2023年7月7日(金)に開幕した「ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2023」が1月13日(土)に行われたグランドファイナルで終止符を打ちました。
今シーズンを制覇したのはFAV gaming(FAV)。1stステージこそ3位通過でしたが、2ndステージでは1位通過を決め、そのままグランドファイナルも制することとなりました。

今回はそんなグランドファイナルの現地レポートをお届けします。
対戦相手はDetonatiN FocusMe(DFM)です。1stステージでは3試合終わって10ポイントしか獲得できず、もはや足きり確定かと思われましたが、脅威の粘りで2ndステージ進出を果たしました。2ndステージではFAVに20ポイント差まで詰める2位で通過し、プレーオフでは再春館SOL熊本(SS熊本)を倒してグランドファイナルに進出しました。
グランドファイナルは90ポイント先取で優勝です。リーグ戦の時と同様に、先鋒・中堅・大将の3対3の団体戦を行い、先鋒・中堅で勝利したチームに10ポイント、大将で勝利したチームに20ポイント入ります。これを一巡とし、大将戦が終わったらまた先鋒戦から始める次の巡目が始まります。
一巡して同点の場合でも延長戦はありません。巡目が変わる毎にホームとアウェイが入れ替わります。アウェイ側となったチームは先に出場する3選手の順番を使用キャラクターと使用操作タイプを申告します。ホーム側はそれに対して、対戦する直前にひとりずつ申請をしていきます。ホーム側は対戦相手や対戦キャラクターに対して自由に選手やキャラクターを選択できるため、優位といえます。



一巡目はリーグ戦1位抜けしたFAVがアドバンテージとしてホーム側スタートとなります。アウェイ側のDFMは先鋒・竹内ジョンラシード、中堅・ナウマンケン、大将ふ~どディージェイの布陣で挑みます。FAVは竹内ジョン選手に対してりゅうせい選手を当ててきます。
そこで勝利した中堅戦ではsako春麗が、そして大将戦はボンちゃんルークが登場します。ホームの利を生かしたオーダーと、リーグ戦2ndステージでの絶好調さをキープしていたボンちゃん選手の活躍により、一巡目はまさかのFAV3連勝。40ポイントを獲得します。


二巡目はFAVがアウェイとなり、先にオーダーを申告します。先鋒・りゅうせいJP、中堅・sako春麗、大将・ボンちゃんルークと一巡目とまったく同じオーダーを選択。完勝だっただけに変える必要がないというところでしょうか。その強気のオーダーが見事にハマり、りゅうせい選手はナウマン選手を、sako選手は板橋ザンギエフ選手を退けます。
これでポイントは60-0とFAVが圧倒的な差を見せつけます。もはや後がないDFMでしたが、ふ~ど選手がボンちゃん選手相手に3連勝し、なんとか20ポイントをもぎ取ります。

三巡目は再び、DFMがアウェイ。オーダーは一巡目と同じです。この布陣に自信があるというよりは、このオーダー以外は使えないといったところでしょうか。そして、FAVも一巡目と同じオーダーで対抗します。
先鋒戦は竹内ジョン選手が粘り、りゅうせい選手を退け、勝利します。この時点ではまだ60-30とダブルスコアですが、1stシーズンでのほぼ死に体からの大逆転や2ndステージでの終盤の追い上げ、プレーオフの粘りを考えると、まだまだ可能性は十分にあると思えます。
しかしその期待もここまで。中堅戦はsako選手が自身3連勝となる勝利をあげ、ボンちゃん選手が二巡目のお返しとばかり、ふ~ど選手に3タテを喰らわせて優勝を決めました。

試合終了後には表彰式が行われ、そこにカプコンの辻本社長が訪れ、SFLの来シーズンノ開催を発表しました。2024年7月の開幕を予定しており、新たにCrazy Raccoon(CR)Fukushima IBUSHIGIN(IBUSHIGIN)、REJECT(RC)の3チームが増え、全12チームでの開催となります。
さらに、6チームずつの2リーグ制で行われることも発表されました。

大会終了後は優勝者インタビューがあり、その様子もお伝えします。
——優勝おめでとうございます。本日はときど選手が温存となったわけですが、その理由をおきかせください。
ときど:私の役目としては板橋ザンギエフ選手の攻略だったのですが、一巡目は板橋ザンギエフ選手が出場しなかったので、リザーブに回ることになりました。
二巡目のアウェイでは私が出場する目もあったのですが、一巡目で勝利したsako選手がそのまま行く方がいいと判断しました。二巡目もsako選手が勝ちましたし、三巡目でも板橋ザンギエフ選手が出てこなかったので、そのままsako選手が三度出て、結果的に私の出場機会がなかったということですね。

——会場の観客席は結構寒かったのですが、対戦するステージ上でのコンディションはどうだったのでしょうか。プレーに影響はありましたでしょうか。
sako:確かに会場が寒くて試合前までダウンを着て身体を冷やさないようにしていました。100%ベストな状態ではなかったかも知れませんが、動き自体はめちゃくちゃ良かったんですよね。私自身は3勝しているんですけど、実際は綱渡りの状態が多かった感じです。
——セカンドシーズンでは成績が残せなかったsako選手ですが、その上で、今回のフル出場はどういった経緯があったのでしょうか。
sako:そうですね。ナウマン選手に私が出るというマンツーマンの対策の予定で、ナウマン選手が出てきたので私が出ることになりました。もしそこで負けていた場合は他の人に交代するかもという話も出ていました。一巡目で勝利したので、そのまま二巡目のアウェイでも出ることになったという感じです。

