2020年11月8日(日)「e-elements League of Legends Autumn Cup 2020」オンライン決勝が開催された。今回は、先週行われたオンライン2次予選を突破した8チームによる優勝をかけた戦いの模様をお届けする。
本大会ではeyes氏、リクルート氏、Katsudion氏、Lillebelt氏の4名が実況解説及びMCを担当。アシスタントMCには黒田瑞貴さんがゲストで登場し、試合後解説には「LJL Summer 2020」を優勝したV3 Esportsのトップレーナーを担うPaz選手が登場した。
決勝戦の組み合わせ表は以下の通りだ。

準々決勝第1試合 The Goat Squad vs あつまれ ろうじんの森

2日目の初戦は、ポケットピックやレーンのスワップなど他チームにはない大きな特徴を持った「The Goat Squad」と元プロプレイヤー集団「あつまれ ろうじんの森」のマッチアップとなった。

TGSは序盤の強さを活かして敵ジャングル内にレベル1から侵入し、OZIのジャングルキャンプを奪取。その動きにカウンターするため、OZIもレベル2でTGSのジャングル内に侵入する。3vs3のファイトとなりTGSが2キル、OZIが1キル獲得する結果となった。

どちらのチームも積極的にアクションを起こし、ソロキルやガンクを成功させる。チャンピオンが持つキルラインや相手のアクションに対する予測など、両チームともにゲーム理解度の高さが伺える。

試合時間13分ごろ、2体目のドラゴンファイトではOZIサポートてぃんとん選手の素晴らしいCCチェインから集団戦に勝利し、3キルを獲得。次のオブジェクトであるリフトヘラルド前で起こった集団戦では新チャンピオン セラフィーンの長距離ウルトが刺さり、TGSがオブジェクトとキルを共に獲得、どちらも有利を手放さない。25分時点でキルスコア9vs9、金銭差は2000ゴールドと均衡しているが、ドラゴンの獲得数や仕掛けの回数からTGSが有利な状況と言えるだろう。

試合時間29分、OZIがTGSのドラゴンソウル獲得を阻止するために強引にドラゴンの取得を試みる。しかし、TGSジャングラーのSKT T1 Showmaker選手がこれをスティール。OZIの思惑を潰し見事ドラゴンソウルを獲得した。

TGSに有利な状態が続いた試合時間34分、TGSがバロン前でCCチェインからOZIジャングラーiSeNN選手をキャッチ成功。人数差からバロンを獲得し、続けてエルダードラゴンの奪取を狙う。事前に人数有利を作ったOZIはエンゲージ、集団戦を仕掛ける。有利な人数、陣形で集団戦を仕掛けたOZI、決め手となったのはドラゴン裏のブッシュだろう。TGSミッドosakana373選手の攻撃的なビルドが功を奏した。撤退しながらも強力なウルトを展開した状態でブッシュ内に待機。勢いに乗り前のめりだったOZIのキャリー陣を咎め、逆転エースとエルダードラゴンを獲得。エルダードラゴンの圧倒的パワーでそのまま試合を畳み「The Goat Squad」が準決勝進出を決めた。

準々決勝第2試合 White Lily vs いのりアタック

準々決勝第2試合「White Lily」vs「いのりアタック」は、お互いミッドレーンの主導権が重要なドラフトとなった。両チームのジャングラーがファームを重視するタイプなこともあり緩やかな序盤かと思われたが、試合時間5分、リコールを咎めようと前に出たWLサポートのDESTRUCTION選手をINRキャリーのFluid Zero選手がキャッチ。レオナのCCチェインからファーストブラッドを獲得。しかし、死に際に放ったDESTRUCTION選手のノックアップによってタワーの攻撃を食らい、1キル交換という結果になった。

トップレーンではWL側が有利な状況が続く中、ボットレーンからの援護射撃が突き刺さる。T1 Brax選手のクリスタルアローが見事命中し、Clover選手が1キル獲得。トップレーンの有利を確実なものとした。

大きく有利が傾いたのは試合時間11分、NBKboostのイブリンがミッドレーンでガンク成功。それをカバーしようと動いたいのりアタック選手もタワーダイブから瞬殺。ミッドレーン付近に全プレイヤーが集合する形で少数戦が繰り広げられ、WLが一方的に4キルとドラゴンを獲得。試合時間13分で4千ゴールドと圧倒的な有利を作った。その後もパワー差を活かし、多くのキルを獲得し、試合時間20分時点でエースを獲得し8000ゴールドまでその差を広げた。

ここまで育ったイブリンを止める手段はない。タンクもキャリーも平等に倒され続け、獲得したからバロンから一気に試合を決め切りWhite Lilyが準々決勝第2試合の勝者となった。

準々決勝第3試合 ぴーぽーだよぉぉぉぉぉん!ゲーミング vs DragonBall

DBトップのLoL公務員選手がまさかのAlps選手であることが実況陣に判明したこの試合。両チームにLJL出場プレイヤーが所属しているマッチアップとなった。ラストピックで即ピックしたカサディンが両チームとも重要なポイントになるだろう。

