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- CBT『GUNDAM EVOLUTION』体験レポート! 『ガンダム』シリーズ作品から厳選されたモビルスーツを操縦する、6vs6のチーム戦FPS!
- 去る8月8日と9日の2日間に渡ってPC版『GUNDAM EVOLUTION』のクローズドベータテスト(以下CBT)が実施された。本記事では、CBTで体験した内容をレポートしていくとしよう。なお、以下の内容はあくまでベータテストでの内容であり、製品版では変更される可能性があることをあらかじめご了承いただきたい。 ▲オープニングデモのワンシーン。ガンダムの振り向き射撃は、エルメスのビットを撃ち落としたあの時のポーズに似ている このゲームは『機動戦士ガンダム』シリーズに登場するモビルスーツを操って戦う、6対6のチーム戦FPSだ。 今回のベータテストで使用可能なモビルスーツは、さまざまな『ガンダム』に登場する機体の中から、かなりマニアックなセレクトで選ばれた12種類。 『機動戦士ガンダム』からはガンダムとガンタンク、ジムとザクIIという4種。 『機動戦士Zガンダム』からはメタスとアッシマー(どちらも可変MA)。 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』からはサザビー。 『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』からはジムスナイパーII。 『∀ガンダム』からは∀ガンダム。 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』からはドムトルーパー。 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』からはガンダム・バルバトス。 そして『機動戦士ガンダム サイドストーリーズ』からはペイルライダー。 各シリーズの主役級モビルスーツではなく、いぶし銀的なセレクトになっているところから、このゲームは一味違うと感じさせてくれた。 チーム内で使用するMSの重複は許されない ただし、これら12機のモビルスーツは、誰もが自由に選べるというわけではない。なんと、自分を含めて6人いるチームの中で、使うモビルスーツの重複は許されないという縛りがある。 その代わり、味方も敵も連邦やジオンといった所属「軍」という考え方はなく、どちらか6人が「アースノイド」。敵対する6人が「スペースノイド」というチーム分けになる。 ▲モビルスーツ選択画面。∀ガンダムとドムトルーパー、メタスとジムスナイパーIIのアイコンはグレーアウトし、中央に黄色い「レ」点が描かれている。これは、仲間の誰かがすでに選択済みという証拠 これら12機のモビルスーツは、それぞれ装備している武器が異なるばかりか、HP量や連続ステップ可能回数など、かなり性能差が付けられている。コストのような概念がないこのゲームにおいては、ガンタンクも∀ガンダムも等価値という考え方だ。 ▲ペイルライダーの性能。難易度は2で、得意レンジ(距離)は中距離。HP量は1000で、ステップ性能(連続ステップ可能数)が2というのは平均的な性能。メイン兵器はブルパップ・マシンガンで、中距離から堅実にダメージを与えるのが役割 そうなると「だったら、自分は強い(と思う)ガンダムを選びたい」などと考えるのが当然だろうが、なぜ重複選択を許さなかったかといえば、それはこのゲームが6対6のチーム戦だからだ。 勝敗を決めるルールは3種類。ルールごとに戦略は変化する 正式リリース時には任意に選べるようになっているかもしれないが、CBT時点では「カジュアルマッチ」という自動マッチングしか選べなかったため、マップごとに変化する3種類のルールもランダムで選出されていた。ルールの種類は「ポイントキャプチャー」「ドミネーション」「デストラクション」の3つ。 