフィックカードを搭載したPCであれば、ちらつき補正やレスポンス補正をしてくれるFreeSync Premiumの恩恵に預かることも可能だ。
これらの一部機能や、入力機器の切り替えなどはモニター右下背面のジョイスティックで操作する。こちらのレスポンスも非常に良好でサクサク動くのも嬉しいポイントである。グラフィックの設定も豊富なプリセットが用意されているため、多種多様なゲームに対応している。
▲VESAマウントにも対応している
これでいてコストパフォーマンスは高い
ここまで述べてきた通り、FPSを中心に映像鑑賞や家庭用ゲーム機でのプレイなど、高いスペックを持っている。それにも関わらず、気になる価格は32,800円とかなり求めやすい(Amazon.co.jp専売)。セール時には27,800円まで値下がることもあるようだ。
ゲーミングモニター最初の一台としてはもちろん、現在エントリークラスのモニターを使用しているなら、FPSをよりしっかり遊ぶためのステップアップとしてもおすすめしたい一台だ、
G27C4X製品ページ:https://msi.gm/S7DB5F81
■G27C4X 基本スペック
パネルサイズ:27インチ
アスペクト比:16:9
最大解像度:フルHD(1,920 × 1,080)
リフレッシュレート:240Hz(オーバークロック設定時:250Hz)
応答速度:1ms(MPRT)
パネル種類:VA
表面タイプ:ノングレア
画素ピッチ (H X V):0.3114 × 0.3114(mm)
色域:sRGBカバー率:96.67% DCI-P3カバー率:89.72%
最大表示色:約10億7,300万色
視野角:178°(H)/ 178°(V)
パネル表面曲率:1,500R
輝度:300
コントラスト比:3,000:1
消費電力:使用時 21W / スタンバイ時 0.5W
入出力端子:HDMI 2.0b ×2 DisplayPort1.2a ×1 ヘッドホン出力 ×1
本体サイズ(W × D × H ):611.5 × 225.4 × 457.9(mm)
本体重量:約4.53kg
電源タイプ:45W ACアダプタ
電源入力:100 ~ 240V、50 / 60Hz
走査周波数:258.3 ~ 274.3 KHz(H)/ 96 ~ 250 Hz(V)
上下角度調節(チルト):-5° ~ 20°
高さ調節:なし
左右角度調整(スイベル):なし
画面回転(ピボット):なし
映像端子:最大解像度 / リフレッシュレート:
DP:1,920 × 1,080 / 250Hz
HDMI:1,920 × 1,080 / 240Hz
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- ゲーミングモニター「MSI G2422」レビュー。170Hzリフレッシュレートと美しいIPSパネルが搭載。FPSがしっかり遊べる高コスパゲーミングモニターならコレ!!
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昨今、FPSの盛り上がりが凄まじい。『VALORANT』は2023年6月に国際大会「VCT Masters Tokyo」が日本で初開催された。残念ながら日本のチームが出場できなかったにもかかわらず多くのファンが連日足を運び、諸外国のチームへ声援を送る姿は、何度も繰り返されるeスポーツ元年のひとつであることを感じさせた。
するとやはり、実際に自分でプレイしてみたいという方も多いはず。数年「今は時期が悪い」と言われ続けてきたGPUやメモリなどのPCパーツも、値段が徐々に落ち着きを見せ、今最もPCゲームに手を出しやすい時期に差し掛かっていると言えるだろう。
PCを購入してFPSを遊ぶぞ!という際に導入したいのは、やはりゲーミングモニターだ。本稿で紹介するMSIのゲーミングモニター「G2422」は、想定価格24800円前後と安価でありながら、しっかりとゲーミングモニターに求められる性能を有している。やや自由度のなさは気になるが、その解決方法も含めてお伝えしたい。
FPSに欲しい要素がてんこ盛り
まず、FPSをプレイするうえでゲーミングモニターに求められる最大の要素はリフレッシュレートである。これはざっくり説明すると、1秒間に書き換わる画像の枚数を示しており、数値が高ければ高いほど画面が“ヌルヌル”動く(1秒間にたくさん書き換わる)というわけだ。
一般的なビジネス用モニターやテレビは60Hzであることが多いが、G2422は170Hz(DisplayPort接続でオーバークロック時)とかなり高い値である。また、ゲーミングモニターは一般的に144Hzであることが多く、144Hzのモニターを利用しているユーザーの一歩先を行くことができる。
具体的には、敵の動きを表現する回数が増えるということだ。それはつまり、敵の動きをより視認しやすくなることを意味する。一瞬の駆け引きが求められるFPSでは特にこのリフレッシュレートは重視される。
よりハイエンドなモデルになると240Hz、360Hzといったものも存在するが、筆者個人としては60Hzから上へのジャンプアップが最も変化を感じることができると考えている。今60Hzでプレイしているユーザーにはぜひおすすめしたい。
また、23.8インチというサイズ感にも注目だ。一般的なFPSの大会では、24インチクラスのモニターが採用されていることが多い。FPSに最適なサイズについては議論の余地はあるが、世界大会でプロが使っている環境により近いものを、手軽に自分の環境に取り入れることができる……というのは、アドバンテージと言えるかもしれない。
G2422の解像度は1,920×1,080の、いわゆるフルHDだ。現行の家庭用ゲーム機がより高い解像度出力に対応している昨今、これはやや物足りなく感じるかもしれないが、FPSプレイヤーにとってはそこまで悪い話ではない。
というのも、より高いfpsを求めてFPSのゲーム内設定を落とす場合が多いからだ。その分GPUの負荷が減って高いfpsを期待できる(そもそも競技シーンでのFPSは、極端に美麗なグラフィックがあまり求められないというのもある)。つまり、結局高解像度モニターを使っていてもFPSはフルHDに設定して遊んでいるというプレイヤーも少なくない。また、フルHDを超える解像度のモニターにおいて、フルHDから別の解像度に切り替わる際に画面の乱れがどうしても発生する。最初からフルHDだとそのような不便も発生しない。
また、応答速度1ms(MPRT)と普通にプレイしている分にはまず遅延は感じないほか、アンチモーションブラー・アンチフリッカーにも対応している。どちらもFPSをプレイするうえで必須な機能だ。長時間ゲームしがちなゲーマーにも嬉しいブルーライトカット機能や、暗い場所の視認性をあげるナイトビジョンも搭載されているのも、良いポイントであろう。
