2023年7月7日(金)に開幕した「ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2023」が1月13日(土)に行われたグランドファイナルで終止符を打ちました。
今シーズンを制覇したのはFAV gaming(FAV)。1stステージこそ3位通過でしたが、2ndステージでは1位通過を決め、そのままグランドファイナルも制することとなりました。

今回はそんなグランドファイナルの現地レポートをお届けします。
対戦相手はDetonatiN FocusMe(DFM)です。1stステージでは3試合終わって10ポイントしか獲得できず、もはや足きり確定かと思われましたが、脅威の粘りで2ndステージ進出を果たしました。2ndステージではFAVに20ポイント差まで詰める2位で通過し、プレーオフでは再春館SOL熊本(SS熊本)を倒してグランドファイナルに進出しました。
グランドファイナルは90ポイント先取で優勝です。リーグ戦の時と同様に、先鋒・中堅・大将の3対3の団体戦を行い、先鋒・中堅で勝利したチームに10ポイント、大将で勝利したチームに20ポイント入ります。これを一巡とし、大将戦が終わったらまた先鋒戦から始める次の巡目が始まります。
一巡して同点の場合でも延長戦はありません。巡目が変わる毎にホームとアウェイが入れ替わります。アウェイ側となったチームは先に出場する3選手の順番を使用キャラクターと使用操作タイプを申告します。ホーム側はそれに対して、対戦する直前にひとりずつ申請をしていきます。ホーム側は対戦相手や対戦キャラクターに対して自由に選手やキャラクターを選択できるため、優位といえます。



一巡目はリーグ戦1位抜けしたFAVがアドバンテージとしてホーム側スタートとなります。アウェイ側のDFMは先鋒・竹内ジョンラシード、中堅・ナウマンケン、大将ふ~どディージェイの布陣で挑みます。FAVは竹内ジョン選手に対してりゅうせい選手を当ててきます。
そこで勝利した中堅戦ではsako春麗が、そして大将戦はボンちゃんルークが登場します。ホームの利を生かしたオーダーと、リーグ戦2ndステージでの絶好調さをキープしていたボンちゃん選手の活躍により、一巡目はまさかのFAV3連勝。40ポイントを獲得します。


二巡目はFAVがアウェイとなり、先にオーダーを申告します。先鋒・りゅうせいJP、中堅・sako春麗、大将・ボンちゃんルークと一巡目とまったく同じオーダーを選択。完勝だっただけに変える必要がないというところでしょうか。その強気のオーダーが見事にハマり、りゅうせい選手はナウマン選手を、sako選手は板橋ザンギエフ選手を退けます。
これでポイントは60-0とFAVが圧倒的な差を見せつけます。もはや後がないDFMでしたが、ふ~ど選手がボンちゃん選手相手に3連勝し、なんとか20ポイントをもぎ取ります。

三巡目は再び、DFMがアウェイ。オーダーは一巡目と同じです。この布陣に自信があるというよりは、このオーダー以外は使えないといったところでしょうか。そして、FAVも一巡目と同じオーダーで対抗します。
先鋒戦は竹内ジョン選手が粘り、りゅうせい選手を退け、勝利します。この時点ではまだ60-30とダブルスコアですが、1stシーズンでのほぼ死に体からの大逆転や2ndステージでの終盤の追い上げ、プレーオフの粘りを考えると、まだまだ可能性は十分にあると思えます。
しかしその期待もここまで。中堅戦はsako選手が自身3連勝となる勝利をあげ、ボンちゃん選手が二巡目のお返しとばかり、ふ~ど選手に3タテを喰らわせて優勝を決めました。

試合終了後には表彰式が行われ、そこにカプコンの辻本社長が訪れ、SFLの来シーズンノ開催を発表しました。2024年7月の開幕を予定しており、新たにCrazy Raccoon(CR)Fukushima IBUSHIGIN(IBUSHIGIN)、REJECT(RC)の3チームが増え、全12チームでの開催となります。
さらに、6チームずつの2リーグ制で行われることも発表されました。

大会終了後は優勝者インタビューがあり、その様子もお伝えします。
——優勝おめでとうございます。本日はときど選手が温存となったわけですが、その理由をおきかせください。
ときど:私の役目としては板橋ザンギエフ選手の攻略だったのですが、一巡目は板橋ザンギエフ選手が出場しなかったので、リザーブに回ることになりました。
二巡目のアウェイでは私が出場する目もあったのですが、一巡目で勝利したsako選手がそのまま行く方がいいと判断しました。二巡目もsako選手が勝ちましたし、三巡目でも板橋ザンギエフ選手が出てこなかったので、そのままsako選手が三度出て、結果的に私の出場機会がなかったということですね。

——会場の観客席は結構寒かったのですが、対戦するステージ上でのコンディションはどうだったのでしょうか。プレーに影響はありましたでしょうか。
sako:確かに会場が寒くて試合前までダウンを着て身体を冷やさないようにしていました。100%ベストな状態ではなかったかも知れませんが、動き自体はめちゃくちゃ良かったんですよね。私自身は3勝しているんですけど、実際は綱渡りの状態が多かった感じです。
——セカンドシーズンでは成績が残せなかったsako選手ですが、その上で、今回のフル出場はどういった経緯があったのでしょうか。
sako:そうですね。ナウマン選手に私が出るというマンツーマンの対策の予定で、ナウマン選手が出てきたので私が出ることになりました。もしそこで負けていた場合は他の人に交代するかもという話も出ていました。一巡目で勝利したので、そのまま二巡目のアウェイでも出ることになったという感じです。

ときど:ホームはsakoさんと私のどちらが出る感じだったんですけど、sakoさんがナウマン選手に勝ったので、「じゃあ、勝ち続ける限りはお願いします」って。
アウェイで当てられるとしたら竹内ジョン選手が来るかなと思っていました。一応、まんべんなく対策はしてきました。ただ、ふ~ど選手がきたらちょっとキツいなとは思っていました。
——プレーオフでDFMがSS熊本戦で、絶対的エースのShuto選手に対して、4人がかりで対戦するという作戦をとってきましたが、同じく絶対的エースであるボンちゃん選手に対しても、同じような特別な作戦をとってくると思っていましたでしょうか。それに対して対策はしたのでしょうか。
ボンちゃん:一応、相手が誰であれ、私が大将戦に出るというのが最初の作戦でした。
唯一、板橋ザンギエフ選手が対象に出てきた場合のみ「ときど選手が行った方がいいかもね」という話をしたくらいですね。アウェイは誰がくるかわからないじゃないですか。なので、一応、全員の対策はしてきました。
ただ、大将でくるのはふ~ど選手でしょって思っていましたね。板橋ザンギエフ選手はザンギエフで勝っちゃったのもあったので、これ(ザンギエフが)来るじゃんって思って、そこも考えていました。
あとは、私自身がラシード戦を得意としていたので、ラシードの担当をしようかなという話も最初はありました。けど、結局、ディージェイにも行けそうだし、そっちで行った方がいいかなって感じでした。