ポイントキャプチャー 試合開始時、スペースノイドとアースノイドのどちらかが攻撃側で、もう片方が防衛側となる。1試合を終えた後は攻守が交代し、2ラウンドの合計点数で勝敗が決まる。 攻撃側はマップ上に示されている拠点へ接近し、エリア内に滞在している時間に応じて制圧ゲージが増えていく。ゲージが最大になると制圧が完了するが、防衛側は拠点内にいる敵機を破壊するのがベストな対応だが、防衛側がエリア内にいる間は「争奪中」扱いとなり、制圧ゲージが増えないというルール。 ▲敵軍の目標エリア内に留まり、制圧をしているところ。中央上部にある水色のゲージがいっぱいになるまで留まることができれば制圧が完了する ドミネーション ルールとしては「ポイントキャプチャー」に近い拠点の制圧が目的だが、こちらは攻守に関係なく、両チームが同じ拠点を奪い合うルール。一定時間が経過すると第二、第三の拠点が制圧可能になり、制限時間内に多くの拠点を制圧したチームの勝ち。 拠点を制圧されないのは当然のことだが、第二、第三の拠点が制圧可能になると相手が防衛する拠点も増えるため、戦力が分散し、攻めやすくなる。しかし、これはまた自軍も戦力が分散しやすいというリスクの裏返しでもある。 デストラクション デストラクションは「ポイントキャプチャー」と同じく、攻撃側と防衛側に分かれて2ラウンドの戦いを行う。攻撃側は2つある目標地点に接近し、破壊兵器を設置。設置された破壊兵器は設置と同様に目標地点の近くへ行き、破壊兵器の起動を阻止できるというもの。 攻撃側は目標地点に破壊兵器を設置したあと、防衛側のモビルスーツが破壊兵器へ近寄らないようにするのがポイントとなる。 ▲攻撃側で、破壊兵器を敵軍の目標へ設置したところ。敵モビルスーツに解除されないように護衛するか、それとも隠れていて、破壊兵器を解除しに来た敵を背後から撃つかは、敵の行動次第 ▲防衛側で、敵に設置された破壊兵器を解除しているところ。目標に密着して、画面中央にある「A」アイコンの周りにある水色ゲージが一周するまで待たないといけないので、解除作業中を狙われたら非常に危険だ 基本はFPSだが、勝敗を左右するのは戦略と戦術の両方 このゲームは、エースパイロットが10機連続で敵モビルスーツを撃破したとしても、拠点を制圧できなかったり、目標を破壊されてしまったりすると敗北となる。勝者はあくまで、ルール上の勝利条件を満たしたチームとなるからだ。 仮に自機が中破しても、周りにいる仲間が修理してくれれば再び動けるようになるし、大破した場合でも、数秒の待機時間を経てすぐに自軍の拠点へリスポーンするし、その際にモビルスーツを変更してもいい。このゲームにおいて撃破されたことはあくまで「一時的に前線から退く」だけで、大きなペナルティではない。 自機が撃破されたとしても相打ちで敵にダメージを与えたり、仲間が到着するまでのあいだ、少しでも制圧が遅くなるように時間稼ぎをしたりという作戦もあり得る。撃破数や敵への与ダメージ量が勝敗とは直接的には関係しないルールを採用したことで、エイムの腕前よりも、戦略や戦術といった作戦の比重が高いゲームになっている。 ▲仲間が敵をひきつけているところに、少し離れたところから射撃。これも立派な作戦だ 作戦を遂行するために活かす、極端な12種類のモビルスーツ 今回のベータテストで登場した12機のモビルスーツは、どれも極端な性能を持っている。「どのモビルスーツが強いか」を議論するのではなく、どのモビルスーツをどんな用途で運用し、どのモビルスーツがどんなサポートを行うかの作戦こそが、勝敗の鍵を握る。ここではモビルスーツ選択画面の左から順に、それぞれの注目ポイントを説明しよう。 ▲ガンタンクも、性能を上手く活かすことで強力なモビルスーツとして運用できる ペイルライダー 「ハンド・グレネード」「EMPグレネード」という、まとまっている複数の敵を同時に攻撃できる武器を持っている。また、味方のHPを回復させる「リペアポッド」を設置できるので、味方が複数固まっている場所のサポートに向いている。 ガンダム 基本兵器はお馴染みのビーム・ライフル。