カサディンがいる以上、両チームとも序盤から積極的にアクションを起こしたい思惑が重なりかなり早いキルペースで試合が進む。キルを取れそうなタイミングでリソースを注いでいる動きがみられた。

2つ目のドラゴンはPPGが獲得したものの、集団戦としては3キル獲得し、そのうち2キルをカサディンが獲得したDB側が有利なトレードになったといえるだろう。5分おきに出現するドラゴン前、どちらも互角な集団戦が続く。試合時点22分で合計24キルとかなりハイペースなキルゲームだが両チームのゴールド差は1500ゴールドとほとんど互角の状況。

試合時間29分、カサディンのレベル16到達前に集団戦に勝ちたいPPGはバロンの獲得を匂わせ、DBの面々を吊りだす。PPGミッド BullchaN選手の完璧なウルトから集団戦に勝利、バロンを獲得するもその後の陣形の乱れを咎められ4キルを取られてしまう。

試合時間32分、バロンのバフを上手く使いミッドレーンのアウタータワーを破壊した瞬間、DBサポートpecotte1選手のウルトがPPGの要であるBullchaN選手にヒット。それを見てカサディンのオールインから一瞬でBullchaN選手を倒すことに成功。集団戦の要を失ったPPGは健闘むなしくスーパーレートゲームキャリーのカサディンに蹂躙され、そのままネクサスを破壊。勝利したのはレッド側、チームDragonBallとなった。

準決勝第1試合 The Goat Squad vs White Lily

準決勝第1試合「White Lily」vs「The Goat Squad」、TGSのボットレーンがいきなり魅せ、ジャングルの介入を待つことなく計3キルを獲得する展開となる。ジンキャリーにパンテオンサポートというキルポテンシャルの高い組み合わせをピックした狙いがきっちりハマっていたと言える。

その有利を活かし、タワープレート11枚、2体のリフト・ヘラルド、そして3体のドラゴンと圧倒的な有利を築く。集団戦は勝てないと判断したWL側がキャッチする動きに切り替えるも上手くカウンターし、20分でエース2回、ゴールド差8500ゴールドとなった。

このままの流れで試合が終わってしまうのかと思われたがそこは準決勝。ここまで進んだプレイヤー達はいずれも猛者だ。WLの全プレイヤーがチャンピオンのパフォーマンスを最大限発揮し、相手のミスプレイを拾いながら集団戦に2度勝利。ゴールド差、装備差、そしてドラゴン獲得数を徐々に縮めていく。

TGSも負けじとジャングル内でエコーをキャッチし、有利な状態で集団戦を開戦するも、ここまでファームし続けパワースパイクを迎えたイレリアが相手陣で暴れまわり、3度目の集団戦に勝利。3体目のドラゴンとバロンまで獲得し、ほとんど五分の状態まで試合を持ち込んだ。

試合は終盤、TGSのキャリーであるジンがダメージを出せるのか、WLのミッドレーナ― イレリアがそれを封じるのかが集団戦の鍵となる。お互いに仕掛け合い、一進一退の攻防が続く。天秤が傾いたのは試合時間45分、鍵となるイレリアがいない状態で集団戦を仕掛け、ジンがダメージを出し切り集団戦に勝利、このゲーム最強のバフを持つエルダードラゴンを獲得する。最後はにらみ合いから浮いたポジショニングをしていた1人をキャッチし、そのまま敵陣になだれ込み、試合時間48分45秒、The Goat Squadが決勝進出を決めた。

準決勝第2試合 DragonBall vs Kreative TV

準決勝第2試合「DragonBall」vs「KreativeTV」、両チームともにトップレベルのジャングラーを持つこの試合では、1stバンフェーズからトップメタのジャングラーが4体バンされるプロシーンのようなドラフトで始まった。インゲームではKTV側がレベル1最強ジャングラーであるオラフのポテンシャルを活かし、はるにか選手をジャングル内から追い出すことに成功。その流れで苦しいミッドレーンに介入し、Kreative選手が苦しい最序盤の時間を支える。Kreative TV選手もそれに応え、ファーストブラッドを獲得。はるにか選手に1キル回収されるもののドラフトの狙いを狂わせる結果となった。

ゲームのテンポを早めたいDBが浮いたキャリーをキャッチし、ボットレーンのタワーを破壊することに成功。ローテーションを切り替え、タワーへのプレッシャーをかける。試合時間15分、お互いにアクションを起こし1キルを獲得した状態からの集団戦。TV選手のセトが4人にスタンを決め見事勝利し、ドラゴンを獲得。オーシャンソウルに王手をかける。

 

ムラマナビルドのためパワースパイクが遅いDB2人が強い時間を迎える前にアクションを起こし続けるKTV。ドラゴン前の集団戦を素晴らしい個人技で圧倒し、オーシャンソウルを獲得する。