ときど:ホームはsakoさんと私のどちらが出る感じだったんですけど、sakoさんがナウマン選手に勝ったので、「じゃあ、勝ち続ける限りはお願いします」って。
アウェイで当てられるとしたら竹内ジョン選手が来るかなと思っていました。一応、まんべんなく対策はしてきました。ただ、ふ~ど選手がきたらちょっとキツいなとは思っていました。
——プレーオフでDFMがSS熊本戦で、絶対的エースのShuto選手に対して、4人がかりで対戦するという作戦をとってきましたが、同じく絶対的エースであるボンちゃん選手に対しても、同じような特別な作戦をとってくると思っていましたでしょうか。それに対して対策はしたのでしょうか。
ボンちゃん:一応、相手が誰であれ、私が大将戦に出るというのが最初の作戦でした。
唯一、板橋ザンギエフ選手が対象に出てきた場合のみ「ときど選手が行った方がいいかもね」という話をしたくらいですね。アウェイは誰がくるかわからないじゃないですか。なので、一応、全員の対策はしてきました。
ただ、大将でくるのはふ~ど選手でしょって思っていましたね。板橋ザンギエフ選手はザンギエフで勝っちゃったのもあったので、これ(ザンギエフが)来るじゃんって思って、そこも考えていました。
あとは、私自身がラシード戦を得意としていたので、ラシードの担当をしようかなという話も最初はありました。けど、結局、ディージェイにも行けそうだし、そっちで行った方がいいかなって感じでした。

——SFLのグランドファイナルやプレーオフは、リードしたチームが後から逆転されるという展開が多かったですが、今回、大量リードした時の気持ちはいかがったでしょうか。
ボンちゃん:二巡目の中堅戦まで勝ち続け、このまま勝ったら、完全ゲームになってしまいそうだなった思っていました。私自身も二巡目の試合は結構自信があったんですよね。
一巡目であんな接戦を勝つことができたので。それを3タテ喰らわされるとはやっぱりふ~ど選手は強かったですね。ただ、それでもポイント的には60-20だったので「負けてすみませんでした、次頑張ります」的な軽い気持ちでした。
sako:一巡目にボンちゃんが接戦で勝って、二巡目は若干守り気味の戦い方をしたところ、そこをふ~ど選手にうまいこと攻められてという状況だったので、改善できるなら全然勝てるかなって思っていました。なので、二巡目のボンちゃんの負けは心配してなかったですね。
りゅうせい:確かにSFLの歴史では大逆転勝利みたいなのがあったので、ポイント取るごとに不安になっちゃいました。なんかフラグ立てちゃったみたいな感じで。ただ、ボンちゃん選手がふ~ど選手に負けた時は短期戦で負けるということは起こりうることだし、修正してくれるという信頼感はありました。

——ときど選手が試合中にモニターをスマホで撮影していましたが、あれは何を撮影していたのでしょうか。
ときど:あれは試合を動画で撮影していました。配信だとその場で巻き戻すことができないので、スマホの動画ですぐに確認できるように撮っていました。以前、アメフトの選手が同じことをやっていて、かっこいいと思っていたんですよ。選手がミスした時にiPadですぐに確認していました。
りゅうせい:2年くらい前のリーグからやっていましたね。
ボンちゃん:二巡目でストレート負けした時に見せて貰って、こういうところがダメだったなっていう反省ができて、それが三巡目に刺さりましたね。
——ありがとうございました。
さて、今回は新宿住友ビルの三角広場で開催したのですが、前回のTFTホールやその前に行われた品川プリンスホテルのクラブexに比べ、かなり大きな会場となりました。
座席はA・Bの2種類用意していましたが、A席は抽選に漏れた方も多く、その後行われた先着順の販売では瞬時に売り切れたそうです。B席もほぼ満席で完売状態でした。『スト6』の人気の高さがうかがえます。
ただ、当日は都内でも雪が降ったくらいのかなりの寒さ。会場自体は空調がフル回転していましたが、会場に直結するふたつのドアが開く度に、会場に冷気が漂い、ただならぬ寒さでした。ふたつのドアは自動ドアで二重構造になっていましたが、それでも少し開くだけで寒風が入ってきたので、封鎖してもよかったのかも知れません。






会場には物販ブースを用意していましたが、SFL参加の9チームとカプコングッズが売っていた販売ブースが1店舗出店していただけでした。SFL2023で唯一の有観客オフラインイベントだったので、ファンミーティングも兼ねて、全チームが選手を呼んで出店した方がよかった気がします。
いろいろな事情があると思いますが、そこは主催者であるカプコンがもう少し配慮すべきだったのではないでしょうか。また、カプコングッズは売っていましたが、SFLグランドファイナルのグッズはありませんでした。2022年や2019年の時は専用グッズが販売していたと記憶しているので、こちらもなかったのはイベントとして少し残念な感じでした。




ほかには、お馴染みRed Bullスタンドや靴下メーカーのTabioの出店もありました。おそらくtabioと『スト6』の関係性はないと思われますが、それだけに出店してくれるのは、うれしいところです。今後はさまざまな企業が『スト6』に関連しなくてもイベントへの出店としてブースを出してくれるようになってくれる未来が訪れることを期待します。



会場には選手以外にも多くの関係者が訪れていました。FAVやDFMをコーチングしたり、スパーリングパートナーとして一緒にプレーしたプロゲーマーやストリーマーイベントで関わりの持ったストリーマーなど多数訪れていました。試合開始前や終了後、インターバルの間など、ファンと交流しており、オフラインイベントの良さがここでも出ていました。






2023年は『スト6』リリースの年ということもあり、多いに注目されました。これが一過性のブームとならず定着するには、今年以上の労力が必要になってくるでしょう。簡単なことではないですが、それを達成できると期待して、来シーズンの開幕を待ち望みます。
編集:いのかわゆう
撮影:岡安学
今シーズンを制覇したのはFAV gaming(FAV)。1stステージこそ3位通過でしたが、2ndステージでは1位通過を決め、そのままグランドファイナルも制することとなりました。

▲優勝したFAV gaming
今回はそんなグランドファイナルの現地レポートをお届けします。
決勝戦の対戦相手はDetonatiN FocusMe
対戦相手はDetonatiN FocusMe(DFM)です。1stステージでは3試合終わって10ポイントしか獲得できず、もはや足きり確定かと思われましたが、脅威の粘りで2ndステージ進出を果たしました。2ndステージではFAVに20ポイント差まで詰める2位で通過し、プレーオフでは再春館SOL熊本(SS熊本)を倒してグランドファイナルに進出しました。
グランドファイナルは90ポイント先取で優勝です。リーグ戦の時と同様に、先鋒・中堅・大将の3対3の団体戦を行い、先鋒・中堅で勝利したチームに10ポイント、大将で勝利したチームに20ポイント入ります。これを一巡とし、大将戦が終わったらまた先鋒戦から始める次の巡目が始まります。
一巡して同点の場合でも延長戦はありません。巡目が変わる毎にホームとアウェイが入れ替わります。アウェイ側となったチームは先に出場する3選手の順番を使用キャラクターと使用操作タイプを申告します。ホーム側はそれに対して、対戦する直前にひとりずつ申請をしていきます。ホーム側は対戦相手や対戦キャラクターに対して自由に選手やキャラクターを選択できるため、優位といえます。