しかし、それ以外の武器は、ファンならニヤリとさせられてしまうもの揃い。 TV版の第1話で、アムロの言葉でのみ登場した「スーパー・ナパーム」は、投げた後一定時間で爆発する爆弾。「ハイパー・ハンマー」は、劇中ではゴッグに受け止められてしまったガンダムハンマーの強化版。ゲーム内では敵に当てればガード不可のスタン効果で、床や壁に当たっても周囲に攻撃判定が発生するという、強力な近接武器。 不安な防御面は、ガンダム・シールドを構えて接近できるので、強引な攻め込みが期待できる。 ▲原点にして頂点とも言うべき、初代ガンダム。兵装は「わかってる感」満載のマニア装備が中心 ザクII 基本兵器はザク・マシンガンだが、注目すべきはスモーク・ディスチャージャー。『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』第6話で使われた煙幕をモチーフにしたと思われるが、煙幕の展開中は何と無敵。ブーストゲージも回復するという高性能ぶり。敵を撃墜しなくても、撃墜「されにくい」性能は、制圧任務に向いている。 ガンダム・バルバトス 全12機いるモビルスーツの中で、唯一射撃兵器を装備していない、バリバリの近接タイプ。メイン兵器のメイス(薙ぎ払い)で敵を殴るとノックバックさせられるほか、メイス(叩きつけ)は敵の近くに振り下ろすだけでダメージを与え、スタンさせる効果がある。 特筆すべきはブーストジャンプ。前方に大きくジャンプしつつ敵を攻撃する技だが、技のクールダウン中に敵を撃破すると、クールダウンが一気に終了。敵弾を喰らわずに接近さえできれば、前線をかき乱す暴れん坊となる。 ▲本作の中ではもっとも新しい作品から1機だけ登場することになった、ガンダム・バルバトス。射撃兵装なしの近接のみという漢らしさ サザビー ビーム・ショット・ライフルはショートレンジの近距離用。ただし、リーチの短さを補うのが索敵性能。前方にいる敵を探し出してくれるため、見つけた敵の位置をボイスチャットなどで仲間に伝えられれば有利になる。また、ファンネルは一定時間、自動で敵を攻撃してくるため、これも索敵の一種として使える。 ▲自動車撃してくれるファンネルに加え、敵を探し出す索敵性能まで備えたサザビー。ただし、飛び道具の射程は短い メタス 『機動戦士Zガンダム』劇中で百式のハイパー・メガ・ランチャーへエネルギーを供給したように、本作内では仲間のモビルスーツとエネルギーケーブルを接続。接続した仲間の攻撃力や防御力を一定時間UPさせるというバフをかけられる。それに加えて、少しでもHPが減ったモビルスーツがいたら、そのHPを回復させる「リペアケーブル」という技も備えているなど、チームのサポート役として1機はいてほしい存在。 当然のことながら攻撃性能は低く、HPも低いが、メタスはモビルアーマー形態へ変形する機能を備えている。このためリスポーンしてから前線へ復帰するまでのスピードが早いほか、離れた拠点へ駆けつけるのも得意。チーム内に上手いメタスがいるかどうかが、勝敗の鍵を握るような印象。 余談だが、モビルアーマー形態で飛行中のみ、TPS視点になる。 ジム・スナイパーII 遠距離射撃が得意な機体。スコープを覗いて、遠く離れた敵モビルスーツも狙い撃てる。自分のほか味方も利用できるジャンプ・ブースターというジャンプ台を設置し、空中からセンサー・バイザーを起動。この技を発動中は空中でのホバリング中が延長されるほか、空中でスコープを覗き込み、離れた敵を狙えるようになる。こちらは空中にいるため、敵から狙われづらいのが有利に働く。 中破した仲間を、少し離れた場所から修理してあげられるリカバリーガンも、地味に嬉しい技だ。 ▲全12MS中、唯一スコープで遠距離を狙えるモビルスーツ。狙っている間に自分が狙われないよう、空中から狙い撃つのが強い アッシマー メタスと同じ可変モビルアーマーなので、メタスと同様の運用もできる。しかしメタスとの違いは、メタスが仲間のモビルスーツをサポートする技を備えているのに対して、アッシマーは敵を倒すための攻撃性能が秀でている。 