昨年大成功で幕を閉じた「クロスライン—ボクらは違いと旅をする—」の第二弾が、2023年9月2日(土)〜3日(日)、栃木県「モビリティリゾートもてぎ」で開催された。その名も「クロスライン—ボクらは違いと旅をする—SEASON2」(以下、クロスライン2)。
株式会社ePARAが、トヨタ・モビリティ基金の「Make a Move PROJECT」での採択を受けて実施する実証実験だ。
シーズン2となる「クロスライン2」は、「障害の有無に関係なく、誰もがレーサーになれる社会を目指し、より多くの人にモータースポーツの魅力を知ってもらう」という目的で実施され、今回は大きく分けてふたつのプロジェクトが同時進行した。
ひとつは市販の四輪車両に改造を施した車両で勝敗を争うスーパー耐久(S耐)と併走するバーチャルレースを実施する「クロスラインレース」。
もうひとつは筑波技術大学と連携して、視覚障害者および車椅子ユーザーが実証協力を実施する「クロスラインミニツアー」だ。
今回は、リアルプロレーサーも参戦した「クロスラインレース」の様子と、実際に「クロスラインレース」に参加した選手の声をお届けしよう。
「クロスラインレース」の使用タイトルは『iRacing』で、使用するコースは「モビリティリゾートもてぎ」のロードコース。そして会場は栃木県「モビリティリゾートもてぎ」のロードコースの目の前にあるVIPルーム。
つまりリアルの会場で、リアルのS耐と同じ時間に、同じ気温・天気を設定するという、限りなくリアルに近づけたレースなのだ。もちろんタイヤ交換や給油などのピットストップもゲーム内で行う。
90分間走り続け、コースを何周走れるかを競う。


そんな「クロスラインレース」に出場するチームは4チーム(選手名の順番は実際にコースを走る順番)。
■チーム「リアルレーサーズ」
リアルレースで活躍するプロ選手3名(岩澤優吾、塩津佑介、塚本ナナミ)
■チーム「KDDI」
ePARAのファン代表の3名(伊藤悟、成嶌和樹、湯野康隆)
■チーム「テクノツール」
肢体不自由な車椅子ユーザーを中心に構成された3名(長屋宏和、石水可夢偉、干場慎也)で構成されたチーム。なかには元F3ドライバー(長屋宏和)や、eスポーツ選手権2023 U-18の部で準優勝の実力を持つ選手(石水可夢偉)も出場
■Racing Fortia
バリアフリーeモータースポーツチーム。視覚障害を持ついちほまれ選手、サルコイドーシス当事者のabckai選手、発達障害でありながらeスポーツ選手権2023 一般の部で優勝経験がある石水優夢選手で構成されている
なんといってもリアルプロレーサーがeモータースポーツでどのようなポテンシャルを見せてくれるのか——。また障害当事者のシムレーサーがどれだけリアルプロレーサーに立ち向かえるのかが見どころ。

KDDIの思わぬスピンから開幕した「クロスラインレース」本戦。前半は終始Racing Fortiaがリード。そのトップをピッタリとマークしているのがリアルレーサーズだ。少し後れを取ってテクノツール、KDDIが後を追いかける展開に。


ピットストップを経て、第二走者へと続くも依然Racing Fortiaが先頭をリード。テクノツール、リアルレーサーズ、KDDIと続き、リアルレーサーズは順位を落とす。実は選手交代時のログイン設定でトラブルがあり、2分ほど後れを取ってしまったのが原因だった。こういったエラーはeモータースポーツならではともいえる。

2回目のヒットストップを経て、レースはいよいよ終盤へ。順位こそ変わらないものの、序盤のスピンで後れを取っていたKDDIの湯野康隆選手が、1周2分17秒台と、第三走者の中で最も早いペースの走りを見せる。


レース結果は以下の通り。()内はベストラップ
1位:Racing Fortia(2分15秒26)
2位:テクノツール(2分16秒18周)
3位:リアルレーサーズ(2分15秒10)
4位:KDDI(2分17秒87)
トラブルにより3位の結果になったリアルレーサーズだが、ベストラップを見るとRacing Fortiaを抜いて1位をマーク。なお、ベストラップを獲得した選手は第一走者の岩澤優吾選手。eモータースポーツでもリアルプロレーサーのポテンシャルの高さを感じる結果となった。
最後に「クロスライン」に参加した選手に突撃インタビューを実施。リアルレースとシミュレーションレースとの違いやeモータースポーツの可能性についておうかがいした。

——まずはレースを終えた率直な感想をお聞かせください。
岩澤優吾選手(以下、岩澤):レースの前に2周だけ走らせてもらったんですけど、レーシングシミュレーターにはレーシングシミュレーターの難しさはあるなと感じました。今回eモータースポーツ選手の石水選手と一緒に走って、とても学びになったレースでした。
——実車との違いや難しさはありましたか?
岩澤:一番大きな違いはGを感じないことですね。僕の場合、実車ではハンドルだけでなく全身で車の動きや滑りやすさを感じてレースをしているんですが、レーシングシミュレーターだと全身で感じることはできず、ハンドルだけでタイヤのグリップ感を感じ取らなければならない部分が難しかったです。
——なるほど。それでもベストラップを出すほどの腕前でしたよね。今回20分くらい走ったと思いますが、どのようにしてその難しさを攻略していきましたか?
岩澤:石水選手の後ろにつかせてもらって、ライン取りとかブレーキポイントを参考にさせてもらいました。
——今回、さまざまな障害がある方と同じレースで走ったことで、eモータースポーツに対して可能性は感じましたか。
岩澤:実車ではハンディキャップがあっても、eモータースポーツならばハンディキャップを感じずに挑戦できると感じました。誰もがチャレンジできるのがeモータースポーツの魅力だと思いますね。
——ありがとうございました!

——まずはレースを終えた率直な感想をお聞かせください。
塩津佑介選手(以下、塩津):このようなイベントは初めてだったんですけど、(運転補助装置を使った)ハンドドライブの方と一緒にレースして「これこそバリアフリー」だという体験ができて、とてもいい2日間を過ごせました。
先ほど、実際にハンドドライブで運転させてもらったのですが、肩の筋肉がめちゃめちゃ必要で「これでコースを20分間運転し続けるなんてすごいな」とも感じました。
このような体験ができたのも良かったですし、同じレギュレーションで戦うことができたのも楽しかったですね。
——実際のレースとの違いを教えてください。
塩津:レーシングシミュレーターはGを再現することができません。普段、僕らも練習にレーシングシミュレーターを取り入れていますが、Gではなくステアリングのインフォメーション(路面の振動)や、モニターで車が滑ったとか滑っていないとかを判断する力を向上させています。
そうすることで、実車でもそういった情報を敏感に察知することができるようになるので、これからもトレーニングでどんどん取り入れていきたいと思っています。
——さまざまなeスポーツの競技がある中、リアルレースとeモータースポーツはより親和性が高いと感じています。実際のリアルプロレーサーから見てどのように感じますか。
塩津:実際にeモータースポーツの世界からリアルなレーシングドライバーも誕生していますし、逆にレーシングドライバーの立場から、eモータースポーツの競技に参加することも増えてくると思います。今後、もっとeモータースポーツの分野は伸びてくるんじゃないかなと感じます。
——最後にファンに向けてひとことお願いします!
塩津:いつも応援ありがとうございます。
今回のレースや動画を通じて僕を知ってくれた方もいらっしゃると思いますが、僕はSUPER GTとか、スーパー耐久などにも出場しているので、そちらの応援も
応援よろしくお願いします!
——ありがとうございました!