▲試合前にはアール氏、ハメコ。氏、NOモーション。による前説が行われました

▲入場はひとりずつ選手が呼ばれ、花道を通ってステージに向かいます

▲花道でパフォーマンスをするときど選手
一巡目はリーグ戦1位抜けしたFAVがアドバンテージとしてホーム側スタートとなります。アウェイ側のDFMは先鋒・竹内ジョンラシード、中堅・ナウマンケン、大将ふ~どディージェイの布陣で挑みます。FAVは竹内ジョン選手に対してりゅうせい選手を当ててきます。
そこで勝利した中堅戦ではsako春麗が、そして大将戦はボンちゃんルークが登場します。ホームの利を生かしたオーダーと、リーグ戦2ndステージでの絶好調さをキープしていたボンちゃん選手の活躍により、一巡目はまさかのFAV3連勝。40ポイントを獲得します。

▲出場選手にアドバイスをするFAV

▲同じく作戦会議をするDFM
二巡目はFAVがアウェイとなり、先にオーダーを申告します。先鋒・りゅうせいJP、中堅・sako春麗、大将・ボンちゃんルークと一巡目とまったく同じオーダーを選択。完勝だっただけに変える必要がないというところでしょうか。その強気のオーダーが見事にハマり、りゅうせい選手はナウマン選手を、sako選手は板橋ザンギエフ選手を退けます。
これでポイントは60-0とFAVが圧倒的な差を見せつけます。もはや後がないDFMでしたが、ふ~ど選手がボンちゃん選手相手に3連勝し、なんとか20ポイントをもぎ取ります。

▲二巡目で再び大将戦で対戦するふ~ど選手対ボンちゃん選手
三巡目は再び、DFMがアウェイ。オーダーは一巡目と同じです。この布陣に自信があるというよりは、このオーダー以外は使えないといったところでしょうか。そして、FAVも一巡目と同じオーダーで対抗します。
先鋒戦は竹内ジョン選手が粘り、りゅうせい選手を退け、勝利します。この時点ではまだ60-30とダブルスコアですが、1stシーズンでのほぼ死に体からの大逆転や2ndステージでの終盤の追い上げ、プレーオフの粘りを考えると、まだまだ可能性は十分にあると思えます。
しかしその期待もここまで。中堅戦はsako選手が自身3連勝となる勝利をあげ、ボンちゃん選手が二巡目のお返しとばかり、ふ~ど選手に3タテを喰らわせて優勝を決めました。

▲リーグ戦でもグランドファイナルでも活躍したボンちゃん選手
試合終了後には表彰式が行われ、そこにカプコンの辻本社長が訪れ、SFLの来シーズンノ開催を発表しました。2024年7月の開幕を予定しており、新たにCrazy Raccoon(CR)Fukushima IBUSHIGIN(IBUSHIGIN)、REJECT(RC)の3チームが増え、全12チームでの開催となります。
さらに、6チームずつの2リーグ制で行われることも発表されました。

▲CR、IBUSHIGIN、RCが新たに加わり各6チームの2リーグ制でストリートファイターリーグ:Pro-JP 2024が開催されることが発表されました
優勝インタビュー
大会終了後は優勝者インタビューがあり、その様子もお伝えします。
——優勝おめでとうございます。本日はときど選手が温存となったわけですが、その理由をおきかせください。
ときど:私の役目としては板橋ザンギエフ選手の攻略だったのですが、一巡目は板橋ザンギエフ選手が出場しなかったので、リザーブに回ることになりました。
二巡目のアウェイでは私が出場する目もあったのですが、一巡目で勝利したsako選手がそのまま行く方がいいと判断しました。二巡目もsako選手が勝ちましたし、三巡目でも板橋ザンギエフ選手が出てこなかったので、そのままsako選手が三度出て、結果的に私の出場機会がなかったということですね。

▲ときど選手(撮影:志田彩香)
——会場の観客席は結構寒かったのですが、対戦するステージ上でのコンディションはどうだったのでしょうか。プレーに影響はありましたでしょうか。
sako:確かに会場が寒くて試合前までダウンを着て身体を冷やさないようにしていました。100%ベストな状態ではなかったかも知れませんが、動き自体はめちゃくちゃ良かったんですよね。私自身は3勝しているんですけど、実際は綱渡りの状態が多かった感じです。
——セカンドシーズンでは成績が残せなかったsako選手ですが、その上で、今回のフル出場はどういった経緯があったのでしょうか。
sako:そうですね。ナウマン選手に私が出るというマンツーマンの対策の予定で、ナウマン選手が出てきたので私が出ることになりました。もしそこで負けていた場合は他の人に交代するかもという話も出ていました。一巡目で勝利したので、そのまま二巡目のアウェイでも出ることになったという感じです。

▲sako選手(撮影:志田彩香)
ときど:ホームはsakoさんと私のどちらが出る感じだったんですけど、sakoさんがナウマン選手に勝ったので、「じゃあ、勝ち続ける限りはお願いします」って。
アウェイで当てられるとしたら竹内ジョン選手が来るかなと思っていました。一応、まんべんなく対策はしてきました。ただ、ふ~ど選手がきたらちょっとキツいなとは思っていました。
——プレーオフでDFMがSS熊本戦で、絶対的エースのShuto選手に対して、4人がかりで対戦するという作戦をとってきましたが、同じく絶対的エースであるボンちゃん選手に対しても、同じような特別な作戦をとってくると思っていましたでしょうか。それに対して対策はしたのでしょうか。
ボンちゃん:一応、相手が誰であれ、私が大将戦に出るというのが最初の作戦でした。
唯一、板橋ザンギエフ選手が対象に出てきた場合のみ「ときど選手が行った方がいいかもね」という話をしたくらいですね。アウェイは誰がくるかわからないじゃないですか。なので、一応、全員の対策はしてきました。
ただ、大将でくるのはふ~ど選手でしょって思っていましたね。板橋ザンギエフ選手はザンギエフで勝っちゃったのもあったので、これ(ザンギエフが)来るじゃんって思って、そこも考えていました。
あとは、私自身がラシード戦を得意としていたので、ラシードの担当をしようかなという話も最初はありました。けど、結局、ディージェイにも行けそうだし、そっちで行った方がいいかなって感じでした。