大型ビーム・ライフルによる射撃はもちろんのこと、特筆すべきはパンチ。シンプルな名前だが、TV版『機動戦士Zガンダム』第14話「アムロ再び」で、百式に左ストレートを食らわせたアッシマーの活躍に注目した技だと思われる。パンチの技モーション中、正面からの射撃はすべて無効化するばかりか、触れた敵すべてにダメージとノックバック。クリーンヒットした相手はスタン効果も加わる。 メタスの後方支援では満足できない、ブラン・ブルタークばかりの暴れん坊プレイヤーにお勧め。 ドムトルーパー HPもやや高く、初心者向けの機体。スクリーニングニンバスで正面からの射撃を無効化しつつ突進し、敵にガード不可のダメージを与える強引な突進攻撃を備える。これで敵陣に踏み込み、感知式吸着地雷を設置するのもドムトルーパーの役割。 スクリーニングニンバス発動時には、近くにいる味方の防御力と移動能力が一定時間向上。さらに、アーマーガンを使うと仲間にアーマーを付与できるなど、サポート機としての役割も持っている。 ▲知名度が高い「黒い三連星」のドムではなく、「マチルダさんが眼帯をつけたような」ヒルダ・ハーケン(もとザフトの赤服)搭乗機のほう ∀ガンダム ∀ガンダムの特徴は、敵に向かって突進していき、敵に接触すると巴投げをするという「投げ技」を持っていること。投げた相手は大ダメージに加えてスタン効果を与えるため非常に強い技ではあるが、ガンダム・バルバトス以外すべてのモビルスーツが射撃武器を持っているこのゲームで、投げを狙えるチャンスは少ない。だが、それだけに使いたくなる技の筆頭だ。 もうひとつの特徴は、ナノスキンという自己再生能力。作中では、∀ガンダムの装甲はナノマシンの集合体であり、自己再生能力を持つという設定が反映されたもの。 ガンタンク 主兵装は両腕に装着しているボップ・ミサイルと、両肩に装備しているキャノン砲。ボップ・ミサイルは攻撃力は低いものの、なんと自動照準で複数の敵に向けて弾をばら撒く。微力ながら敵には着実にダメージを与えられるので最後の止めにも使えるし、食らった側はどこから撃たれたのかがわからず、とりあえず物陰に隠れるという行動を取るだろう。そこを仲間が狙いに行くなど、連携攻撃をしやすい。 キャノン砲は遠くまで届く範囲攻撃なので、チラリとでも敵が見えたら雑に射撃しておくといい。いつの間にか撃墜数が増えているはずだ。 マニアに嬉しい技は「コア・ファイター射出」。TV版21話「激闘は憎しみ深く」で、ガンタンクのパイロットであるリュウ・ホセイがガンタンクからコア・ファイターを分離させ、ガンダムを狙っていたマゼラトップへ体当たりしたエピソードが元ネタと思われる。 ジム HPが低い上に連続ステップができず、ビーム・スプレーガンの射程も短いジムは、モビルスーツ同士の戦闘では不利になる。しかし、設置後に敵を自動追尾する地雷のホーミングマインや、起爆タイミングを調整できる起爆型爆弾といった設置型武器に秀でている。また、中破している仲間を中間距離から修理できるリペアグレネードなど、仲間をサポートする機能も備えている。 FPSのファンはもちろん、ガンダムファンがFPSデビューするのにも適した作品 本作の操作は一般的なPC用FPSと共通しており、マウスで視点変更とエイムを行い、キーボードのWASDで移動、ジャンプはスペースキーで行うため、PCのFPSゲーマーはすんなり遊べるはず。 一方でFPSは未経験のプレイヤーからすると敷居が高いジャンルのゲームだ。だが『ガンダム』好きなら、自分の推しのモビルスーツを使って活躍したいと思うはず。 一人ひとりの実力ではなく、モビルスーツごとの性能を活かしたトータルな試合運びができれば、大番狂わせもあり得る。それがこの『GUNDAM EVOLUTION』の特徴だ。 ▲立体的なマップを利用し、敵の死角から射撃。反撃されたら前後ではなく、左右に避ける。これがFPS初歩の初歩だ ©︎創通・サンライズ ©創通・サンライズ・MBS