——試合おつかれさまでした。ファンチームという異色なチームで参戦されていましたが、なぜファンチームとしてレースに参加することになったのでしょうか。
伊藤悟選手(以下、伊藤):KDDIでは、ブレインテックという脳科学を活用した研究開発をしています。僕らはそのブレインテックを通じて、本当はリアルレーサーになりたいんだけど、さまざまな理由でそこまで踏み込めないといった人々に挑戦できるきっかけを作りたいと思っています。
ePARAさんの「障害のある方でも平等にチャンスがある」というコンセプトに通じるものを感じて、今回ファンチームとして参加させていただきました。
——今回、レースに参加してみていかがでしたか。
伊藤:皆さんうますぎるっていうのが率直な感想です(笑)。
「あのレベルに行くには、どれだけがんばらなければならないんだ!」っていうeモータースポーツの面白さを体験することができたのはうれしかったです。
——eモータースポーツはeスポーツの中でもリアルとの親和性は高いと感じています。伊藤さんはどのように感じていますか?
伊藤:まさにその通りだと思っています。「バーチャルでプレイしている人をリアルに」というコンセプトで「脳トレ」を始めた時も、どのジャンルで始めるかというのを考えました。
例えば「ストリートファイター」シリーズが強くても、実際の格闘技が強いとは限らないじゃないですか。さまざまなeスポーツのジャンルがある中で、一番リアルに近いと感じたのがeモータースポーツでした。ハンドル、アクセル、ブレーキという操作法はバーチャルもリアルも同じですしね。
ゆくゆくは社会全体の注目度や関心が高まって、eモータースポーツを通じて「より多くの人に可能性を見てもらえるような場」になっていけたらなと感じています。
——ありがとうございました!

——まずはレースを終えた率直な感想をお聞かせください。
干場慎也選手(以下、干場):いやぁ、長屋選手と石川可夢偉選手の意思を引き継いで、最後「ウイニングクラッシュ」ができたので誉れだなと思いました(笑)。
——今回のように、レーシングシミュレーターを使ってeモータースポーツ選手やリアルプロレーサーと同じ土俵で戦うことはあったのでしょうか。
干場:初めての経験でした。車の運転もしたことがない上に、プロ選手と一緒に戦うという前人未踏の場所に立ったので最初の方は顔面蒼白でした(笑)。
ただほかのチームメイトと一緒だということもあり、走って行くうちに「サーキットまわれる!」といった自信がついてきました。
——さらに今回は本物のレース会場を目の前にしてのレース体験でしたね。
干場:チームメンバーが走っている間、上のモニターで本戦の様子を見たり、窓からレースの状況を見たりしていたのでですが、やはり実車ならではの迫力がありました。
「自分たちもその場にいて同じ競技をしている」という気持ちになれたのは胸熱でした!
——ちなみに予選を経て、本戦に向けた作戦はあったのでしょうか。
干場:実はいい作戦と悪い作戦のふたつがありました。
悪い作戦からいうと「ギリギリまでほかのふたりにがんばってもらう」っていう作戦(笑)。いい作戦は「うまい人たちの技術をマネして走ってみる」という作戦です。
例えばカーブをする時、一度縁石に乗っていたのでそういった部分を参考にしていました。うまくできていたのかはわかりませんが、自分の中ではアップデートできたんじゃないかと感じています。
——今回特殊なコントローラを使っていましたね。
干場:外部補助スイッチとジョイスティックでプレイできるFlex Controllerというコントローラーを使っていました。自分の特性に合ったデバイスの使い方ができるので、さまざまな人にゲームを楽しんでもらえるコントローラーです。

——このようなリアルスポーツとeスポーツの融合というものに可能性は感じられましたか?
干場:自分に合ったデバイスを使うことで、こういった場に参加して渡り合うことができるのは、eスポーツならではの魅力だと感じています。
僕らのような障害がある人が参加できるという意味では、リアルスポーツとeスポーツの融合というのは、とても意味のあることだと感じています。
——最後に今後の展望をお聞かせください。
干場:テクノツールは「入口をサポートする」というのをコンセプトに日々活動しています。eスポーツを遊びたいと思っているユーザーさんに対して、引き続き支援をしていけたらと思っています。
eスポーツに踏み込んだ先の可能性をどんどん作っていきたいですね。
——ありがとうございました!

——優勝おめでとうございます。まずはレースを終えた率直な感想をお聞かせください。
いちほまれ選手(以下、いちほまれ):チームメンバーが作ってくれたリードをゴールまで保つことができてうれしかったです。

——先日の予選を経て、本日の本戦でしたが、何か作戦を考えていましたか?
いちほまれ:予選はヒットストップに関するルールがなかったので、燃料をたくさん積んで給油やタイヤ交換をなしで走者を交代するとい作戦で挑んでいました。本戦ではピットストップは2分間という縛りがあったので、その内容に沿って作戦を変更したのがうまくいきましたね。
——今回はリアルプロレーサーの選手を含めたさまざまな人が参加していましたね。
いちほまれ:皆さん速くてびっくりしました。後ろから近づいてくるのも感じていたので、ちょっと焦りました(笑)。
チームの無線で後ろとの差も教えてもらっていたので、自分のペースを崩さぬよう注意して走っていました。