DB側がパワースパイクを迎えたものの、ブラッドミアの圧力は凄まじい。KTVがバロンを獲得後、エルダードラゴン前の視界を確保するために前に出たDBのキャリー陣をKreative選手がフラッシュインから瞬殺する。ミッドレーンのインヒビターを獲得後、エルダードラゴンを狩り切る直前、春仁香選手が残りドラゴンの体力59で見事スティールを決め、希望の糸を繋ぐ。

試合時間34分、浮いたLoL公務員選手をキャッチしようと前に出てきたKTVの面々にpecotte選手のウルト ソーラーフレアが突き刺さる。育ったブラッドミアを完封し集団戦に勝利。逆転かと思われたが、TV選手が密集したDBのプレイヤー達を一気に硬め、ネクサスタワー前の集団戦を2vs5を逆に勝利。最後は見事KTVが集団戦を勝ち切り、決勝への切符を掴んだ。

決勝戦1戦目 The Goat Squad vs Kreative TV

長かった本大会もいよいよ最終戦「The Goat Squad」vs「KreativeTV」だ。決勝1戦目では、ニーコvsヤスオという異色のマッチアップがミッドレーンで見られた。まさに、コミュニティ大会特有のピックが両チームに表れているといえる。

BO3は立ち上がりが重要だと言われるように、前試合では打って変わり、どちらもリスクを取らない穏やかな開始となった。動いたのは1体目のドラゴンが湧く試合時間6分、1人でドラゴンの獲得を狙ったはいばら選手を捕らえ、TGSがファーストブラッドを獲得。ドラゴンはKTVが獲得したものの、3キルと1キルというKTVが不利なトレードとなった。

本大会でも多くの活躍を魅せたTGSサポートNerwin選手のプレイが光る。スネアからウルトのCCチェインを綺麗に2人に決めガンクをセットアップ。直前に獲得したリフトヘラルドを使い、11分でボットレーンのアウタータワーを獲得し序盤の有利を築く。

3体目のドラゴンが出現する試合時間17分、ドラゴンソウルにリーチをかけられたくないTGS側が集団戦を狙うも、ジャングルアイテムが完成したはいばら選手のオラフがバックラインになだれ込み、後衛陣を壊滅。4キルと3つ目のドラゴンを獲得する。その後も浮いた相手にアッシュのウルトからレオナのウルトのCCチェインによるエンゲージを仕掛け、ドラゴンソウルとバロンを獲得。最後はミッドレーンに置かれたワードにバックラインテレポートを仕掛け、TGSのボットレーン2人をキャッチ。その流れで敵ネクサスを破壊し決勝1戦目を勝利したのはKreativeTVとなった。

決勝2戦目

決勝2戦目もドラフトから見どころだ。ナミの強さを見せつけるとコメントしたNerwin選手のナミ、プロシーンでは使えないコミュニティ大会ならではのピックHyeji Potter選手のヨネ、そしてKreative選手のサイラス。まさに本大会の集大成と言えるだろう。

絶対に負けられないTGS側はレベル1から有利を獲得するために遅れてインベードを仕掛ける。ここでは青バフを奪うことは叶わずも、カウンタージャングルを試みたはいばら選手をNerwin選手が咎め、ナミがファーストブラッドを獲得。スタジオでは黄色い歓声が起こったようだ。

どちらのチームも積極的にアクションを起こし、ソロキルや少数戦を連発。試合時間15分で21キルというキルゲームとなった。決勝戦にふさわしいパフォーマンスを両チームとも見せている。有利なのはキャリーにゴールドを集めているKTV側だろう。ハイペースなキルゲームが続き、試合時間23分時点で36キルというスコア。ドラゴンはお互いに2体ずつ獲得という展開になった。

試合が大きく動いたのは試合時間28分、5体目のドラゴンが出現する直前、KTVサポートチャーシュー吉田選手のフックがエズリアルを捕らえ、集団戦を仕掛ける。この仕掛けで3キルと3体目のドラゴンを獲得し、KTVが目に見える有利を築いた。

試合を決定づけたのは6体目のドラゴン前での集団戦、Unknown man選手操るセナのスネアが敵のキャリー陣を捕らえ、はいばら選手のへカリムがそれに追従するようにオールイン。エース、ドラゴンソウル、バロンの全てをここで獲得した。

TGS側もタワー下で上手く奮闘するもKTV側が圧倒的なパワーで押し潰しゲームセット。試合時間37分、キルスコア20キルvs31キルでKreativeTVが「e-elements League of Legends Autumn Cup 2020」王者となった。

優勝した「KreativeTV」には、優勝商品としてチーム賞金200万円が贈られる。過去最高レベルのコミュニティ大会となった本大会の模様はYoutubeやTwitchチャンネルなどでアーカイブ視聴することが可能だ。ぜひチェックしてみてほしい。

 

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