——SFLのグランドファイナルやプレーオフは、リードしたチームが後から逆転されるという展開が多かったですが、今回、大量リードした時の気持ちはいかがったでしょうか。
ボンちゃん:二巡目の中堅戦まで勝ち続け、このまま勝ったら、完全ゲームになってしまいそうだなった思っていました。私自身も二巡目の試合は結構自信があったんですよね。
一巡目であんな接戦を勝つことができたので。それを3タテ喰らわされるとはやっぱりふ~ど選手は強かったですね。ただ、それでもポイント的には60-20だったので「負けてすみませんでした、次頑張ります」的な軽い気持ちでした。
sako:一巡目にボンちゃんが接戦で勝って、二巡目は若干守り気味の戦い方をしたところ、そこをふ~ど選手にうまいこと攻められてという状況だったので、改善できるなら全然勝てるかなって思っていました。なので、二巡目のボンちゃんの負けは心配してなかったですね。
りゅうせい:確かにSFLの歴史では大逆転勝利みたいなのがあったので、ポイント取るごとに不安になっちゃいました。なんかフラグ立てちゃったみたいな感じで。ただ、ボンちゃん選手がふ~ど選手に負けた時は短期戦で負けるということは起こりうることだし、修正してくれるという信頼感はありました。

——ときど選手が試合中にモニターをスマホで撮影していましたが、あれは何を撮影していたのでしょうか。
ときど:あれは試合を動画で撮影していました。配信だとその場で巻き戻すことができないので、スマホの動画ですぐに確認できるように撮っていました。以前、アメフトの選手が同じことをやっていて、かっこいいと思っていたんですよ。選手がミスした時にiPadですぐに確認していました。
りゅうせい:2年くらい前のリーグからやっていましたね。
ボンちゃん:二巡目でストレート負けした時に見せて貰って、こういうところがダメだったなっていう反省ができて、それが三巡目に刺さりましたね。
——ありがとうございました。
さて、今回は新宿住友ビルの三角広場で開催したのですが、前回のTFTホールやその前に行われた品川プリンスホテルのクラブexに比べ、かなり大きな会場となりました。
座席はA・Bの2種類用意していましたが、A席は抽選に漏れた方も多く、その後行われた先着順の販売では瞬時に売り切れたそうです。B席もほぼ満席で完売状態でした。『スト6』の人気の高さがうかがえます。
ただ、当日は都内でも雪が降ったくらいのかなりの寒さ。会場自体は空調がフル回転していましたが、会場に直結するふたつのドアが開く度に、会場に冷気が漂い、ただならぬ寒さでした。ふたつのドアは自動ドアで二重構造になっていましたが、それでも少し開くだけで寒風が入ってきたので、封鎖してもよかったのかも知れません。






会場には物販ブースを用意していましたが、SFL参加の9チームとカプコングッズが売っていた販売ブースが1店舗出店していただけでした。SFL2023で唯一の有観客オフラインイベントだったので、ファンミーティングも兼ねて、全チームが選手を呼んで出店した方がよかった気がします。
いろいろな事情があると思いますが、そこは主催者であるカプコンがもう少し配慮すべきだったのではないでしょうか。また、カプコングッズは売っていましたが、SFLグランドファイナルのグッズはありませんでした。2022年や2019年の時は専用グッズが販売していたと記憶しているので、こちらもなかったのはイベントとして少し残念な感じでした。




ほかには、お馴染みRed Bullスタンドや靴下メーカーのTabioの出店もありました。おそらくtabioと『スト6』の関係性はないと思われますが、それだけに出店してくれるのは、うれしいところです。今後はさまざまな企業が『スト6』に関連しなくてもイベントへの出店としてブースを出してくれるようになってくれる未来が訪れることを期待します。



会場には選手以外にも多くの関係者が訪れていました。FAVやDFMをコーチングしたり、スパーリングパートナーとして一緒にプレーしたプロゲーマーやストリーマーイベントで関わりの持ったストリーマーなど多数訪れていました。試合開始前や終了後、インターバルの間など、ファンと交流しており、オフラインイベントの良さがここでも出ていました。






2023年は『スト6』リリースの年ということもあり、多いに注目されました。これが一過性のブームとならず定着するには、今年以上の労力が必要になってくるでしょう。簡単なことではないですが、それを達成できると期待して、来シーズンの開幕を待ち望みます。
編集:いのかわゆう
撮影:岡安学
今シーズンを制覇したのはFAV gaming(FAV)。1stステージこそ3位通過でしたが、2ndステージでは1位通過を決め、そのままグランドファイナルも制することとなりました。

▲優勝したFAV gaming
今回はそんなグランドファイナルの現地レポートをお届けします。
決勝戦の対戦相手はDetonatiN FocusMe
対戦相手はDetonatiN FocusMe(DFM)です。1stステージでは3試合終わって10ポイントしか獲得できず、もはや足きり確定かと思われましたが、脅威の粘りで2ndステージ進出を果たしました。2ndステージではFAVに20ポイント差まで詰める2位で通過し、プレーオフでは再春館SOL熊本(SS熊本)を倒してグランドファイナルに進出しました。
グランドファイナルは90ポイント先取で優勝です。リーグ戦の時と同様に、先鋒・中堅・大将の3対3の団体戦を行い、先鋒・中堅で勝利したチームに10ポイント、大将で勝利したチームに20ポイント入ります。これを一巡とし、大将戦が終わったらまた先鋒戦から始める次の巡目が始まります。
一巡して同点の場合でも延長戦はありません。巡目が変わる毎にホームとアウェイが入れ替わります。アウェイ側となったチームは先に出場する3選手の順番を使用キャラクターと使用操作タイプを申告します。ホーム側はそれに対して、対戦する直前にひとりずつ申請をしていきます。ホーム側は対戦相手や対戦キャラクターに対して自由に選手やキャラクターを選択できるため、優位といえます。

▲試合前にはアール氏、ハメコ。氏、NOモーション。による前説が行われました

▲入場はひとりずつ選手が呼ばれ、花道を通ってステージに向かいます

▲花道でパフォーマンスをするときど選手
一巡目はリーグ戦1位抜けしたFAVがアドバンテージとしてホーム側スタートとなります。アウェイ側のDFMは先鋒・竹内ジョンラシード、中堅・ナウマンケン、大将ふ~どディージェイの布陣で挑みます。FAVは竹内ジョン選手に対してりゅうせい選手を当ててきます。
そこで勝利した中堅戦ではsako春麗が、そして大将戦はボンちゃんルークが登場します。ホームの利を生かしたオーダーと、リーグ戦2ndステージでの絶好調さをキープしていたボンちゃん選手の活躍により、一巡目はまさかのFAV3連勝。40ポイントを獲得します。