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- 高い没入感とゲーミング性能を兼ね備えた湾曲モニター「Optix G27CQ4」レビュー
- FPSやMOBAといったeスポーツタイトルをプレイする際に揃えておきたいのがゲーミングデバイス。ゲーミングPCに始まり、マウス、マウスパッド、ヘッドセット、キーボード、モニター……など、いずれも性能面でプレイヤーのゲームプレイをサポートしてくれる頼もしい存在だ。 今回ご紹介するゲーミングモニター「Optix G27CQ4」は、ゲーム向け性能と湾曲モニターの特性を両立させた製品だ。高リフレッシュレート(詳しくは後ほど)と素早い応答速度に加え、画面のチラつきを抑える機能も搭載されている。実機画像やゲームタイトルのスクリーンショットを交えつつ、気になる特徴などを紹介していこう。 視認性と没入感を高めるゲーミング向け湾曲モニター 今回レビューするゲーミングモニターは、MSI製のOptix G27CQ4。HDMI端子とDisplayPortを備え、2,560×1,440の映像出力に対応している。またPCだけでなく、PlayStation 5の映像出力もカバー。PS5とHDMIで接続することで、1080p / 120Hzの美麗な映像を堪能できる。 液晶サイズは27インチ、本体全体サイズは611.5 mm(幅)× 225.4mm(奥行き) × 457.9mm(高さ)、重量は5.4kg。スタンド部分の高さを-5°~20°まで調節できるので、ユーザーのプレイスタイルに応じて変えられるのも嬉しいポイントだ。 ▲Optix G27CQ4の前面イメージ。比較対象としてペットボトル(560ml)を置いている。 まずは実際の設置イメージをご覧いただこう。液晶サイズは大きすぎず小さすぎず、PCデスクの中央に設置すれば、周辺機器類を置くスペースを十分に確保できる。湾曲モニターと言っても平面モニターとサイズ感は変わらないので、すでに同型サイズの平面モニターを使っているなら置き場所に困ることも無いだろう。参考までに、筆者所有のPCデスクは天板サイズ:1200mm(幅)×600mm(奥行き)。本製品を含む2台のモニターを横並びで設置したが、ゆとりを持ってマウスおよびPCマイクを置くことができた。 ▲Optix G27CQ4と筆者所有のゲーミングモニター(23.8インチ)を比較。撮影の都合上、角度をつけて設置している Optix G27CQ4の最大のメリット。それは、湾曲モニター特有の「没入感」、ならびに「高い視認性」だろう。モニター両端が内側に向かって湾曲していることにより、プレイヤーとの距離が平面モニターと比べて必然的に近くなる。モニターとプレイヤーの距離が近づいて包み込まれたような感覚になり、「画面中央のキャラクターと画面下部のUIを交互に見る」といったプレイヤー自身の視線移動のロスが減るため、視認性の向上&目の負担軽減にも一役買ってくれる……というワケだ。 こうした湾曲モニターが持つ特性と同時に、リフレッシュレート(1秒間に画面を書き換える回数)も165Hzをマーク。1msの応答速度と合わさることで、素早い動作が求められるeスポーツタイトルをスムーズに遊ぶことができる。 ▲Optix G27CQ4の背面イメージ。本体下部にNAVIキー、本体上部にはドラゴンエンブレムが刻まれている ゲームプレイをサポートする各種アシスト機能 上記の特徴に加え、Optix G27CQ4は画面のチラつきとカクつきを低減させるアンチフリッカー機能、長時間ゲームに打ち込むプレイヤーの目を保護するブルーライトカット機能を標準搭載。アンチフリッカー機能は電源を入れると自動的に適用され、ブルーライトカット機能については簡単な設定をするだけでOKだ。 ▲Optix G27CQ4の製品スペック一例(引用:https://jp.msi.com/Monitor/Optix-G27CQ4/Specification) さらに「ナイトビジョンモード」をONにすれば、画面が暗くて視界が悪くなるシチュエーション(ゲーム中の夜間戦闘など)でも、視認性を保ったままプレイを続行可能。