——なるほど。さらに実際のコースを目の前にしての会場でしたが、会場の雰囲気はいかがでしたか。
いちほまれ:S耐がスタートする時間とほぼ同じタイミングでレースがスタートしたのは感動しました。実際に走っている車の情報をゲーム上で表示するという実験もされているので、今後はよりリアルと同期したレースが楽しめるんじゃないかなと思います。
今後も「クロスラインレース」を通じて、障害の有無に関係なく、多くの選手がeモータースポーツの魅力を感じてもらえるとうれしいです。
——ありがとうございました!
こうしてぶじに幕を閉じた「クロスラインレース」。障害の有無はもちろん、バーチャルとリアルのプロが同じ土俵で戦えるというのはeモータースポーツならではの魅力なのではないだろうか。
競技に真剣に向き合い、一心に楽しむ選手たちを見ることは、何よりも価値ある瞬間だと感じた。

eスポーツというと、FPSや格闘といったジャンルの競技シーンが注目されたがちだが、より垣根を越えたeモータースポーツという世界を、この記事を通じて知ってもらえたら幸いだ。
■関連リンク
ePARA:
https://epara.jp/
【障害者×eスポーツ】eスポーツを通じてモータースポーツを楽しむプロジェクト「クロスライン—ボクらは違いと旅をする—」体験レポート:
https://esports-world.jp/report/23865
株式会社ePARAが、トヨタ・モビリティ基金の「Make a Move PROJECT」での採択を受けて実施する実証実験だ。
シーズン2となる「クロスライン2」は、「障害の有無に関係なく、誰もがレーサーになれる社会を目指し、より多くの人にモータースポーツの魅力を知ってもらう」という目的で実施され、今回は大きく分けてふたつのプロジェクトが同時進行した。
ひとつは市販の四輪車両に改造を施した車両で勝敗を争うスーパー耐久(S耐)と併走するバーチャルレースを実施する「クロスラインレース」。
もうひとつは筑波技術大学と連携して、視覚障害者および車椅子ユーザーが実証協力を実施する「クロスラインミニツアー」だ。
今回は、リアルプロレーサーも参戦した「クロスラインレース」の様子と、実際に「クロスラインレース」に参加した選手の声をお届けしよう。
リアルプロレーサーも出場!個性あふれる出場チーム
「クロスラインレース」の使用タイトルは『iRacing』で、使用するコースは「モビリティリゾートもてぎ」のロードコース。そして会場は栃木県「モビリティリゾートもてぎ」のロードコースの目の前にあるVIPルーム。
つまりリアルの会場で、リアルのS耐と同じ時間に、同じ気温・天気を設定するという、限りなくリアルに近づけたレースなのだ。もちろんタイヤ交換や給油などのピットストップもゲーム内で行う。
90分間走り続け、コースを何周走れるかを競う。

▲極限までリアルレースに近づけた設定で競技が行われた「クロスラインレース」。レース時間は90分、各チーム走者は3名で、最低でも20分間以上走行を行わなければならないのがルールとなっている

▲実況はレースアナウンサーのシャーリー半田氏(写真左)。解説はYogibo Racing 芳賀美里氏を起用(写真中央)。まさに本物さながらの白熱した進行が繰り広げられていた。ePARA ユナイテッドの牧野美保氏(写真右)もピットレポーターとして会場を盛り上げる!
そんな「クロスラインレース」に出場するチームは4チーム(選手名の順番は実際にコースを走る順番)。
■チーム「リアルレーサーズ」
リアルレースで活躍するプロ選手3名(岩澤優吾、塩津佑介、塚本ナナミ)
■チーム「KDDI」
ePARAのファン代表の3名(伊藤悟、成嶌和樹、湯野康隆)
■チーム「テクノツール」
肢体不自由な車椅子ユーザーを中心に構成された3名(長屋宏和、石水可夢偉、干場慎也)で構成されたチーム。なかには元F3ドライバー(長屋宏和)や、eスポーツ選手権2023 U-18の部で準優勝の実力を持つ選手(石水可夢偉)も出場
■Racing Fortia
バリアフリーeモータースポーツチーム。視覚障害を持ついちほまれ選手、サルコイドーシス当事者のabckai選手、発達障害でありながらeスポーツ選手権2023 一般の部で優勝経験がある石水優夢選手で構成されている
なんといってもリアルプロレーサーがeモータースポーツでどのようなポテンシャルを見せてくれるのか——。また障害当事者のシムレーサーがどれだけリアルプロレーサーに立ち向かえるのかが見どころ。

▲リアルレーサーズの3名はレーシングスーツを着用しての参戦。この時点でオーラが違う!(写真左から塚本ナナミ氏、岩澤優吾氏、塩津佑介氏)
白熱した戦いを制したのはどのチームだ!
KDDIの思わぬスピンから開幕した「クロスラインレース」本戦。前半は終始Racing Fortiaがリード。そのトップをピッタリとマークしているのがリアルレーサーズだ。少し後れを取ってテクノツール、KDDIが後を追いかける展開に。

▲リアルレーサーとシムレーサーが同じ土俵で戦えるのもeモータースポーツの魅力!

▲これもゲーム? いやいやこちらは同時進行で開催されているリアルのS耐。「クロスラインレース」の会場にもリアルなエンジン音が鳴り響く!
ピットストップを経て、第二走者へと続くも依然Racing Fortiaが先頭をリード。テクノツール、リアルレーサーズ、KDDIと続き、リアルレーサーズは順位を落とす。実は選手交代時のログイン設定でトラブルがあり、2分ほど後れを取ってしまったのが原因だった。こういったエラーはeモータースポーツならではともいえる。

▲『iRacing』は初めてプレイしたという岩澤優吾選手。Racing Fortiaの石水優夢選手を完全にとらえ抜きどころをうかがっている。初めてとは思えないプレイを見せつける
2回目のヒットストップを経て、レースはいよいよ終盤へ。順位こそ変わらないものの、序盤のスピンで後れを取っていたKDDIの湯野康隆選手が、1周2分17秒台と、第三走者の中で最も早いペースの走りを見せる。

▲テクノツールの干場慎也選手。車椅子専用のデバイスで見事な走りを見せた。最後の最後で豪快なスピンをするも「ウイニングラップ」ならぬ「ウイニングクラッシュ」として会場を沸かせた

▲出場選手の中で最年長のいちほまれ選手。選手紹介ムービーでは秘密基地のような自室が紹介され、会場がざわついた場面も
レース結果は以下の通り。()内はベストラップ
1位:Racing Fortia(2分15秒26)
2位:テクノツール(2分16秒18周)
3位:リアルレーサーズ(2分15秒10)
4位:KDDI(2分17秒87)
トラブルにより3位の結果になったリアルレーサーズだが、ベストラップを見るとRacing Fortiaを抜いて1位をマーク。なお、ベストラップを獲得した選手は第一走者の岩澤優吾選手。eモータースポーツでもリアルプロレーサーのポテンシャルの高さを感じる結果となった。
「クロスラインレース」に参加した選手にインタビュー
最後に「クロスライン」に参加した選手に突撃インタビューを実施。リアルレースとシミュレーションレースとの違いやeモータースポーツの可能性についておうかがいした。
リアルレーサーズ:岩澤優吾選手、塩津佑介選手