▲出場選手にアドバイスをするFAV

▲同じく作戦会議をするDFM
二巡目はFAVがアウェイとなり、先にオーダーを申告します。先鋒・りゅうせいJP、中堅・sako春麗、大将・ボンちゃんルークと一巡目とまったく同じオーダーを選択。完勝だっただけに変える必要がないというところでしょうか。その強気のオーダーが見事にハマり、りゅうせい選手はナウマン選手を、sako選手は板橋ザンギエフ選手を退けます。
これでポイントは60-0とFAVが圧倒的な差を見せつけます。もはや後がないDFMでしたが、ふ~ど選手がボンちゃん選手相手に3連勝し、なんとか20ポイントをもぎ取ります。

▲二巡目で再び大将戦で対戦するふ~ど選手対ボンちゃん選手
三巡目は再び、DFMがアウェイ。オーダーは一巡目と同じです。この布陣に自信があるというよりは、このオーダー以外は使えないといったところでしょうか。そして、FAVも一巡目と同じオーダーで対抗します。
先鋒戦は竹内ジョン選手が粘り、りゅうせい選手を退け、勝利します。この時点ではまだ60-30とダブルスコアですが、1stシーズンでのほぼ死に体からの大逆転や2ndステージでの終盤の追い上げ、プレーオフの粘りを考えると、まだまだ可能性は十分にあると思えます。
しかしその期待もここまで。中堅戦はsako選手が自身3連勝となる勝利をあげ、ボンちゃん選手が二巡目のお返しとばかり、ふ~ど選手に3タテを喰らわせて優勝を決めました。

▲リーグ戦でもグランドファイナルでも活躍したボンちゃん選手
試合終了後には表彰式が行われ、そこにカプコンの辻本社長が訪れ、SFLの来シーズンノ開催を発表しました。2024年7月の開幕を予定しており、新たにCrazy Raccoon(CR)Fukushima IBUSHIGIN(IBUSHIGIN)、REJECT(RC)の3チームが増え、全12チームでの開催となります。
さらに、6チームずつの2リーグ制で行われることも発表されました。

▲CR、IBUSHIGIN、RCが新たに加わり各6チームの2リーグ制でストリートファイターリーグ:Pro-JP 2024が開催されることが発表されました
優勝インタビュー
大会終了後は優勝者インタビューがあり、その様子もお伝えします。
——優勝おめでとうございます。本日はときど選手が温存となったわけですが、その理由をおきかせください。
ときど:私の役目としては板橋ザンギエフ選手の攻略だったのですが、一巡目は板橋ザンギエフ選手が出場しなかったので、リザーブに回ることになりました。
二巡目のアウェイでは私が出場する目もあったのですが、一巡目で勝利したsako選手がそのまま行く方がいいと判断しました。二巡目もsako選手が勝ちましたし、三巡目でも板橋ザンギエフ選手が出てこなかったので、そのままsako選手が三度出て、結果的に私の出場機会がなかったということですね。

▲ときど選手(撮影:志田彩香)
——会場の観客席は結構寒かったのですが、対戦するステージ上でのコンディションはどうだったのでしょうか。プレーに影響はありましたでしょうか。
sako:確かに会場が寒くて試合前までダウンを着て身体を冷やさないようにしていました。100%ベストな状態ではなかったかも知れませんが、動き自体はめちゃくちゃ良かったんですよね。私自身は3勝しているんですけど、実際は綱渡りの状態が多かった感じです。
——セカンドシーズンでは成績が残せなかったsako選手ですが、その上で、今回のフル出場はどういった経緯があったのでしょうか。
sako:そうですね。ナウマン選手に私が出るというマンツーマンの対策の予定で、ナウマン選手が出てきたので私が出ることになりました。もしそこで負けていた場合は他の人に交代するかもという話も出ていました。一巡目で勝利したので、そのまま二巡目のアウェイでも出ることになったという感じです。

▲sako選手(撮影:志田彩香)
ときど:ホームはsakoさんと私のどちらが出る感じだったんですけど、sakoさんがナウマン選手に勝ったので、「じゃあ、勝ち続ける限りはお願いします」って。
アウェイで当てられるとしたら竹内ジョン選手が来るかなと思っていました。一応、まんべんなく対策はしてきました。ただ、ふ~ど選手がきたらちょっとキツいなとは思っていました。
——プレーオフでDFMがSS熊本戦で、絶対的エースのShuto選手に対して、4人がかりで対戦するという作戦をとってきましたが、同じく絶対的エースであるボンちゃん選手に対しても、同じような特別な作戦をとってくると思っていましたでしょうか。それに対して対策はしたのでしょうか。
ボンちゃん:一応、相手が誰であれ、私が大将戦に出るというのが最初の作戦でした。
唯一、板橋ザンギエフ選手が対象に出てきた場合のみ「ときど選手が行った方がいいかもね」という話をしたくらいですね。アウェイは誰がくるかわからないじゃないですか。なので、一応、全員の対策はしてきました。
ただ、大将でくるのはふ~ど選手でしょって思っていましたね。板橋ザンギエフ選手はザンギエフで勝っちゃったのもあったので、これ(ザンギエフが)来るじゃんって思って、そこも考えていました。
あとは、私自身がラシード戦を得意としていたので、ラシードの担当をしようかなという話も最初はありました。けど、結局、ディージェイにも行けそうだし、そっちで行った方がいいかなって感じでした。

▲ボンちゃん選手(撮影:志田彩香)
——SFLのグランドファイナルやプレーオフは、リードしたチームが後から逆転されるという展開が多かったですが、今回、大量リードした時の気持ちはいかがったでしょうか。
ボンちゃん:二巡目の中堅戦まで勝ち続け、このまま勝ったら、完全ゲームになってしまいそうだなった思っていました。私自身も二巡目の試合は結構自信があったんですよね。
一巡目であんな接戦を勝つことができたので。それを3タテ喰らわされるとはやっぱりふ~ど選手は強かったですね。ただ、それでもポイント的には60-20だったので「負けてすみませんでした、次頑張ります」的な軽い気持ちでした。
sako:一巡目にボンちゃんが接戦で勝って、二巡目は若干守り気味の戦い方をしたところ、そこをふ~ど選手にうまいこと攻められてという状況だったので、改善できるなら全然勝てるかなって思っていました。なので、二巡目のボンちゃんの負けは心配してなかったですね。
りゅうせい:確かにSFLの歴史では大逆転勝利みたいなのがあったので、ポイント取るごとに不安になっちゃいました。なんかフラグ立てちゃったみたいな感じで。ただ、ボンちゃん選手がふ~ど選手に負けた時は短期戦で負けるということは起こりうることだし、修正してくれるという信頼感はありました。