こちらのナイトビジョンを含む各種設定は、モニター背面のNAVIキーから直感的に行える。NAVIキーの使用感はMSI製の別モニター(平面・ウルトラワイド等)とほぼ変わらないため、「湾曲モニターだから背面へ腕を回しにくいのでは?」と心配する必要も無いだろう。 視線を向ける対象が多いタイトルで大活躍 ここからは実際のプレイ画面を交えつつ、Optix G27CQ4の使用感をお伝えしたい。今回レビューに選んだゲームタイトルは、5人1組のチームに分かれて爆弾の設置および解除を目指す『VALORANT』。キャラクター、照準、ミニマップ、武器の残弾数……と視線を向けるべき要素が多いFPSだが、湾曲モニターを使ったこともあり、普段使いのPCモニター(平面)と比べて随分とプレイしやすかった。 特に顕著だったのは「視認性の向上」。中央の照準をジッと見たまま、画面端のミニマップとキルログ(プレイヤーの交戦記録)を視界に入れやすくなった。ほんの些細な違いかもしれないが、コンマ数秒の判断がモノを言うFPSにおいて、視線移動は戦局を左右しかねない重要なファクター。そのロスを抑えることができれば、プレイヤーのパフォーマンスも比例して良くなることだろう。 ▲『VALORANT』のゲーム画面。FPSは視線を向ける対象が多く、湾曲モニターのメリットが最大限に発揮される 湾曲モニターがもたらすメリットはFPSだけでなく、ほかのジャンルでも健在だ。今回は5人1組のチームで臨むeスポーツタイトル『League of Legends』を触ってみたが、モニターと目線の距離が近づいたことで得られる恩恵は『VALORANT』と同様。これら競技性の強いゲームタイトルだけでなく、美麗なグラフィック表現に力を入れたゲームタイトルでも、本機が得意とする没入感の高さは十二分に感じ取れるのではないだろうか。 ▲『League of Legends』のゲーム画面。画面端に映し出されるミニマップを視界に捉えやすくなった 視線移動のロス軽減と没入感をサポートする湾曲モニターは、平面モニターには無い使用感とメリットを秘めている。その独特なフォルムに最初は戸惑う方がいるかもしれないが、そうした未体験の方にこそ、湾曲モニターが持つ唯一無二の恩恵を感じてもらいたい。興味が湧いた方は、ぜひOptix G27CQ4を相棒としてチョイスしてみてはいかがだろうか。 ※今回レビューに使用した製品は、MSI様からご提供いただいています。 ■Optix G27CQ4スペック ■Optix G32CQ4スペック
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- デザイン性と高スペックを兼ね備えたゲーミングPC「Trident X 10SD-1008JP」とモニター「Optix MAG251RX」レビュー
- 突然の質問で恐縮だが、読者の皆さんは「ゲーミングPC」に対してどんなイメージをお持ちだろうか? 「本体がピカピカ光る」、「高性能だけどサイズがデカくてかさばる」、「ビジネスには向かなさそう」……などなど、あまりゲーミングPCに馴染みのない方からは、このようなイメージを持たれているかもしれない。 しかしちょっと待ってほしい!確かにゲーミングPCは本体周りがピカピカと光るものが多いとはいえ、コンパクトかつゲームプレイ以外にもバリバリ使える便利な製品も多く登場しているのだ。 性能の良いゲーミングPCを一度揃えておけば、よほどのことが無い限りあらゆるPCゲームが遊べるようになると言ってもいいだろう。 そしてゲーミングPCと同じように重要な「ゲーミングモニター」は、動きの速いゲーム映像をダイナミックかつ滑らかに映し出す、まさしくPCゲームを遊ぶために作られたモニター。 つまり、高品質なゲーミングPCとゲーミングモニターを揃えれば、FPSやMOBAといったジャンルのeスポーツタイトルを快適に遊べるというワケだ。 