▲岩澤優吾選手
——まずはレースを終えた率直な感想をお聞かせください。
岩澤優吾選手(以下、岩澤):レースの前に2周だけ走らせてもらったんですけど、レーシングシミュレーターにはレーシングシミュレーターの難しさはあるなと感じました。今回eモータースポーツ選手の石水選手と一緒に走って、とても学びになったレースでした。
——実車との違いや難しさはありましたか?
岩澤:一番大きな違いはGを感じないことですね。僕の場合、実車ではハンドルだけでなく全身で車の動きや滑りやすさを感じてレースをしているんですが、レーシングシミュレーターだと全身で感じることはできず、ハンドルだけでタイヤのグリップ感を感じ取らなければならない部分が難しかったです。
——なるほど。それでもベストラップを出すほどの腕前でしたよね。今回20分くらい走ったと思いますが、どのようにしてその難しさを攻略していきましたか?
岩澤:石水選手の後ろにつかせてもらって、ライン取りとかブレーキポイントを参考にさせてもらいました。
——今回、さまざまな障害がある方と同じレースで走ったことで、eモータースポーツに対して可能性は感じましたか。
岩澤:実車ではハンディキャップがあっても、eモータースポーツならばハンディキャップを感じずに挑戦できると感じました。誰もがチャレンジできるのがeモータースポーツの魅力だと思いますね。
——ありがとうございました!

▲塩津佑介選手
——まずはレースを終えた率直な感想をお聞かせください。
塩津佑介選手(以下、塩津):このようなイベントは初めてだったんですけど、(運転補助装置を使った)ハンドドライブの方と一緒にレースして「これこそバリアフリー」だという体験ができて、とてもいい2日間を過ごせました。
先ほど、実際にハンドドライブで運転させてもらったのですが、肩の筋肉がめちゃめちゃ必要で「これでコースを20分間運転し続けるなんてすごいな」とも感じました。
このような体験ができたのも良かったですし、同じレギュレーションで戦うことができたのも楽しかったですね。
——実際のレースとの違いを教えてください。
塩津:レーシングシミュレーターはGを再現することができません。普段、僕らも練習にレーシングシミュレーターを取り入れていますが、Gではなくステアリングのインフォメーション(路面の振動)や、モニターで車が滑ったとか滑っていないとかを判断する力を向上させています。
そうすることで、実車でもそういった情報を敏感に察知することができるようになるので、これからもトレーニングでどんどん取り入れていきたいと思っています。
——さまざまなeスポーツの競技がある中、リアルレースとeモータースポーツはより親和性が高いと感じています。実際のリアルプロレーサーから見てどのように感じますか。
塩津:実際にeモータースポーツの世界からリアルなレーシングドライバーも誕生していますし、逆にレーシングドライバーの立場から、eモータースポーツの競技に参加することも増えてくると思います。今後、もっとeモータースポーツの分野は伸びてくるんじゃないかなと感じます。
——最後にファンに向けてひとことお願いします!
塩津:いつも応援ありがとうございます。
今回のレースや動画を通じて僕を知ってくれた方もいらっしゃると思いますが、僕はSUPER GTとか、スーパー耐久などにも出場しているので、そちらの応援も
応援よろしくお願いします!
——ありがとうございました!
KDDI:伊藤悟選手

▲写真左から、成嶌和樹選手、伊藤悟選手、湯野康隆選手
——試合おつかれさまでした。ファンチームという異色なチームで参戦されていましたが、なぜファンチームとしてレースに参加することになったのでしょうか。
伊藤悟選手(以下、伊藤):KDDIでは、ブレインテックという脳科学を活用した研究開発をしています。僕らはそのブレインテックを通じて、本当はリアルレーサーになりたいんだけど、さまざまな理由でそこまで踏み込めないといった人々に挑戦できるきっかけを作りたいと思っています。
ePARAさんの「障害のある方でも平等にチャンスがある」というコンセプトに通じるものを感じて、今回ファンチームとして参加させていただきました。
ブレインテックとは
ここでいう「ブレインテック」というのは、リアルレーサーとシムレーサーの認知能力の違いを分析し、トレーニングに応用するといった取り組みを示している。いわゆる「脳トレ」のようなアプリで、シムレーサーがリアルレーサーとしても活躍できるような橋渡しをになっているのだ。
「脳トレ」による実証実験の結果、実際にタイムが縮むことが実証され、今後「脳トレ」のアプリが商用化されるところまで研究が進んでいるとのこと。
ここでいう「ブレインテック」というのは、リアルレーサーとシムレーサーの認知能力の違いを分析し、トレーニングに応用するといった取り組みを示している。いわゆる「脳トレ」のようなアプリで、シムレーサーがリアルレーサーとしても活躍できるような橋渡しをになっているのだ。
「脳トレ」による実証実験の結果、実際にタイムが縮むことが実証され、今後「脳トレ」のアプリが商用化されるところまで研究が進んでいるとのこと。
——今回、レースに参加してみていかがでしたか。
伊藤:皆さんうますぎるっていうのが率直な感想です(笑)。
「あのレベルに行くには、どれだけがんばらなければならないんだ!」っていうeモータースポーツの面白さを体験することができたのはうれしかったです。
——eモータースポーツはeスポーツの中でもリアルとの親和性は高いと感じています。伊藤さんはどのように感じていますか?
伊藤:まさにその通りだと思っています。「バーチャルでプレイしている人をリアルに」というコンセプトで「脳トレ」を始めた時も、どのジャンルで始めるかというのを考えました。
例えば「ストリートファイター」シリーズが強くても、実際の格闘技が強いとは限らないじゃないですか。さまざまなeスポーツのジャンルがある中で、一番リアルに近いと感じたのがeモータースポーツでした。ハンドル、アクセル、ブレーキという操作法はバーチャルもリアルも同じですしね。
ゆくゆくは社会全体の注目度や関心が高まって、eモータースポーツを通じて「より多くの人に可能性を見てもらえるような場」になっていけたらなと感じています。
——ありがとうございました!
テクノツール:干場慎也選手