▲りゅうせい選手(撮影:志田彩香)
——ときど選手が試合中にモニターをスマホで撮影していましたが、あれは何を撮影していたのでしょうか。
ときど:あれは試合を動画で撮影していました。配信だとその場で巻き戻すことができないので、スマホの動画ですぐに確認できるように撮っていました。以前、アメフトの選手が同じことをやっていて、かっこいいと思っていたんですよ。選手がミスした時にiPadですぐに確認していました。
りゅうせい:2年くらい前のリーグからやっていましたね。
ボンちゃん:二巡目でストレート負けした時に見せて貰って、こういうところがダメだったなっていう反省ができて、それが三巡目に刺さりましたね。
——ありがとうございました。
寒気と歓喜が渦巻く会場は多くのファンであふれかえる
さて、今回は新宿住友ビルの三角広場で開催したのですが、前回のTFTホールやその前に行われた品川プリンスホテルのクラブexに比べ、かなり大きな会場となりました。
座席はA・Bの2種類用意していましたが、A席は抽選に漏れた方も多く、その後行われた先着順の販売では瞬時に売り切れたそうです。B席もほぼ満席で完売状態でした。『スト6』の人気の高さがうかがえます。
ただ、当日は都内でも雪が降ったくらいのかなりの寒さ。会場自体は空調がフル回転していましたが、会場に直結するふたつのドアが開く度に、会場に冷気が漂い、ただならぬ寒さでした。ふたつのドアは自動ドアで二重構造になっていましたが、それでも少し開くだけで寒風が入ってきたので、封鎖してもよかったのかも知れません。

会場はほぼ満席で大いにもりあがっていました

▲推しを応援するうちわを用意していたファンも多くみかけました

▲sako選手のファンと思われます

▲ときど選手とsako選手を応援していました

▲DFMのファンももちろんいます

▲かなり熱狂的なファンと思いきや、倉持由香さんじゃないですか
会場には物販ブースを用意していましたが、SFL参加の9チームとカプコングッズが売っていた販売ブースが1店舗出店していただけでした。SFL2023で唯一の有観客オフラインイベントだったので、ファンミーティングも兼ねて、全チームが選手を呼んで出店した方がよかった気がします。
いろいろな事情があると思いますが、そこは主催者であるカプコンがもう少し配慮すべきだったのではないでしょうか。また、カプコングッズは売っていましたが、SFLグランドファイナルのグッズはありませんでした。2022年や2019年の時は専用グッズが販売していたと記憶しているので、こちらもなかったのはイベントとして少し残念な感じでした。

▲物販ブース。インターバルや試合前はかなり混み合っていました

▲物販ブースで販売していたグッズ

▲物販ブースの近くには『スト6』のキャラクターのパネルが用意され、来場者は写真を撮っていました

▲フォトスポットとして、イベントのパネルも用意
ほかには、お馴染みRed Bullスタンドや靴下メーカーのTabioの出店もありました。おそらくtabioと『スト6』の関係性はないと思われますが、それだけに出店してくれるのは、うれしいところです。今後はさまざまな企業が『スト6』に関連しなくてもイベントへの出店としてブースを出してくれるようになってくれる未来が訪れることを期待します。

▲Red Bullスタンド

▲Red Bullを2杯同時購入すると、Red Bullアスリートであるボンちゃん選手、ガチくん選手、ウメハラ選手のステッカーが貰えました

▲tabioブース
会場には選手以外にも多くの関係者が訪れていました。FAVやDFMをコーチングしたり、スパーリングパートナーとして一緒にプレーしたプロゲーマーやストリーマーイベントで関わりの持ったストリーマーなど多数訪れていました。試合開始前や終了後、インターバルの間など、ファンと交流しており、オフラインイベントの良さがここでも出ていました。

▲昨年末から日本に滞在しているBigbird選手

▲私服のネモ選手。結構レア?

▲ひぐち選手

▲じゃじぃ選手

▲試合前の板橋ザンギエフ選手

▲子どもにサインをねだられるアール氏とハメコ。氏
2023年は『スト6』リリースの年ということもあり、多いに注目されました。これが一過性のブームとならず定着するには、今年以上の労力が必要になってくるでしょう。簡単なことではないですが、それを達成できると期待して、来シーズンの開幕を待ち望みます。
編集:いのかわゆう
撮影:岡安学
【岡安学 プロフィール】
eスポーツを精力的に取材するフリーライター。ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。さまざまなゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆も行い、関わった書籍数は50冊以上。現在は、Webや雑誌、Mookなどで活動中。近著に『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム刊)、『INGRESSを一生遊ぶ!』(宝島社刊)
Twitter:@digiyas

