2021年9月30日から10月3日の4日間にわたり開催された、東京ゲームショウ2021(以下、TGS2021)。

今年も昨年に引き続きオンラインでさまざまなステージイベントが実施される中、メディアやインフルエンサー向けにオフラインでのゲームの試遊会や、関連商品の出展が、幕張メッセにて行なわれた。

 

本記事では2021年10月14日にアニプレックスからPlaystation4、Playstation5、Xbox One、Xbox Series X|S、Steamで発売予定の『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚』のTGS2021試遊レポートをお届けする。

 

※文中の操作方法、ボタン表記はPlaystation 5に準拠

原作の空気を尊重したうえでわかりやすさも重視しているソロプレイモード

今回TGS2021会場に用意された『ヒノカミ血風譚』は、アニメ版『鬼滅の刃』のストーリーを追体験するソロプレイモード、好きなキャラクター2体を選んで対戦を行なうバーサスモードが、ともにプレイできる状態のPlaystation 5版が出展されていた。

 

そしてソロプレイモードに関しては、限られたプレイ時間(1メディアにつき30分程度)でひと通りのゲーム内容を体験できるよう、ある程度ゲームを進めた状態のデータがあらかじめ用意されており、主人公の竈門炭治郎の基本アクションが確認できるパート、藤襲山を移動できる探索パート、鬼と戦うボス戦パートが楽しめるようになっていた。

 

ソロプレイモードでまずプレイできたのは、鬼殺隊の選別試験で炭治郎と鯖兎が1対1で戦うステージ。

本作ではここで炭治郎を操作し、通常攻撃や掴み技、ガードや追尾ダッシュといった基本アクション、水の呼吸を利用した技(△ボタンと左スティック、R1ボタンの組み合わせで3種の技を使いわけられる)、ゲージを消費することで発動できる奥義など確認できる場になっていた。

 

▲本作の基本操作を把握するためのチュートリアルステージとして再現された炭治郎vs鯖兎戦。画面上に示された課題をこなしていくことで、全キャラクター共通の移動や防御に関するアクションと、炭治郎ならではの水の呼吸を用いた技、奥義といったひと通りの攻撃方法を知ることができた

 

▲通常攻撃は□ボタンを連打していくことでさまざまなモーションの技へ自動で派生していく。炭治郎の場合、刀による攻撃が最大で4連続ヒットし、通常攻撃の途中や最後に△ボタンで出せる水の呼吸を用いた技へとつなげていける

 

▲各キャラクターが△ボタンで出せる本作の”技”は、一般的な格闘ゲームにおける必殺技のような威力と派手さをそなえている。△ボタンを押す際に左スティックを倒したりR1ボタンを同時に押すことで、3つの技を使いわけられる

 

▲炭治郎の技は捌ノ型 滝壷(△ボタン)、弐ノ型 水車(△ボタン+左スティックを倒す)、陸ノ型 ねじれ渦(△ボタン+R1ボタン)の3つ。ロックオンした敵に突進していく弐ノ型 水車で接近しつつ一太刀あびせ、そこから通常攻撃×4→3つの技のいずれかをつないでいく……という攻めがお手軽かつ強力だった

 

▲画面左下のゲージを消費して使用する奥義は、R2ボタンをおすことで使用できる。炭治郎の場合、一撃めがヒットすると拾ノ型 生生流転が発動し、凝ったカメラワークと派手なエフェクトとともに大ダメージを与える

 

▲ソロプレイモードの戦闘では与えられた課題をクリアーしていくことでイベントが発生していくようだ。対鯖兎戦ではイベント発生中に特定のボタンをタイミングよく入力したり連打することで、鯖兎の面を両断。戦いに決着をつけることができた

 

続いてプレイできた探索パートでは、藤襲山を移動してアイテム(キメツポイント、想いの欠片)を収集したのち、目的地への到達を阻む2体の鬼との戦闘を体験できて。ここで印象に残ったのは、炭治郎が持つ特殊能力をゲームシステムに落とし込んで快適なプレイフィールにつなげている点。

フィールドでは”匂いの探知”によって進むべき移動ルートが可視化され、鬼との戦闘では”隙の糸”を見つけることで、スタイリッシュかつ手際よく鬼を倒すことができるようになっていた。

 

▲画像は匂いの探知が発動した瞬間。移動すべきルートが可視化されるため、探索中に目的地を見失う心配がない

 

▲鬼との戦闘時は一定以上のダメージを与えたり、相手の攻撃にタイミングよく“捌き”(左スティック+R1ボタン)を合わせると”隙の糸”が生まれる。そこに画面に示されたボタンを押して追撃を行なうと、一太刀で鬼を葬り去れる

 

▲今回の試遊では時間の都合で体験できなかったが、探索パートではメインストーリーを進行させるイベントやバトルだけでなく、アイテムやなんらかのボーナスが得られる”褒賞任務”も発生する

 