▲テクノツール株式会社 広報部 干場慎也氏
——まずはレースを終えた率直な感想をお聞かせください。
干場慎也選手(以下、干場):いやぁ、長屋選手と石川可夢偉選手の意思を引き継いで、最後「ウイニングクラッシュ」ができたので誉れだなと思いました(笑)。
——今回のように、レーシングシミュレーターを使ってeモータースポーツ選手やリアルプロレーサーと同じ土俵で戦うことはあったのでしょうか。
干場:初めての経験でした。車の運転もしたことがない上に、プロ選手と一緒に戦うという前人未踏の場所に立ったので最初の方は顔面蒼白でした(笑)。
ただほかのチームメイトと一緒だということもあり、走って行くうちに「サーキットまわれる!」といった自信がついてきました。
——さらに今回は本物のレース会場を目の前にしてのレース体験でしたね。
干場:チームメンバーが走っている間、上のモニターで本戦の様子を見たり、窓からレースの状況を見たりしていたのでですが、やはり実車ならではの迫力がありました。
「自分たちもその場にいて同じ競技をしている」という気持ちになれたのは胸熱でした!
——ちなみに予選を経て、本戦に向けた作戦はあったのでしょうか。
干場:実はいい作戦と悪い作戦のふたつがありました。
悪い作戦からいうと「ギリギリまでほかのふたりにがんばってもらう」っていう作戦(笑)。いい作戦は「うまい人たちの技術をマネして走ってみる」という作戦です。
例えばカーブをする時、一度縁石に乗っていたのでそういった部分を参考にしていました。うまくできていたのかはわかりませんが、自分の中ではアップデートできたんじゃないかと感じています。
——今回特殊なコントローラを使っていましたね。
干場:外部補助スイッチとジョイスティックでプレイできるFlex Controllerというコントローラーを使っていました。自分の特性に合ったデバイスの使い方ができるので、さまざまな人にゲームを楽しんでもらえるコントローラーです。

▲テクノツール株式会社監修のもと、HORIが設計・開発をしたFlex Controller。周囲には各ボタンに対応した3.5mmジャックがあり、さまざまな形状のスティックやボタンを接続することができる
——このようなリアルスポーツとeスポーツの融合というものに可能性は感じられましたか?
干場:自分に合ったデバイスを使うことで、こういった場に参加して渡り合うことができるのは、eスポーツならではの魅力だと感じています。
僕らのような障害がある人が参加できるという意味では、リアルスポーツとeスポーツの融合というのは、とても意味のあることだと感じています。
——最後に今後の展望をお聞かせください。
干場:テクノツールは「入口をサポートする」というのをコンセプトに日々活動しています。eスポーツを遊びたいと思っているユーザーさんに対して、引き続き支援をしていけたらと思っています。
eスポーツに踏み込んだ先の可能性をどんどん作っていきたいですね。
——ありがとうございました!
Racing Fortia:いちほまれ選手

▲いちほまれ選手
——優勝おめでとうございます。まずはレースを終えた率直な感想をお聞かせください。
いちほまれ選手(以下、いちほまれ):チームメンバーが作ってくれたリードをゴールまで保つことができてうれしかったです。

▲メンバーであり第一走者でもある石水優夢選手。リアルプロレーサーの圧を感じながらも、トップをリードし続けた
——先日の予選を経て、本日の本戦でしたが、何か作戦を考えていましたか?
いちほまれ:予選はヒットストップに関するルールがなかったので、燃料をたくさん積んで給油やタイヤ交換をなしで走者を交代するとい作戦で挑んでいました。本戦ではピットストップは2分間という縛りがあったので、その内容に沿って作戦を変更したのがうまくいきましたね。
——今回はリアルプロレーサーの選手を含めたさまざまな人が参加していましたね。
いちほまれ:皆さん速くてびっくりしました。後ろから近づいてくるのも感じていたので、ちょっと焦りました(笑)。
チームの無線で後ろとの差も教えてもらっていたので、自分のペースを崩さぬよう注意して走っていました。

▲今回オンラインで参加した第二走者のabckai選手。トップをリードし続ける中、いちほまれ選手に「ファステストラップ(1周の最高記録)狙っちゃいなよ!」と無線で鼓舞していたようだ
——なるほど。さらに実際のコースを目の前にしての会場でしたが、会場の雰囲気はいかがでしたか。
いちほまれ:S耐がスタートする時間とほぼ同じタイミングでレースがスタートしたのは感動しました。実際に走っている車の情報をゲーム上で表示するという実験もされているので、今後はよりリアルと同期したレースが楽しめるんじゃないかなと思います。
今後も「クロスラインレース」を通じて、障害の有無に関係なく、多くの選手がeモータースポーツの魅力を感じてもらえるとうれしいです。
——ありがとうございました!
———
こうしてぶじに幕を閉じた「クロスラインレース」。障害の有無はもちろん、バーチャルとリアルのプロが同じ土俵で戦えるというのはeモータースポーツならではの魅力なのではないだろうか。
競技に真剣に向き合い、一心に楽しむ選手たちを見ることは、何よりも価値ある瞬間だと感じた。

▲現場レポーターを務めた希央(きお)さんの存在も忘れてはならない(写真右)。「放送席〜放送席〜」とアナウンスとともに現場の声を届ける姿は、よりレースの臨場感を高めてくれた
eスポーツというと、FPSや格闘といったジャンルの競技シーンが注目されたがちだが、より垣根を越えたeモータースポーツという世界を、この記事を通じて知ってもらえたら幸いだ。
■関連リンク
ePARA:
https://epara.jp/
【障害者×eスポーツ】eスポーツを通じてモータースポーツを楽しむプロジェクト「クロスライン—ボクらは違いと旅をする—」体験レポート:
https://esports-world.jp/report/23865
【井ノ川結希(いのかわゆう)プロフィール】
ゲーム好きが高じて19歳でゲーム系の出版社に就職。その後、フリーランスでライター、編集、ディレクターなど多岐にわたり活動している。最近はまっているゲームは『VALORANT』。
Twitter:@sdora_tweet