これらの機能や、入力先の切り替えなどの操作はモニター右下背面のジョイスティックで操作する。こちらのレスポンスも非常に良好でサクサク動くのも嬉しい。画面の設定も豊富なプリセットが用意され、多くのシチュエーションに合わせてカスタムできるので、自分にあったものを模索できる。
家庭用ゲーム機などもしっかり楽しめるが弱点もある
FPSにぴったりな理由を述べてきたが、G2422はIPSパネル搭載で高画質な映像を楽しむこともできる。映像を主体としたゲームだけでなく、映画やドラマ、アニメを見るにも良い。視野角による色変化も少なく、FPSのように同じ体制で画面に向き合う以外のシーンにもピッタリだ。
▲HDMI1.4bポート×2を備えているので、家庭用ゲーム機などもしっかり楽しむことが可能だ
ただし、高コスパを重視したモデルということもあってか、スタンド機能はチルト(上下方向)の-5度~20度にのみ対応する。高さ調節などがないことがやや不便だが、VESAマウントに対応することで問題を解決している。
▲手回し式のスペーサーが付属する
VESA規格とは、モニターのスタンドやアームなどのネジ穴間隔に定められた国際標準規格であり、多くのモニターアームがこの規格に則っている。モニターに付属したスペーサーネジを使うことでモニターアームに取り付けられ、自分にあった位置でゲームをすることができる。がっつりFPSを遊びたいなら、是非導入して欲しい。
G2422製品ページ:https://jp.msi.com/Monitor/G2422
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- 最初の一台やサブにおすすめ!100Hz高コスパゲーミングモニター「MSI G2412V」
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ゲーミングモニターを選ぶうえで重視することは、多々あると思う。とはいえ、ハイエンドなものを突き詰めることに否定的なユーザーもいるだろう。筆者は今でこそ高いリフレッシュレートのモニターを使っているが、初めてゲーミングモニターを購入したときは、最低限のスペックのものを使っていた。
本稿で紹介する「G2412V」は、ゲーミングモニターデビューするような「最初の一歩」を踏み出すステップとして、またはメインのハイエンドモニターの補助として使うサブモニターとしての運用にピッタリな一台だ。ゲーミングモニターとして必要なスペックを持ち合わせつつ、お値段は14,000円前後という低価格。コストパフォーマンスを求めるユーザーには、ぜひおすすめしたい。「そんなハイエンドじゃなくても良い」という方は検討の価値があるだろう。
■G2412V 基本スペック
実売価格:14,000円前後
サイズ:23.8インチ
アスペクト比:16:9
解像度:フルHD(1,920×1,080)
最大リフレッシュレート:100Hz
応答速度:1ms(MPRT)
パネル駆動方式:IPS
表面タイプ:ノングレア
色域:sRGBカバー率:97%・DCI-P3カバー率:85%
最大表示色:約1,670万色
視野角:178度(H)・178度(V)
最大輝度:300
コントラスト比:1,000:1
入力端子:HDMI 1.4b×1、DP 1.2a×1、ヘッドホン出力×1
まずは外見をチェックしていこう。G2412Vのディスプレイサイズは23.8インチと、ゲーミングモニターとしては標準からやや小さい部類に入る。それゆえにさまざまな環境で取り回しが良いのも、魅力のひとつだ。
見ての通りベゼル(モニターのフチの部分)はとても細いため、余計な場所を取らない。
背面はスタイリッシュな主張をしつつ、ヘアライン加工のようなデザインになっていて上品な印象だ。
なお、組み立てにはドライバーが必要となっている。首の部分とモニター本体の接続部を隠すカバーもついているため、見た目を気にするユーザーにも嬉しい。
スタンド部分が気になるユーザーや、サブモニターといて浮かせて使いたいユーザーは、VESAマウントに対応したモニターアームなどを取り付けることができる。ベゼルが細いため、よりスタイリッシュに使うことができるだろう。
入力端子はHDMI 1.4b×1、DP 1.2a×1、ヘッドホン出力×1と、必要十分。PCと家庭用ゲーム機をひとつずつ繋げれば良い、というユーザーにはちょうど良いのではないだろうか。
しっかりと“ゲーミング”仕様
肝心のディスプレイの見え方については、高画質・広視野角が特徴なIPSパネルなだけあって、十分綺麗な印象を受ける。もちろんMSIの他のハイエンドモニターと比べるとコントラスト比などで劣るのだが、sRGBカバー率97%と、本来の色味で動画視聴やゲームが楽しめるだけでなく、IPSパネルの「どの角度から見ても美しい」という特徴はしっかりとある。
また、リフレッシュレートは100Hzと、一般的なモニターの60Hzと比べて高い。リフレッシュレートとは1秒間に表示される画像の枚数を表したようなものであり、数値が高いほうがよりなめらかに見える。特にFPSなどの動きの速いゲームでは重視されるため、カジュアルにFPSを遊びたいユーザーにもおすすめできる。
さらに、暗いシーンの視認性を向上させるナイトビジョンや、黒色を“黒挿入”として知られるアンチモーションブラー、ティアリング(画面のズレ)などを抑制してくれるAMD Freesyncにも対応。ディスプレイのチラつきをなくすアンチフリッカーや、ブルーライトカット機能なども搭載され、長時間ゲームをしがちなゲーマーにとっても嬉しい。
前述の通り、G2412Vの想定価格は4,000円程である。同価格帯であれば、ビジネス向けいわゆる“普通”のモニターなども検討できるかもしれないが、やはりゲーミング向けのアンチモーションブラーやブルーライトカット機能といった、ゲーミング支援機能が搭載されていることは大きな魅力だ。G2412Vはゲーミング支援機能や100Hzなど、ゲーミングモニターとしての魅力をコスパ良く体験できるモニターと言えるだろう。ゲーミングモニター初心者の最初の一台にピッタリだ。
G2412Vはパソコン工房とパソコンショップ アークの専売で現在発売中。
G2412V:製品ページ
https://jp.msi.com/Monitor/G2412V
パソコン工房
https://www.pc-koubou.jp/products/detail.php?product_id=1000344
パソコンショップ アーク
https://www.ark-pc.co.jp/i/23201494/
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- MSIのゲーミングモニター「G32C4X」レビュー。湾曲による没入感と250Hzの高リフレッシュレートを楽しみたいならコレ!!