▲ボンちゃん選手(撮影:志田彩香)
——SFLのグランドファイナルやプレーオフは、リードしたチームが後から逆転されるという展開が多かったですが、今回、大量リードした時の気持ちはいかがったでしょうか。
ボンちゃん:二巡目の中堅戦まで勝ち続け、このまま勝ったら、完全ゲームになってしまいそうだなった思っていました。私自身も二巡目の試合は結構自信があったんですよね。
一巡目であんな接戦を勝つことができたので。それを3タテ喰らわされるとはやっぱりふ~ど選手は強かったですね。ただ、それでもポイント的には60-20だったので「負けてすみませんでした、次頑張ります」的な軽い気持ちでした。
sako:一巡目にボンちゃんが接戦で勝って、二巡目は若干守り気味の戦い方をしたところ、そこをふ~ど選手にうまいこと攻められてという状況だったので、改善できるなら全然勝てるかなって思っていました。なので、二巡目のボンちゃんの負けは心配してなかったですね。
りゅうせい:確かにSFLの歴史では大逆転勝利みたいなのがあったので、ポイント取るごとに不安になっちゃいました。なんかフラグ立てちゃったみたいな感じで。ただ、ボンちゃん選手がふ~ど選手に負けた時は短期戦で負けるということは起こりうることだし、修正してくれるという信頼感はありました。

▲りゅうせい選手(撮影:志田彩香)
——ときど選手が試合中にモニターをスマホで撮影していましたが、あれは何を撮影していたのでしょうか。
ときど:あれは試合を動画で撮影していました。配信だとその場で巻き戻すことができないので、スマホの動画ですぐに確認できるように撮っていました。以前、アメフトの選手が同じことをやっていて、かっこいいと思っていたんですよ。選手がミスした時にiPadですぐに確認していました。
りゅうせい:2年くらい前のリーグからやっていましたね。
ボンちゃん:二巡目でストレート負けした時に見せて貰って、こういうところがダメだったなっていう反省ができて、それが三巡目に刺さりましたね。
——ありがとうございました。
寒気と歓喜が渦巻く会場は多くのファンであふれかえる
さて、今回は新宿住友ビルの三角広場で開催したのですが、前回のTFTホールやその前に行われた品川プリンスホテルのクラブexに比べ、かなり大きな会場となりました。
座席はA・Bの2種類用意していましたが、A席は抽選に漏れた方も多く、その後行われた先着順の販売では瞬時に売り切れたそうです。B席もほぼ満席で完売状態でした。『スト6』の人気の高さがうかがえます。
ただ、当日は都内でも雪が降ったくらいのかなりの寒さ。会場自体は空調がフル回転していましたが、会場に直結するふたつのドアが開く度に、会場に冷気が漂い、ただならぬ寒さでした。ふたつのドアは自動ドアで二重構造になっていましたが、それでも少し開くだけで寒風が入ってきたので、封鎖してもよかったのかも知れません。

会場はほぼ満席で大いにもりあがっていました

▲推しを応援するうちわを用意していたファンも多くみかけました

▲sako選手のファンと思われます

▲ときど選手とsako選手を応援していました

▲DFMのファンももちろんいます

▲かなり熱狂的なファンと思いきや、倉持由香さんじゃないですか
会場には物販ブースを用意していましたが、SFL参加の9チームとカプコングッズが売っていた販売ブースが1店舗出店していただけでした。SFL2023で唯一の有観客オフラインイベントだったので、ファンミーティングも兼ねて、全チームが選手を呼んで出店した方がよかった気がします。
いろいろな事情があると思いますが、そこは主催者であるカプコンがもう少し配慮すべきだったのではないでしょうか。また、カプコングッズは売っていましたが、SFLグランドファイナルのグッズはありませんでした。2022年や2019年の時は専用グッズが販売していたと記憶しているので、こちらもなかったのはイベントとして少し残念な感じでした。

▲物販ブース。インターバルや試合前はかなり混み合っていました

▲物販ブースで販売していたグッズ

▲物販ブースの近くには『スト6』のキャラクターのパネルが用意され、来場者は写真を撮っていました

▲フォトスポットとして、イベントのパネルも用意
ほかには、お馴染みRed Bullスタンドや靴下メーカーのTabioの出店もありました。おそらくtabioと『スト6』の関係性はないと思われますが、それだけに出店してくれるのは、うれしいところです。今後はさまざまな企業が『スト6』に関連しなくてもイベントへの出店としてブースを出してくれるようになってくれる未来が訪れることを期待します。

▲Red Bullスタンド

▲Red Bullを2杯同時購入すると、Red Bullアスリートであるボンちゃん選手、ガチくん選手、ウメハラ選手のステッカーが貰えました

▲tabioブース
会場には選手以外にも多くの関係者が訪れていました。FAVやDFMをコーチングしたり、スパーリングパートナーとして一緒にプレーしたプロゲーマーやストリーマーイベントで関わりの持ったストリーマーなど多数訪れていました。試合開始前や終了後、インターバルの間など、ファンと交流しており、オフラインイベントの良さがここでも出ていました。

▲昨年末から日本に滞在しているBigbird選手

▲私服のネモ選手。結構レア?

