VALORANT地域チャンピオンを決める大会「VALORANT Champions Tour Stage3」が2021年7月4日(日)から開催された。

「VALORANT Champions Tour」とはVALORANT世界王者を決める大会でChallengers・Masters・Championsの3段階で構成されている。

地域大会Challengersと、その勝者が出場する国際大会Mastersが全3回にわたって開催。そこで成績上位のチームがVALORANT初代年間チャンピオンを決める大会Championsへの出場権を獲得する。

そして、7月4日(日)から開催された「VALORANT Champions Tour Stage3」では、Mastersに出場する2チームを決める戦いが行われる。Stage1は新型コロナウイルスの影響で地域内限定での開催となったMastersだが、Stage2ではCrazy Raccoonが日本代表としてアイスランドで世界の強豪と戦いを繰り広げた。そしてStage3はドイツでの開催が予定されており、期待が高まっている。

4日(日)にはWeek1 Open Qualifierが開催され、実況/解説にyueさん・Yukishiroさんの2名を迎え、来週のMain Event進出をかけた戦いが行われた。

マッチレポート


ここからは配信された各マッチのレポートをお届けしよう。

CNCI BLUE BEES(BB) vs no name(NoN)


Stage1ではMastersに進出し、新加入選手も迎え、躍進が期待されるBB。元プロ選手を多く抱えるNoNに対して序盤こそ苦しめられるが、徐々に相手の動きに対応してラウンド差を広げた。随所に輝きを見せたNoNだったが、チームの連携力で上回ったBBが危なげなく勝利を収めた。

▲エコラウンドの相手に対してミッド詰めを何度も見せたBB。積極的な動きで相手のやりたい事を封じ込めた

Feeling(FEL) vs REJECT(RC)


試合前の勝敗予想では95%近くを獲得していたRCだが、序盤から試合をリードしたのはFEL。完璧なセットプレーで日本屈指のフィジカルを持つRCを翻弄し、前半ラウンドを9-3で折り返した。

Dep選手(RC)・Hare選手(RC)のデュエリストコンビを中心にOTまで巻き返したRCだったが、追い上げも届かず。大番狂わせを見せたFELがグループ突破に大きく前進した。

▲Aサイト・Bサイトでのフェイクの後、Killer選手を起点にCサイトへの完璧なエントリーを見せたFEL。解説のYukishiroさんも「完全にRCの動きを掌の上で転がしている」と大絶賛した

RCに大金星を挙げ「手が震えている」と語ったKiller選手。インタビューでのはつらつとした受け答えで実況・解説を笑顔にする場面も見られた。

Run it Back(TRB) vs First Gaming(FG)


過去の大会で結果を残してきたFA選手で結成されたTRBは新生FGと対戦。アビリティを生かした撃ち合いと、少人数戦での細かい立ち回りで完成度の高さを見せたTRBが序盤からラウンドを積み重ねた。FGはTRBのテンポに最後まで対応することができず、13-5で敗戦。グループ突破が遠のく結果となった。

▲味方の動きと合わせたアビリティでキルを重ねたmillion選手(TRB)。インタビューで「アップデート後から使いやすくなった」と話した通り強化されたブリーチを最大限生かした

SCARZ(SZ) vs Updraft(Upd)


Stage2からメンバーを大きく変えたSZに対して、EROC選手(Upd)がヨルをピックするなど、これまでにない構成を見せたUpd。しかし、試合は豊富なエントリーを見せるmarin選手(SZ)を中心にSZが流れを掴んだ。Updのエリアコントロールを重視した戦いに試合序盤に対応したSZが重要な試合で勝利を収めた。

▲FAV gamingから移籍後の初大会で見事な活躍を見せたChocol4tE選手。K/Dは4.2を記録し、縁の下の力持ちとしてチームを支えた

メンバー変更後まだ月日が浅くmarin選手も「コミュニケーションエラーが起こってしまう」と課題点を口にしたが、今後の躍進に期待の持てる内容で勝利を収めた。

iXA vs Absolute JUPITER(JUP)