Twitter:@digiyas
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- 【優勝インタビュー+現地レポート】チームブースがパワーアップで今シーズンは会場にも大きな変化が!?——RIDDLE ORDERが完全優勝を果たした国内リーグ「VALORANT Challengers Japan 2025」
- 『VALORANT』の国内リーグ「VALORANT Challengers Japan 2025 Season Finals」の準決勝戦・決勝戦が、8月23日(土)~24日(日)に開催された。NOEZ FOXX(NFX)、FENNEL(FL)、RIDDLE ORDER(RID)の国内の強豪チームが白熱した試合を見せ、会場を大いに盛り上げた。▲正面以外にも、巨大なサブディスプレーが吊り下がっており、どの位置にいても試合は見やすい そんなすさまじい試合が開催されたのは、東京の西側にある「京王アリーナTOKYO」。以前、東京五輪の会場としても利用されたことがあり、今年2月に「武蔵野の森総合スポーツプラザ」から名前が変わったばかりの大型スポーツ施設だ。▲会場のいたるところに戦略フレンズが隠されているという、遊び心満載の会場。場所は日替わりなので、フルコンプリートはかなり難しい 今回はそんなChallengers Japan最終決戦の様子を、余すところなくレポートするとしよう。初日から大激戦——スーパープレー連発で会場は大熱狂 初日に実施された準決勝の対戦カードは、NFX vs FL。NFXの円陣、そしてFLの「一本締め」で気合いを入れる。▲NFXの円陣。BlackWiz「練習したことをやって、勝つだけ。あとは楽しもう!」 第1マップの「カロード」は、4:13でNFXが勝利。一方で第2マップの「サンセット」は、13:3でFLが勝利。お互い、自身のピックマップは堅調に獲得していく。第3マップの「ロータス」は、ほぼ同点のまま試合が進み、最終的にはオーバータイムに突入。勝っては負け……というもどかしい展開の中、王手をかけたのはFLであった。▲角に隠れたEsperanza。最後の最後まで我慢し、スティンガーで全員をキル。武器不利ラウンドをACEでひっくり返す、波乱の幕開けとなった(https://www.youtube.com/live/NFuviQM9KRc?si=UVJJg7851uWy_QZj&t=11686) 運命の第4マップは「ヘイヴン」。こちらも互いに拮抗しながら、ほぼ同点のままラウンドを重ねていく。だが勝負ラウンドの第22ラウンド、FL側の的確なカバーによりNFXは惜敗。FLのマッチポイントの中、NFXは武器が不利な状況に追い込まれた。迎えた第23ラウンド、ここでもFLは安定したプレーを見せ、結果NFXは敗北。翌日の決勝戦に駒を進めたのはFLであった。▲必死に喰らいつくNFXだったが、先に人数有利を獲得したFLがそのまま勝利。NFXはこの時点で3位敗退が確定した(https://www.youtube.com/live/NFuviQM9KRc?si=eyMRVvVX7QfXix2C&t=19721) ▲カメラに向けて啖呵を切るGON。「おいJoxJo、首洗って待っとけ!」と明日の試合を盛り上げる(https://www.youtube.com/live/NFuviQM9KRc?si=YJtuN_tWS4aRL3q-&t=20090) ▲翌日には、さっそく応援ボードが作られていた 推しグッズが買える! 推し選手に会える!——チームブースを散策してみた 会場内には、国内チームのブースが設けられた。どのチームも、グッズ販売やファン交流などといった独自の企画が目白押しだ。NOEZ FOXX(NFX) 準決勝で惜しくも敗れたNFX。翌日の決勝では、ブース内に選手たち、そしてDJふぉいオーナーが登場。誰と撮影するかも、好きに選ぶことができる。ファンにはたまらない企画であること間違いなしだ。▲キツネのポーズで記念撮影! 終了後にはグータッチまでしてくれるぞ ▲「一押しのグッズは?」と聞くと、NFXのロゴのついたハンドスピナー(数量限定で無料配布)をオススメされた。なぜかマーカーペンが付いているが、実用性は未知数だ REJECT(RC) RCブースでは、グッズ販売の他にマウスの展示も行われていた。国内未発売を含む新作デバイスを、実際にさわって試すことができる。ここ最近は「REJECT GEAR」として、ゲーミングデバイス開発に力を入れていることがうかがえる。やはり、選手目線での商品開発ができることが強みなのだろう。単なるファングッズではなく、1ゲーマーにしっかりとオススメできるデバイスばかりだ。▲REJECTとLAMZUがコラボした、ポーリングレート8kの新作マウスたち。特に一番左の「MAYA 8K」は45g(±2g)という驚きの軽さ ▲hiroronn選手(左)とMeatPieN選手(右)もブースに登場。バッチリ記念撮影もできるぞ! QT DIG∞(QTD) 今年4月に「Sengoku Gaming」からリブランディングされたQTDでは、シーズン中も活躍したmisaya選手とKippei選手が、ほぼ2日間フルでブース内でファン対応を行っていた。以前から選手と会える率が高いことで有名なチームだが、今年もやはり健在のようだ。▲オススメグッズはやはり「色紙」だろう。そのままブースにいる選手に、サインを書いてもらうことができるぞ ▲ブースでは、なんとクローヴとキルジョイがアルバイト中! 実は以前開催されたチームのファンミーティングで直接勧誘したそうな ▲クローヴのアビリティー「ピック・ミー・アップ」のポーズで記念撮影 駒を進めるFL、立ち向かうRID——運命の決勝戦 8月24日(日)に行われた決勝戦。見事勝ち進んだFLと、待ち構えるRIDの対決が行われることとなった。観客席ではFLファンの応援ボードがキラキラと輝く一方で、RID側の黄色と黒の警告色のユニフォームもいっそう目立った。▲円陣を組むRIDに対して、FLは観客と共に一本締め。会場との妙な一体感が生まれた瞬間である 第1マップ、第2マップは、お互いのピックマップをそれぞれ堅調に獲得する。だが第3マップの「アイスボックス」では、さらにノッてきたRID。若干FLが勢いを増す場面はあったものの、基本的には追随を許さない。▲戦車のようにすべてを薙ぎ払う素早い展開で、勢いのまま第3マップを勝利。先にマッチポイントを獲得したのはRIDだ 第4マップは「バインド」。FL側も決して劣ってなどいないのだが、RIDの単純な火力に前半から押され気味の様子だ。だが中盤には少しずつFLも持ち直し、前半を5:7で折り返す展開となった。▲yatsukaのデッドロックが、ここぞという時に活躍。RIDの完璧な守りを攻略するのに、あまりにも時間が足りなさすぎる(https://www.youtube.com/live/SdqI3FsHtPE?si=fsDHGYjSO0Y9SRFq&t=21201) 堅調にFLがピストルラウンドを獲得したのも束の間、その次のエコラウンドではまさかのRIDが逆転でラウンドを獲得。有利な状況だったはずが、逆に差をつけられてしまう展開に。▲yatsukaのシェリフが武器差を一瞬で覆していく。圧倒的なキルスピードに、もはやオブザーバーのカメラも追いつけていない(https://www.youtube.com/live/SdqI3FsHtPE?si=z2fNhiOezsNrKHwc&t=22600) その結果、FLは思うように得点を重ねることができず、終始RID優勢のまま試合は進行。完全に試合展開を握ったRIDは、第21ラウンド目、残されたGONをそのまま制し勝利。見事日本一の座を手にした。▲残ったMintyとJoxJoの連携は、少しのチャンスも許さない。そのまま8:13でRIDが優勝(https://www.youtube.com/live/SdqI3FsHtPE?si=ufCssePzmFssu4ND&t=23513) ▲JoxJoは立ち上がって雄叫びを上げた。タイ・バンコクでのリベンジマッチの切符を掴んだ瞬間である ▲昨年の敗北から、ほぼ1からチームを作り直したFL。だがついに、日本一の座を掴むことはできなかった RIDDLE ORDER 合同記者会見 ▲左からryota-(りょうた)サブコーチ、Vorz(ぼるず)コーチ、Minty(みんてぃー)、Seoldam(そるだむ)、Caedye(かえで)、yatsuka(やつか)、JoxJo(じょじょ) 最後に、試合終了直後に行われた選手・コーチとの合同記者会見の様子をお届けしよう。