ボス敵として登場する鬼は、探索パートで遭遇するような鬼(いわゆるザコ敵)とはかなり異なるテイストの戦いに変わるのも本作の特徴のひとつ。容易に接近して斬りかかれる通常の鬼とは違い、ボス敵は多種多様かつ、直撃すると大ダメージを受けてしまう攻撃パターンを所持。

 

今回戦えたボス、矢琶羽&朱紗丸も広範囲をカバーする遠距離攻撃を使いわけてきたため、飛んでくる攻撃をよけつつ、矢琶羽&朱紗丸の隙をついて接近、攻撃をくり返してダメージを与えていく……といった立ち回りが必要なように感じた。

 

▲ソロプレイモード試遊の最後を飾るボスとして出現した矢琶羽&朱紗丸

 

▲矢琶羽&朱紗丸はいずれも遠距離から飛び道具で攻撃してくるタイプの敵。まずは回避に専念し、相手が技を出しきったところに攻撃を叩き込む必要があった。そのため探索パートの鬼や鯖兎戦ではあまり使う必要がなかった○ボタンでの追尾ダッシュでの接近や、○ボタン+左スティック行なえるステップでの回避が役立った

 

▲ボス戦パートでは、竈門禰豆子で戦うこともできた。禰豆子は爪での攻撃がメインなため、炭治郎よりリーチはやや劣るように感じたが、接近しつつ攻撃できる技やスピーディーな通常攻撃のおかげで、一度近づいてしまえば手数の多さでまとまったダメージをボス敵相手にも与えられた

コンボ開発やタッグマッチを意識したバトルが楽しそうなバーサスモード

アニメ版『鬼滅の刃』のストーリーと劇中で行なわれた戦いを追体験できるソロプレイモードと並ぶ本作のメインコンテンツとして用意されているバーサスモードも、数試合ではあるものの今回体験することができた。

 

▲ゲーム以外のコンテンツでは見ることができない共闘&対決が見られるのが魅力な本作のバーサスモード

 

バーサスモードは主人公の炭治郎をはじめとした鬼滅隊の面々やその関係者、そしてスピンオフ作品『中高一貫!!キメツ学園物語』のキャラクターの中から好きなふたりを選び、タッグバトルでCPUや他のプレイヤーと対戦する。攻撃や移動方法など、操作方法はソロプレイモードとまったく同じではあるものの、プレイ感覚はかなり異なった。

 

まず自分はもちろん相手が使うキャラクターもバーサスモード用の性能になっているため、敵の攻撃をくらった際のダメージが段違い。よってステップや構えといった成功時のリターンが大きい防御テクニックだけでなく、ガード(R1)を使った手堅い動きが必要。

また、相手が通常攻撃を出しきった直後や、派手な技(炭治郎であれば弐ノ型 水車など)の終わり際にはそれなりの隙が生じるようなので、防御行動を取った後に反撃に移る、対戦格闘ゲームのような立ち回りが重要になりそうにも感じた。

 

▲使い勝手がよく威力の高い攻撃手段が豊富にそろっているだけに、対人戦では防御手段が重要。ソロプレイモードの序盤であればほぼ使う必要がないガードが、バーサスモードでは命綱になる

 

自分が攻めに回った際に活用できるシステムとしては、バーサスモード特有の共闘技(L1ボタン)の存在が大きく印象に残った。共闘技は発動すると画面外から待機中の味方キャラクターが登場し、相手キャラクターに向かって攻撃してくれる。

そのうえで共闘技をヒットもしくはガードさせている間も自分が操作しているキャラクターは自由に動かせるため、ソロプレイモードでは考えられない攻めが展開可能。

 

たとえば今回筆者が確認できた範囲だと煉獄杏寿郎&嘴平伊之助のコンビで、煉獄さんの通常攻撃×4→火の呼吸の技→技のモーション中に伊之助を呼び出し共闘技を当てる→通常攻撃×4→火の呼吸の技→共闘技という、20ヒット以上のコンボをなんの練習もせずに成功させられた。

 

手軽にヒット数の追いコンボが開発できるほか、シンプルに奥義を当てることでも大ダメージを相手に与えられるため、対戦中に気持ちよくなれるポイントが多いのも本作のバーサスモードの魅力といえるだろう。

 

 

▲通常攻撃、技、共闘技を組み合わせることでどんどん攻撃がつながっていく本作。製品版が発売された暁には、有志による高威力かつド派手なコンボの開発が期待される

 

原作(アニメ版『鬼滅の刃』)を最大限に尊重してゲーム化されたソロプレイモードと、ゲームでしか実現できないドリームマッチが楽しめるバーサスモードを搭載し、それぞれが1本のゲームとして遊びこめるボリュームをそなえていそうな『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚』。

『鬼滅』ファンのみならず、遊びこめるアクションゲーム、対戦(格闘)ゲームを探している人にも、ぜひ一度触ってみてほしいタイトルだ。

 

公式サイト:https://game.kimetsu.com/hinokami/

公式Twitter:@kimetsuHINOKAMI

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable  ©「鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚」製作委員会

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