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eスポーツに対する熱量は、日本では年々高まっている。『VALORANT』の国際大会「VCT 2023 Masters Tokyo」の開催をはじめ、今年は人気シリーズ最新作の『CounterStrike 2(CS2)』が発売されるほか、格闘ゲームにおいても、簡単な操作のモダンタイプやシングルプレイヤー専用モード「ワールドツアー」を搭載した『ストリートファイター6』の発売など、2023年もさまざまなトピックが目白推しだ。
そこで今回紹介するのが、250Hzという高いリフレッシュレートと、湾曲率1500Rを誇るMSIのゲーミングモニター「G32C4X」だ。eスポーツタイトルをとにかく高いリフレッシュレートと没入感でプレイしたいというユーザーにはうってつけ。
■G32C4X 基本スペック
価格:40,480円前後
サイズ:31.5インチ
アスペクト比:16:9
解像度:フルHD(1,920×1,080)
最大リフレッシュレート:240Hz(OC時:250Hz)
応答速度:1ms(MPRT)
パネル駆動方式:VA
表面タイプ:ノングレア
色域:sRGBカバー率:97.72%・DCI-P3カバー率:91.08%
最大表示色:約10億7,300万色
視野角:178度(H)・178度(V)
パネル表面湾曲率:1,500R
最大輝度:300
コントラスト比:3,000:1
入力端子:HDMI 2.0b×2、DP 1.2a×1、ヘッドホン出力×1
とにかく高いリフレッシュレート
ゲーミングモニターがなぜゲーミングの名が冠されるのかはさまざまな訳があるが、その多くはリフレッシュレートの高さにある。価格比較サイト「価格.com」では「ゲーミングモニター」カテゴリにおいて144Hzのモデルが最も多い。しかし「G32C4X」はそれを大きく上回る250Hzに対応している点が大きなポイントだろう。
リフレッシュレートとは、ざっくり言うと1秒間に映し出す画像の枚数を示している。そもそも映像は画像をとんでもないスピードで連続表示させるものであり、1秒間におけるその表示枚数が増えれば増えるほど、なめらかに見えるというわけだ。
リフレッシュレートは、FPSなどのシュータージャンルにおいてはとても大きな要素だ。高いリフレッシュレートでプレイすると、その分敵の見え方も変わってくる。例えば1秒間だけ視認できた敵に対して、60Hzのモニターであれば60回しかその敵を表示しないが、「G32C4X」では最大250回その敵を表示することになる。おのずとその敵の動きがより鮮明に視認できる。
度々「人間の目でわかるのか」問題がSNSなどでささやかれているが、筆者個人としては「わかる」と断言できる。特に250Hzでしばらくゲームをしたあとに144Hzのモニターに戻ると、明らかに動きがカクついているように見えるのだ。60Hzから144Hzにしたときとは多少その衝撃度や違いのわかり方に差はあるが、より高いリフレッシュレートで勝ちを目指したいプレイヤーはこだわって損はない。
また、フルHD(1,920×1,080)という解像度も、リフレッシュレートを極限まで高めるために設定を落としがちなFPSプレイヤーにとっては最適と言える。正直、31.5インチというゲーミングモニターにしてやや大きめなサイズにとって、フルHDは表示できる情報量などに物足りなさは感じるが、ゲーム用と割り切れば良いだろう。もちろん応答速度も1msと高速なので、遅延を感じる場面はほぼないだろう。
高コントラストで没入感のあるディスプレイ
「G32C4X」のもうひとつの特徴は、湾曲率1,500RのVAパネルだ。sRGBカバー率97.72%の広い色域と、VAパネルのメリハリある高いコントラストを持ったパネルは、グラフィカルなゲームにはとても向いている。例えば、発売を迎えたばかりのNintendo Switch向けソフト『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』なども、特徴的なグラフィックが良く映えるように感じる。
また、31.5インチに対する湾曲率1,500Rは、ちょうどモニターと向き合ったときの視界におさまってくれる。自然な没入感が得られるため、レースゲームなど、スピードを感じることができるゲームタイトルではその真価を発揮してくれるだろう。
そのほかゲームだけでなく、eスポーツ観戦や映画、ドラマなどの映像鑑賞にも向いている。
▲HDMI 2.0bは2つあるため、ゲーム機やFire Stickなどと合わせて運用するのが良い
ゲーマーをサポートする機能も充実
ゲーマーには嬉しい機能もしっかり備えている。対応のグラフィックスカード使用時に画面のカクつきなどを軽減するFreeSync Premiumや、ちらつきを防止するアンチフリッカー、いわゆる黒挿入と呼ばれるアンチモーションブラーにもしっかり対応している。
また、ゲームにおける暗い場所の視認性を向上させるナイトビジョンや、長時間ゲームしがちなゲーマーには嬉しいブルーライトカットなども詰め込まれている。VESA規格対応で、モニターアームでの運用も可能だ。
ここまで述べてきた通り、「G32C4X」はメリハリのあるVAパネルと非常に高いリフレッシュレートで、FPSをはじめとするeスポーツプレイヤーにはぴったりの一台になっている。また、湾曲パネルによって没入感のあるゲームや映像体験まで実現している。
31.5インチながらフルHD解像度という点をどう捉えるかはユーザーによると思われるが、フルHDで遊ぶことの多いeスポーツプレイヤーにとってはむしろプラスに作用するだろう。これらを許容できるのであれば、「G32C4X」は有力な選択肢のひとつとなる。
「G32C4X」は現在大手家電量販ネットショップなどで発売中。価格は本稿執筆時(2023年6月14日現在)で39,800円~となっている。
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- ゲーマー心を刺激するスケルトンキー!「Bravo-15-C7VE-3403JP」はRyzen 7 7735HSとRTX 4050 Laptopで仕事もゲームもバッチリのゲーミングノートPCだ【レビュー】
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今回紹介するゲーミングノートPCのBravo-15-C7VE-3403JPは、ビジネスや学習といった普段使いや、昨今盛り上がりを見せるPCゲームなど、さまざまな用途に幅広く対応している。また、『VALORANT』や『League of Legends』など、手に汗握るeスポーツタイトルだけでなく、多くの個性を持ったインディーゲームなど、多くのゲームタイトルを網羅できるようなスペックだ。
15.6インチ・フルHDという標準的なスペックは、取り回しも良好で、自宅の限られたスペースや、出張先など、デスクトップ型ゲーミングPCを導入することにためらっているユーザーにはピッタリだ。
基本スペックは以下の通り。
■Bravo-15-C7VE-3403JP 基本スペック
OS:Windows 11 Home
ディスプレイ:15.6インチ、フルHD(1,920×1,080)、ノングレア、144Hz
CPU:AMD Ryzen 7 7735HS / 8コア16スレッド
グラフィックス:NVIDIA GeForce RTX 4050 Laptop GPU
メモリ:16GB(8GB ×2)DDR5
メモリ空きスロット:なし(2スロット合計最大64GB)
SSD:1TB(M.2 NVMe)
SSD専用空きスロット:M.2 NVMe(PCI-e Gen4) 専用空きスロット ×1(MSI公認サポート店でのみ増設可能)
有線LAN:1Gbps
無線LAN:Wi-Fi 6E(11ax)、Bluetooth 5.2
キーボード:シングルカラーバックライト内蔵日本語キーボード
スピーカー:ステレオ2スピーカー
映像出力端子:USB3.2 Gen1 Type-C(映像出力対応)×1、HDMI ×1