Twitter:@sdora_tweet
関連記事
-
- 【結果速報 10月14日】 Worlds 2025 プレーインステージ:昨年王者T1がInvictus Gamingに勝利! 「スイスステージ」初戦の組み合わせも決定
- 『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)の世界一を決める大会「Worlds 2025」が10月14日(火)に開幕。「プレーインステージ」では、T1とInvictus Gaming(iG)が対戦し、3-1でT1が勝利、「スイスステージ」進出を決めた。2年連続王者T1と2018年王者iGによる豪華な開幕戦 「プレーインステージ」は例年、各地域から選ばれた下位シードのチーム同士で戦う予選的な位置づけとなっていた。しかし、2025年から世界のリージョンが5地域に再編されたことで、LCK(韓国)とLPL(中国)の第4シード同士が戦うこととなった。その結果、ともに世界一を取ったチームにもかかわらず、今季苦しんだ2チームが、どちらかが必ず脱落する「プレーインステージ」で戦うという、過去に類を見ない開幕戦となった。会場となった北京のBeijing JD Esports Centerには観客が殺到し、開幕時間が遅れるトラブルもあったほど、地元iGのみならずT1への声援も配信ごしに聞こえてくるほどの盛り上がりを見せた。試合はフィアレスドラフトで、Bo5(3ゲーム先取)。ゲーム1はiGがドラゴンソウルを獲得するなどリードを築くが、FakerのタリヤのCCからの集団戦などでT1が逆転勝利。ゲーム2もiGが序盤からリードしシーソーゲームの様相だったが、TheShyのサイオンがFakerのアカリを抑えるなどして、iGが押し切る。ゲーム1 バン&ピックゲーム1 リザルト※iGとT1のグラフの色は逆 ゲーム2 バン&ピックゲーム2 リザルトゲーム3では、T1が初めてブルーサイドに。レートスケールのiGの構成に対して、T1は序盤から積極的に攻め込み、Onerのシン・ジャオ、Gumayusiのユナラなどがキルを重ねてスノーボールし2勝目。リーチをかける。ゲーム3 バン&ピックゲーム3 リザルトそして、ゲーム4は再びiGがブルーサイドを選択。互いにピックできるチャンピオンが減っていく中で、iGはトップのTheShyがヴァルスをピック。T1のノクターンに対してiGがパンテオンと、互いに遠距離から駆け付けられる構成を組む。iGはミッドガンクからFakerを倒してファーストブラッドを獲得するが、乱戦の中でもDoranのオーンのタンク、さらにノクターン、アッシュ、オーンのCCチェインなどでT1が集団戦を制し、「プレーインステージ」を突破した。ゲーム4 バン&ピックゲーム4 リザルトFakerのルブラン、Onerのノクターン、Gumayusiのアッシュが刺さったゲーム4。iGのトップヴァルスも刺さらず、LPLキラー・T1が快勝した 「スイスステージ」初戦から注目カードが連発 「プレーインステージ」の試合終了後、15日(水)から始まる「スイスステージ」の組み合わせを抽選する「ドローショー」が実施された。「スイスステージ」では、T1が加わった16チームの中から先に3勝を挙げたチームから勝ち抜けていき、8チームが「ノックアウトステージ」に進出するが、最初の組み合わせはこのドローショーによって決まる。ドローショーは、Royal Never Give Upのサポートを務めたMingが務めた プール1は各地域の第1シード、プール2は各地域の第2シードと「プレーインステージ」で勝利した地域の第3シード(KT Rolstar)、プール3は各地域の第3シードと「プレーインステージ」で勝利したT1が入る。そして、「スイスステージ」最初のRound 1は、第1シード vs 第3シード、第2シード同士という組み合わせだ。ただし、初戦は同一地域同士の対決はない。ドローショーによる抽選の結果、15日(水)に行われるRound 1の8試合の組み合わせは以下のとおりとなった。日本も所属しているLCP代表チームは、CFOがLEC代表のFnaticと、PSG TalonがLCK代表のGen.G Esportsと、Team Secret WhalesがLTA代表のVivo Keyd Stars(VKS)との対戦となる。なお、1度戦ったチーム同士は2度戦うことはなく、Round 2以降は同一地域同士の対戦も行われる。また、1勝/1敗まではBo1(1ゲーム先取)だが、2勝・2敗の試合(勝ち抜け/負け確定の試合)はすべてBo3(2ゲーム先取)・フィアレスドラフトというルールだ。スイスステージ Round 1 対戦組み合わせ14:00 VKS vs TSW15:00 CFO vs FNC16:00 KT vs MKOI17:00 BLG vs 100T18:00 FLY vs T119:00 HLE vs AL20:00 G2 vs TES21:00 GEN vs PSG「スイスステージ」はRound 2までは14:00頃から、Round 3以降のBo3からは1日2試合が行われる予定だ。配信アーカイブ Worlds 2025 プレーインステージ LoL Esports:https://lolesports.com/ja-JP/LoL Esports JapanのX:https://x.com/lolesports_jpLoL Esports JapanのYouTube:https://www.youtube.com/@LoLeSportsJP
-
- 【結果速報 10月13日】「EVO France 2025」スト6部門、LeSharがプレミア大会3連覇の偉業達成! 「CAPCOM CUP 12」出場権はBlazが繰り下がりで獲得
- 2025年10月10日(金)〜13日(月)に格闘ゲームのeスポーツ大会「Evolution Championship Series(EVO) France」がフランス・パリで開催された。『ストリートファイター6』部門は「プレミア大会」のため、優勝者に「CAPCOM CUP 12」の出場権が与えられるほか、2位以下の選手にも「プレミアポイント」が付与され、合計ポイント上位の選手にも出場できる可能性がある。また、「プレミア大会」は「EVO France」を含め残り2大会のみ。優勝を目指しつつも、少しでも上の順位で「プレミアポイント」を獲得することも重要な局面だ。EVO France 2025とはフランス・パリで開催される世界最大の対戦格闘ゲーム大会のひとつ。2025年度は「EVO Japan」「EVO」(アメリカ)、「EVO France」の3つの大会が開催されており、フランスでの開催は初となる。メインタイトルは『ストリートファイター6』『鉄拳8』『ギルティギア ストライヴ』『グランブルーファンタジーヴァーサス -ライジング-』『ドラゴンボールファイターズ』『餓狼伝説 City of the Wolves』『HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT』の7タイトル。 EVO France 2025 ストリートファイター6部門 結果発表 日本時間の10月13日(月)0:45から始まったトップ8は、ウイナーズ側はこばやん、Dual Kevin、ときど、LeShar、ルーザーズ側はどぐら、Blaz、Mister Crimson、カワノの8名。日本人選手は全員「SFL」出場中の選手な上に見事に分散している。特に、Mister Crimsonは地元でもあり、ひときわ大きなファンの声援が後押しした。トップ8の中でLeSharとカワノはすでに「CAPCOM CUP 12」の出場権を獲得しているため、もしどちらかが優勝すると2位以下の選手にその権利が譲渡される。試合は、ウイナーズ側でこばやんがDual Kevin、LeSharがときどを下し、ウイナーズファイナルではLeSharのエドがこばやんのザンギエフを完封し、"プレミア大会3連覇"に王手をかける。