——まずは優勝おめでとうございます!全員:ありがとうございます!!——さっそくですが、試合を終えての感想をお願いします。JoxJo:Split 1・2でも勝ってはいたんですが、このSplit 3で負ければ、今のメンバーでやるのは最後かもしれなかったので、頑張って勝てて良かったと思います。yatsuka:JoxJoの言う通り、このメンバーで(負ければ)続くことは多分なかったと思うので、本当にこのVCJ(VALORANT Challengers Japanの俗称)で勝てて良かったと思います。Caedye:2025年のSplit 1・2・3の全部、シーズンを通して勝てたのがめちゃくちゃうれしいです。日本初らしいです(笑)。Seoldam:みんなでコールを合わせて、うまく行けたり——。なんだろう、今日は本当に全部が良くて、普通に勝ててうれしいです。Minty:勝った瞬間は、いっぱい泣くくらいうれしくかったです。RIDDLEに入って、直さなければいけないことも、まだいっぱいあると思うんですけど、努力して勝利できたのでうれしいです。Vorzコーチ:さっきCaedyeも言っていましたが、すべての大会で勝てたことがうれしいです。またここから気を引き締めて頑張ります。いきなりJoxJoに「お前シェリフ買え」と言われた——yatsuka選手のスーパープレーの裏事情とは ——バインドの後半14ラウンド、空中を飛ぶレイズをシェリフで撃ち落とすなど、yatsuka選手のかなり展開を大きく変えるプレーが際立ちました。このプレーをしたときの心境をお聞かせください。▲明らかにFLが有利なはずのエコラウンドだったが、yatsukaのシェリフが破壊した。4キル目には空中のレイズを撃ち落とすスーパープレーを見せ、会場の興奮は最高潮に(https://www.youtube.com/live/SdqI3FsHtPE?si=z2fNhiOezsNrKHwc&t=22600) yatsuka:あの時は、なんかJoxJoにいきなり「お前シェリフ買え!」って言われて始まったラウンドだったんですけど、最初の1キルを取ったときに「これラウンド取るかも」みたいなエイムの感覚があったので、自分自身では驚かなかったです。——Seoldam選手は、モニターを少し傾けるセッティングをされていると思います。あれには何か理由はあるのでしょうか。Seoldam:あれって特に何もないんですけど——。「今日はなんか調子いいな」みたいなノリで調整しながらなので、あまり気にしていないです(笑)。——本日の試合中に、何か印象に残った会話はありますか?Seoldam:多分、ピストルラウンドかな? 「みんなで気合い入れて頑張ろう! ファイティン!」と言った瞬間、テックポーズが来て笑った記憶があります。Minty:あー(笑)。——以前からCaedye選手は、師匠のBijuさんから伝授された「SiuFatBBのモノマネ」をよくされていたと思うんですが、今回の試合ではMinty選手も一緒になってやっていたかと思います。チーム内で何か伝授したりということはあったのでしょうか。▲🇨🇳Wolves EsportsのSiuFatBB選手のパフォーマンスが元ネタ。ラウンドを守りきったMinty選手とともに、観客席に向けて堂々と披露(https://www.youtube.com/live/SdqI3FsHtPE?si=GzZg2872700nKtDW&t=21322) Caedye:俺がやらせました。「Minty立て!」って言って。Minty:「お前やれ!」つって(笑)。Caedye:師匠の教えをどんどん広めていく、っと。——これからはRIDのメンバー全員に広げていく?Caedye:RID全員もそうだし、RID以外のチームにも広まってくれればうれしいです。「練習通りにやれば絶対に勝てる」——試合にも現れた王者RIDの風格 ——この試合における勝因は何だと思いますか?Vorzコーチ:練習でやってきたことを、5人それぞれやって、想定通りに勝つマップで勝てたという感じです。Minty:みんながやるべきことをやって、無理しないといけないところでは無理をして、みんな5人がまとまってたからだと思います。Seoldam:すいません、何て……。あっ、勝った理由! あー(笑)。有利な状況でも甘えずに、みんなでやることをやって、コールを合わせて落ち着いたり——。結構FLは少人数戦でゆっくりやるのが好きだとみんな知っていたので、ちゃんとコールを回して情報を交換して、それがうまくいって勝てたと思います。Caedye:僕たちがスクリムで「バインド」をするときに、大差で勝つ時は僕がピストルラウンドで3キルするんですよ。で、今日の大会もピストルラウンドで3キルしたので、「あ、これ勝ったな」と思いました。yatsuka:僕たちが勝った一番の要因は、やっぱりryota-サブコーチだと思いますね。チーム練習でも、6人だと詰まりがちな部分があるんですけど、ryota-コーチが入ってからはその詰まりがちな部分を解いてくれるというか。練習の幅が広がったところを、ちゃんと出し切れたのだと思います。ryota-選手……あっ、ryota-コーチありがとうございます!Vorzコーチ:そこ間違えるなよ(笑)。▲後ろで会見を聞いていたryota-サブコーチ。前に出るように背中を押されていたが、恥ずかしそうに断っていた JoxJo:ちょっと話がずれるかもしれないんですけど、去年のオフラインは僕らの中で勝てるかどうか「50-50じゃない」って感じで、どちらが勝ってもおかしくないという気持ちでいたんですよ。でも今回は、Split 1・2でも優勝したし、練習のクォリティも高くて、練習通りやれば絶対に勝てるというマインドがみんなの中にあったと思います。心でみんなを信じていたからこそ、それがそのまま大会に出てきたのだと思います。——今大会のMVPは誰だと思いますか?Vorzコーチ:ムズっ。そんなに見ないでよ(笑)。▲回答に困り、ニヤニヤしながらVorzコーチを見つめるMinty Vorzコーチ:じゃあ、Mintyで。Mintyにします。——その理由は?Vorzコーチ:前回のオフラインでも感じたんですけど、何故かオンラインよりオフラインの方がうまくて。与えられた役割にプラスして、期待値以上のことをやってくれる感じ。なんか正直オンラインの時は、正直たまに「ぽけ~」としている時があるんですけど、オフラインではマジで頼りになります。——Minty選手はいかがでしょうか?Minty:全員で——。さすがに。今日の試合は、本当にチームで勝ち取れた勝利だと思うので、全員ということでお願いします。——今大会では比較的トラブルが少なかったように感じますが、特にメンタル面において昨年と比べて、何か感じることはありますか?Vorzコーチ:「去年が~」とか言いたいわけじゃないんですが、今年の運営さんは何かあったときのレスポンスはすごく早いように感じます。去年のピックミスに関しては、まずそもそもピックミスする奴らがあり得ないんですけど、それ対策としてエージェント提出があったりなど、いろいろとリマインドしてくれるんですよね。そういう面では、あまりいろいろなことを考えなくてもいいというか、本当に助かっています。▲昨年(2024年)のChallengers Japanでの一幕。選手たちの勘違いにより、適当に選んだエージェントがそのまま採用されてしまった。この結果、RIDは自身のピックマップを落とし危うく敗北寸前に(https://www.youtube.com/live/QWsVg5Pbvyo?t=7347) ——昨年の経験は生きていると思いますか?Vorzコーチ:自分はちょっと選手じゃないんで——。ただテックポーズには、どこのチームよりも慣れているんじゃないかと感じます。どうですかね?(無言でうなずく選手たち)Vorzコーチ:らしいです。——JoxJo選手は過去、さまざまなチームを日本一に導いた経験があります。この「優勝請負人」として、チームを作るうえで考えていることを教えてください。JoxJo:いろいろ——本当にいろいろあるんですけど、その中で選ぶとすれば、「雰囲気」ですよね。チーム全体としてチームのメンバーを信じるのか。コーチ含めて、チームに対して不安がないこと。