Webカメラ:92万画素(マイク内蔵)
I/Oポート:USB3.2 Gen1 Type-C(映像出力対応)×1、USB3.2 Gen1 Type-A ×2、USB2.0 Type-A ×1、HDMI ×1、オーディオコンボジャック ×1
バッテリー:リチウムイオン、53.5Whr、3セル
バッテリー駆動時間:最大7時間(JEITA 2.0)
ACアダプタ:200W
本体サイズ(WxDxH/mm):359×259×24.9mm
本体質量:2.25kg
ゲーマー心をくすぐるデザイン
まずは外観を見ていこう。全体的にブラックで統一されたデザインであり、天板のロゴのさりげない輝きと機械らしいラインは、良い意味でゲーミング感を引き立てている。背面と底面には大きな排吸気口が備わっている。
天板を開くと、奥行きはあるものの、左右のベゼルは細く、シュッとした印象だ。
また、天板はほぼ180度まで開くため、膝のうえで作業する際や、他の人と画面を共有するときなどに便利なつくりだ。
重量は2.25kgと、このサイズを考慮するとやや取り回ししやすいと言える。すると特にさまざまな場所で使用するケースが考えられる。実際に筆者もいくつかのゲームや仕事用のツールをインストールして使うなかで、電車の中や自宅でちょっとした作業をしたいとき、膝のうえで開くことが多かった。そんなときに180度まで大きく開くため画面をしっかりと視認することができるため重宝した。
そして、特徴的なのがキーボードだ。ゲームの移動で多用するWASDなどの一部のキーが、スケルトン仕様になっている。昔は(ゲームボーイカラーの時代まで遡るが)スケルトンの製品が多く見られたが、最近はあまりない。筆者個人としては内部の機構がチラっと見えることにオタク心がくすぐられるので、もっと流行ってほしい。
Bravo-15-C7VE-3403JPはLEDバックライトを搭載しているため、自由に光らせ方をカスタムすることも可能。キー配列もテンキー付きで数字入力にも優しい。ノートPCにありがちな十字キーが小さくなっているなんてこともないので、使い勝手の良いキーボードと言える。
▲WASDの部分はスケルトンになっているだけでなく、「W」部分に突起が付いているため、視覚だけでなく触覚でもキーの位置を把握しやすい
▲左側面にはUSB2.0 Type-A ×1・USB3.2 Gen1 Type-Aが搭載されている
▲右側面にはUSB3.2 Gen1 Type-C(映像出力対応)×1・USB3.2 Gen1 Type-A ×1・HDMI ×1・オーディオコンボジャック ×1、そして有線LANポートが搭載されている
カジュアルゲームもサクサク遊べる安定した性能
肝心なのは性能だ。CPUにRyzen 7 7735HS、GPUにRTX 4050 Laptopを採用した本モデルは、グレードでいえばエントリーに値する。といっても、RTX 40シリーズにはDLSS 3や第三世代レイトレーシングに対応するなど、前世代のモデルと比較するとその性能は飛躍的に向上している。
また、ディスプレイはフルHD解像度なため、このスペックでも十分なフレームレートや高速動作が可能だ。実際にベンチマークで見ていこう。
CPUの性能を測るCinebench R23では上記のような結果となった。ブラウジングや簡単なクリップ編集などの作業ではかくつきなどもなく、ブラウザのタブを常に開いてももたつくことはなかった。重たい動画編集ソフトの起動にやや時間がかかるものの、一度起動すれば(扱う素材にもよるが)動作は良好であった。表計算ソフトや文書作成ソフトなどでは快適なので、やはり普段使いに適したスペックであると言えるだろう。
GPU性能を計る『FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク』では以下のような結果だ。フルHDという条件ではあるが、高品質でも「快適」である。
『FF15』はかなり重ための3Dゲームであることから、手軽に遊びたいゲームでは十分に動作すると言える。複数のインディーゲームや3Dゲームを実際に遊んでみても、不足なく快適に遊ぶことができた。
また、eスポーツタイトルにおいては十分すぎる性能を持っている。『VALORANT』や『レインボーシックス シージ』など、eスポーツタイトルはそもそも要求スペックが低かったり意図的に設定を落としたりと、敷居が低めに設定されているのだ。
『Apex Legends』を起動してみると、ドロップシップからの降下時にはかなり重くなるものの、降下したあとは高設定でも60fps前後でプレイすることができた。さらに設定を低くしていくことで、フレームレートを上げることも可能である。
また、『レインボーシックス シージ』や『VALORANT』、『オーバーウォッチ 2』などでは設定を落とさずとも144fpsを安定して出すことができる。
ここまで述べてきた通り、Bravo-15-C7VE-3403JPはゲーマーの心をくすぐるデザインと、普段使いとゲームを両立できる地に足の付いたスペックが魅力の一台と言える。
筆者は約2週間、普段の仕事やゲーム、出張先などで使ってみたが、コンパクトで取り回しの良い点は、やはりゲーミングノートPCならではの利点である。本モデルは、重たいゲームをガツガツ遊ぶ!というよりはカジュアルなゲームを少し遊ぶほか、ゲームもできて仕事もできるノートPCが欲しい……というニーズに応えてくれる一台であるように感じた。
Bravo-15-C7VE-3403JP製品ページ
https://jp.msi.com/Laptop/Bravo-15-C7VX
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- IPSパネルで発色良し、170Hzでeスポーツも良し、Amazon専売で手軽に買えるゲーミングモニター「MSI G2712」レビュー
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MSIの「G2712」は、27インチのIPSパネルを採用したフルHD(1,920×1,080)のゲーミングモニターだ。ゲーマーがモニターを選ぶうえで必要なものを適度に詰め込んだスタンダードなモデルであり、しっかりとした発色のモニターでゲームを楽しみたいゲーマーや、ハイリフレッシュレートでFPSを楽しみたいコンペティターにはピッタリの一台だ。
実際に数週間使ってみた筆者のインプレッションをお届けする。
スタイリッシュで落ち着いた外観
外観はスタンダードで至ってシンプルな装いだ。ベゼルは細くスタイリッシュなだけでなく、複数台並べた際にもその縁が気にならないようになっている。
背面はややゲーミングらしさを感じるが、落ち着いた黒を基調としたデザインだ。名に冠されるコテコテのゲーミングっぽさを、そこまで感じないのがむしろ良い。足回りは細く広くといった印象で、キーボードの斜め置きなどもギリギリできる塩梅に調節されている。
入力端子はHDMI 1.4b が2つ、DisplayPort 1.2が1つだ。家庭用ゲーム機やFire Stickなどを2つ接続できるのが嬉しい。
また、VESA(100×100)にも対応している。モニターアームなどへの取り付け時には、そのままネジ止めすることができるため、簡単に導入することができる。本モデルでは残念ながらスイベル(横方向の角度調節)と高さ調節には対応していない。モニターアームに簡単に取り付けられるのはメリットのひとつだ。なお、チルトには対応している。
充実の設定項目
ボタン類は右裏側のジョイスティックと、右下にある電源ボタンの2つのみだ。ジョイスティックは押し込むことでOSD(オンスクリーンディスプレイ)が表示され、各種設定にアクセスすることができる。また、ジョイスティックの上下左右には設定を割り当てることができるので、よく使う機能を設定しておくと便利だ。