Stage1・2では決勝でCrazy Raccoonに敗れ、王座奪還が期待されるJUPは構成を大きく変更。これまで以上に個々の撃ち合いを重視し、アビリティを有効に活用したポジション取りで終始自分たちのペースで試合を進めた。相手に付け入るスキを与えない圧倒的な試合展開を見せたJUPがiXAに大差をつけて貫禄の勝利を見せた。

▲Laz選手(JUP)がデュエリストではなくスカイをピック。一方でtakej選手(JUP)・Reita選手(JUP)がレイナ・ジェットのデュエリストをピック。これまでにない構成で実況/解説を驚かせた

スカイについて「索敵が多く、動きやすいエージェント」と話したLaz選手。国内No.1といわれるピックプールの広さを持つJUPのこれからの構成にも注目が集まる。

BlackBird Ignis(BBI) vs FENNEL(FL)


Stage3に向けてメンバーを変えた両チームによるグループ突破をかけた一戦。First Strikeでの準優勝以降苦しい試合が続いていたBBIだったが、この試合では動きが大きく変化。これまでの連携力そのままにPepper選手(BBI)を加え戦術の幅を広げたBBIがFL相手に接戦の末に勝利を収めた。

▲オペレーターでの神がかり的なフリックショットで視聴者を沸かせたPepper選手。ジェットのアビリティを生かした安定感のあるエントリーでもチームを支えた

Pepper選手が「チームに自分のスタイルが馴染んできた」と話すように安定感のある試合を見せたBBI。Stage3でこれまでの苦い経験を払拭する活躍が期待できる内容となった。

Northeption(Nth) vs Hexad(HX)


グループ突破をかけた一戦で目覚ましい活躍を見せたのはMeiy選手(Nth)。フェニックスにエージェント変更をし、フラッシュを生かしたキルと、高回転のウルトでエントリー役として牽引した。Nthの素早い集団でのエントリーに対して、最後まで対応できなかったHXは13-3の大差で敗戦。Nthが素晴らしい仕上がりを感じさせる内容でグループ突破を決めた。

▲Stage2では調子の波が大きかったMeiy選手(Nth)だが、この日は抜群の安定感を披露。インタビューでは、ほかのメンバーからの大絶賛も見受けられた

相手にやりたい事をまったくさせなかったNth。Stage2ではseoldam選手(Nth)に注目が集まっていたが、この試合ではチームとしての完成度の高さを見せた。

Crazy Raccoon(CR) vs FAV gaming(FAV)


VCT2連覇中の絶対王者CRはまさかの新メンバーを4人起用。大幅変更を受けて解説のYukishiroさんも連携面を不安視していたが、序盤から元FGで構成されたFAVを圧倒。フィジカルの強さと、それを生かしたマップ全体のコントロールで常に優位な状態を形成した。新メンバーを加えて更なる進化を遂げた王者が大差で勝利し、3連覇に向けて盤石のスタートを切った。

▲世界大会に進出したneth選手(CR)・medusa選手(CR)を下げて、新たなロスターで試合に臨んだCR。今後の試合でのロスター争いにも注目が集まる

ロスター変更後、期間が短いにもかかわらず圧倒的な強さを見せたCR。インタビューではade選手(CR)が「世界を目指している」と語り、Mastersでの悔しい結果を乗り越え、さらに進化したCRに期待が高まる。

まとめ


Week1 Open Qualifierを突破したのはIcicle Conflict・Storks Phalanx・Gaming Team SELECTOR・SETOUCHI ENLIFE・Absolute JUPITER・BlackBird Ignis・Northeption・Crazy Raccoonの8チーム。 過去の大会で悔しい結果に終わったアマチュアチームがプロチーム相手に番狂わせを見せ、勢力図の変化を感じる結果となった。

来週の組み分けは以下の通り。Playoffsに進出する残り4チームをかけた戦いから目が離せない。



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