味方を信じたら勝てる。そういう雰囲気を作ることが、勝つために5人全員で頑張ることです。2度目となるアセンションに向けて ▲このチケットを手にしたのは2度目となるRIDDLE。🇹🇭バンコクで開催されるこの「VCT Ascension Pacific 2025」で準優勝以上になれれば、国際リーグへの昇格を果たすことができる ——VCT Ascensionに向けての意気込みをお願いします。JoxJo:今は勝ったからプレッシャーを感じるんですけど、僕らは日本で3連続優勝して、ただアセンションでいい実績が出なかったら、それはそれでちょっと不味いなって感じがして。でも今は自信もあるし、本当に勝てるように頑張るので、応援よろしくお願いします。yatsuka:去年アセンションに出たんですけど、その時も今回出場する🇰🇷Nongshim RedForceと🇮🇩BOOM Esportsに負けてしまったんですが、今回はこの2チームにも勝てる自信があるので、全部倒して、VCT Pacificに行くための努力をしていこうと思います。Caedye:去年アセンションで負けて、1年間ティア2で頑張って、またアセンションまで行けたんですけど——。まぁ、チャンスだと思って全力で頑張ります。Seoldam:正直まだ足りないこともいっぱいあるし、もっと完璧にできるように、次の大会まで全力で練習して、勝てるようにしたいと思います。Minty:海外の公式大会はこのアセンションが初めてなので、まだどういうことになるか僕も分からないんですけど——。僕も成長して、アセンションに優勝できるように練習したいと思います。Vorzコーチ:去年、海外の地で感じた経験や反省点を、今年は同じミスをしないように、学んだことを生かして頑張りたいと思っています。▲チームで唯一、昨年の優勝を経験していないMinty選手。さまざまな地域の強豪が集う中、果たして海外でも練習通りの成果を発揮できるのだろうか ——最後にファンへのメッセージを、代表してお願いします。Caedye:日本代表として、応援してくれている人たちに、RIDDLEのガンバディーを買わせてあげるために頑張ります! 応援お願いします。——ありがとうございました!——— 昨年のドラマティックな勝利とは異なり、今大会のRIDは極めて安定したプレーであっただろう。もちろん昨年はさまざまなトラブルがあったとはいえ、それを抜きにしても今年ほどの落ち着きはなかったように思える。これはやはり、長い長い練習と数多の勝利に裏打ちされた、圧倒的な自信の現れだろう。結局のところ、RIDが目指すのは今よりも遥かに厳しい国際リーグだ。ここで圧倒的な勝利ができなければ、ティア1の国際リーグでやっていくことは難しいのかもしれない。そんな圧倒的王者が世界を目指し戦う「VCT Ascension Pacific 2025」は、再来月の10月13日(月)から開幕予定。RIDにとっては束の間のオフシーズンとなるが、果たしてこの期間に、どのような成長を見せてくれるのだろうか。RIDガンバディーのためにも、ぜひとも応援したい。撮影:まいる編集:いのかわゆう【まいるプロフィール】関西を拠点にする男性コスプレーヤー。イベントや大会によくコスプレ姿で出没する。2021年頃から『VALORANT』にハマり、競技シーンを追い続ける。現在の推しチームは「CREST GAMING」。X:@mlunias(Photo by Subaru.F.)
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- 【結果速報 8月24日】VALORANT国内リーグ「VALORANT Challengers 2025 Japan: Season Finals」優勝はRIDDLE ORDER——今シーズンを完全制覇で世界に挑む!
- 2025年8月23日(土)〜24日(日)に『VALORANT』の国内リーグ「VALORANT Challengers 2025 Japan: Season Finals」が京王アリーナにて開催。RIDDLE ORDERが優勝を果たし国内4連覇を達成した。VALORANT Challengers 2025 Japanとは『VALORANT』の国内リーグで、『VALORANT』の競技シーンの中で最上位ティアの国際大会「VALORANT Champions Tour(VCT)」の出場件が得られる「VCT Ascension Pacific」を目指す大会。3つのSplitに分かれていて、勝敗に応じて得られるサーキットポイントを最も多く獲得した4チームがSplit 3のプレーオフに出場できる。 RIDDLE ORDERは今シーズンのすべてのSplit(Split 3の最終戦はSeason Finals)で優勝を果たすという完全制覇を達成。次回はタイ・バンコクで開催される「VCT Ascension Pacific」に挑戦し、国際リーグ昇格を目指す。VALORANT Challengers 2025 Japan: Season Finals結果発表 順位チーム名1位 RIDDLE 2位 FENNEL 3位 NOEZ FOXX 4位 REJECT ラウンド対戦カードスコアUpper Bracket Semifinals RIDDLE vs REJECT 2 - 0 Upper Bracket Semifinals FENNEL vs NOEZ FOXX 2 - 0 Upper Bracket Final RIDDLE vs FENNEL 2 - 1 Lower Bracket Semifinal REJECT vs NOEZ FOXX 1 - 2 Lower Bracket Final FENNEL vs NOEZ FOXX 3 - 1 Grand Final RIDDLE vs FENNEL 3 - 1 配信URL 【配信】■VALORANT Challengers Japan 2025 Season Finals Lower FinalOPENING URL:https://www.youtube.com/watch?v=NFuviQM9KRc&t=0s NOEZ FOX vs FENNEL MAP1:Corrode URL:https://www.youtube.com/watch?v=NFuviQM9KRc&t=1203s NOEZ FOX vs FENNEL MAP2:Sunset URL:https://www.youtube.com/watch?v=NFuviQM9KRc&t=6902s NOEZ FOX vs FENNEL MAP3:Lotus URL:https://www.youtube.com/watch?v=NFuviQM9KRc&t=11103s NOEZ FOX vs FENNEL MAP4:Haven URL:https://www.youtube.com/watch?v=NFuviQM9KRc&t=16503s■VALORANT Challengers Japan 2025 Season Finals Grand FinalOPENING URL:https://www.youtube.com/watch?v=SdqI3FsHtPE&t=0s SHOW MATCH URL:https://www.youtube.com/watch?v=SdqI3FsHtPE&t=1208s FENNEL vs RIDDLE MAP1:Corrode URL:https://www.youtube.com/watch?v=SdqI3FsHtPE&t=5408s FENNEL vs RIDDLE MAP2:Sunset URL:https://www.youtube.com/watch?v=SdqI3FsHtPE&t=12607s FENNEL vs RIDDLE MAP3:Icebox URL:https://www.youtube.com/watch?v=SdqI3FsHtPE&t=16208s FENNEL vs RIDDLE MAP4:Bind URL:https://www.youtube.com/watch?v=SdqI3FsHtPE&t=20109s©2025 Riot Games, Inc. Used With Permission