OSDでは、ゲームモードの設定が可能だ。FPSやレーシング、RTSといったジャンルに応じてプリセットが用意されているので、深く考えずに遊ぶゲームに合わせて活用したい。また、ナイトビジョンやイメージ拡張などの強弱を設定できる。なかでも、イメージ拡張は映像における輪郭を強調してくれる機能であり、FPSなどでは敵が視認しやすくなるなどのメリットがある。余談だが、ナイトビジョンなどの機能は好みがわかれることがあるので、オフにできるのは嬉しい。もちろん、輝度、コントラスト、鮮明度、色温度などを細かく設定することも可能だ。
MPRTにも対応している。これはいわゆる“黒挿入”と呼ばれる機能であり、アクションゲームやFPSなどの激しい動きで起こる残像感を消してくれる。つまるところ、それぞれのフレームがはっきりするというわけだ。特にFPSでは必須とも言われている機能であり、敵の動きをより見やすくしてくれる効果がある。
IPSパネルで美麗なゲーム体験を
肝心な見え方については、IPSパネルのおかげもあってとてもはっきりくっきりとした美しさがある。IPSパネルの特徴は他のパネルと比較して高画質であることだ。実際にゲームで遊んでみると、その美しさがパリッと映し出され、ゲームが表現したい本来の色合いを楽しむことができる。特に『オクトパストラベラー』(スクウェア・エニックス)シリーズのような色彩豊かなゲームには向いている印象だ。なお、SRGBカバー率は驚異の99.32%とのこと。
178度と広い視野角も特徴のひとつだ。筆者はよくタブレットなどでゲームをしながらPCでNetflixを流しているのだが、ぐだぐだと寝っ転がりながらデスクにあるモニターを見ても、しっかりと映像を楽しむことができた。テレビ的な使い方をしたいユーザーにももってこいだ。VODやスマホ・タブレットのミラーリングなども楽しみたいという、家庭的なゲーマーにも合うかもしれない。
170HzでFPSが有利になる
DisplayPort接続時、OSD上でオーバークロック設定をすることで170Hzの駆動に対応している。1秒間にモニターが表示できるフレーム数を示すリフレッシュレートは、高ければ高いほど映像が滑らかになり視認性が上がる。FPSにおいては、敵キャラクターがなめらかに動いてくれることで、敵をしっかりと捉えることができるのは大きなメリットだ。
一般的に144Hzのゲーミングモニターが多く見られるが、それらよりも少し高い170Hzというのも本モデルを選ぶ理由のひとつとなり得るだろう。なお、HDMI接続時では最大144Hzに対応している。複数のPCを繋ぎたいときもしっかりとリフレッシュレートが確保できているのも嬉しい。
筆者はほぼ毎日のようにFPSを遊んでいるが、170Hzの恩恵は大きい。筆者が普段使っている144Hzのモニターに戻したときに違和感を覚えるくらいには、リフレッシュレートの慣れというのは大きい。FPSを遊ぶ予定があるゲーマーは、是非ともこのグレードのモニターを選んで欲しい。応答速度が1msと高速なので、不利になる要素はないと言ってよいだろう。
また、27インチというのもポイントだ。プロシーンでは24.5インチサイズのモニターが使われることが多いが、27インチでは敵の視認性が良い(シンプルに画面が大きいので当たり前ではあるが)。特に照準のど真ん中をずっと見ていることの多いゲームに関してはやりやすい。具体的には『VALORANT』や『レインボーシックス シージ』といった、特定の場所をずっと合わせておくことの多いゲームにはなおさら相性抜群だ。
余談だが、フルHDでプレイすることが多いFPSでは、高解像度モニターを使うと裏画面にいく際に画面が大きく乱れるので、それがないのが筆者としてはありがたい。
ゲーマーをサポートする機能も充実
冒頭でも少し触れたが、ナイトビジョンやMPRTなどの機能のほかにも、対応のグラフィックカード使用時に画面のカクつきなどを軽減するFreeSync Premium、アンチフリッカー、ブルーライトカットにも対応している。ゲームでの優位を得るだけでなく、目の疲れを軽減するゲーマーに優しい機能をしっかりと詰め込んでくれているわけだ。
ここまで述べてきた通り、G2712は発色の良いIPSパネルと高いリフレッシュレートでさまざまな用途に合う汎用性の高い一台と言える。「迷ったらこれ」というスタンダードな印象である。チルト以外の調節機能に対応してないのはデメリットではあるが、モニターアームへ簡単に取り付けられるのでカバーできている。フルHD解像度をどう見るかによるが、FPSゲーマーにとってはむしろメリットになるとお伝えしたい。
ゲーマーをサポートする盛りだくさんの機能と、ゲーマーにとってメリットの多いディスプレイを備えたG2712は「迷ったらコレ!」とおすすめできる有力な選択肢のひとつだ。
G2712はAmazon専売で現在発売中。価格は本稿執筆時で29,800円だ。
G2712製品ページ
https://jp.msi.com/Monitor/G2712
Amazon商品ページ
https://amzn.asia/d/c58ys1u
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- 最強スペック搭載でゲームも仕事もこれ一台! もはや持ち運べる“拠点”と言っても過言ではないゲーミングノートPC「Vector GP77 13V」シリーズレビュー
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ゲーミングノートPCの用途を考えたとき、持ち運び専用のためにハイスペックなものを購入するのにためらったことはないだろうか。ほぼ家にいないような特殊な場合でもない限り、ほとんどの人がPCを使うのは自宅か職場だろう。ちょっと外に出た短い時間のためだけに、自宅とは別の環境をゲーミングノートPCとして構築するのは、少々コスパが悪い。であれば、拠点となる自宅でもゲーミングノートPCを使ってしまえば良いのでは?という考えが浮かぶ。
そんな拠点型ゲーミングノートPCを求めているのであれば、MSIから発売されているゲーミングノートPC「Vector GP77 13V」シリーズはぴったりな一台となる。
「Vector GP77 13V」シリーズは、とにかく高水準なスペックを持っていることが最大の特徴だ。ノート型とは思えない高速な動作を実現している。ゲーミングデバイスメーカー「SteelSeries」との共同開発によるキーボードを搭載し、ディスプレイには240Hzの駆動のWQHD(2,560×1,440)ディスプレイを採用。この時点で最強スペックであることがわかると思う。
それだけでなく、最大3つの外部ディスプレイ出力へ対応や、豊富なインターフェースによってそれらを自宅でも手軽に楽しめることが特徴的だ。実際に10日間ほど使い倒したインプレッションをお届けしよう。
「Vector GP77 13V」(本レビュー機はVector‐GP77‐13VG-1024JP)基本スペック
OS:Windows 11 Home
ディスプレイ:17.3インチ、WQHD(2,560×1,440)、ノングレア、240Hz
CPU:インテル® Core™ i7-13700H 14コア(6P+8E)20スレッド / 最大5.0GHz
GPU:NVIDIA® GeForce RTX™ 4070 Laptop GPU 8GB GDDR6
メモリ:32GB(16GB ×2)DDR5
メモリ空きスロット:なし(2スロット合計最大64GB)(MSI公認サポート店でのみ増設可能)
SSD:2TB(M.2 NVMe)
有線LAN:2.5Gbps
無線LAN:Wi-Fi 6E(11ax)、Bluetooth 5.3
キーボード:SteelSeries Per-Key RGB 日本語キーボード
スピーカー:ステレオ2スピーカー
Webカメラ:92万画素(マイク内蔵)
I/Oポート:USB3.2 Gen2 Type-C(映像出力、USB PD対応)×1 (Thunderbolt非対応)
USB3.2 Gen1 Type-A ×3
Mini DisplayPort ×1
HDMI ×1
オーディオコンボジャック ×1
本体カラー:コアブラック
バッテリー:リチウムイオン、65Whr、4セル