▲ひぐち選手

▲じゃじぃ選手

▲試合前の板橋ザンギエフ選手

▲子どもにサインをねだられるアール氏とハメコ。氏
2023年は『スト6』リリースの年ということもあり、多いに注目されました。これが一過性のブームとならず定着するには、今年以上の労力が必要になってくるでしょう。簡単なことではないですが、それを達成できると期待して、来シーズンの開幕を待ち望みます。
編集:いのかわゆう
撮影:岡安学
【岡安学 プロフィール】
eスポーツを精力的に取材するフリーライター。ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。さまざまなゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆も行い、関わった書籍数は50冊以上。現在は、Webや雑誌、Mookなどで活動中。近著に『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム刊)、『INGRESSを一生遊ぶ!』(宝島社刊)
Twitter:@digiyas

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- 【結果速報 9月15日】Ultimate Fighting Arena 2025 スト6部門優勝はさはら! ——kingsvegaとの日本人対決を制す
- 2025年9月12日(金)〜14日(日)(現地時間)に格闘ゲームのeスポーツ大会「Ultimate Fighting Arena 2025(UFA 2025)」がフランス・パリで開催された。『ストリートファイター6(スト6)』部門は、年間王者を決める世界大会「CAPCOM CUP 12」のポイントが獲得できる「カプコンプロツアー 2025(CPT 2025)」のプレミア大会に位置づけられている。TOP 48はまさに世界中のトッププレーヤーが集結したドリームマッチ。その中で、地元欧州のプレーヤーの活躍も光った。日本勢は、13位にひぐち、17位にりゅうせい、小路KOGらが入った。Ultimate Fighting Arena 2025とはUltimate Fighting Arenaは、格闘ゲームに特化したヨーロッパ最大のフェスティバル。トッププレイヤー、ファンらが集結し、8つのトーナメントと、6つのコミュニティイベント、2つのアーケードイベントを実施。さらに会場では自分のPCなどを持ち寄ってオフラインで遊ぶ「BYOC」も実施される。 Ultimate Fighting Arena 2025 結果 TOP 8はこれまでのプレミア大会とはやや傾向が異なり、各国の実力派プレーヤーの中でも、今季上位に上ってこなかった顔ぶれが目立った。ウイナーズ側は日本のkingsvega、さはら、カナダのRiddles、北米のNephewの4名が名を連ね、ウイナーズファイナルでは日本人対決をさはらが勝利する。一方、ルーザーズ側はスウェーデンのJuicyjoe、チリのBlaz、北米のNoahTheProdigy、英国のbroskiが残ったが、ウイナーズから降りてきたNephewとRiddlesを下したBlazがルーザーズファイナルへ。しかしkingsvegaがBlazを下し、グランドファイナルは再び日本人対決となる。一度は敗れているkingsvegaにとっては厳しい再戦だが、それ以上にさはらの覚醒は止まらなかった。機動力と意外な動きが持ち味のブランカながら、無敵技、投げ、ドライブラッシュなどあらゆる技がさはらのEDに届かない。kingsvegaもタイムアウトを取ってリズムを変え、1ラウンドを奪ったものの、この日のさはらを止めることはできず、3-0のストレートでさはらが優勝を決めた。▲読み合いの結果とはいえ、ここは食らうだろうというODローリングをガードし、投げへのシミー、対空が出ない場面でのジャストパリィなど、❝覚醒❞したさはらのED。終わってみれば最終ラウンドはパーフェクトとまさに完璧な勝利だった さはらは優勝インタビューで、「この大会は僕の集大成だと思っていました。前回悔しいところで終わったので勝ててうれしいです」とコメント。満面の笑みで❝さはらコール❞に応えた。順位所属チーム|選手名1 さはら 2 kingsvega(きんぐすべが) 3 2Game |Blaz(ぶらず) 4 Riddles(りどるず) 5 NoahTheProdigy(のあざぷろでぃぎー) 5 Team Liquid|Nephew(ねふゅー) 7 |Juicyjoe(じゅーしーじょー) 7 Team Liquid|broski(ぶろすきー) これでさはらは「CAPCOM CUP 12」の出場権を獲得。「SFL World Championship 2025」ですでに「CAPCOM CUP 12」の出場権を持っている現メンバーとともに、Good 8 Squadのメンバー全員が出場することが決まった。また、「CAPCOM PRO TOUR 2025」のポイントは、優勝者を除き2位以下に順次与えられるため、2位にBlaz、今大会で準優勝を獲得したkingsvegaが6位に急浮上。8位でも310点と上位争いがさらに過酷さを増している。配信URL ■Day1 日本時間 9月13日(土)YouTube:https://youtube.com/live/CuMgUh1KQ9sTwitch:https://www.twitch.tv/capcomfighters_jp■Day2 日本時間 9月14日(土)YouTube:https://youtube.com/live/ESmy9rhc4QUTwitch:https://www.twitch.tv/capcomfighters_jp■Day3 日本時間 9月15日(月・祝)YouTube:https://youtube.com/live/IlW-0e8-jsITwitch:https://www.twitch.tv/capcomfighters_jp■関連リンクstart.gg:https://www.start.gg/tournament/ultimate-fighting-arena-2025-3/details© CAPCOM
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- 【現地レポート+インタビュー】東京で2回目のVCTが開催! 日本チーム不在でもスーパープレー連発で大熱狂——VCT Pacific Stage 2 Finals Tokyo