ルーザーズ側は、Blazがどぐらを、Mister Crimsonがカワノを破り、Blazが破竹の勢いでルーザーズファイナル進出。こばやんをリュウで下し、グランドファイナル進出を決めた。迎えたグランドファイナルはLeSharとBlazの戦い。LeSharはエド、Blazはリュウで始まった試合は、LeSharがリーチからBlazに1セット奪われた ところで、噂のエレナにチェンジ。高い練度でLeSharがBlazを追い詰めたが、Blazも針の穴のようなスキを突いて3-2でリセットに成功する。しかし反撃もここまで。LeSharは再びエドを選ぶとBlazをきっちり追い込み、余裕さえ見せて3-1で優勝した。これでLeSharは、5月の「Combo Breaker」、6月の「CEO」に続き、3度目のプレミア大会制覇という前人未到の記録を打ち立てた。順位所属チーム|選手名1 DRX|LeShar 2 2Game|Blaz 3 SS熊本 A.M.G|こばやん 4 AEGIS|Mister Crimson 5 REJECT ROHTOZ!|ときど 5 Dual Kevin 7 Crazy Raccoon|どぐら 7 G8S/HitBox|カワノ なお、LeShar選手が「CAPCOM CUP 12」の出場権を持っていたことから、優勝者に与えられる出場権は2位のBlaz選手に繰り下がりで授与される。また、プレミアポイントランキングは中国大会を残し、ももちが570ポイントで首位、こばやんが500ポイントで2位、3位タイにはりゅうきちとDual Kevinが460ポイントで、5位タイには板橋ザンギエフとEndingWalkerが440ポイントで並んでいる。配信URL 【配信】Day1 Day2 Day3 ■関連リンクstart.gg:https://www.start.gg/tournament/evo-france-2025/event/street-fighter-6-ps5EVO公式X:https://x.com/EvoEVO公式サイト:https://www.evo.gg
-
- 【大会レポート】世界大会進出へ!——eスポーツチームREJECTのPUBG MOBILE部門が「PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE SEASON5 PHASE2」で優勝
- eスポーツチームREJECTのPUBG MOBILE部門が「PMJL S5 Phase2」を制覇。賞金300万円と「International Cup 2025」「PMGC 2025」への出場権を獲得した。PUBG MOBILE JAPAN LEAGUEとは 『PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE(PMJL)』は、日本地域公式のプロリーグである。オープン予選勝ち上がりチームとシード獲得チームが参戦し、国内最強の座と世界大会への切符を懸けて戦う。2025年シーズン5 Phase2(9月13日(土)~10月5日(日)開催)ではREJECTが頂点に立ち、賞金300万円を獲得した。さらに国際戦「International Cup 2025」(10月31日(金)~11月2日(日)/インド開催、賞金総額約1,700万円)と年間世界大会「PMGC 2025」(11月24日(月)~12月14日(日)/タイ開催)への出場権を手にした。 <以下、ニュースリリースより>プロeスポーツチーム「REJECT」PUBG MOBILE部門が『PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE SEASON5 PHASE2』で優勝 株式会社REJECT(本社:東京都港区、代表取締役:甲山翔也)が運営するプロeスポーツチーム「REJECT」は、PUBG MOBILE部門が2025年9月13日(土)に開幕した『PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE SEASON5 Phase2』(以下、PMJL S5 Phase2)に出場し、最終日を終えて優勝したことをお知らせいたします。 初日から首位に立つと、その後も安定してポイントを積み上げ、最終日までリードを維持して優勝に到達しました。本大会の結果により、REJECTは賞金300万円に加え、「International Cup 2025」および「PUBG MOBILE Global Championship 2025(PMGC 2025)」の出場権を獲得しました。International Cup 2025について 日本・韓国・インドのチームが出場する国際大会。10月31日(金)~11月2日(日)にインドでオフライン開催され、上位2チームにPMGC 2025 出場権が付与されます(賞金総額:約1,700万円)。PUBG Mobile Global Championship 2025について 年間を締めくくる世界大会。11月24日(月)~12月14日(日)にタイで開催予定です。※昨年度は賞金総額300万ドル(約4.5億円)。 REJECTは2023年に『PMJL SEASON3』Phase1・Phase2でリーグ史上初の連続優勝を達成。11月の『PUBG MOBILE GLOBAL CHAMPIONSHIP』では日本代表として最高順位タイの成績を収めました。2024年には『PUBG MOBILE GLOBAL OPEN』で日本チーム初の世界大会優勝、『PUBG MOBILE WORLD CUP(Esports World Cup)』で準優勝と、世界の舞台でも存在感を示しています。2025年も『PUBG MOBILE GLOBAL OPEN』で5位に入賞するなど、安定して上位成績を継続中です。【REJECT PUBG MOBILE部門 ロスター】 ■ #22 ReijiOcO(@reijioco22) ■ #16 ApolloOcO(@pubgm_Apollo) ■ #19 Devine(@Devine_pubg) ■ #18 Duelo(@cocoa12390) ■ #1 SaRa(@BLUEBERRYNOOB__) ■ Coach:MimoriN(@1mimote)【リーグ概要】 ■ 大会名:PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE SEASON5 Phase2 ■ 開催日:2025年9月13日(土)開幕 ■ 概要 :『PUBG MOBILE』日本地域公式eスポーツリーグ。オープン予選勝ち上がりチームとシード獲得チームが国内最強の座を争う。 ■ 配信 :https://www.youtube.com/@PMJL_official 引き続き、REJECT PUBG MOBILE部門への温かいご声援をよろしくお願いいたします。eスポーツチーム REJECTについて REJECTは2018年に発足した、株式会社REJECTが運営するプロeスポーツチームです。世界的に人気のゲームタイトル部門を多数展開する日本有数のeスポーツチームであり、ESPORTS WORLD CUP FOUNDATION CLUB PARTNER PROGRAM 2025のパートナーチームにも選出。累計賞金獲得額は国内1位を記録し、特にモバイルシューティングジャンルにおいては日本トップの実績を誇ります。 『PUBG MOBILE』部門では12度の世界大会を経て、2024年に日本チーム初の世界一を獲得。『Apex Legends』部門では「ALGS 2024」にてAPAC NORTH地域初の世界一を達成するなど、国際大会でも確かな成果を残しています。 Web:https://reject.jp/ X:https://x.com/RC_REJECT Instagram:https://www.instagram.com/rc_reject/ YouTube:https://www.youtube.com/c/REJECTesports株式会社REJECTについて 株式会社REJECTは、“EMPOWER GAMING LIFE ゲーマーをもっと豊かに”をミッションに掲げ、プロeスポーツチーム「REJECT」の運営を中心に、eスポーツを軸とした多角的な事業を展開しています。競技シーンでの成果追求に加え、ゲーミングギアの開発・販売、ストリーマー・VTuberのマネジメント、コンテンツ・イベントプロデュース、スポンサープロモーションなどを通じて、プレーヤーとファンの体験価値を高め、豊かなゲーミングライフの実現を目指しています。 会社名:株式会社REJECT(リジェクト) 設立:2018年12月 代表者:代表取締役 甲山翔也 所在地:〒105-0001 東京都港区虎ノ門3丁目4-10 虎ノ門35森ビル 5階 公式サイト:https://reject.co.jp/ オンラインストア:https://brand.reject.jp/