バッテリー駆動時間:最大7時間(JEITA 2.0)
本体サイズ(WxDxH/mm):397×284×25.9mm
本体重量:2.8kg
ゲーマー向けにチューンされた外観と装備をチェック
まずは外観を見ていこう。ゲーミグノートPCらしいフォルムが印象的な「Vector GP77 13V」シリーズは、17.3インチということでノートPCとしてはかなり大きい部類のサイズだ。といっても薄さは25.9mmと、その大きさを感じさせない。ベゼル部分も細くなっているので、17.3インチと考えるとコンパクトな装いである。
最大までディスプレイを開いた状態は以下のようなイメージだ。ヒンジ部分は装飾が施され、ゲーミング感を主張している。全体的に角張ったイメージを与え、それぞれの角はさらに角を持った加工になっている。
▲本体の右側面は、USB3.2 Gen1 Type-Aが2つ搭載されている
▲左側面はUSB3.2 Gen1 Type-Aと映像出力とUSB PDに対応したUSB3.2 Gen2 Type-C、イヤホンジャックが搭載されている
▲そして背面には有線2.5Gbps対応有線LAN、HDMI、電源ポートだ。常に接続して使うことの多いこの3つが背面にあるのも嬉しい
WQHD(2,560×1,440)の17.3インチディスプレイは、なんと240Hzのリフレッシュ・レートでの駆動に対応している。簡単に述べると1秒間に書き換わる画像の枚数が240枚ということで、一般的なディスプレイは60Hzであり、ゲーミングモニターでも144Hzのものが多い。
そんななかで240Hzというのは、プロゲーマーが世界大会で使用しているレベルの駆動速度だ。実際にゲームを遊んでみるとそのなめらかさに驚く。筆者は普段144Hzのモニターを使用しているが、240Hzでしばらく遊んでから144Hzに戻るとその差を感じることができた。勝利へ直結する部分なので、妥協したくないユーザーにはもってこいだろう。
また、キーボードには古くからゲーマーを支えてきたSteelSeriesとコラボレーションしたキーボードが採用されている。一般的なノートPCに比べてしっかりとした押し心地になっている。フルサイズキーボードでテンキーもついているので、データ入力時なども便利だ。ゲーミングらしくRGB LEDが搭載されているので、暗い場所でもキートップは見やすい。
SteelSeriesのデバイス制御ソフト「SteelSeries GG」もプリインストールされていて、マクロ設定やキーの入れ替えや無効化、光り方などを自由にカスタムすることが可能だ。
最強性能を持つCPU&GPU
そして、「Vector GP77 13V」(本レビュー機はVector‐GP77‐13VG-1024JP)の最大の魅力はそのスペックにある。CPUにはインテル® Core™ i7-13700Hを、GPUにはNVIDIA® GeForce RTX™ 4070 Laptopを採用している。どちらも最新シリーズのパーツであり、これ以上何を求めるのかと思うほど高水準だ。
CINEBENCH R23を実行してみると、ぐんぐんと表示される速度に感動する。ノートPC向けのCPUはどうしても性能が劣ってしまう傾向にあるが、11世代のデスクトップ向けCPUよりも遙かに高性能であることがわかるだろう。
実際の用途ではその性能に不満を持つことはほとんどないように感じる。PhotoshopやPremiere proなどAdobeソフトもスムーズに起動することができるほか、多くのソフトを起動してももたつきなどは感じられなかった。
やはり気になるのはゲーム性能だ。ユービーアイソフトのオープンワールド作品『ファークライ6』のゲーム内ベンチマークを実行してみると、画質プリセットを最高にしても60 FPSを軽々と上回る結果となった。なお、これは解像度をWQHDにしているので、フルHDに落とすなど工夫することでより良い結果を出すことができるだろう。
また、オンラインアクションRPGとして期待されている『BLUE PROTOCOL』のベンチマークを実行した結果は以下の通りだ。これだけの性能があれば、大抵の3Dゲームであれば快適に遊ぶことができると言えるだろう。
なお、「Vector GP77 13V」シリーズの持つ240Hzを活かすなら、競技性の高いシュータージャンルがおすすめだ。『レインボーシックス シージ』のゲーム内ベンチマークを実行すると、平均FPSは脅威の403という数字を叩き出した。画質を最高にしてもこの結果だ。
実際にはこのようなタイトルは敵を視認しやすくするために画質や解像度を落とすことが多いので、どれだけ処理が重いと思われる場面でも240Hzを下回ることはないだろう。
またGPUのTurbo Boost有効時でもCPUの消費電力を落とさずフルパワー動作を実現する「MSI OverBoost」を搭載することで、ノート型ながら極力その性能を落とさないようなシステムになっている。
「MSI Center」を使うことで、用途に合わせたセッティングを組むことができる。持ち出し時と自宅時での使い分けも簡単に行えるだろう。
ファンもしっかりコントロール
ゲーミングノートPCで気になるのは、やはりファンの音だ。シェア型と独立型ヒートパイプと2基の冷却ファンによって構成された「Cooler Boost 5」を搭載している。ヒートパイプは5本であり、排気スリットは4つ設けられている。
『ファークライ6』ベンチマークを実行しているときなど高負荷時はファンがうなりを上げるものの、そこまで大きな音ではなく、本体も大きな熱を持つことはなかった。また、負荷が弱まればすぐにファンの回転数が落ちるようにしっかりコントロールされているので、安心感がある。
ここまで述べてきた通り、「Vector GP77 13V」シリーズ は最新の13世代インテルCPUとRTX40シリーズの組み合わせによって、高速な動作と美しいグラフィック性能を実現していることが何よりの特徴であり見所だ。また、240Hzという驚異的なリフレッシュ・レートにより、競技的なタイトルを快適にプレイすることができる。さまざまなタイトルを楽しみたいユーザーにフィットする一台と言えるだろう。
また、最大で3枚の外部ディスプレイに対応している。これにより、自宅では据え置きモニターに接続して、デスクトップPCのように腰を据えてマルチディスプレイ環境を実現することもできる。DP出力対応のUSB TYPE-Cにも対応しているので取り回しも良く、まさに持ち運べる拠点だ。
Vector GP77 13V 製品ページ
https://jp.msi.com/Laptop/Vector-GP77-13VX
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- 量子ドット技術を採用した発色の良さと、170Hzの高リフレッシュレートを両立した高コスパWQHD/27インチゲーミングモニター「MSI G274QPF-QD」レビュー
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ゲーミングモニターを選択するうえで、取捨選択を迫られる場面は少なくない。高いリフレッシュレートを求めると発色が犠牲になったり、発色が良い高リフレッシュレートを求めると高価であったりと、理想的なモニターを見つけるのは案外難しい。
そんな欲張りなユーザーにおすすめしたいのが、量子ドット技術を採用することで美しい発色を実現して170Hzと高いリフレッシュレートに対応し、さらにコストパフォーマンスまでバッチリな27インチのWQHDゲーミングモニターの「G274QPF-QD」だ。そのハイスタンダードなスペックは、エントリーモデルでは物足りないユーザーや、ハイエンドモデルほどの金額は予算的に厳しいというユーザーにうってつけのモニターとなっている。
まず印象深いのが“質感の高さ”
まず組み立てながら感じたことは“質感の高さ”だ。コスパの良いモニターとなると外装から安っぽさをどうしても感じてしまうことも少なくない。しかし「G274QPF-QD」は全体にマット仕上げを施すことで、高級感のある印象になっている。細いフレームや背面もシンプルかつスタイリッシュなデザインであり、MSIのロゴもシックで控えめだ。