- 『VALORANT』の国際リーグである「VCT Pacific Stage 2」の準決勝・決勝戦が、8月30日(土)~31日(日)にアリーナ東京ベイにて開催された。プレーオフで勝ち進んだ上位3チームが、この日本に集結し、トップレベルの白熱した戦いを繰り広げた。▲試合会場は千葉県船橋市の「LaLa arena TOKYO-BAY」。最高気温は37℃の猛暑日の中、たくさんのVALORANTファンが押し寄せた Day 1に行われた準決勝(Lower Final)では、🇭🇰TALON(🇭🇰TLN)対🇮🇩Rex Regum Qeon(🇮🇩RRQ)が対決。Day 2の決勝戦(Gran Final)では、準決勝戦の勝者を🇸🇬Paper Rex(🇸🇬PRX)が待ち構える。▲Day 1にはプロ・ストリーマー混合チームのショーマッチ、Day 2にはラッパー・千葉雄喜によるライブパフォーマンスが実施 今大会の準優勝以上の結果を収めたチームは、9月~10月にかけてフランス・パリで開催される世界大会「VALORANT Champions 2025」への出場権を獲得することができる。Pacific全体では4枠あるうち、2枠が決定する重要な試合である。日本チームは不在——だが海外チーム相手にも熱い声援 VCTが日本で開催されるのは、2023年のMasters Tokyo以来。残念ながら、日本代表のZETA DIVISIONはグループステージ敗退、DetonatioN FocusMeはプレーオフ初戦敗退という結果に終わっており、またもや日本チーム不在のまま開催されることとなった。▲中央にある円形のステージを、ぐるりと囲むように観客席が設けられている。縦に広がるような構造のおかげで、選手との距離はかなり近く感じた(叫び声が席からでも聞こえるほど) ▲さまざまなチームグッズを身にまとうファンの姿が多く見られた。このような国際大会は、海外チームを目にすることのできる貴重な機会だ とはいえ、会場の熱い声援は、日本チーム不在ということを感じさせないレベルであったことは間違いない。現場にいる海外メディアの記者も、自国のチームがいない中でもこれだけ盛り上がるということに驚いているようだった。▲おなじみの応援ボード。配信カメラで頻繁に映されるせいか、クスッと笑えるインパクト大なものも多かった ▲前列の一部席の観客は、花道に入って選手たちと生で交流することができる! ファンにはたまらない最高の瞬間だ Pacific王者を決める激戦 さて、決勝戦の様子もレポートしていこう。準決勝で勝利を決めたのは、🇮🇩RRQであった。🇭🇰TLNに先制2マップを取得されるも、その後は持ち直して2マップを逆に連取。5マップ目に突入したが、オーバータイムにまでもつれ込む激戦の末に、🇮🇩RRQが白星を獲得した。▲序盤は🇭🇰TLNにペースを持っていかれた🇮🇩RRQ。だが後半になるにつれ本調子を取り戻し、最終マップでは持ち前の粘り強さを見せ、見事に勝利を決めた(https://www.youtube.com/live/hKa_O9nb1QI?si=jcOZObDlW11KJUWy&t=25268) 翌日の決勝戦では、初代Pacificリーグの王者である🇸🇬PRXが立ち向かった。両チームともビザの問題により欠員が危ぶまれたものの、すべてのメンバーが無事に来日することができた。▲Masters Tokyoではビザの関係で出場できなかったsomething(スミス)選手が無事に到着 試合は終始🇸🇬PRXの独壇場であったといっても過言ではない。開幕から2マップを連取し、早々に王手をかける🇸🇬PRX。特に第2マップの「アセント」では、開幕から10ラウンドを練習し、早々に12-1でマッチポイントへ。🇮🇩RRQも攻守交代後に必死に抵抗するが、さすがに11ラウンド差からの勝利は絶望的であった。▲試合開始直後から魅せる、d4v4i選手の1on2クラッチ。勢いに乗っているはずの🇮🇩RRQに、真正面からフィジカルで叩きのめす(https://www.youtube.com/live/gj5aNowpeCA?si=gwEhehFNQj7U8pk6&t=7835) 🇮🇩RRQは第3マップをなんとか返すものの、その後の第4マップでも依然として🇸🇬PRX優位の状況が続いた。▲おなじみの大胆かつ攻撃的な動きで、ひとりずつ敵を殲滅。🇸🇬PRXはこのラウンドを獲得し、マッチポイントへ(https://www.youtube.com/live/gj5aNowpeCA?si=5g1o1jxN9ePp9pP4&t=15937) ▲12-7で迎える第20ラウンド、マッチポイントの🇸🇬PRXは勝ち切るためにタイムアウトを取得した ▲1on1にまで持ちこんだ🇮🇩RRQだったが、見事勝利したのは🇸🇬PRX。二度目となるPacific王者に輝いた(https://www.youtube.com/live/gj5aNowpeCA?si=NYEZZkP9KDZ6YnY1&t=16343) ▲トロフィーをかかげる選手たち。まさに王者にふさわしい、圧倒的な戦いであったことは間違いない! まるでライブ会場——進化した最新鋭の会場演出 やはり特筆すべきは、会場演出の迫力だ。写真だけでも「美しさ」が伝わってくると思うが、やはり照明や音楽も含めたさまざまな演出が絡み合い、試合をより興奮させるような工夫がされている。▲試合開始前には音楽が流れ、観客席からは手拍子が。まるでライブ会場のように、観客をさらに熱狂させる演出が随所に散りばめられていた ▲タイムアウト中やスーパープレーの後には、このような特殊な照明効果が現れる。特に上階から観ると、かなり幻想的な演出が体験できた さらに決勝戦では、全観客に対してリストバンド型ライトが配布され、会場の雰囲気をより賑やかなものにしていた。このデバイスはただ光るものではなく、試合の展開ごとに自動的に色が変わる。▲座席に貼られる形で用意されたライトは、試合後にそのまま持ち帰ることができる。試合中は自動的に点灯・消灯するが、家に持ち帰った後は普通に使用できるようになる(側面のボタンを押すとさまざまな色で点灯する) ▲🇸🇬PRXが優勝すると、リストバンドはチームカラーのピンク色に! ▲観客席に現れる「PRX」の文字。座席単位で色をコントロールできる最新技術が使われている(https://www.youtube.com/live/gj5aNowpeCA?si=Sc3Nl3-0WDXHCHz3&t=16397) 会場の外でも楽しめる!オフライン大会ならではの催しも 試合会場の外には、さまざまなブースが用意されていた。試合以外にも、飽きさせないためのさまざまなコンテンツが目白押しだ。▲画面をタッチするとカウントダウンが始まり、パシャリと撮影。友達と一緒にイベントに来た思い出を残そう! ▲写真はその場で印刷されて、実際にもらうことができるぞ! ペンも用意されているので、プリクラのように落書きをするのもオススメ ▲VCT Pacific限定のグッズを求め、ブースには長蛇の列。人気の商品は、試合開幕前には既に売り切れになっていたほどだ ▲巨大ウィングマンをバックに、ちびウィングマンとツーショット ▲スパイクと箱で記念撮影。普通に解除してもよし、箱の後ろに隠れて解除するもよし ▲インテルブースでは「BOT撃ち」を行うことのできるコーナーが用意されていた。好成績を収めれば、先着順に限定グッズが手に入る。