今回ご紹介する「Trident X 10SD-1008JP」と「Optix MAG251RX」は、快適なゲーム環境を構築するのにもってこいなゲーミング製品のひとつ。 本機画像やeスポーツタイトルのスクリーンショットを交えつつ、その特徴などを紹介していこう。 置き場所に困らないスマートなデスクトップPC(Trident X 10SD-1008JP) 今回レビューするゲーミングPCは、MSI製のTrident X 10SD-1008JP。 モニターと接続するタイプのデスクトップPCだが、筆者がひと目見て浮かんだ感想は「スマート」。ゲーミングPCと言えば黒くてゴツい姿を想像しがちだが、Trident X 10SD-1008JPは厚みも抑えられており、デスクの上に置いても必要以上にスペースを取り過ぎることがない。 個人的に嬉しかったポイントは、ACアダプターが本体に内蔵されている、という点だ。 コンパクト設計なPCの場合、電源部分は外に出してACアダプターがかさばる状態になることが多いが、本機はPC内部に埋め込まれている。ケーブル周りがスッキリとまとまる印象だ。 ▲Trident X 10SD-1008JPの設置イメージ。デスクトップPCながらもスッキリとした印象で場所を取りすぎない もう少し詳しく本体サイズを見てみよう。本体サイズは396(幅) ×137(奥行き)×410(高さ)mmで、重量が6.7kg。 メインカラーはブラックとなっており、高級感もバッチリ。それでいてスマートなので、デスクの上や下に置いても設置スペースをそこまで占拠しない。 例えるなら、書類を入れるプラスチックのクリアケースに近いかもしれない。 意図的に施されたアシンメトリー(左右非対称)な本体デザインが目を引く、クールな佇まいだ。 ▲Trident X 10SD-1008JPの設置イメージ。側面には「Trident」のテキストロゴ、およびMSIのシンボル「ドラゴンエンブレム」があしらわれている もちろんゲーミングPCらしいライティング機能も搭載済み。電源を入れると本体側面パーツがキラキラと光るだけでなく、ユーザーが独自にLEDライトの発光パターンを決めることも可能。 プレイ中に気が散らない程度に激しく光らせるも良し! 逆に発光色を控えめにするも良し! 好きなようにライティングパターンをアレンジできる。 ▲Trident X 10SD-1008JPの側面。電源を入れると内部パーツが鮮やかに発光する 高負荷なゲームプレイにも耐えうる内部スペック Trident X 10SD-1008JPは単にスマートで置き場所に困らないだけが特徴ではない。PCゲームを遊ぶのに重要な内部スペックも、しっかり基準以上の性能を誇っている。 人間で言うところの頭脳であるCPUはCore™ i7-10700Kを搭載し、前世代のCPUよりも処理スピードが約34%アップ。 スムーズにPCゲームをプレイするにあたり、「処理が速い」ことは重要に違いない。誤解を恐れずに言うなら、Trident X 10SD-1008JPは「賢い」のだ。 この賢さをサポートするのがメモリとストレージ。 メモリはデフォルトで32GBと申し分なく、ストレージはHDDが2TB、SSDが1TBの合計3TB。これなら容量の大きいPCゲームをどれだけダウンロードしても容量不足で困る心配は無いだろう。……どれだけダウンロードしてもってのは言い過ぎかもしれないが、当面は気にする必要はないはずだ。 ▲Trident X 10SD-1008JPの製品スペック一例 (引用:https://jp.msi.com/Desktop/Trident-X-10SD-1008JP/Specification) 処理の速さと同じぐらい大事なのが、プレイ中のグラフィック描画を司るGPU。 こちらはNVIDIA製のGeForce RTX 2070 SUPER™ 8GB GDDR6を備えていて、グラフィックに力を入れたゲームタイトルでも問題なく最高パフォーマンスで遊べる。 