本モデルは、上位グレードの「Optix MAG274QRF-QD」に対する廉価版というポジションだそう。しかし見た目からは廉価版であることを感じさせない装いである。
また、スタンドとネックは手回しネジで簡単に取り付けることができる(ディスプレイ部分とスタンドはドライバーで2本のネジを留める必要がある)。ネック部分にはケーブルを通す穴も設けられているので、ごちゃつきがちなモニター周りもすっきりとまとめることが可能だ。
VESA(75)にも対応しているので、モニターアームなどにつなげて自由に動かすのも良いだろう。
圧倒的な取り回しの良さ
ディスプレイと向き合うなかで大切な機能のひとつである角度調節も、かなりしっかりと対応している。高さ調節は0~130mmで対応しているため、スタンドギリギリのかなり下に下げることができる。モニターの背面へのアクセスも良く、マルチディスプレイ環境では他のモニターと高さを合わせやすい。
チルト(上下方向の角度調節)も-5°~20°で対応。モニターとしっかり向き合う用途で使う場合には、視線とモニターの向きをそろえることで疲労軽減にもつながる。なにより、集中して作業やゲームをしたいときに嬉しい機能だ。
また、スイベル(横方向の角度調節)に対応していることは、FPSなどマウス・キーボードを使ってゲームをするユーザーにはとてもありがたい。というのも、FPSゲーマーはディスプレイと目の距離がとても近い場合が多い(これが目に悪い可能性も否定できないので推奨はできない)。そんなときに効いてくるのが、スタンドとディスプレイの角度の兼ね合いなのだ。
▲スタンド部分をななめにし、キーボードと沿わせるイメージ
スイベルに対応することで、スタンド部分を斜めにしつつ、ディスプレイはユーザー側を向いているという構図を作ることができる。これにより左手で入力するキーボードを自然な形で設置できるので、本モデルはコンパクトなスタンド部分のデザインも相まってとても助かる。
ピボット機能もあり
「G274QPF-QD」はピボット機能(画面回転)にも-90°~90°の間で対応している。これは画面を縦にして使用できるという機能だ。メインモニターの横にサブモニターとして縦置きするも良し、縦に2枚並べて巨大なスクリーンにして使うも良い。
後者の使い方は、画面に常に固定したウィンドウを表示するような用途ではとても便利である。証券会社などのオフィスでは縦画面を駆使して多くのモニターを使っていることも多い。
筆者は普段、メインモニターは横、その両脇にサブモニターをそれぞれ縦置きにして使っている。ゲーマーとしては横方向でメインモニターは外せないが、サブモニターであれば縦で
も不便ない。ゲームをしながら見たい情報を置いたり、SpotifyやNetflixを流いたりと、ちょうど良い使い方だ。
そのままで美しい発色の良さ
そして、なんといっても「G274QPF-QD」の最大の特徴は量子ドットの搭載で、色純度の高い発色を実現している点だ。量子ドットとは、光の3原色であるRGB(赤・緑・青)を高いレベルで再現可能な技術であり、特定の色に強弱があった従来のLEDに比べてRGB全ての発色が良いことが特徴だ。つまるところ、発色の良い美しい映像を楽しむことができる。
これだけ発色が良いと、ゲームなども当然美しい映像で楽しむことができる。色の感じ方は人それぞれだが、筆者はいつも新しいモニターを触るときは好みの色に調節することが多いが、本モデルではそれを必要としないほど、自然で美しい発色であるような印象を受けた。Display HDR 400にも対応しているので、対応しているゲームタイトルやコンテンツでは自由に調節して楽しむことができる。
スペック的な話をすると、約10億7,300万色の表示色に対応している。色域もsRGBカバー率:99%ととても広いため、クリエイティブ用途でも十分通用するだろう。
OSDではさまざまな設定も可能で自分好みの色味に調節できるほか、ゲームジャンルごとのプリセットなども用意されている。
eスポーツタイトルに嬉しい170Hzリフレッシュレート
オーバークロック時には最大170Hzのリフレッシュレートに対応している点も、RAPID IPSパネルを採用した「G274QPF-QD」の強みのひとつだ。リフレッシュレートとは、簡単に説明すると1秒間に描画される画像の枚数を示す数値であり、その値が大きければ大きいほどなめらかな映像を楽しめる。FPSなどのタイトルでは敵の動きがより精細に表示されるため、しっかりと視認することができ、強さに直結するといっても過言ではない。
ゲーミングモニターとして流通しているものの多くが144Hzであることを考えると、170Hzに対応する本モデルは他のモニターに比べてひとつアドバンテージを持っていると言える。なお、DisplayPort接続時は最大170Hz、HDMI接続時は最大144Hzとなっている。
また、DisplayPort Alt Modeに対応したUSB Type-C端子も搭載されている。ノートPCやスマートフォンの映像を手軽に出力することもできる。最大15Wの給電にも対応しているので、マウスやキーボード、スマートフォンの充電などにも活用できそうだ。
もちろんゲーマーに嬉しい機能も豊富に対応している。動きの速いゲームでは必須である残像感を打ち消すアンチモーションブラーや、暗い場所の視認性を上げるナイトビジョンはもちろん、対応するグラフィックボードではG-SYNC Compatibleによって画面のズレやかくつきを防いでくれる。アンチフリッカーとブルーライトカットも搭載しているので、長時間モニターと向き合っていることの多いゲーマーやクリエイターも助かる。
ここまで述べてきた通り、「G274QPF-QD」は発色の良いディスプレイとFPSで圧倒的なアドバンテージを持つ170Hzに対応した、高水準なゲーミングモニターと言える。また、WQHD(2,560 × 1,440)はやはりフルHDと比べて多くの情報を表示できるので、クリエイティブ作業やビジネス用途でもとても心強い。
▲サムネイルの表示を「大」にしてもこれだけのファイルを表示させることができる
冒頭でも述べたが、本モデルは「Optix MAG274QRF-QD」の廉価版という位置づけであり、PCからディスプレイの調節ができる機能を省いた以外はほぼスペック的に変わりはない。62,800円(価格ドットコム)である「Optix MAG274QRF-QD」に対して、「G274QPF-QD」は55,000円と、その価格差は馬鹿にならない。高コスパで高水準なゲーミングモニターが欲しいなら、選択肢のひとつとして有力な一台である。
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- PS5やSwitchと合わせて使いたい! 美しい映像を没入感たっぷりで楽しめる31.5インチ湾曲ゲーミングモニター「G323CV」レビュー
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ようやくこのときがやってきた! 次世代と呼ぶことも憚られるほど発売から月日が経った次世代ハードの PlayStation 5 や Xbox Series X|S が、店頭を中心にネットショップでも購入できるようになってきた。
もちろん、Nintendo Switch も『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』などの注目タイトルが目白押しだ。2022年末から2023年夏ごろまでは、家庭用ゲーム機の存在感が特に強いように感じる。
そこで今回ご紹介するのが、MSIのゲーミングモニター「G323CV」だ。引き締まった黒色が得意なVAパネルを採用した本モデルは、31.5インチというやや大きめなサイズ感と、湾曲率1,500Rのゆるやかな没入感が特徴的な、コストパフォーマンスに優れたモデルである(想定価格は26,200円)。
まずはその外観をチェック!