-
- 【大会レポート】名古屋OJAがチーム優勝、武藤壮汰が個人王者に!——eモータースポーツ大会「UNIZONE 2025」閉幕!
- 国内唯一のJAF公認eモータースポーツリーグ「UNIZONE 2025」が閉幕。名古屋OJAがチーム優勝、武藤壮汰が個人王者に輝き、賞金総額は数百万円規模となった。UNIZONEとは UNIZONE(ユニゾーン)は、一般社団法人日本eモータースポーツ機構(JeMO)が主催する国内唯一のJAF公認eモータースポーツリーグである。レーシングゲームを競技タイトルとし、実車さながらの戦略性と技術を競う。公式リーグとして全国規模で展開され、優勝チームや個人には賞金が授与される。2025シーズンでは名古屋OJAが優勝し、賞金400万円、個人王者には50万円が贈られた。 <以下、ニュースリリースより>国内で唯一JAFの公認を受けているeモータースポーツリーグUNIZONEの今年度優勝チームおよび個人チャンピオンが決定しました 国内で唯一JAF(日本自動車連盟)の公認を受けたeモータースポーツ大会(レーシングゲームを使用したeスポーツ大会)「UNIZONE(ユニゾーン)」を運営する一般社団法人日本eモータースポーツ機構(東京都千代田区、代表理事:出井宏明、以下「JeMO」)は、UNIZONE 2025の優勝チームおよび個人チャンピオンをお知らせします。また、2025年9月23日(祝・火)13:00~10月31日(金)17:00の期間で、UNIZONE 2025 出場チーム所属選手の人気投票を実施します。1位の名古屋OJAは2位の遠州ハママツモータースに83ポイント差、個人チャンピオン武藤壮汰選手は2位の小出峻選手(名古屋OJA)に30ポイント差での優勝。1位の名古屋OJAには賞金として4,000,000円、個人チャンピオン武藤選手には500,000円が贈呈されました。また、2位および3位のチームにもそれぞれ賞金が授与されました。UNIZONE 2025 リーグ結果 2025年2月24日(火)に開幕したUNIZONE 2025は、9月23日(祝・火)のFinal Rd.をもって幕を閉じました。白熱した各大会の結果、優勝は名古屋OJA、個人チャンピオンは武藤壮汰選手(名古屋OJA)に決定しました。順位チーム名合計ポイント賞金1位 名古屋OJA 194pt 4,000,000円 2位 Saihunkan Sol 熊本 111pt 700,000円 3位 遠州ハママツモータース 104pt 300,000円 4位 東京ヴェルディレーシング 77pt ー 5位 群馬ダイヤモンドペガサス 70pt ー 優勝チーム 名古屋OJAコメント 【武藤 壮汰選手】 今後UNIZONEが続いていく歴史の中で、初代チャンピオンとして名を残すことができうれしいです。来シーズンは、他の選手がさらにレベルアップしてくる中でも高みを目指して精進していきたいです。 【小出 峻選手】 約5年間、実車とバーチャルのアドバイスをお互いに行いながら切磋琢磨してきた武藤選手と共に、齊藤選手も含めて皆でチャンピオンを獲得できてうれしく思っています。来シーズンは個人としても武藤選手に勝利ができるように準備します。UNIZONE 2025 個人ランキング 1位 武藤 壮汰(85pt)2位 小出 峻(55pt)3位 黒沢 和真(53pt)4位 瀬田 凜(34pt)5位 荒川 麟(30pt)個人優勝 武藤壮汰選手コメント シーズン序盤は予選の順位によってレース結果が左右されることも多かったが、後半はリバースグリッドも導入され、追い上げ力や運も必要になってきました。その中でもシーズン序盤のリードを生かして優勝ができうれしく思っています。来シーズンもチームでも個人でもチャンピオンを狙っていきたいです。UNIZONE 2025 出場チーム所属選手人気投票 2025年9月23日(祝・火)~10月31日(金)17:00までUNIZONE 2025出場チーム所属選手の人気投票を行います。UNIZONEは勝敗を決めるレースであると同時に、選手たちの人間的な魅力を知っていただき、ファンの皆さまとの繋がりが生まれたりする場でもありたいと思っています。本投票は「競技成績による表彰(獲得ポイントによるチーム表彰・個人表彰)」に加え、「ファンが選手への想いを直接届ける新しい仕組み」という位置づけで企画しました。練習の評価がタイムや順位で示される一方で、ファンの声が形になって届くことも、選手にとっての新たな励みになることを私たちは願っております。また、レース以外で、選手がSNSを通じて積極的にファンと交流し、モータースポーツの楽しさや挑戦の過程を発信している姿も見受けられます。そのような活動も讃えたいと考えております。1位に選ばれた選手には、賞金250,000円を贈呈いたします。投票に参加くださるファンの皆さまには、「走り」「人柄」「発信」「未来への期待」など、それぞれが大切に思う基準で投票いただけましたら幸いです。 UNIZONE2025の締めくくりに、ぜひ投票に参加いただき選手へエールをお送りください。 【投票期間】9月23日(祝・火) ~ 10月31日(金)17:00 【投票フォーム】 投票先URL:UNIZONE 2025 チーム所属選手 人気投票フォーム ※投票にはGoogleアカウントへのログインが必要です。 【各選手プロフィール】 DRIVER | UNIZONE 公式サイト UNIZONE2026ではどんなドラマが生まれるのか、今後のUNIZONEに乞うご期待ください。UNIZONEについて UNIZONEは、国内のモータースポーツを統括する一般社団法人 日本自動車連盟「JAF」の公認を受け、JeMOが主催するeモータースポーツ大会です。eモータースポーツにおけるエコシステムと競技ピラミッドを構築し、新たなスポーツ文化を創るだけにとどまらず、これまでのモータースポーツファンやeスポーツファンはもちろん、そのどちらにも関心の薄かった層をも幅広く魅了する公式リーグやグラスルーツ活動の展開を予定しています。 これらの活動を通じてクルマの素晴らしさや楽しさを伝え、未来のモビリティ発展に寄与するプラットフォームを目指しています。UNIZONEオフィシャルサイトUNIZONEオフィシャルXUNIZONEオフィシャルInstagramUNIZONEオフィシャルYouTube一般社団法人日本eモータースポーツ機構(JeMO)法人概要 項目内容法人名称 一般社団法人日本eモータースポーツ機構(略称:JeMO)英語表記:Japan e-Motorsport Organization 代表理事 出井 宏明 理事・監事 理事:糸井丈之(糸井ホールディングス株式会社) 片桐正大(名古屋王者株式会社) 幅田智仁(株式会社オートバックスセブン) 北浦 諭(NGM株式会社) 末澤 太浩(中部テレコミュニケーション株式会社) 監事:三木 要(デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社) 所在地 〒100-0005 東京都千代田区丸の内3丁目3−1 新東京ビル 8F Deloitte Tohmatsu Innovation Park内 設立日 2023年5月10日