『Apex Legends』や『Fortnite』といった3Dモデルをたくさん使うeスポーツタイトルでも、特に画質を落とすことなく美しいグラフィックスのまま楽しめるだろう。 eスポーツ大会レベルのゲーミングモニター(Optix MAG251RX) 続いてご紹介するのは、ゲーミングモニター「Optix MAG251RX」。 こちらは読んで字のごとく、”ゲームプレイに特化したモニター”である。本体サイズは560.10mm(幅)× 182.4mm(奥行き)×507mm(高さ)で重量は5.4kg。 サイズ感は大きすぎず小さすぎず、デスクトップPCと並べて机の上に置いても「大きくて困る!」ということは無い。ちなみにTrident X 10SD-1008JPと同様、Optix MAG251RXでもライティング機能と発光パターンのカスタマイズが楽しめる。 ▲Optix MAG251RXの正面イメージ。本体スタンドで液晶パネルの高さも自由に調節できる 24.5インチの画面サイズでIPSパネルを搭載していて画質とゲーミングパフォーマンスを両立しながら、快適なゲームプレイをサポートしてくれる。 そのスペックは世界規模のeスポーツ大会で使用されるものと同等で、このモニターを使うだけでプロゲーマーと同じ環境でゲームをプレイできると考えれば、気分もより盛り上がるのではなかろうか。 ▲Optix MAG251RXの背面イメージ。複数のパネルを張り合わせたような背部には、MSIのロゴステッカーが貼りつけられている そしてゲーミングモニターの価値を大いに左右すると言っても過言ではない、リフレッシュレート(1秒間に画面を書き換える回数)について触れておこう。 簡単に説明すると、「リフレッシュレートの数値が高いほどプレイ中の画面が滑らかに動く」というもので、スピーディーな操作が求められるFPSなどは特に重視すべきポイントである。 Optix MAG251RXのリフレッシュレートは240Hzなので、その点は心配無用。1秒間に画面を240回も書き換えられるので、プレイ中のわずかなアクションや演出もクリアに映し出してくれる。 ゲーミングPC+ゲーミングモニターの組み合わせが最高すぎる 今回ご紹介したTrident X 10SD-1008JP(ゲーミングPC)とOptix MAG251RX(ゲーミングモニター)を組み合わせて使ったところ、いつも以上のベストパフォーマンスに自分でも驚いた。 『Apex Legends』を数時間ほどプレイしてみたが、快適にフィールドを走り回れただけでなく、エイムのしやすさや視認性の良さも相まって短時間の間に何度かチャンピオンも達成できた。 モタつきを感じさせない起動スピード、細部までグラフィックをハッキリと映し出す描画力、プレイヤーの入力を即座に画面へ反映させる応答速度……などなど、レビュー時に試遊しただけでもゲーミングPCとゲーミングモニターのマシンパワーを十分に味わえたのだ。 ▲『Apex Legends』のゲーム画面。Trident X 10SD-1008JPは設定を変更せずとも最高パフォーマンスでプレイ可能 もちろん、ゲーミング製品をガッツリ使ったからと言ってプレイヤー本人の実力がブーストされるわけでは無いのだが、処理能力とグラフィック描画力に長けた高性能マシンは、それだけで確実にプレイヤー自身へ恩恵をもたらしてくれる。 また、こうしたゲーミングPCとゲーミングモニターは単体で使っても十分だが、セットで使えばより真価を発揮すること間違いなし。PCゲームを遊ぶ上で「神器」と言っても過言ではないだろう。 本格的にPCゲームをガッツリ遊ぶなら、一台は持っておいて損のないゲーミングPC。その基本スペックの高さゆえ、ビジネス業務や動画鑑賞、動画編集、さらにはゲームプレイの実況配信といったさまざまな用途に利用できる。 「PCでeスポーツタイトルを遊んでみたい」、「ゲームだけじゃなくて色んな作業に使いたい」という方は、今回ご紹介した「Trident X 10SD-1008JP」でゲーミングPCの世界を覗いてみてはいかがだろうか。