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- 【結果速報 8月24日】「EWC 2025」ストリートファイター6部門はXiaohaiが2連覇!「CAPCOM CUP 12」出場権も獲得
- 2025年8月22日(金)〜24日(日)にサウジアラビア・リヤドにて「Esports World Cup 2025」(EWC 2025)『ストリートファイター6』部門が開催され、Xiaohai選手が2連覇を達成した。Esports World Cup 2025とはサウジアラビア・リヤドで開催される、世界最大のeスポーツイベント。24タイトル、25トーナメントが行われ、賞金総額はeスポーツ史上最高の7000万ドル超(約100憶円)。個人表彰だけでなく、チーム対抗戦として「Club Points」で競い合う要素もある。 Esports World Cup 2025 ストリートファイター6部門 結果発表 「EWC2025」は、世界中のさまざまな大会、LCQを勝ち抜いた48名の精鋭が集い、フェーズごとにさまざまな試合方式で戦うことが特徴でもあった。フェーズ1は4人ずつダブルエリミネーションで3先を戦い、1位はファイナル直行、2位はフェーズ2へ進出。フェーズ2は3人ずつシングルエリミネーションで3先を戦い、1位のみがファイナルに進出する。そしてファイナルは16名がシングルエリミネーションで、全試合5先(最大9戦)という長期戦での対決。負けることが許されない緊張感の中、格ゲーシーン黎明期の日本の大会のようなシンプルな戦いが繰り広げられた。ファイナルのラウンド1では、EndingWalkerがMenaRDに、Blazが板橋ザンギエフに、そしてLesharがカワノに5-0で完勝するという波乱の展開。クオーターファイナルではAngryBirdがEndingWalkerを、昨年王者のXiaohaiがGO1を、BlazがYHC-餅を、Lesharがふ~どを下しセミファイナルに進む。セミファイナル第1試合は、舞を使うXiaohaiと豪鬼のAngrybirdの対決。どっしり構えてスキを崩していくAngrybirdに対して、差し返しから手数の多い技でたたみかけるXiaohaiが終始リードし、5-1で圧勝する。セミファイナル第2試合は、Blazのリュウに対してLesharがテリーを選択し、2大格ゲーの初期主人公対決に。2-1でBlazがリードしたところでLesharがエドに変更するも、Blazが4-2でリーチをかける。Lesharも1本取り返したものの、最後はBlazの意表を突いた鳩尾砕き(中段技)がヒットし、5-3でBlazが決勝進出を決めた。迎えたグランドファイナル。Xiaohaiのベガに対してBlazのリュウが3-0とXiaohaiを封殺。すると、Xiaohaiは飛び道具と対空を備える舞に変更。これが功を奏し2本奪取する。しかし今度はBlazが機動力の高いケンに切り替え、4-4のフルセットへ。Xiaohaiの攻めに対してBlazも気力の逆転で、ついにフルセットフルカウントにもつれ込む。どちらもSAゲージを持った中で、Blazがあと一撃というところまで追い詰めたが、下段技の相打ちからわずかに先に動けたXiaohaiがCA完走までコンボをしっかり完遂。大逆転で死闘を制した。あと1タッチで勝てるBlazだったが、ケンのしゃがみ弱Pと舞のしゃがみ中Pの相打ち後、Xiaohaiのしゃがみ中Kヒットが勝負を分けた(https://www.youtube.com/live/LbaefuXMeF4?si=8BnPKMu9DoowDee1&t=30753) これでXiaohaiは昨年に続き、「EWC」2連覇という偉業を達成。また、2026年3月に両国国技館で行われる「CAPCOM CUP 12」の出場権を獲得した。なお、3位決定戦は、フルセットまでもつれ込む接戦となったが、LesharがAngrybirdを5-4で下し、3位を獲得している。順位所属チーム|選手名1 KuaiShou Gaming|Xiaohai 2 2Game Esports|Blaz 3 DRX|Leshar 4 REJECT|AngryBird 5 MOUZ|EndingWalker = DetonatioN FocusMe|GO1 = VARREL|YHC-餅 = REJECT|ふ~ど 9 ZETA DIVISION|ひぐち = Weibo Gaming|MenaRD = KuaiShou Gaming|Zhen = IBUSHIGIN|鶏めし = DOPENESS|松五郎 = DetonatioN FocusMe|板橋ザンギエフ = Good 8 Squad|カワノ = Crazy Raccoon|ボンちゃん 配信URL 【配信】DAY4(日本語配信) ■関連リンクEsports World Cup:https://esportsworldcup.com/en/competitions/street-fighter6
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- 【結果速報 8月18日】「ポケモンワールドチャンピオンシップ 2025」ポケモンユナイト部門はPERU UNITEが初優勝! ZETA DIVISIONは惜しくも2位に
- 日本時間の2025年8月16日(土)〜18日(月)にアメリカ・アナハイムで開催された「ポケモンワールドチャンピオンシップス 2025」(PWCS 2025)『ポケモンユナイト』部門にて、ラテンアメリカのPERU UNITEが日本のZETA DIVISIONを下して優勝した。ポケモンワールドチャンピオンシップス 2025とは毎年開催されている『ポケットモンスター』の各種ゲームやカードゲーム等の世界大会。出場資格は、各地の大会で上位に入賞するか、ゲーム内のチャンピオンシップポイントに応じて招待される。2025年はアメリカ・アナハイムにて3日間かけて行われる。 ポケモンワールドチャンピオンシップス 2025 ポケモンユナイト部門 結果発表 『ポケモンユナイト』部門のプレーオフは、16チームによるシングルエリミネーション。準々決勝まではBo3(2ゲーム先取)、準決勝以降はBo5(3ゲーム先取)となる。そんな今大会を勝ち上がりグランドファイナルでぶつかったのは、PERU UNITEとZETA DIVISION。ともに大会での優勝経験はないが、何度か対戦経験もあるチーム同士だ。第1試合は下ゴールを先に奪ったZETAがポイントでリード。残り1分でのレックウザをめぐる集団戦はPERUがレックウザを倒したもののZETAが集団戦を勝ち切り、大量ゴールでZETAが勝利する。第2試合は、PERU側が苦しめられたリーフィアを取り上げ、移動技のないポケモンを囲い込めるイワパレスをピック。序盤に強いPERUに対し、後半で育つリザードンなどの活躍でZETAも食い下がるが、勝利には手が届かない。第3試合、PERUはリーフィア、ハピナスなどを取り上げた上で、遠距離から大ダメージを出せるインテレオンをピック。この構成がうまくハマり、PERUが優勝に王手をかける。運命の第4試合、ZETAのピック順が先となり、猛威をふるったリーフィアなどをピックするが、PERUは再びイワパレスをピック。ZETAは少数戦では善戦するものの、あと一撃というところでイワパレスを倒し切れずゴールもなかなか決められない。そして、残り2分からのレックウザ前の集団戦、相手の懐に飛び込んだZETAのガブリエスが落とされると、PERUはフロントから順に落としていき集団戦に勝利。見事な試合運びでPERUが3-1で優勝を決めた。順位所属チーム|選手名1 PERU UNITE 2 ZETA DIVISION 3 Luminosity Gaming 4 Santos Laguna 5 Team Ex = CakeKaLok = Aegis Flames = Nouns Esports なお、日本のREJECT、QT DIG、INSOMNIAはいずれも9位タイに終わった。試合結果 第1試合 ZETA勝利(513 - 275)バン&ピック第2試合 PERU勝利(477 - 106)バン&ピック第3試合 PERU勝利(324 - 87)バン&ピック第4試合 PERU勝利(467 - 192)バン&ピック配信URL 【配信】DAY4(日本語配信) ■関連リンクポケモンワールドチャンピオンシップス2025(英語):https://worlds.pokemon.com/en-us/