G323CVはコストパフォーマンスに優れたエントリーグレードであるものの、外観はかなりレベルが高いように感じる。というのも、ディスプレイの中心から縁に向かうにつれて薄くなっていくようなデザインであり、ベゼル(モニターの縁)も細い。台座となる足回りもスマートで、デスクに置いても邪魔にならない。設置した際の印象はスタイリッシュに尽きる。
そのうえ、チルト(上下の方向調節)とスイベル(横方向への調節)に対応している点はポイントが高い。特に、スイベルに対応することで、足の位置をそのままにモニターの左右の角度を調節できるため、置く場所が狭いユーザーでも安心だ。
FPSプレイヤーはモニターの足とマウスやキーボードなどのデバイスが干渉することを避けるため、わざとズラした置き方をすることも多く、そういったユーザーにも嬉しい仕様だ。
縦方向の高さ調節やピボット(モニターの回転)には対応していないものの、付属のスペーサーネジを取り付けることでVESA(100)規格のモニターアームに対応しているので、必要に応じて導入することも可能である。
なお、組み立ても簡単だ。足と柱を手回しネジで組み合わせ、ディスプレイへはめ込むだけとなっている。
美しいVAパネルと、様々な用途で発揮される没入感
ゲーミングモニターの多くは、シューター向けに最適な24インチ前後のモデルと、40インチ前後のハイエンドモニター(テレビ)の両極端になっている印象があるが、このモデルはその中間を突いてくれている。
実際にディスプレイを見ていくと、31.5インチというサイズ感は、小さすぎず大きすぎないため、デスクに置くにもちょうど良い。また、黒色の発色に強いVAパネルを搭載することで、特にグラフィックが美しいゲームを遊ぶ際にその真価を発揮してくれる。
引き締まった黒色は、ゲームの世界にあるものをしっかり表現してくれるので、ジメジメとした雰囲気の『DARK SOULS』シリーズなど、暗い場所の多いゲームにもピッタリだ。また、暗所の視認性を上げるナイトビジョンにも対応している。
また、映画やドラマなどの鑑賞にも向いている。というのもG323CVは湾曲率1,500Rのパネルを採用しており、31.5インチではゆるやかな没入感を得ることができる。
湾曲がキツいと没入感は増すものの、どうしても違和感が出てしまうため、モニターから少し離れてゲームをしたり動画鑑賞をしたりするぶんには、このゆるさが心地よい。
筆者は試用期間中にPS5でワーナーゲームの『ホグワーツ・レガシー』をプレイしてみたが、大画面でホグワーツ城の上空を箒で飛び回るのは極上の体験であった。そのほかにも、特にレースゲームやフライトシミュレーションといった、スピードを感じるゲームにおいて、その没入感はひとしおだ。
映画館のスクリーンのような湾曲具合は自然とモニターと向き合う姿勢を作ってくれるので、映画・ドラマなどの鑑賞にはもってこいである。また、ゲーム実況やeスポーツの観戦で、ゲームを「観る」という文化も根付いてきたが、意外なことにFPSタイトルでのeスポーツ観戦時は、湾曲の恩恵を受けやすい。
プレイヤーの歩いているときのスピード感が増幅されるような感覚があり、没入感と相まって今までにない印象を受けた。「湾曲ゲーミングモニターによるeスポーツ鑑賞」を体験してみて欲しい。
▲Six Invitational 2023より
ゲーマーをサポートする機能も充実
なお、G323CVはリフレッシュレート75Hzのパネルを採用している。PCなどに接続すれば、標準的なモニターよりも少し高いフレームレートで遊ぶことができるというわけだ。応答速度も1msと、動きの速いシューティングタイトルなどを遊んでも、実用上で遅延を感じることは全くなかった。
また、同期機能として対応するグラフィックボードと組み合わせることで「AMD FreeSync」も利用でき、カクつきを軽減してくれる。
そのほか、チラつきを抑制するアンチフリッカーと、ブルーライトカット機能も搭載しているので、長時間ゲームしがちなユーザーにもピッタリだ。
やっぱり手軽な家庭用ゲーム機
近年、PCゲーム市場が凄まじい盛り上がりを見せてはいるものの、ゲーミングPCは安価なものでも10万円を超え、おおよそ20万円前後のモデルが台頭している。一方の家庭用ゲーム機は、約6万円(Xbox Series Sは4万円弱)でハイエンドなAAAタイトルを遊ぶことができるとあって、その価格差は言うまでもない。
冒頭でも述べたとおり、2022年の年末~2023年の年始頃から次世代ハードの入手性が高まってきた。もちろん、Nintendo Switch や PS4、Xbox One といった既存のゲームハードで遊んでいるプレイヤーも含め、G323CVであれば大きな画面と美しいグラフィックを楽しむことができる恩恵は十分に受けることができる。
「ハリー・ポッター」のホグワーツ城を中心としたオープンワールドRPG『ホグワーツ・レガシー』もそうだが、狩りゲーとして人気を博しているエレクトロニック・アーツ(開発はコーエーテクモゲームズ)の『WILD HEARTS』など、ここ数ヶ月は家庭用ゲーム機でも遊べるタイトルが豊作である。
年内にはスクウェア・エニックスから待望の『FINAL FANTASY XVI』や、任天堂からはシリーズ最新作『ピクミン4』といった大作も発売が予定されている今、快適な環境で家庭用ゲーム機を遊び倒したいユーザーにおすすめしたいゲーミングモニターだ。
■G323CV製品ページ
https://jp.msi.com/Monitor/G323CV