なかなか成功者が現れなかったものの、4回以上挑戦してクリアした猛者もいたのだとか ▲インテルのブースでは他にも、抽選会のようなものも実施されていた。なんらかの限定グッズが当たるらしい ▲TenZのサイン付きマウス(1等)を当てた豪運の持ち主! 個人的なイチオシは、やはりレッドブルブースの「チェキ」が撮影できるコーナー。イベントの思い出にと、形に残るものが手に入るのはうれしい。🇸🇬PRX優勝インタビュー 最後に、メディア合同で行われた🇸🇬PRXの優勝後インタビューの内容をお届けしよう。▲左からPatMen(ぱっとめん)、f0rsakeN(ふぉーせいくん)、something(すみす)、Jinggg(じん)、d4v4i(だばい)、alecks(あれっくす)コーチ ——まずは選手とコーチの皆様から、ひと言ずつメッセージをお願いします。PatMen:厳しい試合だったし、昨日と今日で2日連続で対戦している🇮🇩RRQの方が、いい流れだったかもしれません。しかし、自分たちがお互いを信頼し合い、止まることなく強い気持ちでプレーしたことが、勝つことのできた要因であると思います。f0rsakeN:最初の2マップまでは、自分たちのプレーがしっかりできたと思います。ただ第3マップからは、自分たちのミスもあり、相手に流れが移ってしまった印象がありました。その後の第4マップでは、自分たちの流れを取り戻すことができ、自分たちのプレーができたと思います。Jinggg:プレーについては同じ思いで、今日は勝てて本当にうれしいです。前回の🇮🇩RRQ戦では負けてしまったのですが、今回はリベンジを果たすことができました。d4v4i:チーム全員のプレーを誇りに思います。ひとりひとり素晴らしいパフォーマンスを出せて、プレースタイルだけでなくメンタル面においても自分たちの強さを発揮できたと思います。(🇮🇩RRQに)リベンジができてとてもうれしいです。今回は全員が日本に来られて良かったです。特にイリア(something選手の本名)にとってはかつてプレーしていた場所でもあるので、残りの時間で日本を楽しみたいと思います。something:今までを振り返って、何よりも重要だったのは「Esports World Cup」や「VCT Masters Toronto」などで大変なことがありながらも、その後の「VCT Pacific Stage 2」では力強くスタートを切れたことだと思います。🇮🇩RRQや🇰🇷Gen.Gのように、自分たちを研究して戦ってくるチームもあり、苦戦を強いられることも覚悟していました。それでもプレーオフ前に負けたのは🇯🇵ZETA戦だけで、ステージ全体を通して3マップしか落としておらず、今シーズン全体を見ればとてもいい結果だったと思います。そして、日本は僕にとっては第二のホームのような場所です。自分のキャリアが始まった地でもありますので、この日本に戻ってこれたということを大変うれしく思います。alecksコーチ:この「ボーイズ」たちを誇りに思います。長いシーズンでしたが、全員でここまで頑張ってきました。何よりもうれしいのは、日本でこれだけたくさんの人たちの前でプレーができたことです。声援を聞くのも最高で、みんなが集中して試合を見てくれていることがとてもうれしかったです。また、イリア(something選手)を連れて来ることができたのも良かったと思います。2023年の「Masters Tokyo」では、MVPに選ばれてもおかしくないパフォーマンスであったにも関わらず、日本に連れてくることができませんでした。なので、今回は全員がそろって日本に来られて良かったです。あとは……MVPの人にディナーをおごってもらいたいですね(笑)。▲MVPに選ばれたのはsomething選手。圧倒的なパフォーマンスを考えれば、納得せざるを得ないチョイスだ ——PatMen選手に質問です。日本に来て楽しかった思い出や、美味しかった食べ物はありますか?PatMen:まず第一に、親切な人ばかりだと思いました。日本は満喫できているのですが、ただ今は試合続きで外に出られていません。さっきd4v4iが話をしていた「一蘭」に行ってみたいです(笑)——今日の🇮🇩RRQ戦に点数をつけるなら、何点くらいだと思いますか?alecksコーチ:ロータス(第3マップ)は2点、それ以外は9点をあげてもいいと思います。2点の理由は、自分たちが何もできなかったこと。そして、自分たちの作戦や連携も含めて、思うようにプレーができなかったためです。——トロフィーの上にいる「Bok」君は勝利にどのくらい貢献しましたか?alecksコーチ:ずっとコーチングブースにいたので、10%くらいですね(笑)▲トロフィーの上に鎮座するのは、🇸🇬PRXのマスコットキャラクターである「Bok」。チームの勝利にはあまり貢献できてはいないようだ ——今回の試合において、マッププールについての有利はありましたか?alecksコーチ:やはりマップアドバンテージは大きかったです。特に🇮🇩RRQの「アイスボックス」は世界でも有数の強さを誇りますが、今回マッププールから外れていたのは幸運でした。——something選手がMVPを取った理由はなんだと思いますか?alecksコーチ:「Masters Toronto」から戻ってきてからは、彼は生まれ変わったかのように強い選手になりました。恐れを知らず、キルを取りまくり、ヨル使いの中では右に出るものはいないと言っても過言ではありません。だからこそ、MVPに選ばれたのだと思います。——d4v4i選手とJinggg選手にお聞きします。2年前にも日本で戦った経験があると思いますが、当時と今回とでプレーの感覚の違いなどはありましたか?d4v4i:今のチームは、以前よりもお互いにより正直にいられるようになったと思っています。もちろん前から親しい仲ではあったのですが、今回のほうがよりオープンに接することができていると思います。特に今シーズンは、よりチームでの関係性を育むことができたので、パフォーマンスやメンタル面においてもいい効果をもたらしていると感じます。d4v4i:(Jinggg選手にマイクを向けながら)答える?Jinggg:いや大丈夫。d4v4i:残念(笑)。▲記者会見中にも、仲が良さそうに雑談するJingggとd4v4i ——今年パリで開催される「VALORANT Champions 2025」には、🇰🇷T1と🇰🇷DRXも出場します。この2チームについてはどう思いますか?alecksコーチ:今年は🇰🇷DRXと🇰🇷T1の両方に1回ずつ負けましたが、こちらも逆に1、2回……もしかすると3回ほど勝っています。どのチームも強い相手で、特に🇰🇷DRXはプレーオフの後に調整する時間もあるので、戦い方を変えてきて、新バージョンの🇰🇷DRXを見せてくるかもしれません。🇰🇷T1についても、ここは非常に用意周到なチームであり、次のビッグイベントに向けて着々と準備を進めていると思います。強敵であることには間違いないので、こちらも作戦をよく練って、かなり準備しなければいけません。自分たちが勝つとは思いますが、とても大変な道であるとは思います。まとめ 2年前の「Masters Tokyo」を思い出させるほど、爆発的な声援の熱量が印象的な大会であったことは間違いない。選手たちとの距離の近さに、すさまじいスーパープレーの連発。そして、それらをドラマティックに盛り上げる会場演出の美しさ。ぜひ現地で観戦した人は、この感動を胸に刻みつけていただきたいところだ。ただやはり一点。今大会でも日本チームが不在であったという点は、非常に残念でならない。とはいえ2年前の「Masters Tokyo」の頃とは比べ、日本チームのレベルは非常に上がっていることは間違いない。🇯🇵DetonatioN FocusMe(🇯🇵DFM)は、かつての連敗を忘れさせるかのような快進撃を見せ、プレーオフ進出という快挙を成し遂げた。🇯🇵ZETA DIVISIONもプレーオフ進出こそ逃したものの、グループステージでは🇸🇬PRX相手にストレート勝利を収めるなど、決して他チームと比べて劣っているわけではない。▲第2マップ開始前に登場した🇯🇵DFMの選手たち(当時)。悔しい思いは幾度となく味わっただろうが、この1年は決して悪いものではなかっただろう(https://www.youtube.com/live/gj5aNowpeCA?si=YnojHUuv0jDUBvBh&t=7698) ようやく「リーグ」というシステムにも慣れてきた中で、日本チームはどれだけ躍進できるのだろうか。日本チームも間違いなく進化しているが、それ以上に世界の壁は厚いことも事実だ。今後もし、3度目のVCT日本開催があり得るのならば、ぜひ日本チームの応援が現地でできることを願いたいばかりだ。撮影:まいる編集:いのかわゆう【まいるプロフィール】関西を拠点にする男性コスプレーヤー。イベントや大会によくコスプレ姿で出没する。2021年頃から『VALORANT』にハマり、競技シーンを追い続ける。現在の推しチームは「CREST GAMING」。X:@mlunias(Photo by Subaru.F.)
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- 【結果速報 9月7日】 「CAPCOM Pro Tour 2025 ワールドウォリアー」日本大会最初のウイナーはGO1!
- 『ストリートファイター6』の公式大会「CAPCOM Pro Tour 2025 ワールドウォリアー」日本大会 第1回が2025年9月7日(日)にオンラインにて実施され、GO1選手が今大会一度も敗れることなく、WWポイント50点を獲得した。本大会は『ストリートファイター6』の世界大会「CAPCOM CUP 12」の出場権を獲得するために各地域でオンライン開催される「ワールドウォリアー」のひとつ。オンライン大会だが、esports Style UENOにてパブリックビューイングも行われ、多くのファンが見守る中、過去最多となる2300人以上のエントリーで熾烈な戦いを繰り広げた。CAPCOM Pro Tour 2025 ワールドウォリアー 日本大会とは『ストリートファイター6』にて、世界中のプレーヤーが年間チャンピオンを目指し、各地域で激戦を繰り広げる大会「CAPCOM Pro Tour 2025」。その大会群のひとつつである「ワールドウォリアー」は、世界各地域のトーナメントオーガナイザーによって数カ月にわたり複数回開催される。「CAPCOM Pro Tour 2025 ワールドウォリアー 日本大会」は、順位に応じてポイントが獲得できる5回の通常大会と、ポイント順位上位選手8名による決勝大会の全6回で構成される。今年の日本大会は「スーパーリージョン」として位置付けられ、「CAPCOM CUP 12」の出場権を獲得できるのは2名。1名は5回の大会で最もポイントを獲得した選手。もう1名は、2〜8位までの選手の直接対決により決定する。なお、今回の「ワールドウォリアー」の成績優秀者の中から、2026年に愛知県で行われる「アジア競技大会」の日本代表選手の選考大会でもある。 ワールドウォリアー 日本大会 #1 試合結果 「ワールドウォリアー」日本大会 #1は、昨年の同大会と比べて倍以上となる2300人以上がエントリー。すべての試合はオンラインで、プールではダブルエリミネーションのBo3、トップ8以降はBo5で行われた。エントリーの中には「ストリートファイターリーグ」や世界の大会で上位に食い込むプロも多い中、チーム等に所属していないアマチュアの中からも上位に食い込む選手が多く見られた。そんな中で、トップ8のウイナーズ側には、GO1、立川、どぐら、ヤナイという「ストリートファイターリーグ」の選手やコーチとしてなどで活躍するプロたちが勝ち上がり、GO1が立川、ヤナイを下して全勝を保つ。ルーザーズ側では若手のサトルがハイタニに、海外にも積極的に挑戦しているkingvegaがリーガーのこばやんに勝利したものの、ウイナーズから降りてきたどぐらがグランドファイナルに勝ち進んだ。迎えたグランドファイナルは、この日初めての対戦カードにして、CAG OSAKA時代の元同僚という関係。GO1の春麗に対してどぐらはエレナで挑むも、思うようにタッチできずにストレートで2本を奪われたところでベガにスイッチ。昨今話題の「ドライブインパクト」を織り交ぜながらどぐらが1本取り返す。そして迎えた第4ゲーム、どぐらペースで試合が進むものの、1タッチからGO1がコンボを叩き込む意地と意地のぶつかり合い。互いに体力も時間もない中で、GO1の執拗な中段攻撃が最後にヒットし、そのままSAで勝利を決めた。最終ラウンド、GO1がどぐらをバーンアウトさせた直後に、ドライブラッシュからの中段がヒット。残り3秒からのSAで勝敗が決した(https://www.youtube.com/live/0vwXdrIONBM?si=-VKxbSh2wXaZlux6&t=17063) 優勝したGO1はWWポイントとして50ポイントを獲得。「CAPCOM CUP 12」出場に向けて大きく弾みをつけた。順位所属チーム|選手名pt1 DetonatioN FocusMe|GO1 50pt 2 Crazy Raccoon|どぐら 40pt 3 IBUSHIGIN|ヤナイ 35pt 4 kingsvega 30pt 5 NORTHEPTION|サトル 25pt = Crazy Raccoon|立川 25pt 7 REJECT|ハイタニ 20pt = Saishunkan Sol 熊本・A.M.G|こばやん 20pt 配信URL CAPCOM Pro Tour ワールドウォリアー:https://sf.esports.capcom.com/cpt/jp/ワールドウォリアー 日本大会 #1:https://www.start.gg/tournament/world-warrior-2025-japan-1/details